ウクライナ戦況

侵攻1005日目、南ドネツクにの防衛状況は酷いの一言に尽きる

ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは23日夜「ロシア軍がクルスク方面、クピャンスク方面、ポクロウシク・クラホヴェ・ヴェリカノボシルカ方面で前進した」と報告、特に南ドネツクの状況は酷いもので、もうロシア軍が進みたい方向に進みたいだけ前進しているように見える。

参考:Мапу оновлено
参考:Кураховское направление: значительное продвижение ВС РФ к северу от Курахово обстановка к исходу 23 ноября 2024 года

DEEP STATE基準で見ても南ドネツク戦線の崩壊は明らか

DEEP STATEはクルスク州コレネフレスキー地区について「ウクライナ軍がダリノ集落の支配をほぼ失った」「ウクライナ軍が38K-006方向の支配地域を失った」「ヴィクトロフカ、ゴルデエフカ、ウスペノフカがロシア軍支配地域に戻った」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

注目すべきは天然の防衛ラインだったスナヒスト川沿いの守りがロシア軍に突破されている点で、もしスヴェルドリコヴォ方向に進まれるとゼレニ・シュリャク付近の防衛ラインを迂回され、スヴェルドリコヴォから国境沿いに38K-004へ前進されるとスジャを含むウクライナ軍支配全体が包囲されるかもしれない。

逆にスヴェルドリコヴォ付近への突破を阻止できれば、もうしばらくクルスク方面の占領地維持は可能なよう見えるもののの、交渉が始まる時点(これがいつになるのかは不明)でスジャを維持できてなければ外交戦略的にウクライナの負けだ。

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DEEP STATEはクピャンスク方面オスキル川沿いについて「ロシア軍がクルフリャフカ集落の大部分を占領した」「グレーゾーンがザフリゾヴェ集落内に伸びた」と報告。

DEEP STATEはポクロウシク・クラホヴェ・ヴェリカノボシルカ方面について「ロシア軍がノヴォホロディフカ郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がプスチンカとユリウカの間で支配地域を広げた」「ロシア軍がユリウカの南で支配地域を広げた」「ロシア軍がベレストキー集落内で支配地域を広げた」「ロシア軍がロマニフカ集落内に侵入した」「ロシア軍がイリンカ集落内に侵入した」「ロシア軍がエリザベティフカ方向に前進した」「ロシア軍がロズドルネ集落内に侵入した」「ロシア軍がヴェリカ・ノボシルカ市から約900mの位置まで前進した」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

RYBARは「ロシア軍がノヴォドミトリヴカ郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がソリャを占領した」「ロシア軍がソンツィフカをほぼ占領した」「ロシア軍がヴォズネセンカの南で支配地域を広げた」「ロシア軍がベレストキーを占領した」「ロシア軍がC-051135の西で支配地域を広げた」「ロシア軍がクラホヴェ市内で支配地域を広げた」と報告し、DEEP STATE基準で見ても南ドネツク戦線の崩壊は明らかで、ウスペニフカ方向のポケットは急速に縮小している。

ヴェリカノボシルカ方面でもロシア軍がT-0509沿いで前進したためT-0518の東側に新たにポケットが登場し、バハティルとヴェリカノボシルカを結ぶT-0518も物理的遮断の危機に瀕している。

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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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コメント

    • マンゴー
    • 2024年 11月 24日

    ウスペニフカ方向のポケットの掃討と言い、ヴェリカ・ノヴォルシカ方向への突破スピードと言い……
    明日はマジでヒデェ1日になるな……
    あとクラフォヴェで中心部に足場築いてそうだけど、11月末火力発電所までやられてそう

    38
    • gaf
    • 2024年 11月 24日

    トランプ就任で状況が動くと見てロシア側が少々無理めでも占領地の確保に動いたかと思ったんだけど、
    そのギアチェンジにウクライナ側が余力がなくて対応できてないって感じなんですかね?
    実際の戦場では日々状況が変わっててこの戦況図よりも数キロ前に前線が進んでいそうですね。

    34
    • ななし
    • 2024年 11月 24日

    アウディーイウカ→クラスノホリフカ→ブフレダル陥落で
    南ドネツク全域のウクライナ防衛線は完全崩壊しましたね

    クラホヴェ・アンドリイフカ・ヴェリカノボシルカが陥落
    すれば、その先にウクライナの組織的防衛線は何もなく、
    既に書かれている方もいますが、かろうじて持ち堪えていた
    南部ザポリージャ戦線も東から脆弱な側面を突かれ崩壊する

    来年はポクロウシク・スリャビンスク・クラマトルスク・
    ザポリージャなどの大都市の攻略戦が戦況図にあがるでしょう

    39
      • たむごん
      • 2024年 11月 25日

      先々を考えると、ウクライナ側は仰るように苦しいですよね。

      ザポリージャ州東部・ドニプロ東部に、防衛線建設の余力だけでなく・自然障害も大してないですから…。

      30
    • gepard
    • 2024年 11月 24日

    どこもひどい防衛状況だが、特にクラホヴェ南のポケットとヴェリカ・ノヴォシルカ方面がひどい。

    そしてポクロウシクの南方で前進するのを止められなければ、T-0515道路を制圧されてしまう。この周辺は小集落が点在するほかは平地が広がっており目立った防衛拠点が無い。特に東側からの攻撃には脆弱な可能性がある。

