Lockheed Martinは28日「第4四半期に17.1億ドルの損失を計上した」と発表、TR3構成機についても「戦闘可能なソフトウェアのリリース時期が2026年にずれ込む」と言及し、納入が再開されたF-35の「訓練にしか使用できない状況」はまだまだ続くようだ。
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完全作戦能力を宣言できるようになるのは2027年以降になるかもしれない
Lockheed Martinは28日に第4四半期の業績を発表、この中で「機密プログラムのMissiles and Fire Control部門で13億ドル、航空部門で4.1億ドルの損失を計上した」と明かし、前者の損失について「MFCにかかる初期費用は契約によって全額カバーされるものの、それ以降の契約オプションは固定価格なので基準を超える費用の支払いは当社の責任になる。今後数年の間に行使される全てのオプションは我々の損失になり、プログラムが利益をもたらすようになるのは2028年頃と予想している」と述べ、これは大陸間弾道ミサイルを迎撃する地上配備型ミサイル(GMD)の後継プログラム=Next Generation Interceptorを指している。

出典:Lockheed Martin NGI
後者の損失について「非常に複雑な設計とシステムの統合に伴う固定価格の契約」「予定されているマイルストーンを達成するためのエンジニアリングコスト費用が原因」と説明したが、航空部門の機密プログラムが何なのかは不明で、この2つの機密プログラムは四半期全体で19.5億ドルの損失をLockheed Martinにもたらした格好だが、最も注目を集めているはF-35のTR3構成機に関する言及だろう。
Block4のバックボーンとして機能するTech Refresh3問題の中身に振れると話が長くなるので割愛(詳しく知りたい方は過去記事を参照)するが、現在生産されているTR3を組み込んだF-35は「戦闘能力を除外した暫定バージョン」のソフトウェアで作動しており、Lockheed Martinは「戦闘が可能な完全バージョンのリリース時期」について1年以上先=2025年春以降になると予想していたものの、どうやらリリース時期は2026年にずれ込むようだ。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Matthew Arachik
Lockheed Martinは「TR3は素晴らしい進歩を遂げている。2025年に幾つかのマイルストーンを達成すると思う。今年中のリリースを目標にしているが、財務モデリング上(TR3の作業は)2026年まで続くと予想している」「最終的な完全作戦能力の宣言は顧客に委ねられている」と述べ、納入が再開されたTR3構成機は最低でも来年まで訓練でしか使用できない可能性が高く、米ディフェンスメディアも「戦闘準備が整ったTR3構成機を今年受け取れない可能性をLockheed Martinが認めた」と報じている。
仮に完全バージョンの開発作業が2026年までずれ込むと、完全作戦能力を宣言できるようになるは2027年以降になるかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Zachary Rufus
中国の殲20やロシアのSu-57を欠陥機や虚仮威しと笑ってたけど、F-35も大丈夫なのか心配になる。
現状のTR3構成機が生産されて3年近く訓練にしか使えないってことは戦力として計上できないっわけだからF-35は保有数のうち戦えるのはさらに少なくなるってことか。
そりゃ米軍も受け取り拒否したくなる。
受け取ったら最後、訓練にしか使えないけど維持費はしっかりかかるんだから。
何年後にずれ込むっていう期間にもその通りに間に合った事が近年じゃ全然無いし一体どうなってんのマジで
独占市場寡占市場は腐る、と経済学的にはその一言ですかね…
ロッキードとボーイング廃して他から採用とできないからこその体たらくでしょう
新規参入ジャンジャンできる活発な業界では有りませんからね
本国仕様でこれって事は日韓みたいなパートナー国ですらない外様国のF-35がblock4になるのはいつになる事やら
プログラム供給なら、関係ないんじゃないかな。
TR-2→TR-3にするにはTR-2F-35の中の機材をゴッソリ入れ替える必要がありますので…
そんでブロック4はTR-3でないと動きませんからTR-2にソフトぶち込んでも動きません
つまり空自保有分を改修するにしてもカネと時間が相当かかると思われます
3Fで全機というのも中途半端に段階的調達しているからだめと
イーロン・マスク「な?」
テスラがちゃんと動くようにしてからな。
F35はコンコルドみたいに後世まで失敗プロジェクトの代名詞になりそうですなぁ
block3はちゃんと動いているから、そこまで酷くはないよ。
莫大な受注と採用国を抱えていることを無視してたった20機で生産が終わった飛行機と同一視するのは論理が飛躍してないか?
