ウクライナ戦況

オスキル川沿いの戦い、西岸に渡河したロシア軍がドヴォリチナに侵入

ウクライナ人が運営するDEEP STATEは14日夜「クピャンスク方面のロシア軍はオスキル川西岸に兵士を送り込みドヴォリチナを占領し始めた」「クルフリャフカ方向のオスキル川沿いでもロシア軍が4km以上も前進した」「ドンバス方面のロシア軍がクラホヴェ市中心部の市議会を占領した」と報告した。

参考:Плацдарм на західному березі річки Оскіл в районі Масютівки поступово перетворюється на плацдарм у Дворічній
参考:Мапу оновлено
参考:Кураховское направление: продвижение в центре Курахово и бои в Константинопольском обстановка к исходу дня 14 декабря 2024 года

2024年にドネツク方面のロシア軍は直線距離で55km以上も前進しており、この数字は年末までに60km台に到達するかもしれない

DEEP STATEはクピャンスク方面ドヴォリチナ方向のオスキル川沿いについて先月24日「ロシア軍がドヴォリチネからボートでオスキル川を渡河し西岸に上陸した」「これは写真撮影のための渡河ではなく我が軍の陣地を占領したのだ」と、26日「ロシア軍がノヴォムリンスク集落に侵入した」「ロシア軍がオスキル川西岸の足場を広げた」と、30日「ロシア軍がオスキル川を渡河してドヴォリチナの南にも足場を築いた」と報告したが、ウクライナ軍の反撃によってノヴォムリンスク周辺の足場は今月3日までに消滅した。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

但し、ドヴォリチナの南に築かれたロシア軍の足場は大きさを縮小しても残ったままで、DEEP STATEは14日夜「ドヴォリチナ南方向のオスキル川西岸にロシア軍は兵士を送り込み続け、そこで立ち止まることなくドヴォリチナ方向に前進を続けて街を徐々に占領し始めた。この地域のウクライナ軍にはプロセスを適切に管理する者がおらず、敵の足場を排除するための作戦を立案する者さえいない。一部旅団の戦闘訓練には問題があるため、火消しのため到着した既存の部隊は利用可能な戦力と手段で奇跡を起こすことはできない。この地域の状況に最高司令部は注意を払い状況に対処すべきだ」と指摘。

更新された戦況マップの中でも「ロシア軍がドヴォリチナ郊外に侵入した」「ロシア軍がオスキル川西岸の足場を広げた」「グレーゾーンがP-79まで広がった」「グレーゾーンがドヴォリチナ市中心部の市議会周辺まで広がった」と報告しており、なぜノヴォムリンスク方向で出来たことがドヴォリチナ南方向で出来ないのかは謎だ。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

これまでの報告を加味すると「◯◯戦術グループ、◯◯作戦・戦術グループ、◯◯作戦軍」「◯◯機械化旅団」「◯◯独立大隊」というラベリングと「司令官の作戦指揮能力」「司令部の部隊運用能力」「旅団の戦闘能力」は一致しておらず、恐らく「反撃作戦を実行できる能力を備えた司令部と旅団」と「防衛ラインの塹壕を守るだけの司令部と旅団」は別もので、ドヴォリチナ方向のロシア軍を追い出すには前者(空中機動軍、第3強襲旅団、第47機械化旅団といった精鋭部隊)を持ってくる必要があるのだろう。

因みにDEEP STATEは「マシュティフカ近郊のオスキル川西岸の足場はドヴォリチナ攻撃のための橋頭堡に変わりつつある」と指摘している。

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DEEP STATEはクピャンスク方面クルフリャフカ方向のオスキル川沿いについて「ロシア軍がロゾヴァ周辺の渓谷ラインに侵入して集落の中心部に迫っている」「ロシア軍がロゾヴァ南郊外で西に大きく前進した」「グレーゾーンがゼレ二・ハイ集落まで伸びた」と報告。

もうロゾヴァ集落が包囲されるのは時間の問題で、ロシア軍はオスキル川沿いの拠点(ザフリゾヴェ~ボフスラフカ)を北と南から挟撃しようとしているように見え、さらにクピャンスクに次ぐ物流拠点のボロバまで約10kmの地点に到達しており、2025年にオスキル川沿いの状況は大きく動くかもしれない。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面について「ウクライナ軍がシェフチェンコ近郊でロシア軍を押し戻した」と報告。

