ウクライナ戦況

リマンを巡る戦い、ロシア軍が広大な森林地帯を突破してヤムピリに侵入

DEEP STATEとRYBARは「ロシア軍が東部戦線の複数方向で前進した」と報告、特にDEEP STATEは「ロシア軍兵士がリマン方面のヤムピリに侵入した」「この周辺ではロシア軍兵士の姿が繰り返し確認されている」「敵はヤムピリへの侵入ルートを見つけている可能性が高い」と指摘した。

参考:Мапу оновлено
参考:225 ОШП продовжує витісняти ворога на Сумщині 
参考:Ось так в селищі Ямпіль шастають кацапи, одягнувши цивільний одяг, щоб замаскуватися 
参考:Хроника специальной военной операции за 13-14 сентября 2025 года
参考:Штурм Ольговского наступление российских войск к Успеновке и Большемихайловке 

遂にロシア軍がヤムピリ集落内に侵入、ドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面ではロシア軍が成功を収め続ける

DEEP STATEはスームィ方面について6日「ロシア軍がユナキフカの大部分を占領した」「ロシア軍がユナキフカ郊外で支配地域を広げた」と、14日「ウクライナ軍がコスティアンティニフカ方向でロシア軍を押し戻した」「ウクライナ軍がアンドリイフカ北郊外でロシア軍を押し戻した」と報告。

出典:管理人作成

ウクライナ軍の第225独立突撃連隊はキンドラティフカとアンドリイフカの奪還に成功した後も反撃を続けており、DEEP STATEも「第225独立突撃連隊の兵士らは優れた攻撃計画と組織化によって要塞化された地域から敵を押し戻し続けている」「第225独立突撃連隊は他の地域でも敵の前進を食い止めながら前進を続けている」「この経験が今後旅団全体に反映され新たな成果に繋がることを期待している」と述べている。

ロシア軍はユナキフカ方向で成功を収めているものの、スームィの北部に広がる森林地帯の迂回=ホーティン方向に前進する足場を失いつつあり、ウクライナ軍がオレクシイウカを奪還できればスームィの状況は比較的安定したものになるだろう。

出典:管理人作成

DEEP STATEはクピャンスク方面について15日「グレーゾーンがクピャンスク方向に伸びた」と報告、視覚的にもウクライナ軍がクピャンスク市内の中央病院北の建物=を攻撃する様子が登場した。

DEEP STATEはリマン・シヴェルシク方面について9日「最も厳しい状況はフリホリフカとセレブリャンカの対岸に位置する森林地帯で、敵は既にここを支配するための足場を固めている。さらに敵はドロニフカ方向の森林地帯への進入路も遮断しようとしており、残念ながら敵はこれをほぼ達成している。ヤムピリ~ザリチネの道路周辺でも定期的に確認されており、この動きはウクライナ軍の陣地にとって不快な兆候だ。なぜなら浸透してくる敵の出現を予想していない陣地を脅かし、この方向の防衛や補給を困難にするからだ」と言及。

出典:管理人作成

DEEP STATEは15日「グレーゾーンがヤムピリ集落内に伸びた」「グレーゾーンがドロニフカ方向に伸びた」「セレブリャンカがほぼグレーゾーンに包まれた」と、RYBARは「ロシア軍がセレドニェを占領した」「ロシア軍がシャンドリホラブ西郊外で支配地域を広げた」と報告し、ロシア軍はDEEP STATEが懸念していた通りヤムピリに進出し、さらにセレブリャンカの背後にも回り込もうとしている。

DEEP STATEはニトリウス川沿いの状況について何も言及していないが、RYBARの報告が事実ならロシア軍はニトリウス川西岸地域に足場を築いたことになり、シャンドリホラブを守るウクライナ軍は両翼からの圧力に晒される可能性が高く、ヤムピリ方向の動きと合わせるとリマン背後に広がる森林地帯に左右から侵入するつもりなのかもしれない。

出典:DEEP STATE

追記:DEEP STATEは「ヤムピリではロシア軍兵士が民間人の服を着たまま小銃を撃っている様子が確認されており、これはロシア軍が国際法に違反している一例だ」「ウクライナ軍はヤムピリに侵入して家屋、地下室、貯蔵庫に隠れたロシア軍兵士を追跡している」「ここでも問題になっているのは避難しなかった民間人の存在だ」「ロシア軍は避難しなかった民間人が暮らす家屋を積極的に利用している」と指摘。

さらに「ヤムピリ周辺ではロシア軍兵士の姿が繰り返し確認されており、敵はヤムピリに侵入するルートを見つけている可能性が高く、今後はヤムピリ占領のための動きが活発化するだろう」と述べており、もしヤムピリを奪われるとシヴェルシクやリマンをFPVドローンで攻撃する拠点として機能し、オゼルネやディブロヴァに進まれるとスラビャンスク~シヴェルシク間の移動が困難になるかもしれない。

