ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは「ロシア軍がトレツク市内のジェルジンスキー鉱山を占領した」と、ウクライナ人が運営するDEEP STATEは「ロシア軍がポクロウシク近郊のシェフチェンコで足場を拡大した」と報告、ポクロウシクの防衛ラインで生じた裂け目は大きくなる一方だ。
参考:Мапу оновлено
参考:Штурм ключевой высоты в Торецке, взятие Кураховского водохранилища — сводка за 8 декабря
東部戦線におけるロシア軍の前進テンポは停滞しているものの重要な方向への前進は続いている
RYBARはトレツク市内について「ロシア軍がマヤコフスキー通り沿いの行政区画を占領した」「ロシア軍がジェルジンスキー鉱山一帯を占領した」「ロシア軍がザバルカ西地区で占領地域を広げた」と報告。
恐らくRYBARの報告は昨日紹介した視覚的証拠(ウクライナ軍がジェルジンスキー鉱山の西に位置する住宅地区でロシア軍を攻撃する様子)に基づいたものと思われるが、ロシア軍がジェルジンスキー鉱山を占領した視覚的証拠は登場しておらず、DEEP STATEも何も言及していないためウクライナ軍がジェルジンスキー鉱山一帯を失ったかどうかは何とも言えない。
もしRYBARの報告が事実=ウクライナ軍がジェルジンスキー鉱山一帯を失っている場合、鉱山に隣接するテリコン群が本気で危なくなるためトレツク市内の戦いは山場を迎えたと言える。
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面について8日夜「ロシア軍がシェフチェンコ周辺で支配地域を広げた」「シェフチェンコ市中心部がグレーゾーンに移行した」「ロシア軍がプーシキン周辺で支配地域を広げた」と、RYBARも「ロシア軍がダチェンスケ方向に支配地域を広げた」と報告、視覚的にもウクライナ軍がダチェンスケ郊外=Ⓐでロシア軍の装甲車輌を攻撃する様子が登場。
ロシア軍がシェフチェンコ周辺に足場を確保したことでポクロウシク南郊外の要塞地帯=ヴィドロジェニア、ゼレーネ、ダチェンスケ、リシフカの縮小が始まっており、このポケット内のウクライナ軍陣地は3方から圧力を受けているため消滅するのも時間の問題のように見える。
DEEP STATEはクラホヴェ・ヴフレダル(南ドネツク)方面について「ロシア軍がクラホヴェ市内で前進した」「ロシア軍がダル二ジェの北でロシア軍が支配地域を広げた」「ロシア軍がトルダベ方向に前進した」と、RYBARも「ロシア軍がスターリ・テルニーを占領した」「ロシア軍がウスペニカ方向に支配地域を広げた」「ロシア軍がスキ・ヤリ方向で支配地域を広げた」と報告。
因みに東部戦線におけるロシア軍の前進テンポは停滞しているものの、重要な方向への前進は続いているため「状況が安定している」とは言い難く、まだまだウクライナ軍が押し込まれる状況が続く可能性が高い。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
停滞(前月比)
今までが早すぎたし、重要拠点での進撃とポケットの掃討は続いているからまた一気にブチ抜かれる可能性はある
何よりポクロフスク方面の防衛線が危うい感じの壊れ方してる
停滞?してるんですかね?
