トランプ大統領はNBC NEWSのインタビュー中に「6日に予定されているカーニー首相との会談でカナダ併合を必ず協議する。カナダ併合に軍事力を行使するとは予想していないが、グリーンランドに関しては何かが起こるかもしれない」と述べ、再び軍事侵攻の可能性を示唆した。
参考:Fact-checking Donald Trump’s claims about Canada in his global tariff speech
参考:Trump reiterates 51st state threat as Carney prepares for critical White House meeting
どれだけそれっぽい理由で取り繕ってもアプローチはロシアと同じだ
トランプ大統領はNBC NEWSのインタビュー中に「選挙勝利後のカーニー氏と会談したもののカナダ併合については話し合わなかった」「次回の会談では併合について必ず話す」「我々はカナダに年間2,000億ドルもの補助金を出している」「我々はカナダが持っているものを何も必要としない」「もしカナダが合衆国の州であれば我々は余計な費用を支払う必要がない」「カナダが米国の一部になって人工的に引かれた国境線が無くなれば北米は美しくなる」と述べ、カナダ国民が選挙を通じて明確に「NO」を突きつけたにも関わらず「カナダ合併を諦めていない」と強調した。
カナダ国営放送のCBCはトランプ大統領の発言に「再び虚偽の補助金を主張してカナダ合併を正当化しようとした」「トランプ大統領が昨年12月から繰り返し主張してきた2,000億ドルの補助金は多くの点で事実ではない」「この補助金とは米国とカナダの貿易赤字のことで、米通商代表部によればカナダに対する米国の貿易赤字額は633億ドル(2024年)しかなく2,000億ドルは大げさにも程がある」「もう一つ考慮すべき点はエネルギー価格で米国とカナダの貿易赤字額は原油価格に大きな影響を受ける」「エネルギー以外の分野で貿易赤字を抱えているのはカナダの方だ」と指摘。
さらに「トランプ大統領はカナダが乳製品の多くに250%~300%の関税を課している。最初の牛乳パックは安いが量が増えれば酷くなり、これは非常に不公平だと主張したが、この主張も完全に事実とは異なる」「米国産乳製品に対する高関税は割り当てられた輸入量を越えた場合のみ適用され、割当量以下ならCUSMAに基づき無関税で、これまで米国は一度も割当量を越えたことがない」「そもそも貿易赤字は補助金ではない」とトランプ大統領の主張を一蹴。

出典:Mark Carney
カーニー氏は選挙勝利後の演説で「着実に進められてきた統合を土台とする米国との古い関係は終わった」「米国を中心とする開かれた貿易システム、第二次大戦以降にカナダが頼ってきたシステム、完璧ではないもののカナダの繁栄を支えてきたシステムは終わった」「これは悲劇だが我々の新たな現実だ」「米国の裏切りの衝撃は乗り越えたが今回の教訓を決して忘れてはならない」「今後数ヶ月間は困難な時期となり犠牲が必要となる」と述べ、6日に予定されているトランプ大統領との首脳会談についても「願望と現実を区別することが重要だ」「カナダ国民は決して米国には加わらないという意思を明確にした」と述べている。
トランプ大統領は今回のインタビュー中に「カナダ併合を実現するのに軍事力の行使に至るとは予想していないが、グリーンランドに関しては正直に言うと何かが起こるかもしれない」「我々の国や安全保障にとってグリーンランドは本当に必要だ」「だから軍隊をグリーンランドに派遣したいのだ」「これは主権領土の拡張のためではない」と述べており、米国はカナダ併合に軍事力を行使する可能性は低いものの「軍事力行使の完全否定」までは至っていない。

出典:Jens-Frederik Nielsen トランプ大統領の要求を拒否するグリーンランドのニールセン首相
さらにグリーンランドに関しては「主権領土の拡張ではない」と主張する同時に「グリーンランドが米軍駐留を拒否するなら何かが起こるかもしれない」と述べて「力の行使=軍事侵略」を示唆しており、領土的野心を否定しても「米国の国益を確保するためなら軍事力を行使する」「グリーンランドの主権を犯す」と言っているのと同義で、どれだけそれっぽい理由で取り繕ってもアプローチはロシアと同じだ。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Spencer Slocum
グリーンランドは、フィリピンに学ぶべきなんだよな。
ノーを突きつけるんじゃなくて高額な基地使用料と妥協しない地位協定を提示して、米国の方からお断りされればいい。
それをしたらアメリカは軍事侵攻するのでは?