出典:管理人作成

DEEP STATEはポクロウシクについて15日「ロシア軍がズヴィロヴェ集落内で支配地域を広げた」「ロシア軍がズヴィロヴェ南郊外で支配地域を広げた」「ポクロウシクのゼレニフカ地区でグレーゾーンが伸びた」と報告。

DEEP STATEはドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面について6日~15日の間に「ロシア軍がイヴァニフカ、ノヴォセリフカ、シクネヴェ、ホロシェ、ヴォローネ集落内に侵入した」「ロシア軍がマリイフカ集落の大部分を占領した」「ロシア軍がテルノヴェ西郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がコミシュヴァハ西郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がノボシルカを占領した」「ロシア軍がノヴォイヴァノフカ方向に前進した」と、RYBARは「ロシア軍がソスニフカ、ホロシェ、テルノヴェ、ノヴォミコライウカ、オルヒフスケを占領した」「ロシア軍がノボピル西郊外で支配地域を広げた」と報告した。

出典:管理人作成

この方面に関するDEEP STATEとRYBARの評価には多くの食い違いがあるものの、ロシア軍が前進している方向については概ね一致しており、ここのロシア軍だけは夏季攻勢後も全く勢いが衰えない。

追記:ウクライナ戦況に分類される記事のコメント欄を試験的に再開してみます。

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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

  • コメント (13)

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    • たむごん
    • 2025年 9月 16日

    ウクライナ戦争、まだまだ続くのがほぼ確実だろうなと。

    興味深い事象は、どういった効果があったのか、1週間程度のんびり見るくらいのつもりで観察していきたいですね。

    27
    • nk
    • 2025年 9月 16日

    クピャンスク、ポクロウシク、コンスタンチノフカ等の要衝での激戦にウクライナは戦力投入してるでしょうからロシアの進軍速度見るとリマンやシベルスクの郊外守れる程のリソースはもう無い様に見えますしドニプロ州方面はすでに防衛ラインが突破され面で押されている様に見えますがどの辺りに防衛ライン引き直しを行っているんでしょうかね、ロシアはポクロフスケの攻略を狙っていそうなのでポクロフスケ郊外という所になりそうでしょうか。またクピャンスクは完全に市街戦に突入しているのに何故川向こうから撤退しないのか非常に不思議で装備捨ててでも兵員を逃さないと川向こうの部隊は全滅する未来しかみえないけど、もはや撤退も厳しい様な状況にあるのかもしれませんけども。

    38
    • 匿名
    • 2025年 9月 16日

    森林地帯云うても、既に両軍の砲撃で焼け野原じゃなかったっけ。

    5
    • Mr.R
    • 2025年 9月 16日

    (コメント欄再開)やったぜ。暴れんなよ、暴れんなよ。

    思えば以前に見たドローン攻撃の映像では上下ジャージの上にプレキャリを着た兵士が排除される光景が映っていました。あぁいうのを見る度にやはり勝った者が勝者なんだなと思わされます

    16
    • 暇空が嫌いなナニカ
    • 2025年 9月 16日

    ウクライナ南部の状況についてはあらかた予想通りの事が起きていると思う。
    ザポリージャ州の陣地線は現状ロシア軍の北上に対応しているから、横からの攻撃には対処できない。
    じゃあ新たに陣地線を構築しようにも、戦線が膠着状態ではないからそれも難しい。
    それと疑問としてウクライナ政府は未だにロシア軍のドニエプロペトロウシク州への侵入を認めてないの?
    和平交渉での交渉は現状はまだ4州のままだけど、ロシア軍がこのまま進攻を続ければ、確実にプーチンはドニエプロペトロウシク州も要求してくる。
    すでに複数の集落がロシア軍に落ちている以上、このまま隠蔽しても傷口が広がるだけで何も良いことは無いと思うけど。


    管理人コメント解放感謝

    21
    • もへもへ
    • 2025年 9月 16日

    ロシア軍の進撃が止まる+ウクライナ軍が反撃する戦線はウクライナ軍が予備兵力を集めてきてる証拠で、反面予備を抜かれて手薄になった他戦線をロシア軍が進撃続ける状況って多いんですが、大きな破綻をきたさずにいるあたり損耗補填は比較的順調なんでしょう。

    もう時期戦争開始4年目に突入するので、ロシアは経済的に、ウクライナは人的資源的に戦争を中断したいと言うのが本音な気がしますが、一時期盛り上がった停戦機運は今は萎んでいますので、どちらかが音を上げる迄のチキンレースになってると感じます。

