米国は22日、正式にオープンスカイ条約から離脱することを表明して大騒ぎになっているが、そもそもオープンスカイ条約とは何なのだろうか?
オープンスカイ条約はNATOとロシアの関係性を象徴する新時代の条約だったはずだが・・・
オープンスカイ条約とは1955年の米ソ首脳会談時にアイゼンハワー大統領が提案したもので、その紆余曲折を経てNATOとワルシャワ条約機構間の相互信頼と安全を構築する手段として交渉が続けられたのだが、ようやく条約が成立した1992年には肝心のソ連とワルシャワ条約機構が崩壊して存在しておらず結局、ソ連の大半を引き継いだロシア(ベラルーシを含む)との間で条約が結ばれた。
しかし今度は条約の批准手続きに時間が掛かり、本条約が正式に発効したのは2002年1月である。
この条約はNATOとロシアが互いの領空を解放して非武装の航空機によって「自由に偵察を行う権利」を保障して互いに軍事力の透明性を高めることで不信感を取り除く=戦争リスクを軽減させることが目的なので冷戦時代の遺物と言うよりは、NATOとロシアの新しい関係性(1990年7月にNATOはロシアと敵対することを放棄したロンドン宣言を採択)を象徴する新時代の条約と言える。
しかし自由に偵察を行う権利といっても無条件ではない。
事前に偵察飛行を行う国に通告を行い、偵察飛行実施日時や飛行コースの提示、偵察を受ける国のエスコート機随伴が必須条件だ。
では、なぜ米国はオープンスカイ条約から離脱するのか?
ロシアは欧州のど真ん中にあるロシア領「カリーニングラード(飛び地)」だけには飛行制限を設けておりオープンスカイ条約による偵察飛行を受け入れていない。これはNATOからすれば軍事的に重要な拠点であるカリーニングラードだけ偵察が行えず、逆にロシアは欧州(NATO加盟国のみ)や米国の上空を好き勝手に飛行できるという意味だ。
この問題は米国が依然から不公平だと指摘している部分で対抗措置としてワシントンを含む幾つかの地域を飛行制限に指定している。
ここまで読めばロシアだけが条約を違反しているように見えるのだが、オープンスカイ条約に制限を設ける国は意外と多く、最近ではトルコがロシアが予定していたトルコ国内のNATO基地に対する偵察飛行を拒否しており、ロシアが抗議したがオープンスカイ条約を管理する委員会は特に声明も是正措置も行っていない。
要するに「自由に偵察を行う権利」はもはや形骸化しているのだが、米国を除くNATOは情報の少ないロシア軍の動きや情報を収集のためオープンスカイ条約は必要だという姿勢を崩しておらず、ロシアもオープンスカイ条約離脱は考えていない=どちらかと言うと政治的な意味合いが強いのだろう。
今回、米国はオープンスカイ条約から離脱することを表明したが、米国を除くNATO加盟国とロシアは米国抜きでオープンスカイ条約を維持していくと言っているので、中距離核戦力全廃条約失効ほど大きな影響はないはずだ。
※アイキャッチ画像の出典:Oleg Belyakov / CC BY-SA 3.0 ロシアがオープスイカに使用する偵察機ツポレフTu-214
こういう記事にコメントゼロな辺りが、軍事クラスタに屯するカタログミリヲタ達の特性をよく表してるよね…
じゃあ何か高尚なコメント入れて語ってくれてええんやで
何を言っているのか良くわからんのだが、そのカタログミリオタという人?達は
世にある全ての軍事的な記事に対して必ずコメントをする義務が存在し、
それをしないならばその人達の人権は存在しない。と言いたいのだろうというのはわかった。
そんな事より記事の事だがアメリカは何かしかけたいのだろうか?
で、軍事を学究的に修めておいでの貴方様はどんな高尚なコメントをお書きになられたんですか?
「私は、この記事の内容に一切関係ない「軍事クラスタに屯するカタログミリヲタ達」という無駄にデカくてあやふやな主語について語ることしかできないカタログミリヲタです。」という自己紹介ですね分かります。
大胆な自己紹介は、軍事クラスタに屯するカタログミリヲタの特権。
NATOは弱体化する一方で基本的に米軍頼み、EUは今頃中国の危険性に気づくほどの鈍感さ。
冷戦時代は欧州諸国に平和ボケだと散々馬鹿にされてきた日本だけれど、今になって同じことを彼らに対して感じるとはねえ・・・。
ロシアは対等な条件の約束をするわけがないし、反故にされるのはいつものこと。
フィンランドとノルウェーが気の毒で仕方がない。
出羽守氏が言うほどEUって独立してないんだよねぇ。
日本と大して変わらない程度に、アメリカにおんぶに抱っこ
それで反米気どるんだからどうしようもない