第155機械化旅団事件は創設に関与したフランスでも「アンナ・ヤロスラヴナの名を冠した旅団は失望の連続」などと報じられ、英国でも「ゼレンスキーはフランスの怒りを鎮めるため『職権乱用という名目の捜査』を自ら監督している」と皮肉られており、この事件はゼレンスキー大統領の信用を大きく傷つけてしまった。
参考:A French-sponsored Ukrainian army brigade has been badly botched
もうウクライナが提案する「短期間で何とかしようという解決策が当てにならない」と関係者全員が悟ったはずだ
ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏が告発した第155機械化旅団事件は国内外に大きな波紋を引き起こし、ドラパティ陸軍司令官は5日「ブトゥソフ氏の告発内容が概ね事実である」と認め、8日「第155機械化旅団の問題は陸軍司令部、参謀本部、最高司令部に責任がある」「この問題を取り上げてくれたジャーナリストに感謝する」「第155旅団の問題を改善するため陸軍司令部が下した決定をゼレンスキー大統領に報告し、現在の状況、下した決定の理由、取り組み対する責任者といった内容を説明した」と報告し、第155旅団は前線で戦いながら問題の修正に取り組んでいると明かした。

出典:Сухопутні війська ЗС України
ブトゥソフ氏も14日「最高司令部が新旅団編成を中止し、新兵を経験豊富な既存旅団や大隊に供給し始めた」と報告したものの、第155旅団の創設に関与したフランスでは現在も「アンナ・ヤロスラヴナの名を冠した第155旅団は失望の連続」「ウクライナはフランスが訓練して装備を与えた第155旅団をバラバラに分解して前線部隊の補充に送り込んだ」「第155旅団を創設して訓練するという仕事は簡単ではなかった」などと報じ、空軍から陸軍への転属事件と合わせて「戦闘職ではない技術者まで前線に送り込まなければならないはウクライナ軍の歩兵不足を象徴している」と指摘。
さらに英国のEconomistも「フランスが創設を支援した第155旅団は酷い失敗に終わった」「ゼレンスキーはフランスの怒りを鎮めるため『職権乱用という名目の捜査』を自ら監督している」「この問題は動員プロセスの不味さ、問題を認識しても無反応な最高司令部、資金を提供してもウクライナの方針に口出しを出来ない同盟国の落胆を浮き彫りにした」「第155旅団の創設に約9億ユーロの費用がかかっている」「元国防総省の高官も『良くも悪くも全ての決定はウクライナが下す』と述べた」と報じており、この事件はウクライナ支援国でも大きな波紋を引き起こしている。
Dans le Grand Est, l’entraînement de la brigade Anne de Kiev s’achève.
Le président de la République s’y était engagé : nos armées forment et équipent une brigade ukrainienne.
Avec @jnbarrot pour assister à leur dernier exercice, un modèle de soutien que seule la France met en… pic.twitter.com/3Fab9D570s
— Sébastien Lecornu (@SebLecornu) November 14, 2024
因みにEconomistは「ゼレンスキー大統領の要請を受けて米国とフランスは2個旅団、ドイツは1個旅団の創設に協力すると約束したが、フランスは第155旅団の結果を受けて2番目の旅団編成を保留し、米国とドイツは政権移行期なので旅団編成スケジュールが曖昧になっており、ゼレンスキーもスキャンダルを受けて新旅団編成を一時停止した」とも付け加えており、もうウクライナが提案する「短期間で何とかしようという解決策が当てにならない」と関係者全員が悟ったはずだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Sébastien Lecornu
信頼関係の崩れは、長期にわたって響きますからね。
欧米各国は政権移行期ですから、前政権の失敗として糾弾・方針転換しやすいですし。
戦時中と言えども、戦争期間が長いですから、パフォーマンスに頼りすぎる難しさを感じてしまいますね。
FNNオンラインに
「兵士不足のウクライナでゼレンスキー大統領が徴兵対象を17歳に引き下げる法案に署名 違反だと最大で約9万2000円の罰金」
という記事が記載されていたのですが、
記事の内容を読むと
「ウクライナで兵士不足が課題となる中、ゼレンスキー大統領は徴兵の対象年齢を17歳に引き下げる法案に署名しました。
日本の国会にあたるウクライナ最高会議は15日、ゼレンスキー大統領が17歳になった男性に対して名前や住所などの個人情報を軍に登録することを義務づける法案に署名したと発表しました。」
と記載されており、これは徴兵年齢が17歳に引き下げられる法案に署名したのではなく、17歳になった男性は名前や住所などの個人情報を軍に登録するだけで25歳になるまで徴兵はされないということでしょうか?