こう毎日ジワっと地図の支配領域やグレーゾーンが変化してると正直、違いが良く判りません・・・
地図上だとそう感じるけど、実際は地点ごとに情報が発生しててそれをマップに色分けとして落とし込んでるので、戦闘が少ないと自然そうなるかと
RyberとDEEP STATEの両方の情報を統括して形にするのは大変な作業だと思いますけれども
ここ数日はシリアの政権崩壊でロシアは同盟相手を助けないから信頼関係が崩れて周辺諸国が反乱して勝手に崩壊な反応が溢れ始めてきてますが、西側だと何回目の労せず相手が自滅してくれる願望なんでしょうかね…
そもそもイギリス・アメリカなんて何回同盟相手見捨ててるんだ、という……
アフガンで人が飛行機から落ちた光景はまだ記憶に新しい
例によって主語の入れ替えでしょう
現実的には軍がまともに戦わずに降伏、逃走、寝返りを繰り返し僅か10日で崩壊する政権を助ける術は世界のどの国も持ち合わせていないと思われます
西側諸国が、中東=アフリカで好かれていないという現実に、仰る点は目を向けるべきなのでしょうね。
西側諸国に、簡単になびいてくれないという事で、なかなか思惑通りにいかないだろうなと。
アメリカ軍でもあのアフガンは助けられないのと同じ。軍の士気は他国じゃどうしようもない
日本人YouTuberが1か月程前にアフガニスタンを訪問した3本立ての動画があって(調べればすぐに出て来ます)、それを見てアフガニスタンは祖国を他国から守れて良かったと思いましたよ。
西側流の押し付けが正しい訳では無いと思いますので。
タリバンは地元民の部族自治組織による武装集団ですからね
山賊上がりの北部同盟とは、志しも支持基盤も違います
米軍がどれほど巨大な軍事力を持っていても中国共産党みたいな民族浄化をやらないならいつかは負けるに決まってます
侵略者が居なくなりアフガンが平和になって本当に良かった
下手に介入してウクライナでの戦力や物資を分散してしまえば、それこそウクライナやそれを支援している西側諸国にとってはメリットでしかないですからね。
いずれにせよロシアからしたら「いつでも取り返せる」ってスタンスで、仮にウクライナ侵攻がトランプ氏の思惑で早期に停戦が実現されたら、せっかくアサド氏を追い出したシリアに対してロシアはアサド氏の復帰とシリアの反政府勢力の駆逐を大義名分に全力で介入できますからね。
だからシリアの反政府勢力としては、シリア国内での防衛及び統治機構がちゃんと整うまではロシアの目をウクライナに向けさせ続ける必要があり、シリアの反政府勢力としてはウクライナの早期停戦はデメリットでしかありませんからね。
トレツクも9月から粘っていたが、流石に厳しいか。
この規模の都市で4か月程度で取られるとなると、ポクロフシクも兵力を集中されたら守り切れなくなる。補給線となる幹線道路が多い分だけ多くの方向に守備を置かないといけなくなる弱点もあり、兵力不足が一番響く。
実は一部のアカウントは既にロシア軍がトレツクのテリコンのうち一つを占領したと評価しているんですよね。先走った発表である可能性もありますが、もし事実ならウクライナ軍にとっての惨事です。まあロシア軍も南ドネツク、クラホヴォ、ポクロフスクで攻勢を行っている以上トレツクで戦果を拡張するほどのリソースはないと思うので「トレツク陥落」について話すのは時期尚早だと思いますが。
ポクロフスク方面も興味深いですね。鉄道線路沿いに進撃し、突破点から拡張していくのはオチェレティネやプログレスでも見られたロシア軍の十八番です。特にこの位置からはシェフチェンコ(余談ですがウクライナにこの地名はいくらなんでも多すぎでしょう。Googleで確認できる限りノヴォロシア8州に20もありました)さえ取ればポクロフスク炭鉱でもポクロフスク市街地でも取り付き放題です。この突破口が最新のロシア軍勝利をもたらすのか注目していきたいと思います。
T-409まで進出してコトリーネ、さらにはウダチネを制圧、ウクライナ側の防衛線が多分存在していないであろう西側からT-409と線路伝いにポグロウシク市内に侵入。というパターンもありえるかもしれません。
そうなった場合でも、ウクライナ側にはロシア軍の背後を西側から脅かせるような予備戦力はもう存在しないのではないかと。
トレツク、グレーゾーンが拡大する一方で戦況が雲行き怪しかったですが遂に鉱山占領が宣言される所まで来ましたか
Rybarの過大評価の可能性もまだ残っていますがDEEPSTATEの評価でもほぼ全域グレーゾーンな以上、ウクライナ軍の反撃成功でも無い遅かれ早かれでしょう