アメリカの軍事侵攻って現実的に可能ですかね?
流石にこれでは一部のトランピストくらいにしか支持されないと思いますが。
やらせてみれば良いのかもしれません。
ほぼ無抵抗で占領できるでしょうが、米国自らUSDが基軸通貨であることを放棄することになるでしょう。
USD建資産を保有する外国人の多くは、自国通貨か他のハードカレンシーへの換金を急ぐことになるでしょう。
最近話題になっている「通貨(USD)」「米株式」「米国債」のトリプル安が比較にならない規模で襲ってきます。これは強烈なインフレをもたらし、社会不安を増大させます。恐らく任期を待たずに政権が崩壊するでしょう。
グリーンランドは北米の安全保障上是非とも押さえておきたい土地なので、公表してしまった以上、協調主義に立脚する政権への交代がない限り簡単には諦めないでしょうね。
相互安全保障の立場から、NATO諸国がグリーンランドに北米防衛を目的とした部隊派遣をするとかが米領土化の次善案になるかもですが、同地の埋蔵資源獲得も動機っぽいですし妥協は難しいかもです。
グリーンランドが米国領になればカナダは北米で孤立に近い土地になるわけで、併合に同意するのが合理的な流れ的な思惑なのかもしれません。
いずれも米国第一が根底にある強引な発想なので私は全く支持できませんが。
アメリカの平常運転と言うならそう
平和を愛するトランプとは何だったのか
そもそも米国つて歴史的に侵略国家じゃないの。
戦後も適当な因縁付けて他国に侵攻しまくり。
仲間だつた国にも牙を向け始めただけで本質的には今迄と同じ。
その悪を覆い隠す(西側にとっては正義の)イデオロギーを身にまとってたからね
それにハワイを米領として以降、領土目的で他国に攻め入ったことはないから本質的にこれまでとは異なるかと
めちゃくちゃな理屈でイラクを侵略したブッシュですら、一応は湾岸戦争の講和で決まった国連決議違反(大量破壊兵器関係の査察妨害)というお題目を用意したのに、トランプはそれすらしないのか。プーチンと何が違うのか。
>人工的に引かれた国境線
プーチンがウクライナに言ってたことと同じやん
トランプに訊きたい。人工的では無い国境線って存在するんでしょうか?…ああ成る程、神が与え引いた国境線ですね。つまりイスラエル。何と言ってもアメリカ合衆国の兄弟国にして最重要同盟国、主権国家侵犯・住民ジェノサイド・国連無視etc.…。今更ですね。何の事は無い、満州国の為に坂道を転げ落ちた大日本帝国と程度は同じ。今まで奪い続けて来た人命と自然に謝れ!旧約聖書原理主義者共!