クラホヴェ市内では昨日「ロシア軍兵士が市内中心部にある市議会で国旗を掲げる様子」が登場、これを受けてDEEP STATEは「ロシア軍がクラホヴェ市中心部にある市議会を占領した」と、RYBARも「ロシア軍がクラホヴェ市中心部にある市議会を占領した」「ロシア軍がクラホヴェ市中心部の大部分を制圧した」「ウクライナ軍最大の抵抗拠点は火力発電所で市内の拠点は少ない」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

DEEP STATEはRYBARと異なり「市内中心部のアパート地区はグレーゾーンだ」と主張しているが、どちらにしてもウクライナ軍は市内中心部で支配的でなくなっており、ここの支配がロシア軍に移るのも時間の問題だろう。

因みにウクライナ軍が2024年に「どれだけ後退したか」をまとめたマップを作るつもりだが、ドネツク方面のロシア軍は直線距離で55km以上も前進しており、この数字は年末までに60km台に到達するかもしれない。

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※アイキャッチ画像の出典:24 ОМБр імені короля Данила 

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コメント

    • 愛国戦線
    • 2024年 12月 15日

    >ラベリングと能力が一致していない
    宋代の官職みたいな話になってきた

    31
    • 通りすがり
    • 2024年 12月 15日

    どこかでウクライナ軍が反撃するたびに、「反撃作戦を実行できる能力を備えた司令部と旅団」がどこに注力してるか明確になって、別の所の「脆い旅団」の守るラインが突破されてるな。広すぎる戦線を整理しない限り、戦力不足はより深刻になっていきそう。

    43
      • たむごん
      • 2024年 12月 15日

      クルスク侵攻占領に、戦略予備・東部の正規軍を使ってしまいましたからね…

      ウクライナが東部で反撃するためには、新たに部隊を抽出する必要がありますから、仰る通りスカスカになる戦線が生まれているのでしょう。

      36
      • かぼ
      • 2024年 12月 15日

      目先のロシア軍に取られた領土の奪還ばかりに注力し、それ以外の地域で新たな領土損失を招いてるような見えますね
      本来なら徹底した防衛メインで兵員損失を最小にしないとマズい気がするのだが・・・

      30
    • たむごん
    • 2024年 12月 15日

    クピャンスク方面は、クピャンスク南北ともに厳しくなっていますね。
    クラホヴェも、南北西方向からの攻撃・圧力を想定した立地ではないですから、年内までには厳しそうな気がします。

    2025年は、2024年よりも厳しい戦いになりそうですから、防衛線が崩れているのを見ると大変な事になるかもしれませんね。
    ロシアが、滑空誘導爆弾・砲撃・ドローン攻撃による優勢が続いていますから、ウクライナ軍前線歩兵は毎日削られ続けています。

    砲爆撃は、兵士の損害だけでなく逃亡を助長する心理的な影響もあるでしょうから、大数の法則(期待値)がどの程度になっているのか気になっています。

    25
      • かぼ
      • 2024年 12月 15日

      滑空爆弾や砲撃のロシア優勢はともかく、ドローン数まで大差を付けられてるのは、本当にマズいですよね
      ロシア兵からですら、「戦場ドローンだらけで隠れたり逃げ回らないと生き残れない」なんて愚痴が出てるぐらいなのに
      それじゃその数倍のドローンに24時間襲われてるウクライナ兵の心情は如何に・・・と思ってしまいます

      40
        • たむごん
        • 2024年 12月 15日

        週800発前後の滑空誘導爆弾(複数のサイズ・種類)、砲撃は今も年700万発以上という試算もあるうえに、ドローンまで格差があれば仰る通りどうしようもないなと。

        中国が、ドローン世界シェア80%でロシア側なうえに、ウクライナの停電は生産効率をボロボロにします。

        ウクライナ前線歩兵は奮闘してると考えてるのですが、現場のガッツだけではどうにもならないのでは?単純に仰るような視点を考えてしまいます…。

        22
    • cosine
    • 2024年 12月 15日

    前方に進んだ縦の距離が55〜60kmとして、横幅はどれくらいと考えれば…考えたくもないでしょうけど。

    23
    • 名無し
    • 2024年 12月 15日

    ロシア軍が占領したりグレーゾーンになっているP-79周辺は比較的高地になっているため、このままだとドヴォリチナやザバトネは上から撃ち下ろされる形になることから正直厳しいでしょうね