    しかし今回の戦争で大規模機甲部隊による機動戦は最早実施困難となり、ドローンと小規模歩兵の浸透襲撃で少しづつ前進が解となりましたが、この戦い方は命も砲弾もドローンの値段も高くて損耗に対する耐性が低い西側諸国にとって相性が悪過ぎる。
    何かしらのブレイクスルーで機動戦に戻さないと不味いと思います。

    8
      • p-tra
      • 2025年 9月 16日

      そうだろうか?
      どうも接近拒否の方が強いようだから素直に接近拒否を利用する
      戦術を採用した方がいいんじゃないだろうか。
      何が何でも機動戦をしてやろうとして無惨に失敗した時のことを
      考えたらリスク大きすぎると思うけど…
      この戦争で分かったのは、ちゃんとした接近拒否兵器があれば
      戦闘機も戦車も恐れるに足りないということ。
      防御はかなり低コストでも成功する、という割と昔ながらの事実が現代でも
      通用することが分かった、つまり基本的に侵略側が不利ってことでしょう。
      だから別に侵略の必要性は感じてない国は安心していいと思います。

      11
      • 中村
      • 2025年 9月 16日

      >機動戦は最早実施困難となり、ドローンと小規模歩兵の浸透襲撃で少しづつ前進が解

       物凄く、我に都合が良い様に思えます。都合が良すぎて信じ切れない程です。

      7
    • 現実主義者
    • 2025年 9月 16日

    リマンとシヴェルシクの連絡が絶たれるようなことになると
    難攻不落だったシヴェルシクがかなりまずい状況になるのでは

    9
    • 赤狐
    • 2025年 9月 16日

    俺の考えとしてはですが、やはりこの戦争自体はそろそろ終局に向かっていると思います。
    根拠としてはスームィ州でのウクライナ軍の躍進ですね。
    単純に守るという意味では、スームィ州からクルスクに向かって進撃しても以前のような規模の部隊を用意は出来ないでしょうから、実の所ほぼ「軍事的」には無意味だと思われます。
    しかし、「政治的」にはウクライナ軍もロシア領内に兵隊を進入させて制圧行動が出来るとアピールする事は意味があると俺も思います。
    ですが当然のことながら、こんな事をしていると他の地域の戦線がお留守になってしまうし、実際そんな感じで突破されている所は多いです。
    長期戦をウクライナ側が本当に想定しているのなら、流石にこの段階では「アピールとか映え」は考えても仕方がありません。今激しく争ってる地域のポクロフシクもクピャンスクも重要拠点であり、占拠されてしまってはスームィ州でちょっと頑張ったくらいのお手柄は吹き飛んでしまいます。
    という事で、ウクライナも出来るだけ早く幕引きと言うよりも、一時戦闘停止にしたいのでは無いかと考えます。勿論それは重要拠点が陥落する前に、です。その為の同盟国を説得するための材料としては再度のクルスク州への侵入はもしかしたらいみがあるかもしれませんから。
    そして、一度停戦状態が成立してしまうと、双方の損害の実情が結局は大体明らかになってしまいます。俺はこれにロシアよりもウクライナの方が耐えられないと思いますし、実際欧州などが停戦後の安全の保証についての話ばかりしているのを見ると、彼等自身も継続させる事にあまり熱心であると思いません。
    フラミンゴミサイルやERAMは効果があると思っていたら、もっと早く計画はスタートしてとっくの昔に供与されていたと思います。よってあれもロシアに対しての交渉材料の一つとしての見せるための兵器システムだと思いますね。少なくともカタログスペック的には脅かすには十分ですから。

    12
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2025年 9月 16日

    ポクロウシクに相当に兵力を入れたんでしょうね
    「あっちを立てるとこっちが立たない」の典型みたいな状況に見えます
    ウクライナでは12万人の動員が発表されてましたが人員不足がどうしようも無いのでしょうか

    24
      • 名無しさん
      • 2025年 9月 16日

      ポクロウシクはバフムト化してると言ってた方がいたがその通りだと思う。
      既に半包囲された不利な都市に投入可能なありったけの資源を注ぎ込んでる

      21
    •  
    • 2025年 9月 16日

    リマン方面と南ドネツク方面はわけがわからない
    というより同方面のウクライナ軍の戦場認識力が下がっているということなのか、DSの報告もロシア軍襲来の点を繋いでグレーゾーンにぶちこんでいるだけのように見えるし、逆にrybarの報告も攻撃側の機動はあえてぼかしているところがありいまいち信用出来ない
    このまま戦場の霧が濃くなっていくようなら伝統的な機甲突破も夢じゃないように思われるが、うまく行ってほしいものだ

    6

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