ウクライナ戦況

チャシブ・ヤールを巡る戦い、ロシア軍がカナル地区を占領して運河に到達

DEEP STATEとRYBARはバフムート方面チャシブ・ヤール方向について3日「ロシア軍がカナル地区を占領した」と報告、視覚的にもカナル地区の西端でロシア兵士が国旗を掲げる様子が登場し、遂にロシア軍はシヴェルスキー・ドネツ・ドンバス運河に到達した。

参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 2 июля 2024 года

今後は運河を巡る戦いやチャシブ・ヤール市内中心部を巡る戦いに発展する可能性が高い

RYBARはチャシブ・ヤール方向について先月末「ロシア軍がカナル地区の線路沿いで前進した」「ロシア軍がカナル地区で前進した」と報告、視覚的にもロシア軍兵士がシヴェルスキー・ドネツ・ドンバス運河のパイプライン沿い=を歩く様子、ロシア軍兵士がコンクリート工場付近=を歩く様子、ウクライナ軍がカナル地区のアパート=を無人機で攻撃する様子が登場。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

視覚的証拠のはRYBARの主張を裏付けるものだが、RYBARもについては言及しておらず、他のロシア人は「この映像はロシア軍の前進を示すものではなく偵察部隊の兵士だ」と主張しており、カリーニンの南に広がる森林地帯をロシア軍が占領したどうかは何とも言えない状況だったが、DEEP STATEとRYBARは3日「ロシア軍がカナル地区を占領した」と報告した。

DEEP STATEはカナル地区について「ウクライナ軍の報道官は6月9日『敵はチャシブ・ヤール市内に存在しない』と、6月27日『全ての敵を市外に追い払った』と述べたが、ロシア軍はカナル地区を占領した。残念ながら過ちは人員と土地で償わなければならず、このまま全て上手くいっているふりを続ければ事態は大惨事になりかねない。見習う価値のある部隊や旅団もあれば誰かの出世の生贄になるような部隊もある。主な戦術のミスは無意味な陣地の奪還、不利な位置での防衛、包囲された状況での防衛だ」と言及。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

視覚的にもカナル地区西端=の建物でロシア兵士が国旗を掲げる様子が登場、ロシア軍はカナル地区を制圧してシヴェルスキー・ドネツ・ドンバス運河に到達したという意味で、今後は運河を巡る戦いやチャシブ・ヤール市内中心部を巡る戦いに発展する可能性が高い。

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※アイキャッチ画像の出典:Енот Херсон

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コメント

    • たむごん
    • 2024年 7月 03日

    トレツク方面で、坑道作戦(トンネル掘削)が行われているようですが、チャシブヤール周辺でも行われるのか注目したいと思います。

    北朝鮮の工兵部隊派遣ですが、坑道作戦(トンネル掘削)に参加する可能性が指摘されています。

    >クシュ氏はロシアがすでにウクライナ・ドネツク地域のアウディウカとトレツクの近隣でトンネル作戦に入っているとし、アウディウカにはすでにトンネルがあり、トレツクには戦争中に長さ3.2キロのトンネルが新しく建設されたと伝えた。

    (7/3(水) 「北朝鮮、トンネル掘る工兵をロシア派遣の可能性…兵力1万5000人予想」 中央日報)

    14
      • 事実
      • 2024年 7月 03日

      塹壕ですら逐一ドローンに監視されているような状況で、察知されずに長大なトンネルを掘れるかどうか?
      重機を使えば容易に発見される
      手掘りでも人の出入りは隠せないし、人1人が通れる程度のトンネルでも大量の排土が出る
      険しい地形ならともかく農地と森林の混じる平地ではすぐバレる(泥濘期ならバレにくい?)

