米国関連

米国、総額30億ドルの追加支援をウクライナの独立記念日に発表予定

米当局者は23日、AP通信に対して「ウクライナが今後何年も戦うために必要な装備や訓練をカバーするため30億ドルの追加支援がまもなく発表される予定で、ウクライナの独立記念日を祝う24日に支援パッケージが発表される予定だ」と明かした。

参考:US to send $3 billion in aid to Ukraine as war hits 6 months

戦いが長期化しても「西側諸国は一歩も引かない」という意思表明に近い内容

英国のウォレス国防相は最近「長期化した戦いにうんざりした西側諸国の支援体制が8月までに崩壊することをプーチンは期待していたが、我々は今でもウクライナ支援で団結している」と述べ、米国も8月に計3回(23億ドル分=約3,140億円分)の支援パッケージを発表したが、バイデン政権は「どうせ民主主義は興味を失う=凄惨な戦争よりも経済を優先して妥協する」というプーチンの目論見を完全に否定するため決定的な支援をまもなく発表するらしい。

出典:Soldatnytt/CC BY 2.0 NASAMSランチャー

これまでの支援は短期的な戦いをカバーするため「米軍在庫から直ぐ取り出せる武器提供」が中心だったが、24日に発表予定の追加支援は「中長期の戦いに必要な武器や訓練をカバーするもので、30億ドルの資金は1年~2年ほどかかる装備調達の契約に充てられる」と米当局者はAP通信に説明しており、戦いが長期化しても「西側諸国は一歩も引かない」という意思表明に近い内容だ。

果たして年単位の時間がかかる装備とは何なのかに興味を惹かれるが、これが正式発表されればバイデン政権は8月だけで計53億ドル=7,240億円分の支援を約束することになるため、独立記念日を迎えるウクライナ人にとっては祝砲と言っていい。

出典:diehl 中央がIRIS-TSLMで左がIRIS-TSLS

因みはドイツのショルツ首相は23日、IRIS-Tの追加提供を含む5億ユーロ以上の装備提供を新たに発表しており、引き渡しは2023年予定だが「可能な限り前倒しする」と述べている。

関連記事:米国が19番目のウクライナ支援パッケージを発表、AGM-88HARMを追加提供
関連記事:米メディア、ウクライナ人がA-10の操縦方法を学ぶ施設を自力で構築した

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain

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コメント

    • A-10
    • 2022年 8月 24日

    A-10を手にいれてくれ…

    20
      • ななし
      • 2022年 8月 24日

      ウクライナに必要なのはマッコイ爺さんだった
      まぁ金出せばクレムリン宮殿も引っ張って来てくれるっていうし

      17
        • 無無
        • 2022年 8月 24日

        その中にプーチンが入ってないと無意味

        11
          • 匿名
          • 2022年 8月 24日

          「ネタにマジレス」で、さらに否定的コメントは寒いってことを覚えた方がいい

          5
            • エニグマ軍曹
            • 2022年 8月 24日

            お前が言うなよwww
            (違う匿名さんだったらごめんなさい)

            8
            • 無無
            • 2022年 8月 24日

            これをマジレスと思うならさらに寒いぞ

            18
            • 無無
            • 2022年 8月 25日

            前から感じてるんだが、匿名さんは昭和のネタとか知らないですね、いつから日本に?

            • 匿名
            • 2022年 8月 31日

            反論されたときの対応で
            「複数回の反応」ってのが、人柄を表しているよな

      • A-10
      • 2022年 8月 24日

      我々よりも管理人さんはA-10が好きなのだと思う…
      そうでなければこの記事にA-10の写真は使わないのではないかと…

      8
        • 成層圏
        • 2022年 8月 24日

        管理人さんがもっと好きなのはエアウルフみたいです。
        最近、ネタで出てこないなぁ?

        11
          • 長久命の長助
          • 2022年 8月 24日

          ブルーサンダー派の俺にとっては残念な情報だ

          6
          • 音速兄貴
          • 2022年 10月 08日

          エアウルフはアメリカの大豪邸にしかないからウクライナのオリガルヒが物件ごと買って送るしかないねw

    • お腹がポンポコリン
    • 2022年 8月 24日

    1~2年かけての供与ならば洗車や航空機もありか?
    それか兵器の生産力を拡充させる意味もあるのかな。
    それにしても米帝の資金力は凄いなぁ、

    4
      • むむ
      • 2022年 8月 24日

      いや後で徴収されるだろ・・・

      2
        • バーナーキング
        • 2022年 8月 24日

        とはいえ比較的早期に勝ったと仮定してもその後3年とか5年とかのスパンで返せるはずもないし、それ以上の期間ウクライナが今程度にまともな体制・国体を維持できる保証も全然ない訳で、貸し倒れのリスクは決して低くないと思いますよ。

        7
      • 名無し
      • 2022年 8月 24日

      むしろ、ただ有り金を渡すのでなく自国兵器の輸出であるので、経済対策と国際的影響力の強化を両立できる素敵な政策だと思うんですけどね

      2
    • ばく
    • 2022年 8月 24日

    中長期に必要な武器と訓練となると、前々から噂されてたF-16とか西側戦闘機の訓練及び供与みたいなところも出てくるのかな。

    8
    • すえすえ
    • 2022年 8月 24日

    すぐには無理ですが航空戦力が増強されるとロシアの砲兵部隊をボコりやすくなるんですがね

    3
    • 2022年 8月 24日

    >「中長期の戦いに必要な武器や訓練をカバーするもので、30億ドルの資金は1年~2年ほどかかる装備調達の契約に充てられる」と米当局者はAP通信に説明しており、戦いが長期化しても「西側諸国は一歩も引かない」という意思表明に近い内容

    ウクライナの独立記念日にあわせた発表は粋ですね。
    ロシアの侵略継続の意志を挫くという効果も大きいだろうし。

    7
    • ナイトアウル
    • 2022年 8月 24日

    これ訓練や製造、改造も時間掛かるから大物の可能性あるが、まだ実戦配備されていない兵器の供与は有りそうだ。

    PrSM、ER GMLRS、ジャベリンG型?とかあとすうねんだよな。

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