いくつか前の記事のコメント欄でも指摘がありましたが、実際に17歳に引き下げられたわけでは無いです。ミスリード記事ですね。
思うに、これから引き下げる為の下準備というところでしょうか。17から登録して8年も待つなんてあり得ない話ですし
昨日管理人様も書いていましたが直接ではないと思います。しかし、17で名簿登録、18で出国禁止ですから徴兵年齢を下げれば動員が速やかになるはずです。
それとこの年代は徴兵免除要件があまり使えないため実動員数が下がらない。
現時点では先走り記事ですが、私は若年動員の下準備だと考えます。
ぶっちゃけ詳細は下の内容を精査してくれとしか言えませんね、17歳の方に目が行きがちですが女性の事も書かれているので興味深い話ではある。
Проект Закону про внесення змін до Закону України “Про військовий обов’язок і військову службу” щодо особливостей взяття громадян України на військовий облік призовників та їх медичного огляду під час проходження ними базової загальновійськової підготовки
少なくとも徴兵と動員と言う言葉は分けて考えるべきで、今現在の動員(前線で戦闘をする)年齢が高めなのは死ぬ確率が高いからです。また戒厳令の期間中、正規兵役のための徴兵は行われないので戦後の徴兵制に関しての話でしかないと思いますね。確か現在の兵役対象者18~25歳は基礎軍事訓練を受ける必要があるので、その下準備と考えた方が視線です。
第155機械化旅団を巡る一連の問題は、ウクライナの組織運用における重大な課題を浮き彫りにした。まずは厳しい現実として、短期間で旅団を編成し戦場へ投入するという試みが、現代の戦争の複雑性に適応できなかった点を認めなければならない。また汚職や責任感を欠く一部の将官たちが引き起こした組織的な不備が存在する。この状況を打破するには、NATOが現在の枠組みを抜本的に見直し、より直接的な介入を行う必要がある。
汚職にまみれた将官を徹底的に排除し、その代わりにNATOの優秀な将官を司令部に配置すべきだ。これにより、意思決定の透明性と信頼性が大幅に向上し、リアルタイムでの戦術支援や適切なアドバイスが可能となる。こうした大胆な人事刷新が、ウクライナ軍の潜在能力を最大限に引き出す鍵となるだろう。さらに、現場の実態に即した訓練プログラムを導入する必要がある。現在の訓練は理論的過ぎるため、ドローン監視や塹壕戦といった戦場の現実に適応した実践的な内容に刷新すべきだ。加えて、兵站システムをNATO主導で再編成し、補給や資源管理の効率化を図ることが急務である。
>>その代わりにNATOの優秀な将官を司令部に配置すべきだ
あのー、その優秀なはずのNATOのやり方では到底生き残れないって当のウクライナからダメ出し喰らってるんですよねー
まあ生成AIの限界か
ごく初期、複数のウクライナ側白人義勇兵の証言としてNATO式は塹壕を無視していて訓練施設ごとロシア軍に焼き払われた、立派なテント村を作っていると批判されています。今の最前線にスノーピークの立派なテントを並べて宿泊するようなNATO式が対応できるのか楽しみですね
新設旅団でも47機械化旅団のように成功した旅団もあるんだけど中身は実戦経験豊富な将校と下士官に志願兵の組み合わせだからね。
予備役や他の旅団をクビにされた将校+無理やり連れてこられた民間人で作られた新設旅団では47旅団みたいにはなれない。
かつての国民擲弾兵師団を想起させますね。既存の師団を基盤として作られ、歴戦の将兵が多く残っていた第272や第340国民擲弾兵師団等の一部部隊は、粘り強く戦い活躍しましたが、大半は老人や他軍種からの寄せ集めで構成されており、ろくに抵抗出来ずに壊滅していったと。やはり部隊の新設は、経験をもった人材が一定数担保されていないと話になりませんね。
