ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは16日夜「ロシア軍がポクロウシク、クラホヴェ、ヴェリカノボシルカ方面で前進した」と報告、特にロシア軍はモクリ・ヤリー川を渡河してマカリフカの背後を遮断したため、ウクライナ軍兵士に残された逃げ道はあと僅かだ。
参考:Мапу оновлено
参考:Хроника специальной военной операции за 16 декабря 2024 года
スキ・ヤリー川沿いのウスペ二フカから東に伸びていたポケットはほぼ消滅
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面について「ロシア軍がシェフチェンコ市内と周辺で前進して街の大部分を支配している」「ロシア軍がシェフチェンコからピシュチャネの南に支配地域を広げた」と報告。
RYBARはポクロウシク方面について特に言及しておらず、シェフチェンコ周辺の状況は芳しくないものの極端な変化は観測されていないため、このままロシア軍の前進を封じ込めることに成功すれば「ポクロウシクの喪失」を先延ばしすることが出来るだろう。
DEEP STATEはクラホヴェ・ヴフレダル(南ドネツク)方面について「ロシア軍がクラホヴェ市内で支配地域を広げた」「ロシア軍がクラホヴェの南で前進した」「ロシア軍がO-0515から貯水湖方向に前進した」「ロシア軍がハニフカを占領した」「ロシア軍がO-0515沿いにウスペ二フカ方向に前進した」「ロシア軍がコンスティアンティノポルスケ周辺で支配地域を広げた」と報告。
スキ・ヤリー川沿いのウスペ二フカから東に伸びていたポケットはほぼ消滅し、コンスティアンティノポルスケ方向と貯水湖方向に突出部が形成されてきたためウスペ二フカ・トルダベ周辺が放棄されるのも時間の問題で、その外側のゼレニフカとスターリ・テルニーで新たな突出部が形成されればクラホヴェも放棄されるはずだ。
過去のロシア軍は目標に直線的な前進で正面から攻撃することが多かったが、現在は小さく突破して、囲んで、制圧し、気づけば大きな大釜が形成され、ウクライナ軍が拠点や陣地を失うのは「兵站ルート」を遮断されるためで、ウクライナ軍が数的優位を活かして複数方向から攻めてくる敵を抑えるのは困難なのだろう。
DEEP STATEはヴェリカノボシルカ方面について15日夜「ロシア軍が再び装甲部隊でノヴィ・コマールに侵入した」「ロシア軍がストロジェベ南郊外に足場を築いてマカリフカ方向の道路を遮断した」「ロシア軍がリヴノピル北東の高台からストロジェベ方向に前進した」「(モクリ・ヤリー川西岸の高台方向からグレーゾーンが伸びたため)マカリフカはロシア軍によって事実上包囲された」と報告していたが、RYBARも16日夜「ロシア軍が再びノヴィ・コマールに取り付いた」と報告。
さらにDEEP STATEは「ロシア軍がストロジェベ南郊外に築いた足場から高台方向に支配地域を広げた」と報告し、もしマカリフカ周辺にウクライナ軍兵士が残っているなら、今直ぐ後退しないと逃げ道が完全に塞げれてしまうだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
逃げ道はあるが、無事とは言っていない
ウスペニフカ方面に関してはまぁその……なんでさっさと撤退しなかったのかという大きな疑問が残ったままだ
ウクライナのドクトリンは、恐らく練度の低い兵士(強制動員兵)を塹壕に詰め込んで、捨て駒にしている内にドローンや砲撃でロシア軍を撃退するというものです
そのため、前線の兵士は基本的に死守命令が出され、撤退することができないのだと思います。
また、捨て駒である彼らには、戦況についての情報も制限されているか、あるいは歪曲された(ウクライナ有利の)状態で伝達されるなどして、正しい判断ができなくなっていると考えられます
>ウクライナのドクトリンは、恐らく練度の低い兵士(強制動員兵)を塹壕に詰め込んで、捨て駒にしている内にドローンや砲撃でロシア軍を撃退する
現象としてはそうでもドクトリンなる高尚なものではないと思われ。
>>ドクトリンなる高尚なもの
実はこれは立派なドクトリンなんですよ。劣勢のウクライナ軍が戦線崩壊を防ぐべくちゃんと考えたものです。中身は悲惨極まりますが
ロシア…ドローン監視下の戦場では大隊規模以上に戦力を集中させるのが極めて難しいが、それなりの練度の歩兵を継続的に捻出できるので、そいつらで浸透戦術しつつ優勢な砲兵火力で遠隔戦を展開する
ウクライナ…一部の精鋭除き歩兵の練度と士気で劣り浸透戦術なぞ無理。砲兵火力でも劣勢なので積極的攻勢に出る余裕が無い。幸い陣地や建造物に頼った接触戦能力は新兵老兵に銃持たせただけでもそこそこ機能するので、そいつらで戦闘地帯を支えつつドローンと砲撃で何とかする
くっそ…なんでこんな絶望的な戦いになってんだ…
本当にドローンを活用できているのですかと聞きたいレベルで、司令部が前線の現状を把握できていないので、お世辞にもドクトリンと呼べるかは…
配備した筈の新兵老兵すらいない、機能する筈のない陣地を放置したら駄目でしょ。
「ドローンにより戦場での認知力は破格に向上した」(byザルジニー)のに運用次第でここまで認知能力が落ちるのは、駄目すぎる事例として未来永劫教科書に載せるレベルです。
>>陣地を放置したら駄目でしょ。
これが全てを台無しにするレベルで致命的なをですよねぇ
ピコーン!