2027年のLockheed Martin社
『宣言は2028年になりそう!ヨシ!』
米国議員がブチ切れてましたね。
完成するまで、配当金も自社株買いも禁止すべきだって。
そう言いたくなる気持ちはわかります。。。
納入の遅れている日本のF-35分、「そのTR3でいいからはよよこせ」とか日本が言ったら、売ってくれないかなあ。
どうせ、しばらくは実際に撃たないし。
しかし、したらしたで、ロシアや中国が警告射撃されるまで挑発したりして。まあそういう時はフレア放てば良いしw。
TR-3ですら遅れているのですが。
ATFをF-23にしてノースロップに戦闘機作らせておけば良かった。・・・ボーイング?知らない子ですね。
>ATFをF-23にしてノースロップに戦闘機作らせておけば良かった。
エマニュエル駐日大使が離日する時に、米国の軍事産業の納期遅れを批判するメッセージを残しています。
そのメッセージで批判した企業には、ボーイングとロッキード・マーティンの他にレイセオンとノースロップ・グラマンも含まれていました。
ノースロップ・グラマンの何が遅れていたのかは触れられていませんでしたが、問題企業の一つである事は間違いないのではないでしょうか?
他に選択肢がないとは言え、導入国の皆様(日本含み)は我慢強い、と思います。
ロックマートと米国政府は、同入国に対しイスラエルと同等の権限を渡しても良いのでは?。
今現在で実戦投入可能なのは、イスラエル空軍だけなのでは?。
あくまでTR3とblock4の開発が遅れていて生産中の機の実戦配備ができないだけで、それ以前の仕様で生産された機体はイスラエル以外でも空爆などに随時投入されています。
米国ですらこのgdgdなのだから、マジで中国のJ-20はどうやってプロジェクトマネジメントしてるんだ?
技術水準ではこっちと大差ないわけで、もうある程度の性能で十分と割り切って実戦仕様の量産を優先してるんだろうか。
「喫緊の需要」に間に合わせるためのもの。
F-35と異なり世界のそこかしこで使うことなんて想定されていない、対台湾シフト機ということなのではないでしょうかね。
あとは、対アメリカももちろん無くはないでしょうがそれよりも「ロシアが保有しているとされるカテゴリを保有していないわけにはいかない」需要も大きかったのではなかろうかと。
ある程度の性能かどうかすら結局外からはわからんからなあ
アビオレーダー周りは、Su-35の輸出モデル以下だという推測はつくけどね。
J-20はF-35みたいな、本当に空艦地を対応可能なマルチロール機では無くて、限定的な艦地のみ対応可能な制空戦闘機みたいな感じなので、まだ管理し易いんじゃ無いでしょうか?
垂直離脱したり空母運用するために機体サイズが制限され開発難易度を上げちゃってる面はあるのでは
ほかエンジンの寿命が西側の半分だけど、摩耗したならエンジン丸ごと変えちゃえばいいじゃない的なソ連式の合理性DNAがスピード感を生んでるとか
中国の兵器は数が多いのは間違いないでしょうが、性能に関しては怪しいですね。
中華イージスは、BMDに関してテストすら行った形跡がないですし、旧式軍艦の近代化改修も殆どやっていない可能性が高いです。
数だけ揃えれば、相手が震え上がると思っているのかもしれません。
軍事ってカードバトルとは違うんですよ
知ってました?
怪しいです
可能性が高いです
かもしれません
中国人と一緒に研究してるとわかる。正論がすらすら通る。決定が速い。
日本人と一緒に仕事してればわかる。バカ上司に正論を突破される。たとえば、「アンケート集計をパソコンを使わず紙だけで出来る」という意見に負けたこともある。その結果、アンケート集計が出来なかったこともあった。
また、*.tsvデータと*.csvデータに変換する時、プログラミングでやろうとしたら上司が激怒。手作業で3時間かけてやらされたかわいそうな部下もいた。
張り合う商売仇がいないと、開発スピードはこうなるわな。
まあ無茶な要求した以上、米軍も強くは言えんし。
GCAPと同期だけは止めてくれよ
F-35といいKC-46といい、最近の米国航空機開発はどうなってるんですかね…(嘆息)
T-7も忘れないで。
B-21やV-280が順調なのが逆に不思議なくらい。
「TR3は素晴らしい進歩を遂げている。2025年に幾つかのマイルストーンを達成すると思う」
そういうのいいから。過大要求しがちな米軍と、コスパばかり要求してくる米議会にも責任は有るけどさ。