ウクライナ戦況

豪州によるエイブラムス提供、約束した一部が9ヶ月後にウクライナへ到着

オーストラリアは昨年10月「エイブラムス49輌をウクライナに提供する」と発表したが、米国が移転許可を出さなかったため実現に時間がかかっていたものの、豪国防省は19日「大半のエイブラムスはウクライナに到着し、残りも今後数ヶ月以内に納入される予定だ」と発表した。

参考:M1A1 Abrams tanks delivered to Ukraine
参考:First Australian Abrams tanks reach Ukraine after 9-month wait

提供数が少ないエイブラムスの運用維持要素まで加味するとブッシュマスターを送った方が喜ばれるかもしれない

オーストラリア陸軍は老朽化したM1A1エイブラムス=M1A1AIM×59輌のアップグレードを検討したものの、最終的にM1A2C/SEPv3構成に準じたM1A1×75輌を新しく発注し、アルバニージー政権は昨年10月「退役するM1A1AIM×49輌をウクライナに提供する」と発表したものの、豪国防当局者は今年4月「まだエイブラムスをウクライナに移転する許可が下りていない」「本当にウクライナがエイブラムスを欲しがっているのかも疑問だ」「この戦車にとって砲塔上部の装甲薄さは最大の弱点でドローン戦争には向いていない」と言及。

出典:Cpl Michael Currie

豪国営放送のABC Newsは5月「最初のエイブラムスがウクライナに向けて輸送され始めた」と報じいていたが、豪国防省も19日「ウクライナに対する揺るぎない支援は継続されている」「ウクライナの要請に応えてエイブラムスを49輌(約2.45億豪ドル相当)を提供する」「この大半はウクライナに到着済みだ」「残りの戦車も今後数ヶ月以内に納入される予定だ」と発表、kyiv Independentも「発表から9ヶ月後に待望のエイブラムスがウクライナに到着した」と報じている。

因みにドローン戦争において戦車が果たす役割は決定ではなく、ウクライナ軍もロシア軍もFPVドローンの的にしかならない装甲部隊の運用を控えており、戦場の優位性を決定づけているのは「歩兵」「ドローン」「大砲」「電子妨害」「要塞」の5要素で、提供数が少ないエイブラムスの運用維持要素まで加味するとブッシュマスターを送った方が喜ばれるかもしれない。

関連記事:オーストラリアがウクライナに提供を約束したM1A1、米国の許可待ち
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※アイキャッチ画像の出典:Cpl Michael Currie

欧州の無人戦闘機需要を巡る戦い、FQ-42A、FQ-44A、XQ-58Aが激突前のページ

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コメント

  • コメント (53)

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    • 納豆兵
    • 2025年 7月 19日

    えっ?今さらですか?

    23
    • Mr.R
    • 2025年 7月 19日

    < 提供数が少ないエイブラムスの運用維持要素まで加味するとブッシュマスターを送った方が喜ばれるかもしれない。

    これに尽きる……

    46
      • Mr.R
      • 2025年 7月 19日

      追記:本日行われたウクライナへの空襲について。
      ・イスカンデルM/KN-23 7発撃墜/12発発射
      ・イスカンデルK 7発撃墜/8発発射
      ・Х-101 9発撃墜/15発発射
      ・シャヘド+α 185機撃墜/129機電子戦で無力化344機発射

      6
      • Mr.R
      • 2025年 7月 19日

      ウクライナ国防省のHPに掲載された画像では少なくとも15輌のエイブラムスが確認できます

      6
    • 匿名希望係
    • 2025年 7月 19日

    当時は判明してなかったろうし。しゃーねぇー部分はあるよね。
    地対空ミサイルの方がうれしいはありそうだけど。

    15
    •  
    • 2025年 7月 19日

    250億かけて棺桶を送り込むのに9ヶ月もかけるなんて本当に無駄なことが好きなんだな。それともやってる感かな?

    35
      • Mr.R
      • 2025年 7月 19日

      「『負けた』と書くのにこの厚さ?」って画像を思い出しましたね

      22
      •    
      • 2025年 7月 19日

      Ⅿ1A1HCの輸出版でウラン装甲がタングステン装甲に変更されていたりするのですが・・秘密のオーバーホールでもしていて、Ⅿ1A1SA相当になっているのかも?

