DEEP STATEはヴェリカノボシルカ方面について「状況は悪化する一方だ」と報告していたが、14日「現地司令部は各旅団とドネツク作戦・戦術グループとの橋渡し役に過ぎず、上級指揮官がいないため何も決められない。この方向のウクライナ軍部隊は包囲されれるかもしれない」と警告した。
参考:Гарнізон оборони СОУ у Макарівці ризикує потрапити в оточення
ヴェリカノボシルカ方向からもポクロウシクと同じような嫌な予感がする
DEEP STATEはヴェリカノボシルカ方面について「ロシア軍によるヴェリカノボシルカの兵站ルート遮断の試みは成功したものの長続きせず、ウクライナ軍の反撃でノヴィ・コマール集落から敵を追い出したが、ロシア軍は止まることなく少人数編成の歩兵でノヴィ・コマールに近づこうとしている。ロシア軍は確保したブラホダトネからストロジェベに向おうとしており、ここを失うことはマカリフカの喪失に繋がるため司令部が必要な決断を講じることを望む。ロシア軍はリヴノピル方向とマカリフカ方向でも圧力を強めており、これがどの様な結果を生じさせるのは不明だ」と警告。
DEEP STATEは13日夜「ロシア軍がリヴノピル北東の高台でO-0510方向に前進した」「ロシア軍がマカリフカ西郊外で前進した」「ロシア軍がブラホダトネからストロジェベ方向に前進した」と報告し、この方向の状況について14日「包囲される危険がある」と警告を発した。
“マカリフカ方向で戦う兵士らから話を聞いた。モクリ・ヤリー川を渡河した敵はストロジェベ西郊外に足場を築こうしている。さらに敵の車輌や歩兵はスタロマイオルケとリヴノピルを結ぶ道路を平然と移動し、ネスクチネ方向への攻勢を続けている。そのためマカリフカを守るウクライナ軍部隊の後方は完全に遮断されるかもしれない。この方向の上位司令部=ヴェリカノボシルカ戦術グループ(TG)は各旅団とドネツク作戦・戦術グループ(OTG)との橋渡し役に過ぎず、上級指揮官もいないため何を決めるにもドネツクOTGに相談する必要があり、ヴェリカノボシルカTGは独自の決定を何も下せない”

出典:DEEP STATE
“ヴェリカノボシルカで戦う部隊には工兵部隊や砲兵部隊の支援がなく、現地部隊からの報告書、レポート、内部調査などの要求が非常に多い。さらにブラホダトネ周辺の状況には改めて言及する価値がある。国家親衛隊の部隊は包囲されるのを避けるため集落から撤退し、代わりに「天才」は集落を完全に失わないため「他所から引き抜いた寄せ集め部隊」をもってきた”
DEEP STATEの警告にウクライナ人らは「もうめちゃくちゃだ」「なぜ軍は旅団単位ではなく分遣隊単位で戦力を投入するのか」「どうして後退しないのか理解出来ない」「ゾロタ・ニヴァの左翼が完全に失われ、人的損失が発生し、後方と側面をカバーできなくなったため国家親衛隊は撤退せざるを得なかった。最大の悲劇は最前線の後ろに第2線や第3線が用意されていなかったことだ。国家親衛隊は撤退した先のブラホダトネで敵と遭遇してヴェリカノボシルカへの道が塞がれたためモクリ・ヤリー川を泳いで逃げた」などと書き込んでいるが、ウクライナ人が言っていることが事実かどうかは分からない。
どちらにしても急速に悪化する状況に現地司令部のヴェリカノボシルカTGは対応できておらず、上位司令部のドネツクOTGも状況把握能力に疑問があるため、ポクロウシク方面と同じように後手に回る可能性が高く、この方向からも嫌な予感がしてきた。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
スタロマイオルケからマカリフカを防衛してた部隊はだいぶ優秀なようなので戦況に呑まれてしまうのはなかなか痛いのではないでしょうか
南のウロジャインからこの方面、かなり頑強に防衛してましたので、仰る通り手痛いと思います。
砲兵支援がないのは、撤退・壊滅を繰り返しながらギリギリまで戦って摺り減らしてきたということで、ポケットに残った部隊が壊滅していってるのでしょうね…
ロシア軍の弾薬は、ロシア国内生産・北朝鮮輸入により安定しているわけで、ウクライナ軍の前線部隊とんでもない場所で奮戦してるのを見ると不憫に感じています。
