ウクライナ戦況

侵攻1050日目、1年以上も続くロシア軍の攻勢は止まる気配がない

ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは7日夜「ロシア軍がトレツク方面、ポクロウシク・ディミトロフ方面、クラホヴェ方面、ヴェリカノボシルカ方面で前進した」と報告、日によって差があるもののロシア軍の攻勢は相変わらずで一向に止まる気配がない。

参考:Мапу оновлено
参考:Александро-Калиновское направление: продвижение ВС РФ в границах Дзержинска (Торецка)

ロシア軍によるウクライナ東部戦線での前進は相変わらずで、トレツクは春までに陥落するかもしれない

DEEP STATEはトレツク方面について「ロシア軍がマヤコフスキー通りの北側=行政地区で支配地域を広げた」「ロシア軍がT-0516沿いにトレツク北西郊外のテリコン70m方向へ前進した」と報告。

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追記:RYBARはトレツク方面について「ロシア軍がトレツク市内の大部分を占領した」「ロシア軍がトレツク北西郊外のテリコン70mを占領した」と報告。

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DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面東方向について「エリザべティフカに伸びたグレーゾーンがカゼ二・トレツ川方向に後退した」と報告。

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DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面西方向について「ロシア軍がノヴァシリウカ集落内で前進した」と報告。

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DEEP STATEはクラホヴェ方面について「ロシア軍がスロヴヤンカ集落内に侵入した」「ロシア軍がクラホヴェ市全域をほぼ占領した」「ロシア軍がクラホヴェ南郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍が貯水湖方向に前進した」と報告。

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DEEP STATEはヴェリカノボシルカ方面について「ロシア軍がヴェリカ・ノボシルカの西で支配地域を広げた」「ロシア軍がリヴノピルの北東で支配地域を広げた」と報告した。

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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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コメント

    • 長期戦
    • 2025年 1月 09日

    まあ過去の大戦争よりはゆっくりペースなのは否定出来ないが、
    奪ったウクライナ領を全て自国に編入するつもりなら、こちらの無理のない長期戦方式のが合理的なのかもな…
    即戦即決はドローンがあるから無理だし、兵士を広範囲に展開する厳しさ、すぐには弾もドローンも用意できない兵站の問題もある。
    どのみち今後停戦になっても、何時破れてもおかしくないから。ロシア人は兵器を作り続けるだろうし、何年もかけて平時経済に戻すんじゃないかな?

    32
      • 皇道派
      • 2025年 1月 09日

      結局、経済で勝ち負けっていうゴールポストを勝手に用意したのは西側
      別にロシアは経済戦争なんかしてないしウクライナを丸々NATOに渡すのは100あり得ないから始めた戦争でもあるからね
      禁輸も成功せず、むしろドル建ての決済を止めたおかげでアフリカや中東、東南アジアまでドルひいては西側に対する不信感で纏まる流れが来てる。
      恣意的な経済活動は対外投資や輸出入に響くから思ってるよりドルへのダメージはでかかったと思ってる

      60
        • どねつくぼうし
        • 2025年 1月 09日

        >結局、経済で勝ち負けっていうゴールポストを勝手に用意したのは西側
        >別にロシアは経済戦争なんかしてないし
        他国の経済がどうあろうと自国内での物価安定さえ保てれば内需は回るし国民は不満を抱かない
        それはデフレ経済に長らく身を浸してきた我ら日本国民が一番よく理解できる筈なんですよね

        35
          • nachteule
          • 2025年 1月 09日

           今のロシアは物価安定ってしてるのか?完璧に近い自己完結能力が無い限り内需を回せるとは到底思えない。
           ロシアの農業を支えているのは外国製の肥料だったり農業機械だったりするので自給が出来ると言ってもその中身はどうなのかは考えるべきだと思うが。

           日本がデフレ経済だとしても輸出入に致命的な制限なんて殆どないのだから同列に語るべきかは有ると思うけど。少なくとも日本がロシア並みの制裁されたら不満だらけでしょうよ。

          5
            • 名無し
            • 2025年 1月 09日

            農業用肥料は賄えてるで、結構な輸出国の上、今もアメリカが買ってる。
            というか、世界有数の肥料輸出大国なのは地理で学ぶはず。

            29
            •          
            • 2025年 1月 09日

            >ロシアの農業を支えているのは外国製の肥料
            これは知らなかったな。具体的な肥料名を知りたい。
            ロシアはガスが豊富だから、窒素系肥料は輸出できる。カリウムも世界的な生産国で輸出できる。 リンは少ないけど。輸出可能。 

            18
            • ポンポコ
            • 2025年 1月 09日

            ロシアは世界最大級の化学肥料の輸出国で、2021年から肥料価格が高騰して、日本の農業もコスト高の影響を受けています。

            ロシアからの化学肥料は世界各国が買っています。直接に買ってなくても、迂回輸入、玉突き輸入(他国産の肥料を輸入し、今まで他国産を購入していた国がロシア産を輸入)となることが多いです。

            ロシア産を肥料の大口の輸入国は、ブラジル、アメリカ、中国、フランスなどのEU諸国・・・などです。

            23
            • ルイ16世
            • 2025年 1月 09日

            インフレ率は去年12月で8.4%くらいですね
            消費者物価指数は2015年を100にすると170くらいですね(日本は110くらい)
            自国で全て賄うのは経済的に非効率なので当然その分効率は下がって高くて低品質なものを買わされますよ(安全保証や幼稚産業の保護などの良い面もありますけど)

            5
            • 帝国
            • 2025年 1月 09日

            >ロシアの農業を支えているのは外国製の肥料
            情報源は何処なの?無茶苦茶ぶっ飛んでるよ!
            むしろ、ロシア産肥料が米欧日も含めた世界中の農業を支えていると言ってもいいくらいだし、ロシアにキツイ経済制裁を掛けた米国も”肥料も別腹!文句あっか、オイ!”で買いまくってる由