「そうだ!ドローンで督戦すれば良いんじゃね。逃げるヤツはFPVドロ-ンで爆死だ!」
誰もドロ-ン動かしたくなくなるよな。
別に捨て駒にしなくったってロシアは必要なら勝手にやってくるので、餌として使えない兵士が要りますかね?事前にある程度ロシアの動きがわかっていれば戦力展開は出来ますし、時間稼ぎとしての肉壁になるかどうかも怪しい兵士達を無駄にすり潰すのはリソースの無駄でしょう。
これが怪我や病気やニートみたいな社会的にお荷物で口減らししたいと言うなら考えているなとは思いますが。
末端の兵士が部隊を動かすわけでもないのである程度の情報の制限は当たり前ですし、景気の良い話をいくらしようが肌感でどんな状況かぐらい分かっていると思いますよ。ロシアに大ダメージ与えているのに攻めて来てウクライナが後退しているとかどう考えても絶望しかないですから。
前衛がいないとドローン部隊の所までやって来るだけでは?
フカ群危うしですね
これはもう持たんだろうなあ
ハフニカあたりも500人が逃げ損なったというし
どう守るかよりも、いつ撤退するかの判断が必要な状況に追い込まれている。しかし、ウクライナ軍の司令部は常に撤退の判断が遅すぎる悪癖があるのが最大の不安要素。
ウクライナの撤退判断は遅いですし、増援を送れないのか分かりませんが、何を考えてるのか仰る通りよく分からないですよね。
これを繰り返すことで、前線歩兵を失ううえに武器・弾薬などの装備も失い続け、スコップで陣地構築から始めているのは大変だなと…。
毎日一キロくらいのペースでポプロフスクが包囲されていっているな、このペースなら年内には包囲が完了するだろう
そうなると都市攻略が始まり二月までには終わるかな?
トランプに代わるくらいには占領されそう
クルスク当たりを整理しないと鉱山を丸々失うぞ
ヴェリカノボシルカはもう詰みなんじゃ
O-0510も物理的に遮断されてないだけでドローンで監視されているだろうし後は干上がるまで待つだけ
シェフチェンコとノヴィ・コマールはウクライナ軍が押し返したって言ってたじゃないですかー!?ヤダー!!