    そこまで防衛が破綻すればヴェリカ・ノヴォシルカ方面もアンドリイフカも完全に放棄せざるを得なくなり、膨大な領土をウ軍は明け渡すことになるだろう。

    34
    • paxai
    • 2024年 11月 24日

    結局クピャンスクに食い込んでるのかどうかはよくわからんままだなあ。あとロシア軍は休暇か長距離攻撃対策かのどちらかに入りそう。来月までは活動量減らすんじゃないかな。

    8
      • 通りすがり
      • 2024年 11月 25日

      ロシアが活動量減らしてこの有り様だったら目も当てられない。ウクライナはローテーションも出来てないのに。
      休暇とローテーションが出来てるほうが、より来年の戦力が充実するのは夏休み大好きな小学生でも分かる。

      35
    • 匿名
    • 2024年 11月 24日

    ウクライナ側はもう早く南ドネツクからもオスキル川東岸からも撤退しようよ…

    27
      • 通りすがり
      • 2024年 11月 25日

      実際のところ、2022年の9月と11月にハリコフとヘルソンでロシア軍がやった規模の戦線整理は必要でしょうね。今にして思えばですが、長期化を見込んでまだ30万の予備兵動員を初めたタイミングで戦線整理を断行したロシアの戦略が2年後の圧倒的格差を生み出している(それを可能にしたのは、圧倒的かつ独裁的なプーチンの政権基盤)。【戦争に勝つ国、負ける国】の意思決定力の差が反映されてます。どこまでいってもウクライナは、自国の戦争を自国だけで決められない西側の傀儡に過ぎない(支援費と難民でEUのほうが音を上げるというオチはつきますが)。

      54
        • どねつくぼうし
        • 2024年 11月 25日

        これまでのウクライナの動きを見ていると時間を掛けて用意した堅陣に拠る以外の防御手段を持たない感じなんですよね
        アウディーイウカが危機に陥ってる時分にゼレンスキーライン構築が盛んに喧伝されました
        地形から見てノヴォセリフカペルシャ辺りでロシアを押しとどめるべく用意していると期待した向きも多かったでしょうが結果は散々、結局既存の防衛拠点に拠るしかなかった
        ですから犠牲を抑えるために兵を退くなんて選択はウクライナにできる訳がないんですよね

        40
    • 暇な人
    • 2024年 11月 25日

    これはポクローシクは炭鉱のほうに抜けて包囲するつもりっぽいな
    包囲で撤退すれば市街戦などで都市が廃墟になることはなさそうだが

    26
    • ppp
    • 2024年 11月 25日

    そもそも単にスジャを維持・死守することが外交の交渉材料につながるのかなぁ
    スジャがないとロシアが立ち行かない重要都市というわけでは全くないし
    クルスク方面の価値を創出するなら、占領地域を徐々に増やすくらいの戦果が必要に思える

    維持どころか押し込まれつつあり、他戦線は崩壊の状況でどんな交渉材料になるのか知りたい
    自分がロシアならウクライナ有利の交渉材料じゃなく、賠償や非武装地帯の範囲を増やす材料にしそう

    59
      • 通りすがり
      • 2024年 11月 25日

      交渉材料どころか、ただのお荷物ですよね。
      外交交渉するなら「領土と主権を脅かして侵攻した」ことと「自衛権の範囲」は絶対に議題に上がりますが、クルスクは国連も西側も認めるロシア領なので、ロシアが不当に侵略したと言えたはずのクリミアやドンバスまで“どっちもどっち”になってしまい、実際の占領地の戦力の優劣で決まることになる。しかも、【ウクライナはクルスク侵攻という前例があるので、緩衝地帯を設けざるを得ない】とか【長距離兵器の放棄】とか、ロシア側からも自衛権に関する様々な制約を課せられることになる。ウクライナ側の停戦条件を悪くすることにしか繋がらない。

      53
        • ppp
        • 2024年 11月 25日

        >>通りすがりさん
        普通に考えるとそうなるので、これは停戦条件をよくするための材料ではなく、ロシアが停戦に乗らないようにするための継戦材料なんでしょうね
        我々は停戦を望んでいるのにロシアが突っぱねたとか言って、トランプあたりの顔に泥縫ってアメリカ参戦をもくろむとか