    ドヴォリチナ制圧とP-79遮断後は南下する可能性が高いでしょうから、となればオスキル川両岸沿いから攻撃を受けることになるので、せめてオスキル川を防衛線にしてクピャンスクの西側だけは維持したいというのも難しいでしょうな

    18
    • ジェム
    • 2024年 12月 15日

    55kmが60kmでもドネツクからリヴォフまで何キロあるのか考えたらたいした問題じゃないですよ。ウクライナ軍は善戦しています。このままのペースなら負けるのはだいぶ先です。

    問題はシリア軍、アフガン軍のようにある瞬間で崩壊する場合であって、果たしてそれが近いのかまだまだ先なのかは55とか60の進撃距離からは読めやしません。

    10
      • かぼ
      • 2024年 12月 15日

      ウクライナ軍は、戦意が有るので前線整理さえして軍事的に正しい戦略を取れば負けるにしてもそれをかなり先延ばしに出来ると思うのですが・・・徹底抗戦からの壊滅を繰り返してるので色々とヤバいですよね
      シリア軍やアフガン軍は、そもそも士気が低かったのでウクライナ兵と比べるのは失礼なレベルかと

      37
        • 2024年 12月 15日

        指揮が高いのは二桁代の一部の旅団だけで7割の動員兵は勝てもしない戦争で死ぬなんてまっぴらごめんって思うのが正常な思考ですよ。
        戦争初期の士気とは別物ですね。

        22
          • かぼ
          • 2024年 12月 15日

          督戦隊クラーケンがロシア軍に殲滅させられたのでウクライナ動員兵も逃げやすくなったのが大きいのかもしれないですね
          ロシア側では結構なニュースだったのに日本語だと殆ど出てこない

          20
      • cosine
      • 2024年 12月 15日

      ウクライナが粘れているのは、ロシア側の事情にもよるところがあるかなと。
      ロシアにとって、戦時需要がある日突然ガタ落ちになってしまうのは非常に困るという。
      ロシア側は、国難に至らない程度の強度の紛争を数年程度は続けていきながら徐々に強度を落として、平時経済への回帰を穏健に進めたいのでしょう。

      16
        • 2024年 12月 15日

        インフレが凄くてガソリンは絶望的、外食はラーメン1000円どころか15000円以上当たり前の日本が言う事ではないと思うが。
        お金に困ってなくても色々と出費を控えてしまう。

        9
          • かず
          • 2024年 12月 15日

          ヨーロッパ諸国に比べてもガソリン価格は安く15000円のラーメンなんて見たこともない日本に住んでるのですが、どちらにお住まいなのでしょうか

          10
            • もい
            • 2024年 12月 15日

            さすがに1500円の間違いだと思うが
            1万円~10万円の高級ラーメンは実在するぞ
            神戸牛や松阪牛、フグ、カモ、オマールエビ、フカヒレなど

            Mashi No Mashi TOKYO=1万
            糸島真鯛らーめん 花束.hanataba=1万5千
            開運・必勝金箔山王ラーメン=10万円

            8
      • 名無し
      • 2024年 12月 15日

      まだその距離がどうのペースがどうの言ってるのか…
      ウクライナ軍にまだまともに戦える兵力があった1年半前はロシアの進軍スピードは1日で数メートルとかだったんですぜ?
      それがウクライナの主戦を削りまくった結果、1日数キロまで加速し、ウクライナ軍は兵力不足に陥り、兵力の補充も上手くいっていないのに現状の進軍ペースをそのまま維持できるとは思えませんが

      32
    •  
    • 2024年 12月 15日

    クピャンスク戦線は毎度毎度計画性の無さが部外者にも分かる、雑な攻勢が続いている内は大丈夫だろう。突破されたら不味いけど。
    南ドネツクは逆にウクライナさんが自軍の嘘報告とロシア軍の計画的で柔軟な攻勢に翻弄されてるとしか評価できない。やはりルハンシク方面より余裕がないのが全ての元凶では?