記事を読む限りカナダよりグリーンランドの方が危険に見えますね
軍事力を背景に恫喝したというのが問題で実際に行使する段階ではないと思いますが
「グリーンランドが米軍駐留を拒否するなら何かが起こるかもしれない」
そこら辺が主目的なんだろうが、嫌ならデンマークかEUがアプローチしなければならなそうだな。割かし近いスヴァールバル諸島はと思ったがシェンゲン協定対象外の非武装地帯なんだよな。
>>「これは主権領土の拡張のためではない」
この建前で侵略を続けていたんだから今までと対して変わらないな
西側の盟主なのかすでに大分怪しいアメリカだけど、本音を隠さずにもはや清々しくさえ感じるし民主主義、自由主義、人権主義、資本主義が西側お題目だけども色々ともう限界なんでしょうね。
盟主扱い・・・されてたかなあ?イラク戦争あたりからは特に。
まあ国同士の離合集散は歴史的に見ていつもの事ですし、その時期が来たといったところですかね。日本からしても困るっちゃ困るんですが。
さすがはオヤビン、特別軍事作戦の実行をちらつかせて欧米の亀裂の溝を深める事で、関税の次は自ら経済制裁を受けて国内を守ろうとしてるんですね。それにアメリカを戦時体制にする事で3期目を狙っていると。
さすがはイスラエルの盟友ですね。
(日本は身の振り方考え直した方がいいな)
トランプが言うグリーンランドは、温暖化後の覇権をアメリカが狙うなら確実に手に入れる必要が有り、それを放棄する事は国家安全保証上許され無い。
これはロシアが、ウクライナを手放す事が、不可能なのと同じのなで
アメリカが最悪のオプションを選択しても自分は支持する。
発言がブッ飛び過ぎで開いた口が塞がらないという感じですが、トランプはもうボケちゃってるんじゃないですかね。
一応ロシア帝国時代からロシア領だったウクライナと違って米国は歴史上カナダもグリーンランドも領有した事は一度もありません。
まあどこまで本気なのかは知りませんが、言ってる事はプーチンと同じかそれ以上ですね。
アメリカで人口最多のカリフォルニア州が3943万人(2024)。
対するカナダの人口は4010万人(2023)。
カリフォルニア州以上となると、大統領選の選挙人割当は54人以上、下院議員も52人以上が割り当てられるでしょう。
カナダの有権者の大多数が併合を望まない現状では、カナダを準州扱い等で選挙から除外しない限り、次の選挙で共和党は死にます。
カナダ国旗の代わりに米民主党の旗で出迎えれば諦めるんじゃないですか?
カナダ総選挙終了後に、米加首脳会談して手打ちして終わりと思いましたが、どうなるんでしょうかね?
デンマークに、何かしらが起こってくるのか注目でしょうか。
アメリカは、リビア・イラク・アフガニスタン・シリア・ベトナムなど、元々そんなものなわけですが露骨に隠さなくなりましたね。
さすがトランプ氏、プーチン氏とやっている事が変わらなくなってきましたね.
現在グリーンランドにピツフィク宇宙軍基地があるとはいえ、フィリピンのスノーピーク海軍基地とクラーク飛行場のセットのような大規模施設を建設したいのでしょうね。
冷戦時代の産物キャンプ・センチュリーを復活させて、他の破棄した基地にある違法放棄した危険物も責任をもって処理する位の一言位は発言の中にでも入れてほしいわ。
軍事費削減してるのに活動は増やすのかあ・・・
ホワイトハウス発表の2026会計年度(25年10月〜26年9月)の予算教書だと教育・社会保障削った分を国防費に入れるので今年度はむしろ増額のようです
米軍側としても削減にしろ増額にしろ恐らく閣僚やスポンサーから吹き込まれる度にコロコロ方針が変わるのは勘弁して欲しいでしょうね
フォールアウトで見た
”グリーンランドは軍事力を行使してでも確保”
WW2の時にもそうしていましたね。たしか・・・。
また、でしょうか。戦争が近いのかな・・・。
最大限好意的な見方をすれば、経済面での失策を、意図的な失言で隠そうとしているのかもしれない(白目)
民主主義国家への占領目的での軍事侵攻とか、つぎの選挙での敗北必至なんだから
もしやるなら憲法の停止と、全権委任法の成立もセットですね(失神)
流石にアメリカ憎しで両国がロシアや中国につくことは無いでしょうけど、アメリカ抜きで単独防衛は……どうするんでしょ?
次のアメリカ選挙までのらりくらりしかないですよね。
インドやトルコみたいに全方位外交で地域大国から大国へ…ってほどの気概も人口も足りなさそうですし、となると、やっぱり多国間同盟ってなるんでしょうけど、NATO見る限り……うーん?
よし、TPPをベースに太平洋同盟を…いや、すみません
100歩譲ってグリーンランドはまだしもカナダなんて仮に平和的に併合しても今後30年は民主党政権になるんじゃないか
さあグリーンランドがアイルランドとなるか、陸の孤島としてアイランドになるか注目ですね。
余談ですがウクライナ情勢も気になるところです。