        28
          • kasugi
          • 2024年 11月 25日

          当選後24時間以内に停戦とか抜かしてたトランプは既に泥パック状態なので、これ以上泥を塗られる心配はしなくていいと思いますよ

          トランプは選挙戦が得意なだけで勝ったあとのことは何も考えていない

          14
            • 通りすがり
            • 2024年 11月 25日

            選挙戦も下手で、勝った後の構想もないハリスはもっと酷かったという救えないオチ。

            41
              • 田舎者
              • 2024年 11月 25日

              米国の最善の選択としてトランプが大統領当選となり、負けたものの2番目に相応しい候補がハリスだったわけです。そして前回の選挙で最善とされた現職は…

              救えないオチ2

              10
    • 名無し
    • 2024年 11月 25日

    ヴェリカ・ノボルシカに関しては既に下の方の集落からウクライナ軍の撤退が始まっているとする情報が親ウクライナOSINTから出ているので、どちらにせよ近いうちに南ドネツクにおける昨年の反攻での成果は完全に失われることになりそうです

    クルスクの支配地域も3分の1近くに縮小していますし、昨年の反攻と今年のクルスク侵攻が無ければ現在の東部戦線はもう少しばかりマシな展開になっていたでしょうに…

    33
    • 名無しの悪夢
    • 2024年 11月 25日

    しばらく音沙汰なかったソンツィフカから北西に伸びてる…
    そしてマッポが広がりすぎて文字が…

    14
    • たむごん
    • 2024年 11月 25日

    南ドネツクの防衛線、ボロボロですね。
    ロシア軍が、突出・ポケットの包囲(戦線整理)・補給路の確保、この全てを並行しているように見えます。

    トランプ大統領就任で、即時停戦という先入観は、やめといた方が無難かなあと。
    停戦交渉が1月開始、3カ月・半年・それ以上かかると考えて、クルスク占領地スジャを維持できるのか考えた方げが現実的な気がしています。

    33
      •     
      • 2024年 11月 25日

      即時停戦に失敗してもトランプもプーチンも良い言い訳がありますからね。
      (プーチンとしてはトランプのメンツを汚さずに停戦拒否をできる)
      クルスク侵攻とか、アメリカの兵器によるロシア本土攻撃とか。当時とは条件が違うとバイデンとウクライナの責任にして言い訳できる。

      44
        • たむごん
        • 2024年 11月 25日

        仰る通りです。

        ゼレンスキー大統領も、責任があるとされる気がするんですよね。

        36
          • 七資産
          • 2024年 11月 25日

          んーんこれクルスク奪回ではなくてスームィ州分断に動いてる?

          6
    • nk
    • 2024年 11月 25日

    ウクライナは認めたくは無いだろうけどもう完全に負けなのだから終戦条件少しでも良く出来る様に、戦線を膠着させることに注力するのとクルスクは無意味なので撤退しヘイト上げるだけのロシア領攻撃は辞めるのが最優先ではないかと。トランプ終戦チャンスで纏めることが出来なければ、キエフ地下壕ルートかゼレンスキーがモスクワで焼き土下座または亡命かクーデターという流れだと思うがどうなることか。

    48
      • アレに期待できるのが謎
      • 2024年 11月 25日

      トランプ終戦チャンスとか真顔で言ってるのか

      7
        • nk
        • 2024年 11月 25日

        バイデン、ハリスよりは終戦に関しては期待出来ると思うかな、トランプになれば即終戦とは全く思って無いけどアメリカが一応仲介に入るというのに意味があるのかなと思う。
        お互いに終戦交渉始める口実には丁度良いのではと思うけどね、ウクライナにとって終戦する機会を得ることが出来る数少ないチャンスだと思うけどね。

        26
          • やみと
          • 2024年 11月 25日

          簡単に言えば、責任転嫁のチャンスでしょう
          「西側の援助さえあれば戦い続けることができるが、西側に見捨てられたらどんなに悔しくても交渉するしかない」
          (多くの人が死んでも勝利を得られず、国土を失ったが、俺は間違っていない。すべて西側のせいだ!)

          7
    • 名無し
    • 2024年 11月 25日

    今のウクライナ軍の戦いっぷりだとマップのグレーゾーンがロシアの支配地域に塗り変わる前触れでしかないのがキツイとこやなあ
    両軍が戦いを繰り広げてるからグレーゾーンなわけだけどウクライナ軍はどこもかしこもそこで押し戻せる気配すらない

    12
    • うくらいだ
    • 2024年 11月 25日

    ウフレダルあたりから思いましたが、結構前からポクロウシク以南はほぼ見捨てられてる感じしますね。

    33
    • Mr.R
    • 2024年 11月 25日

    おぉ、もう······酷いの言葉しか見つからないでござる。
    トランプはこの状況から停戦に持っていけるのか? 別の方の意見で既に顔面泥パック状態って言われていましたがどおりで年のわりに肌艶が良い訳だ

    西側東側問わず、大国になれる条件ってきっとどれだけ厚い面の皮を用意出来るか、なきがするぜ。

    18
      • 通りすがり
      • 2024年 11月 25日

      ここから状況が更に酷くなって、スジャ奪回、クラホヴェ、ポクロフスク、トレツク、チャシフヤールを制圧されるくらいに悪化したほうが、却って停戦にもっていきやすい可能性も。一番邪魔なのは、面子に拘る“民主主義擁護の主戦派”でしょうし、「ゼレンスキーがあまりにも弱すぎて仕方ない」と言うほうが、頭越しの停戦を押し付けやすいやも。

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