イギリスが皮肉を言ったあるけどウクライナがこうなった原因になった一因なのにどの面下げて言ってるんだと思いました。
ジョンソンが停戦の芽を潰したり王立研究所が「ウクライナ人は優秀だから通常だと半年は訓練に費やさなければならないところを2カ月で立派な戦士になる」とか煽ったイギリスは絶対に皮肉を言っていい立場ではないわな
むしろ戦後ウクライナにごめんなさいしなきゃならない立場だと思うけど
イギリス「なんで?」(ブリカスしぐさ)
南部反攻が頓挫した際に即席訓練だったから練度が足りなかったとか言ってメディアに答えてたのは本当に気分が悪くなりました。
イギリス「アドバイスはしたけど自分達で決めたことだよね?」
イギリス「なんで中東では争いが止まないやろなぁ」
155旅団の問題は、ウクライナだけでなく、マクロンの責任もあるのではないかな。新しい旅団をフランス流で白紙の状態から作って活躍させて宣伝するのは無理だよ。ずっとパトロンとして155旅団にフランスが補給をするとしても。
そもそも、一般的な(空軍や専門的な旅団はまた違いますが)ウクライナ軍旅団の強さは郷土部隊の面があるのですよね。編成地も補充もその郷土からされて、お互いに大隊や中隊の間でも分隊の人間関係でもある程度の信頼関係があるのですよ。西部と中部と東部では言葉のイントネーションとかも違いますしね。
もちろん豊かな都市やそうでない都市での差はつきますが、部隊への各種の補給やドローンなんかも郷土から来ることが多いですしね。
郷土部隊というのは旧日本陸軍の強さと同じようなところがあるのですよ。(アゾフなどのイデオロギーやパトロンとからの支援や補給という場合もありますが)
それなのに、一般のライフル旅団を人工的にフランスで一から作るのは、作ってから長年の基盤があるならともかく、短期で団結や相互信頼は難しいと思う。それなのに、このやり方は頭で考えたものなんですね。
フランスが批判しているけど、マクロンにも責任があるのでは?という、変わった視点からのコメントですが。
さりとて長期戦でウクライナが希望を見出せる訳でもなし
徴兵年齢を引き下げ、国体の将来を担う若者を前線に
放り込めば、NATOが要求する「前線の安定化」とやらは
達成できるのでしょうかね?仮に一時的にできたとして、
ロシアが譲歩すると?さらに安定化は継続できるのか?
できなかったら今度は14歳まで引き下げるんでしょうかね
もはやウクライナもNATOも出口戦略を見失い迷走を続け、
お互い責任転嫁をするドタバタを繰り返しているようにしか
見えませんな。我が国は距離を置き続けるべし
>お互い責任転嫁をするドタバタを繰り返している
米欧ウクの偉い人たちはみんな現場猫”俺のせいじゃない。あいつが悪い。仕方ないこと”状態ですな。
ま、貧して鈍してウクが追い込まれているのは結局のところ、代理戦争の黒幕の米欧のせい。傀儡のウクが木偶(でく)なのも見込んだ米欧が悪い。
せめてタオルを投げ込んでやればいいのだけど、コロッセアム状態でネロのようにサムズダウンしてる。
現にウクライナ軍はほぼ大隊規模で戦ってるんだろうし、外注するにしても、第47とか第3旅団が集めた志願兵達からなる新制大隊作った方が良いだろうに。
何で初めから旅団編成なんてやろうとするのか?ロシアが小隊規模の訓練だけ徹底的にやってるのと対照的で何だかな。
>志願兵達
実数として全然足りない
>新制大隊作った方が良い/旅団編成なんてやろうとするのか?
諸兵科連合で戦う力を付けるためには旅団として編成し訓練が必要。
総数が同じでも旅団編成にまとめた方が戦闘力は大きくなるし、諸兵科連合が出来ると更に戦闘力が上がる
>ロシアが小隊規模の訓練だけ徹底的
ロシアは師団編成にして戦力効率と総力を上げ諸兵科連合で戦闘力を更に高めてる。規模のバカでかい正規軍なんだし、小隊規模の訓練に特化しているということはないでしょ。
ここで紹介された何の記事かは忘れたが、23年頃のロシア軍の新志願兵達は、中隊規模以上の訓練はほぼやらずに小隊規模の訓練に特化していたらしい。まあ砲兵なり何なりの指揮はドローン介して指揮官がやるんだから、歩兵に中隊規模以上の協同能力を求めずとも、指揮官の匙次第で諸兵科連合組めるよね?