そして防衛中枢だった鉱山が奪回されなければテリコンも遅かれ早かれ陥落する可能性が高く趨勢が決まりつつありますね
トレツクはロシア側の兵力不足もありなんだかんだ来年頭ごろまでは保つと予想していましたがそれ以上にウクライナ側の損耗が激しいのかもしれません
ドネツク州がこんな有り様なのに、クルスクにまた増援でも送ったのか、現地部隊に攻撃命令でも出したのか、クルスクでは一部でウクライナ軍が前進。
何やってるんだか。
今のキエフ政権は、クルスクが政治的に領土交渉の材料になる可能性に賭けてるんでしょうね
ぶちゃけ第三者から眺めてると復興事業をクルスクでも始めてるロシアにはそんな気は微塵も無いのが判りますが・・・
シリアでの失陥も取り戻そうとロシア側の要求が更に苛烈になるだけなのに。
失陥をといいますか、シリアでの反省=紛争の凍結は過ちというのを踏まえて絶対にNATO条件や武装解体について引かなくなったと思いますね。
基地は維持されると思いますよ
2017年に基地をつくって49年契約なので、新政権がどこになろうが権利を主張するでしょう。
勝手人基地作っている米軍よりはよっぽど正統性があります。
シリア新政権が正当性を主張すればするほど、これまでの契約も継続しないとダメですからね
写真の兵士が構えている物は何でしょう。
すごく厳つく見えますが。
構えている角度からすると、対戦車?兵器かな。
恐らくイグラでしょう。ソ連の携行地対空ミサイルっすね。
ご教授ありがとうございます。
三方向から囲まれてる釜にいる兵士達があまりにも気の毒すぎる
補給が来ない
撤退も厳しい
弾も飯も尽きてくる
負傷兵をどうする事も出来ない
寒い、これからもっと寒くなる
万策尽きてますね
トランプ大統領就任まであと2カ月くらいなわけですから、それまでに新たに交渉を優位に見せるために象徴的戦果が必要で、2カ月保持できればいいから長期的展望は要らない。
そういった意味で私はベラルーシ侵攻をすべきだと思いますね。
ベラルーシ軍は弱兵揃いですし、西側的理論だと圧政者たる独裁者の軍隊は国民弾圧しか能がないので少数のウクライナ軍でも蹴散らせる。ロシア軍が救援に来れば東部戦線やクルスクへの圧力軽減になる。もしロシア軍が救援に来なければシリアのアサド政権崩壊もあるし、今巷に流布してるロシアは同盟国を護らないっていう言論を補強できるし、停戦交渉で優位に立てる要素となる。
核戦争をお望みとか・・・恐ろしい意見ですね
まさにお寒い仮想戦記ですね
実際これいっているウクライナ議員いるんですよね。
ただその場合はベラルーシをロシアが併合するだけかと思います。
ロシアとベラルーシは「国家連合」を作っているとか。また最近、安保条約を結んだ。
更にロシアの核ドクトリンの改訂版で、ベラルーシに手を出したら核反撃もある旨を宣言してる。ベラルーシへの核配備もしたとかするとかの段階。
表面的なベラルーシ軍の兵力を表面的に見てベラルーシ侵攻を考えるのはどうかしている。露軍もそこそこいそうな気もするしワグネルの新しい巣でもある。ウ軍に航空戦力も対地ミサイルもろくにないから、ロシアから部隊を「戦略移動」※で回すのも容易だろう。
”ベラルーシ軍「は」弱体”は「いじめて君」的な罠でしかない。
※邪魔の入らない後方を使い、無警戒で良い平和時の速度で部隊を移動させること。1日にウン百㎞とか軽く移動できる。
トランプ大統領が、ウクライナ支援を削減することに言及していますね。
泥濘期にも、かなり戦線が動いてきましたから、ここからどうなるのか見守りたいと思います。
停戦交渉がどうなっているのか、ベースの話し合いがどうなっているのか気になりますね。
撤退の殿を自律無人兵器が務めるような時代が来るのか。
それともそんなんは無しに一足飛びに先の段階へ進むのか。
ふと、そんなことを考えてしまいました。
飛行タイプではない、地上移動型の無人兵器が試験的に実戦投入されてるみたいなのでそんな時代が来てるのでしょうね
どこまで軍隊の無人化が進むのやら・・・
ポクロウシク南方の防衛線が崩壊し南西の急所シェフチェンコも陥落の危機とはロシア流石の攻撃力見せてくれる。
実際どの程度の兵員数で攻守しているのか気になるが、ウクライナ側が兵員少なくロシアは圧倒的火力で補給線切断からの撤退を迫り追い打ちかけるを永遠と繰り返している様に見えるが正攻法な作戦なだけに対策のしようが無いという所で何故か増援はクルスクに向かうという東部見捨てる鬼畜な動きはさすがとしかいい様無い。