      2
    • p-tra
    • 2025年 7月 19日

    まあロシア人ブロガーがウクライナの捕虜の感想をまとめたっていう投稿をXで見たことあるけど、一番怖いのは戦車って言ってたらしいから全く無駄でもないんだろうが…
    戦車部隊を投入してもFPVのせいですぐ溶けて無くなっちゃうからな。
    120mm砲そのものは現代の陣地戦だって絶対に役立つだろうし必要とされてる
    と思うけど、どういうビークルに載せるのが良いかがまだ不明だ。
    ケージは応急策だしAPSもあんまり良い回答とは思えない。
    もう120mm砲載せられる内で最低レベルの車両を用意して無人操縦するのがいいかもね。

    25
      • hoge
      • 2025年 7月 19日

      そのFPV自爆ドローンで溶けるというのも公開されている映像は既に破損、放棄された車両の攻撃や、上手く行ったやつを抽出しているだけのようですけどね。
      それこそ、進化を続ける亀戦車相手では、弾頭の小さいFPV自爆ドローンではかなり苦戦するようですし。

      24
      • 名無し
      • 2025年 7月 19日

      運用としては簡易自走砲とはいえロシアが引っ張り出してきたT–55や62を馬鹿にするような意見もあったけど重機関銃を跳ね返しながら大砲をぶっ放す物として見たら旧式でも戦車は恐ろしい物ですよねえ

      62
        • kitty
        • 2025年 7月 19日

        高度なFCSによる精密な行進間射撃とか戦術データリンクなんてウクライナではほぼ無意味になりましたねえ。

        21
      • 中村
      • 2025年 7月 19日

       装甲付の120mm砲を前線で走り回らせる必要が有るのは、物陰や後方から撃つ120mm砲が的に直撃しないからです。

       見通し線外から的に当たる弾が出来てしまったら、ポジションを下げるのは当然だと思います。敵のドローンに駆逐されているというより味方のドローンに代替されているという側面もあると思います。

      19
        • Panzer
        • 2025年 7月 19日

        同意見です。例えばT-90Mは2023年以降被撃破数がほぼ0に等しいのですが、そのワケはやはりT-90Mが間接射撃可能でドローンの交戦距離をアウトレンジしているという点に尽きます。
        そりゃ、前線から距離を取るに従って生存性は上がりますよね。

        31
        • BUMAR-ŁABĘDY
        • 2025年 7月 20日

        本文ちゃんと読んでますか?
        9ヶ月後というのは今からではなく昨年10月から数えてという意味ですよ
        「発表から9ヶ月後に待望のエイブラムスがウクライナに到着した」

        3
      • aki
      • 2025年 7月 19日

      日本人義勇兵の方も戦車欲しいゆうてましたな

      16
    • せやかて工藤
    • 2025年 7月 19日

    アメリカ製の兵器って性能はよいけど
    世界一お金持ちな国が
    無尽蔵の補給と航空優勢下で使う前提だし
    支援頼みの貧困国が使っても
    額面通り働かんやろ

    39
    • たむごん
    • 2025年 7月 19日

    建設機械を送った方が、喜ばれるのかなと以前から考えています。

    復興用途として送っておいて、要塞建設に使ったとしても分からないでしょうし、戦車1台で大量に送れたかなと。

    ウクライナで使用環境・技術の系統を考えれば、エイブラムスは補給部隊に負担が重いだけでなく、部品交換やメンテナンスも大変な気がするんですよね…

    23
      • Mr.R
      • 2025年 7月 19日

      タタリガミ氏(間違っていたら失礼)も日本向けの投稿でヤンマーの小型シャベル等の重機を送って欲しいと言っていましたね。
      小型のシャベルでも1.7トンくらいは吊り下げられるそうですし、森林地帯や樹木線にも入っていけるため陣地構築がしやすいんだそうです