    13
    • マンゴー
    • 2024年 12月 15日

    60kmならさいたま市から横浜市ぐらいまでの距離だな
    都市部の割合が少ない(見た目)ウクライナでコレなのだから、都市部が多い日本で市街戦起きたらとんでもなく戦争が難しそう
    多分多摩川を無理に渡ろうとして被害を出す部隊が出るのかもしれない

    14
      • たむごん
      • 2024年 12月 15日

      日本の市街戦は、帰宅難民を想像すれば分かりやすいのですが、鉄道道路港湾・各種インフラどれかが大きく損傷した時点から兵糧攻めですね。

      自衛隊も、そもそも弾が足りていないので、ほぼ一方的に撃たれっぱなしになります。

      34
        • マンゴー
        • 2024年 12月 15日

        確かに
        発電所とか鉄道とか港を狙うのは凄い効果的だって分かりましたからね……
        それを考えたら、ウクライナは驚異的な粘りを見せてると思う
        人口密度が高い国は戦争やったらアカンのではないかな……

        15
          • たむごん
          • 2024年 12月 15日

          仰る通りです。
          アルメニア・シリア(アサド大統領)は違う事例ですが、ウクライナは驚異的に粘ってると思います。

          長期の継戦を選択、戦争で得られるものが何もない時、停戦交渉~戦後は『犠牲の意味』が問われるのが現実の辛いところかなと…
          人口密度の高い国は、なおさら仰る通りですね。

          17
        • かぼ
        • 2024年 12月 15日

        日本は兵糧攻めをされた時点でほぼ終了
        戦いたくても戦い様が無くなる
        ドニエプル川よりも遥かに大きい海という要害だけが頼りですね

        31
          • たむごん
          • 2024年 12月 15日

          仰る通りです。

          首都圏を中心に、インフラがあまりにも高度に合理化されていて、都市機能にもう遊び(ゆとり)がないんですよね。
          鉄道インフラの高度化、直通運転の進展や路線の複雑化により、人身事故1件で長時間・広域ストップするのも分かりやすいなと。

          世界史が証明していますが、海があって本当によかったと思います…。

          17
            • 2024年 12月 15日

            だからこそ日本には戦車不要論なんですよね。
            空海場自衛隊が阻止出来なくなって揚陸艦で機甲部隊が続々上陸した時点で詰みなんですよ。今のウクライナと同じ一方的に爆撃される訳で。

            9
              • 舎人
              • 2024年 12月 15日

              戦車不要論についてですが、戦車がないとそれを撃破する戦力が不要になり侵略のハードルが大きく下がってしまうので、結局戦車はあったほうがいいという話ではなかったかと思います。

              23
                • かぼ
                • 2024年 12月 15日

                戦車不要論を言う間抜けは流石に減ってきた気がしますが
                今の流行は戦闘ヘリ不要論でしょうか・・・
                個人的には、どの兵種も完全ゼロは、戦術的に盲点が発生しそうで怖い

                18
        • かず
        • 2024年 12月 15日

        糧食と違ってその辺のスーパーをあさったら出てくるような物じゃないので、撃ちぱなしの側も弾は海を越えて持って来ないといけないため、それほど楽な話じゃないと思いますよ

        3
    • 七資産
    • 2024年 12月 15日

    クピャンスクが抜けないから対岸おとして包囲するつもりなのかな?
    オスキル川のロシア側にウクライナ軍の一割3万くらいノコッテルらしいし

    8
      • かぼ
      • 2024年 12月 15日

      なんか撤退のタイミングを逸してる気がしますよね・・・今からで間に合う?
      川って移動するのにほんと厄介ですよね

      5
    • ヒュー
    • 2024年 12月 15日

    クピャンスク北方のP79を抑えられるとクピャンスク西岸に行ける幹線道路は西からのP07だけになりますね。
    (南からのP79は東岸を経由している)
    西からの鉄路もあるので致命傷にはならないでしょうは多少ウクライナ軍の補給に支障を来たしそう。

    5
    • nk
    • 2024年 12月 15日

    地図に颯爽と記載される、プレゼントされた要塞エリア。
    要塞構築する場所だけあってポクロウシク防衛の要の位置ですね。

    12
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2024年 12月 15日

      シェフチェンコでウクライナ軍が押し返したとありますが、ウクライナ国内・国外のどちらに対しても失態を喧伝される訳にいかないので、多少無理をしてでも取り返して「失態はなかった」にしたいのかなと思ってしまいます
      もちろん、軍事的な観点からしても取り返さなければポクロウシクが取り返しのつかない事になるのは目に見えているので何としてでも取り返したいでしょうね

      13
    • T.T
    • 2024年 12月 15日

    ロシア軍はドヴォリチナ方面まだ諦めてなかったのか。先日の反撃で橋頭堡を掃討仕切れていなかったということで、逆にこの方面のウ軍の予備兵力が尽きたと判断しているのかな?

    8
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