      幅の狭い城壁であれば内部に侵入するにも城壁を崩すにも有効だろうけど、下手すりゃ500mに及ぶ地雷原を抜け塹壕を超えたところまで掘り進む必要がある(敵に見つからない遥か後方から)

      小さなトンネルでは一度に送り込める戦力もしれている
      籠城戦ではなく相手は長大な戦線なので歩兵をいくら突っ込んでも嫌がらせにしかならない

      重火器を持ち込めるほどのトンネルを複数同時に、敵に気付かれずに掘れるなら効果があると思う

      個人的には、その人員と装備は塹壕掘りや陣地作りに使いたい
      よほど確実に役にたつ

      4
        • たむごん
        • 2024年 7月 03日

        アウディーイウカは、南部の氷結したパイプラインを掘削して、歩兵を送り込んだのが防衛ライン突破のきっかけでしたかね(記憶ベースです)。

        ロシア軍・ロシア民間企業の余力は気になるなと。
        戦争中は、陣地構築・復興などいくらでも人手が必要でしょうからね。

        8
        • 無名
        • 2024年 7月 03日

        ドネツク州は鉱山が多いので、昔の坑道跡なんかが無数にあります。
        そういうのを見つけて整備してる可能性もあります。

        9
          • 事実
          • 2024年 7月 03日

          ソレダルやチャシブヤールならともかく、トレツクに鉱山があるのか?
          チャシブヤールの鉱山も現在はウクライナ支配エリア
          イメージだけでなく具体的に

          1
            • 事実
            • 2024年 7月 04日

            まずは鉱山のあるなし
            あったらその位置が前線方向か否か(掘れるのは多くの場合数kmでしょう)
            次に航空写真で露天掘りか否か(露天掘りにまともな坑道はない)
            それ以外だと入り口と出口の標高差(上りはキツイ)、間に川などの地下障害物がないかどうかetc.

            具体的に見れば個々の問題点がクリアになっていく

            1
              • 事実
              • 2024年 7月 04日

              あとテリコンがあるので炭鉱の可能性が高いと思うが、露天掘りをやっているようなエリアで坑道掘ると無茶崩れやすい

              その意味では(素人やおそらく多くが露天掘りであろう国内の人間ではなく)、北朝鮮の専門家を入れる意味はあると思う

              4
    • しゅら
    • 2024年 7月 03日

    押される一方ですね。
    欧米からの支援はもう十分に届いているのでしょうが、それだって使い続けていたらすぐに無くなってしまいますよ…

    25
      • kame
      • 2024年 7月 03日

       最低でも反転攻勢前に用意した位の兵器や弾薬があって、それを充分に使いこなせる兵士がいないと簡単には状況は変えられないでしょうね。

      19
        • 阿呆
        • 2024年 7月 03日

        それは私も考えていまして砲弾のない砲兵を塹壕に配置したりTOWのないブラッドレー2両でT-90に20ミリ機関砲で近接戦闘と勝った例だけ武勇伝になるがもちろんその数倍損害を出していると見た方が良さそうだ。

        34
      • なな氏
      • 2024年 7月 03日

      軍事物資を積んだ貨物列車がイスカンデルMによって破壊される動画が公開されていました。
      支援された物資は列車により輸送され、集積所に集めておかねばならないですから。
      そこを空爆により攻撃されればいくら支援されたとしても、前線に届く量は微々たるものでしょう。

      14
        • 事実
        • 2024年 7月 03日

        こういう映像を見るたびに、ロシアだろうとウクライナだろうと最低限クラスター弾、出来れば同時に10発以上ないと大した効果がないな、と思う
        ただクラスター弾だと積載された戦車は無理、薄いAFVなら抜けるのか?
        大陸の長大編成に対して数発の弾では効果は限定的、ましてや通常弾単発では、、、
        積み下ろしのタイミング(貨物ターミナルや側線)なので、本線の運用にもほとんど影響しないだろ

        やはり大規模な集積所があればそちらの方がよほど効率がいい、、、けど最近は両軍とも分散してるからそれなりに狙う価値はあるのか?

      • akiyori
      • 2024年 7月 03日

      雷十太先生じゃないんだから、ウクライナにしろロシアにしろ1地区程度の奪還や損失に一喜一憂するのはやめなされ
      ウクライナが青褪めるかロシアが大喜び出来るのは10km先にあるコンスタンチノフカがどうこうなってからだ

      9
        • ななしびと
        • 2024年 7月 03日

        まあチャシブ・ヤールもアウディイウカ同様にいずれ陥落するだろう、というのは露宇双方の見立てではあったはずですから。
        とはいえ、アウディイウカ陥落後のロシア軍がノヴォオレクサンドリヴカまで占領しているのを見ると、落ちてしまえばあっという間にコンスタンチノフカまで行ってしまいそうな気はしますが。
        弾薬が届き始めてもロシア軍の進攻が止められていないというのは、弾薬の有無に関わらずもっと根本的なところでウクライナ軍は苦慮しているのでは?とも思えますね。

