ウクライナ戦況

侵攻1053日目、ウクライナ軍はクラホヴェ陥落を確認できないと主張

DEEP STATEは11日夜「ロシア軍が東部戦線で複数方面に前進した」と報告、ウクライナ軍はクラホヴェ陥落について「メディアが報じるような事実を確認出来ない」と主張したが、RBC-Ukraineは「実際の状況は軍の発表と異なる」と指摘している。

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ポクロウシクでロシア軍を食い止めないと問題は雪だるま式に大きくなるだろう

DEEP STATEはコンスタンチノフカ方面について「ロシア軍がオリホヴォ・ヴァシリウカ方向に前進した」と報告。

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DEEP STATEはトレツク市内について「ロシア軍がザバルカ西地区で前進した」「グレーゾーンがトレツク市内北西で広がった」と報告、視覚的にもウクライナ軍がトレツク市内北の住宅地区=でロシア軍を攻撃する様子が登場。

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DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面東方向について「ロシア軍がT-0504方向に支配地域を広げた」「ロシア軍がリシフカの南西で支配地域を広げた」「ロシア軍がゼレーネ集落内で前進した」と報告。

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DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面西方向について「ロシア軍がソローネ郊外のテリコンを占領した」「ロシア軍がノヴォジェリザヴェティフカをほぼ占領した」「ロシア軍がヤセノべ集落内に侵入した」「グレーゾーンがズヴィロヴェ近郊まで伸びた」と報告、さらにUkrainska Pravdaは「ロシア軍はポクロウシクを正面から襲撃するのではなく南から西に迂回し、戦わずしてポクロウシク占領を狙っている」と報じた。

ダヴィンチ・ウルブス大隊(第59自動車化歩兵旅団所属)の指揮官=セルヒー・フィリモノフ氏はUkrainska Pravdaの取材に「ロシア軍の動きを見れば明白だ。兵站を遮断して戦わずしてポクロウシク占領を狙っている」と、別の関係者も「ロシア軍の標的はポクロウシクではないと確信している。彼らの最優先目標はドニプロペトロウシク州に侵入して作戦を展開することだ」と述べ、右翼からT-0504、左翼からT-0409やE-50を遮断し、3方から圧力を加えることでウクライナ軍にポクロウシクからの撤退を強いるという意味だ。

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ロシア軍はウクライナ軍に対して数的優位を保っているため、ポクロウシク方向の活発な前線が伸びれば伸びるほどウクライナ軍の戦力は薄く引き伸ばされ、ドニプロペトロウシク州境への到達は「プーチン大統領が掲げるドネツク州行政境界への到達成功」をアピールすることができ、ドニプロペトロウシク州への侵入は「戦いが新たな州に拡大する=領土の割譲要求が拡大する可能性」が浮上し、ウクライナにとって政治的なダメージが大きい。

さらにウクライナは「ロシア軍のドニプロペトロウシク州侵入」を想定した要塞建設の優先順位が低かったため「ポクロウシクを抜かれるとドニプロの間にまともな防衛ラインがない」と言われており、これを食い止めるには要塞ではなく「予備戦力の投入=人海戦術」に頼らなければならず、この方向にウクライナ軍の限られた予備戦力を集中させれば他方面の侵攻が容易になるため、ポクロウシクでロシア軍を食い止めないと問題は雪だるま式に大きくなるだろう。

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DEEP STATEはクラホヴェ方面について「戦いがクラホヴェ郊外の水処理施設とダクネの間に移動した」「ヤンタルネの状況が明らかになりつつある」「グレーゾーンがT-0515方向に広がった」と報告、視覚的にウクライナ軍がクラホヴェ郊外=でロシア軍を攻撃する様子、ロシア軍兵士がヤンタルネ集落内=で国旗を掲げる様子が登場。

ホルティツィア作戦軍の報道官はクラホヴェ陥落の報道について11日「まだクラホヴェ周辺で戦闘が続いている。特に市内の火力発電所ではウクライナ軍が陣地を確保しているため、ロシア軍がクラホヴェを完全に占領したとは言えない。勿論、街の大部分が瓦礫化したことは認めざるを得ない」「ウクライナ軍が市内に駐留しているため撤退の話は出来ない」と述べていたが、さらに同日夜「11日午前時点で火力発電所の陣地は維持され、敵に大きな損害を与えている」「メディアが報じるようなクラホヴェ包囲という事実を確認出来ない」と主張した。

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DEEP STATEはヴェリカノボシルカ方面について「ロシア軍がT-0518方向に支配地域を広げた」と報告。

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※アイキャッチ画像の出典:СОЛОВЬЁВ

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