      19
        • たむごん
        • 2025年 7月 19日

        小回りが利いて、凄くいいと思います。

        シャベルは、アタッチメント(先っぽ)をかえることで、色んな用途がありますからね。
        シンプルに、スリングベルトやワイヤーで重量物を吊り上げもできるので、何でもありでいいと思います。

        フォークリフトなんかも、安価で地味ですが、物資の上げ下ろしに貢献できるため即効性があるだろうなと考えています。

        8
          • Mr.R
          • 2025年 7月 19日

          安価というのがまた良いですね。
          しかも小型なので船舶等の輸送コストも低く抑えられます

    • アイアン
    • 2025年 7月 19日

    ないよりはあったほうがいいのは間違いないですし、オーストラリアがモスボールするのも費用がかかるので、産廃処分のついでに支援実績積めるのはオーストラリア的には悪くないですかね。何よりブッシュマスターはオーストラリアで必要な装備でしょうから。

    24
    • 匿名
    • 2025年 7月 19日

    その9ヶ月後(2026年4月頃)とやらにはウクライナは一体どれだけの領土失ってそうかな?

    12
      • 病まんと
      • 2025年 7月 19日

      まぁ精々1、2%程度かと……イズムイコ先生も言ってますが戦術レベルでロシアが若干前進してても戦略レベルではほぼ膠着してますから
      そしてロシアとしても国家予算の四割投入でこれな以上これ以上大幅な戦力強化は困難でしょうし
      それこそもう一回数十万単位の動員すれば別でしょうけど

      19
        • 匿名
        • 2025年 7月 19日

        今もう既にポクロフスク落ちたら、北はそのままスラビャンスクやクラマトルスクの防衛線の背後取られそうだし、西はドニプロ州のパブログラード〜ドニプロ市まで一気に持ってかれそうなんですが…

        26
          • 名無し
          • 2025年 7月 19日

          持ってかれたら教えてくれ
          2-3年はかかりそう

          10
            • 匿名
            • 2025年 7月 19日

            今年入ってからもウクライナ側が急速に領土失い続けているのは少なくともこのサイト見てれば分かるもんなのに、それで停滞だの膠着だの言い切れるのが不思議で。これ以上は敢えて言わないけど。

            21
              • もん
              • 2025年 7月 19日

              どっちが間違っているとかではなく
              ウクライナが膨大な領土を失い続けているのも、停戦に至るには喪失ペースが不十分なのも両方事実といえるのでは?

              34
              • Test
              • 2025年 7月 28日

              ここに書かれてることは本当に正しいんだろうか?
              何らかの思惑がないと言いきれるのだろうか

        • T.T
        • 2025年 7月 19日

        国家予算の4割とかGDPの7%って数字は、全然戦時体制じゃ無いんですよ。かつて経済成長と両立可能なのがGDPの5%か6%かという議論がなされていたことを考えると、正直持続可能な範囲でしか無いと言うかまだまだ本気で戦争してないですね。

        2
      • BUMAR-ŁABĘDY
      • 2025年 7月 20日

      本文ちゃんと読んでますか?
      9ヶ月後というのは今からではなく昨年10月から数えてという意味ですよ
      「発表から9ヶ月後に待望のエイブラムスがウクライナに到着した」

      13
    • ヒュー
    • 2025年 7月 19日

    ポーランドかロシアにでも売ってその金で別の兵器買った方がええだろ

    6
      • 特盛
      • 2025年 7月 20日

      なんでこの文脈でロシアに売るなんて話が出てくるんだw
      もう無茶苦茶

      20
    • D-day
    • 2025年 7月 19日

    これがあったからトランプが攻勢ヤレヤレと言い出したのかな?
    ダメならウクライナも諦める可能性もあるし。

    5
      • 匿名
      • 2025年 7月 19日

      あの爺さんはアメリカファースト以上に、さらにそれ以上に自分自身の功名心と儲け話を優先しがちなんで

      15
        • グレート・アメリカ
        • 2025年 7月 20日

        まあ仮にもアメリカ大統領なら、米軍同様の装備になりつつある今のウクライナ陸空軍なら攻勢かけるべきだろうというのは分かる 特にMAGAを掲げてる今の共和党ならね
        細かい個人装備はともかく、重装備はM1、M2、F-16とかかなり米軍化してるし米軍同様の戦い方もできるようになりつつあるんじゃあないかと
        一昨年と違って戦闘機の提供で航空優勢の確保してからの攻勢ならいいんじゃない?と思うけどね

    • 匿名
    • 2025年 7月 19日

    ロシア側には既にこういうのも全部見透かされてるだろ

    12
    • .
    • 2025年 7月 19日

    まーたドローン怖くて芋ってるだけのゲームチェンジャーの投入ですか!