というわけで一時的に押し返した地点もロシア軍に再度押されてしまう訳で、これはもう兵力の無駄遣いにしかならないですね
ダメな所からは撤退すべきですが、じゃあダメじゃない要塞のある所はどこなんだと言われると困ってしまうのが現状なので、どうしようもなさげ
本当にドニエプル川まで下がる事を考えるべきじゃないですかね
川は素晴らしい自然の要塞、荒川水系の橋を良く渡りますが橋上から川見ると戦時だった場合に無事渡河出来るか凄く疑問が湧くので相当渡河は厳しいことになるのが良く解るしドニエプル川を戦時に渡河は気を失うレベルで難しいと思うので現実的にドニエプル川まで下がり戦力温存は悪くないと思うが簡単には行かない所か。
川まで下がって戦力温存したところで、ウクライナ側も川を渡れなくなる。大量の失地を確定させる意味しかない。温存した戦力をクルスクとかの北方に回すくらいしかできないだろうけど、ロシア側もそっちに戦力まわすだろうから・・・北から食われる状況が追加されるだけだね
ついでに川を挟んで砲撃対決だともろにランチェスター第2法則になるから、火力で劣るウクライナが一方的に不利になりかねない
街と要塞に引きこもり防衛戦でキルレート維持する今の戦略に落ち着くのも仕方ないかなぁ
抑えている間になるべくよい講和条件を引き出さないといけなかった
ウクライナはとにかくすべての兵力を前線に張り付かせて戦線に穴が生じることだけは絶対に避けるようにする方針だからウクライナの残存兵力ほぼすべてを川に張り付かせた状態で空挺作戦でもすれば多分行けると思いますよ。それこそ、ロシアお得意の人命軽視(もう今はそんなんじゃないけど)戦術ならば後方の補給地点に空挺降下を行って部隊の殲滅覚悟で焦土作戦を行ってそれと連動して全戦線で一斉攻勢…なんてこともできますからね
ウ軍は戦力/継戦能力を喪失しないためにはドニエプル東岸(第2の都市ハリコフと首都キエフの東側などは諦める)を捨て西岸に逃げるべきだが、露軍は(1)逃げられないよう、ついにドニエプル河に掛かる全ての橋を落とす(2)ベラルーシ国内でドニエプル西岸に渡り、南下して西岸に逃げ延びたウ軍を追撃するだろう。露軍の補給の長さを考えるとドニエプル北岸から西部国境にかけて比較的幸せなL字地帯が一時的に作れるかもしれない
抑えたという数日後に結局押し返されるという展開が頻発していますね。
以前ロシア軍はワグネルの哲学と戦術を統合したしたという記事がありましたが
リンク
絶え間なく攻め続けるという戦術がウクライナ軍相手にはよっぽどハマってるようです。
ロシア軍も決して余裕があるわけではないはずですが…中々限界が見えない…
>ロシア軍も決して余裕があるわけではないはず
ウ軍の前線からは(1)15㎝砲弾だけでも10倍の火力で殴られっぱなし(2)滑空爆弾もTOSも降ってくる(3)戦力比も数倍上(4)いくら攻撃しても次々と新鮮な露軍部隊が攻めてくる(5)ドローンもずっと多いと悲鳴が上がってる。
露軍の塹壕にはサウナや暖房もあるというし。誘導砲弾も戦術弾道弾も豊富に使っているし。補給切れなんてないし。
ウ軍は35万だというが、ウ派遣露軍は55万前後というからウ軍に比べれば余裕のよっちゃんでしょう。
むしろウクライナの整った陣地で迎え撃てるのであれば、貴重な都市防衛要員を消耗させられます。
ロシア軍は陣地の奪い合いという名の消耗を図る作戦指揮が取られるような気がしてなりません。
天国への道は地獄から始まる
ヴェリカノボシルカの低地は、南北の河川沿いですから、大きく動くと丸見えでしょうね。
砲撃・銃撃が打ち下ろしになりますし、整然と一斉に撤退できるのか疑問に感じています。
ウクライナ軍が、ここに固執してるのは、他に粘れるような拠点が周辺にないと理解しています。
ヴェリカノヴォシルカはロシア軍のザポリージャ方面への西進もポクロウシク方面への北進も阻む重要な拠点だったのでウクライナ軍も死にも狂いでも守るでしょうが…もう無理です。
ヴェリカもポクロウシクも近く陥落する前提で、ロシア軍の両方面への前進、ドニプロ州侵攻への対応を考えるべきです。
ロシア軍もシリア政府軍に教えていたように一度下がっても、圧倒的火力で一定期間滅多撃ちにしたら帰ってきます。しかもシリアと違って退いた先にも塹壕はあるし、ドローンにも慣れてます。逆襲も時と場合に依っては危険です。特に敵が計画的に奪った要塞(弱点を見つけて兵力集中してる以上計画性がない訳がない)を奪い返すなんて任務は危険極まりない。
そこそこ重要な拠点にいる戦力外部隊が狙い撃ちされる
→拠点陥落、前線ピンチ
→拠点奪回の為に、精鋭を引き抜いて逆襲
→精鋭消耗の上、拠点奪回し得ず
→精鋭を引き抜いた拠点に戦力外部隊を充足
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ウクライナ負のループ以外ですかね。