        30
    • M
    • 2024年 7月 03日

    カナル地区の守備隊は撤退命令が出されることもなく玉砕したということか。

    26
      • Easy
      • 2024年 7月 03日

      というかここ最近の色々なリークで分かったのは、ウクライナ軍には国土の死守命令が出ていて、後退すると罰せられる(おそらく懲罰部隊に入れられて砲弾のエサ)、ということです。
      旧日本軍を彷彿とさせますが、旧日本軍は下がりたくても顔下がれない孤島での防衛戦が多かったのに対して。ウクライナ軍は下がれるけど下がらない、命をかけて国土を守り抜いているという点が違いますね。

      26
        • なな氏
        • 2024年 7月 03日

        ウクライナ軍の方も下がらないのではなく下がれないのではないでしょうか。
        FPVドローンでの攻撃は、ウクライナ側の映像ばかりがもてはやされていますがロシア軍の方が何倍もの数を運用しています。
        偵察ドローンの数、砲兵の数、航空支援の数、どの点でもロシア側が数で優勢であり、
        そんな中で比較的安全な防御陣地を抜け出し後方まで下がるなんてのは事は自殺行為であり誰もやろうと思わないでしょう。
        そして気付いた時にはロシア軍に囲まれ身動きできなくなり結果として玉砕…と言う事が繰り返されてるのでは無いでしょうか。

        40
        • たむごん
        • 2024年 7月 03日

        情報ありがとうございます、勉強になります。
        最前線は過酷な状況ですね。

        ウクライナからの男性観光客が、銀座のトンカツを食べに遊びにきていましたが、上級国民と前線兵士に断絶を感じます。
        男性は出国禁止のはずなのに、観光で出国できるのと思ってしまいますね(議員家族のバカンスはありましたが…)。

        (2024/06/21 雨でも大行列!空前の“カツブーム”なぜ外国人に人気?【スーパーJチャンネル】(2024年6月21日) ANN news Youtube)

        26
        • 事実
        • 2024年 7月 03日

        良くも悪くもウクライナは地縁血縁で結ばれたオルガルヒが統制する社会
        政治経済だけでなく軍にも実質私兵じみた組織が残る
        マリウポリにアゾフ、セベロドネツクにアイダル、リシチャンシクにスヴォボダ
        多くのオルガルヒの富と権力の源は、その自らの支配する地方にのみ存在する
        中央の死守命令があろうがなかろうが、オルガルヒは自らの利権維持のために表も裏もあの手この手で死守しようと試みていて不思議じゃない

        そもそも中央政府や軍に地方をグリップするだけの力があるとは思えない(死守命令を出していないとは言ってない)

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          • Easy
          • 2024年 7月 03日

          私兵と言えば。
          最近聞いた話でたまげたのは,今ウクライナ各地にオリガルヒが組織した「私設警備隊」がおり。
          これが地元の徴兵事務所と結託して、「徴兵対象者の追い込み漁」をやってるそうです。
          これはどういうことかというと。ウクライナの徴兵には非常に形式的ないくつものルールがあって。召集令状は本人に直接渡さないと効力を発揮しないとか、私的領域に踏み込んではならないとか,走行中の車を止めてはならないとか。
          そこで。
          私設警備隊という名の武装組織が,各家に押し入って対象者を無理やり家の外に引きずり出すんですね。そこで待ち構えている徴兵担当者が令状を渡して強制連行、と。他にも路上に勝手に検問所を作って、徴兵出来そうな男性を見つけると車から引きずり出し。そこで徴兵担当に引き渡すと、ウクライナ法には触れないで合法的に徴兵可能なんですね。もちろん私設警備隊のやってることは違法ですが、そんなの誰も検挙しないから無問題。
          今や,生き残りたかったらコネを駆使して私設警備隊に入って狩る側に回るか,ルーマニア国境を泳いで渡るかの2択だそうで。。

          24
          •   
          • 2024年 7月 03日

          オリガルヒは、旧ソ連地域に出現した新興財閥だけど、ソ連の伝統じゃないからなぁ。いびつな資本主義としか言いようがない。
          その一方、腐敗とオリガルヒは、密接な関係があるわけで、何でもかんでもソ連文化で説明するのも、微妙だよなと思ってしまう。

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