            14
            • kitty
            • 2025年 1月 09日

            農業機械の方は、

            「ロシアにおける農業機械関連産業の現状と課題」

            って論文があったけど、その他の市場レポートでも、既にクリミア併合の時点で経済制裁されているので、内製化が勢いよく進んでいるとか書かれてますな。

            8
              •     
              • 2025年 1月 09日

              農業機械に関しては、それなりに外国から輸入していたような。
              ベラルーシとか。
              建機、重機とかトラックもベラルーシ製はあるな。

              2
                • kitty
                • 2025年 1月 09日

                ベラルーシがロシアに経済制裁しているんですかね?
                一部の外国製の高機能な農業ロボット機械はリモートロックかけられたとかという記事もありました。

                3
                • T.T
                • 2025年 1月 09日

                ベラルーシは外国じゃ無いでしょ

                1
    • 愛国戦線
    • 2025年 1月 09日

    去年11月あたりから、クラホヴェやトレツクのような「踏ん張っていた」「持ちこたえていた」拠点の陥落が目立つ。
    こうした戦局は兵站の限界を窺わせる。劇的な展開とは言わないまでも、静かなカタストロフは既に始まっているのでは?

    そして、このような自領内の窮状に目を背け、防衛に直接寄与しない地点への攻勢を仕掛ける者がいるとすれば、それは極めて拙劣な戦略と評するほかに無いだろう。

    40
      • たむごん
      • 2025年 1月 09日

      兵站のご指摘、仰る通りかもしれませんね。

      クルスク攻勢・占領地維持のために、膨大な補給車両や物資が必要になるわけで、補給拠点スームィ~スジャも攻撃対象になっています。

      スジャ~スームィまで鉄道もないわけですから、他戦線の末端(鉄道駅・幹線道路~最前線)への補給能力を大きく奪った可能性は高いと思います。

      18
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2025年 1月 09日

    ヴェリカ・ノボシルカの補給路が完全に断絶されてしまう
    …行こう、ここもやがて腐海に呑まれる(n回目)

    27
    • 頬骨
    • 2025年 1月 09日

    ×止まる気配がない
    ○止められるチャンスを尽くドブに捨てた

    クルスクで戦いごっこしてる精鋭が南ドネツクにいれば、頑強なコンクリート建造物の豊富なセリダフやノヴォホロディフカで相当時間を稼げたのに。大金を投じたゼレンスキーラインを守る兵力をギャンブルに突っ込んで、空っぽの陣地を自ら敵に明け渡してるようじゃ世話ないわ。
    頼むから真面目に戦争してくれ。

    30
    • たむごん
    • 2025年 1月 09日

    ロシア軍は、ローテーション・部隊再編しつつ、長期間の攻勢を継続できているということになります。
    砲撃・空爆・ドローン攻撃も継続しているわけですから、ロシアの武器が不足して攻勢が止まるというのは、根拠の乏しい希望的な観測でしたね。

    ヴェルカノボシルカは低地であり、西側が急激な高台になっており、南西~西の高さはあまり変わりません。
    O-0510沿いは平坦ですから、ヴェルカノボシルカを攻め落とす前(防衛部隊を拘束しているうちに)に周辺の占領地を増やして、先に固めてしまうかもしれませんね。

    20
    • アンドレJr
    • 2025年 1月 09日

    ゼレンスキー肝煎のクルスクでも
    ロシアに逆反攻されてるようですね

    ウクライナにしてみたら
    乾坤一擲の作戦のつもりか知らんけど
    45年のアルデンヌかバラドン湖なみに無駄だった

    23
      • 頬骨
      • 2025年 1月 09日

      ラインの守り作戦は連合軍の包囲殲滅、春の目覚め作戦はハンガリーの油田の奪還というちゃんとした戦略的目標が一応あったけど、クルスクは中身空っぽで何を達成したら勝利なのかも判然としない政治の都合に振り回されたクソ作戦なり。比較するのすらおこがましいとすら思ってしまう

      42
    • 匿名
    • 2025年 1月 09日

    やっぱりロシアって将棋が上手い人みたい。
    序盤は相手の大駒を取って勝てると思っててもジワジワと劣勢になって気がついたら必死の状態になっているんですよね。

    19
      • 名無し
      • 2025年 1月 09日

      ロシアはソ連時代からチェスが強いからそこら辺関係してるのかもしれませんね。

      17
        • kitty
        • 2025年 1月 09日

        日本だって将棋のチャンピオンが多いですよ!
        なお囲碁

        2
      • うっかりさん
      • 2025年 1月 09日

      ソビエト/ロシアってチェスのチャンピオンズが多かったような気がする。

      16
    •  
    • 2025年 1月 09日

    クルスク見てたら今日の東部戦線は穏やかだなぁ…(ヴェリカノボシルカ方面からは目を逸らす)

    15
    • うっかりさん
    • 2025年 1月 09日

    BDUかフィッシングベスト並みにポケットがいっぱいだ

    7
      • kitty
      • 2025年 1月 09日

      迷彩効果がものすごくて認識できていないだけかもしれませんが、このポストのどこにBDU着た人の写真があるんですか?

      2
    •           
    • 2025年 1月 09日

    >ロシアの農業を支えているのは外国製の肥料
    これは知らなかったな。具体的な肥料名を知りたい。
    ロシアはガスが豊富だから、窒素系肥料は輸出できる。カリウムも世界的な生産国で輸出できる。 リンは少ないけど。輸出可能。 

    6
      •   
      • 2025年 1月 09日

      場所がズレました。失礼いたしました。

      5
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