ブトゥゾフ氏のドラパティ将軍への厚い信頼もこういう真摯な対応を見てるんだろうが…
しかし完全にNATOの機嫌損ねて、あの大統領がまたもや軍部に八つ当たりしそうな予感もするし、ドラパティ将軍に期待されてるような宇軍改革は出来るのか?
22年秋にも50万人動員と同時平行で宇軍改革が出来てりゃ良かったが、あのときもつまらない”文民統制”で改革はなされなかったし、今回も大統領の介入がありそう。
たとえウクライナが降伏しても、戦略的に見ればロシアは敗北やな。ただでさえ国力が落ちてるのにスウェーデン、フィンランドがNATO加盟で敵が増えたし、アサド政権の崩壊でロシアの中東での影響力は弱まったね。
ロシアの未来もウクライナ同様詰んでいる
>ただでさえ国力が落ちてる
ロシアの国力落ちてませんねえ、、、何をもって落ちていると?
>スウェーデン、フィンランドがNATO加盟で敵が増えたし
もともとスウェーデン、特にフィンランドからすると、
ロシアは仮想敵国でしたよ。仲良くはなれない関係ですね
ロシアからすると大して変わりないのですよ
ゼレンスキーのように核配備まで仄めかすと違ってきますが
>アサド政権の崩壊でロシアの中東での影響力は弱まった
フメイミム空軍基地・タルトゥース海軍基地は存続しています
シリアはロシアにとってはアフリカへの中継点に過ぎないです
イランにとっては大打撃でしょうが
>ロシアの未来もウクライナ同様詰んでいる
ウクライナは詰んでいますが、ロシアは詰んでいないと思います
かといって欧州の独り勝ちなのかと言われると…。
ドイツなんかこの紛争で経済的に大打撃受けてしまったしフランスなんかアフリカから追い出される寸前…。
イギリスはエネルギーの高騰でカツカツ…そして我々日本も。
シリアに関してはロシアは影響力を失ったけど西側がシリアを制したわけでは無いからな。
ロシアも今度はリビアに影響力を造ろうと暗躍してるし楽観視は出来ない。
シリアの新政権はロシア軍基地そのままにするんでしたっけ。
まあ、ロシアの食料や農業にしても肥料頼ってたから、無駄に敵対する必要無いのもあるでしょうけど。
ウクライナもそろそろ政権審判しようぜゼレンスキー?
ロシア軍はほんとうに強くなりました。この1000日以上実践を積み重ねることによって、動員プロセス・訓練・兵站・指揮系統も含め陸戦においては既に最強と言えるのかも知れません。そして北朝鮮軍も貴重な経験を持って帰るのでしょう。もちろんウクライナ軍も日々進化しているとは思いますが、敗北濃厚という現状では国体の存亡すら危ぶまれています。ウクライナ軍は今からでも後方に全力で防御ラインを構築してそこまで早急に引いて、短期でも拮抗に持ち込めば停戦も可能だと思いますが、現状から目を背けたまま、やみくもにNATOに頼ったりトランプの個人手腕に期待したとしても国を守ることはできないと思います。
部隊レベルでの不備と軍令部の不手際は分けて考えないといけないと思うけど支援国側からすれば一緒か?
部隊編成や西側の訓練に難があったことは否定しないものの、新造部隊にそもそも無理な前線任務やらせたりといった司令部レベルの問題のほうが致命的な気がする
いやこの件に関してはドネツクOTG司令部レベルの問題ではないでしょう、むしろ被害者と言える
無理な前線任務をやらせたといったらそうですが、それは適切に部隊能力を評価する機能の不全という編成レベルの話ですよ
現地司令部としてはフランスで編成された鳴り物入りの重装機械化旅団という話で聞いているわけですから、それでそういうものとして扱ったらそんな任務は不可能などと言われても作戦の立てようがありません
既に手元にある部隊の能力を把握しておくこととはわけが違います