    11
      • 名無し
      • 2025年 7月 19日

      レオパルド2とかは知りませんけどエイブラムスに関しては供与された31輌の内4輌しか動いてないんで芋ってても運用が悪いとこうなるんだなとしか(クルスクで鹵獲されたのとか見ながら

      17
    • リンゴ
    • 2025年 7月 19日

    燃料が無くても動き、トップアタックにも強い魔法の戦車なら喜ばれただろうな

    8
    • 無名
    • 2025年 7月 20日

    9ヶ月なんて経った後に渡されても鉄屑みたいなもんな気が…
    その頃にはもう詰んでそう

    8
    • 2025年 7月 20日

    発表から9カ月かかったけれど、大半は既にウクライナに到着している。という記事ですよね?

    2
    • 2025年 7月 20日

    記事だと「大部分がウクライナに到着した」と明記されているのに読めない人が多いのに驚く

    21
    • dd4
    • 2025年 7月 20日

    ドローンが幅聞かせる今の時代には妄想の類だけど、重武装可能なパワードスーツ、
    それこそ漫画、redEyesのみたいな機動性とか火力重視を強化した機械化歩兵が一番最適解なのかもしれない…

    5
    • あかんて
    • 2025年 7月 20日

    またランセットの戦果が増えてまうわ

    4
      • 2025年 7月 20日

      コルネットもね!

    • 58式素人
    • 2025年 7月 20日

    いくつか前の記事で、ドイツがレオ2を約1000輌を調達とあったけれど。
    ドイツにはFPVドローン対策はできたのかしら。
    先日、よその記事で、スポーツカーのカブリオレみたいな折り畳み式のケージ装甲
    の紹介があったけれど、そうしたもので済ましてある程度の損害は受け入れるのかな。
    仮に、そうしたケージ装甲やドイツ式対策が有効であったとして、
    また戦車に需要が発生したら、当面、ウクライナはどのように戦車を補充するのかな。
    いくらなんでも複合装甲はないとまずいだろうし、第三世代戦車を保管してる国なんてあるのかな。

    2
      • 半分の軍事費の国から
      • 2025年 7月 20日

      新型戦車? いいえ「レオパルト2」です! 攻撃力も防御力も大幅向上「ひょっとしたら売れるかも!?」
      これで、検索して観て下さい。LEOPARD 2 A-RC 3.0

      2
        • kitty
        • 2025年 7月 21日

        レオパルド2は、数があり過ぎて、ショップチューンみたいなモデルがたくさん出そう。
        アフターパーツとかも。

        2
    • Easy
    • 2025年 7月 21日

    廃車予定のボロボロの車両を送っても、まともに動くのは一体何両あるか。
    実質的には半分以上は部品取り用のジャンクではないかと思いますね。
    日本も90式の実際の稼働数なんて帳簿の半分にも満たないでしょう。

    3
      •  
      • 2025年 7月 21日

      なおロシアはもっと稼働率低い模様

      2
      • たむごん
      • 2025年 7月 21日

      仰る点、個人的に気になってる点がありまして。

      戦車という事で、タングステンや合金を部品に多用してないかなと。

      生産数少ないうえに、製造加工が難しい部品を使っているとすれば、仰るように稼働率(平時、戦時)維持できるのかは気になっています。

      2
    •  
    • 2025年 7月 21日

    運用コストも含めて、必要なものを、必要な時に、必要な場所に的より多く投射できることが大事なのは世界大戦から変わってないからなぁ。ウクライナ軍が歩兵戦闘車で損害は出しつつも戦果を出していることを考えれば当然と言えば当然

    1

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