ヴェリカノボシルカ周辺は川が入り組んでおり、橋を破壊して兵站ルートを断つことを行いやすい地形なのに、工兵部隊や砲兵部隊の支援がないのは致命的ですね…。
ロシア軍のノヴィ・コマールへの進軍は先走った印象しかなく、奪還されても仕方ないというか無能扱いされてもおかしくない感じでしたが
ウクライナ軍の奪還作戦の反動でプラホダトネの喪失が起きて、こういう状況まで追い込まれてしまうのはどうにもならないものを感じさせられます。
一度は奪還したノヴィ・コマールが、再びロシア軍の制圧化に置かれようとしているという時点で、ウクライナ軍の兵力に余裕が無いことが見て取れますね
そして損耗をすぐに補充出来ないのであれば、次にノヴィ・コマールを奪還せざるを得ない状況になったら、より大きな損耗を覚悟しなければなりません
それにしても、判断・指示を出すべき司令部が無いってどういうことなの…あーもうめちゃくちゃだよ(n回目)
ザバルカ地区の奪回までは上手く行ったのにカウンターを喰らいジェルジンスキー鉱山ともしかしたらテリコンを失ったトレツクもそうですが、ウクライナ軍は反撃が下手ですよね。目先の戦術的な利益に固執して攻撃するものの、より大局を見ているロシア軍に結局はしてやられている印象です。
おそらく士官の練度が低いのでしょう。今回ノーヴィイ・コマールで反撃した部隊は第48独立強襲旅団で、多くがクリミア・タタール人で構成される領土防衛旅団所属の部隊のようです。独立部隊なのである程度の能力はありそうですが、この状況下で反撃は厳しい練度だと思います。ましてや相手はロシア軍第5親衛戦車旅団なので…すぐ近くに居る独立大統領旅団は精鋭と思われますが、こちらを投入するのは厳しかったのでしょうかね。
雪降るクルスクからの映像ではレオ2・チャレンジャー2・エイブラムス戦車という堂々たるメンツが光ファイバーFPVにやられているので駆動する西側戦車のほぼすべてをクルスクにまだ投じているのは確定です。
やっぱり壊れているじゃないか(戦争指導)
どうもウクライナ軍上層部が投げやりになってますな
ヴェリカノボシルカは、ドネツク南部の最後の拠点
なのにこの有り様。あまりに酷すぎる
一体何度目か?多分これからも延々と繰り返すでしょう
反省もしない、できない、己の保身と財布の中身にしか
興味がない、うわべの司令官解任など何の効果もない
ポクロウシクからヴェリカノヴォシルカまで、まさか一つの同じドネツク作戦グループが統括してたのかよ。
結構な幅もあるし、どう見てもロシア軍が本腰入れて攻撃してるんだから、ウクライナ軍も作戦単位で分割すりゃ良いのに。ロシア軍にポクロウシク~ヴェリカの各地で寸断されて、各方面から窮状訴えても作戦グループはそりゃパンクするだろ。
嘘報告にしてもそうだが、何かウクライナ軍って柔軟性がないのな。
たぶん、複数の司令部を作れるほど士官に余裕がないんだと思うよ。ウクライナ軍の元々の所帯が小さいので高級士官の絶対数が少ないのではないだろうか?さらに戦闘による損耗もあり、新設旅団は雪だるま式に増えていく訳で。ルツェンコが解任されたあとにタルナフスキーが任命されるって話も見知った名前が出てくる時点で将官クラスに余剰が居ない証左とも言えるのではないだろうか?
昔風に言うとタヴリヤ方面軍、ドネツク軍、ヴェルカノヴォシル軍団という感じですね
なぜかわかりませんがウクライナは州ごとの単位でOTGを編成しているのでチャシブヤールとかまでドネツクOTGの管轄です
あと個人的にはシルスキー総司令官がホルテツィアOSG(ルガンスク・ハリコフ担当)司令官も兼任、タルナフスキー副総司令官がタヴリヤOSG(ケルソン・サポロジエ・ドネツク担当)司令官も兼任、という体制も無理があると思いますね
つまり今回の改編でタルナフスキー将軍が副総司令、ダヴリアOSG司令、ドネツクOTG司令を兼任すると?
上級司令部の仕事こなしながら、ロシア軍の最主力と戦うとか無謀の香りが…
そもそもハルキウ、ルハンシク、ザポリージャ、ヘルソンOTGと、ドネツクOTGの負担には雲泥の差はあるんだから、ドネツクに将校の人員回してやれよ
赤軍なんかではスタフカ代表が現地部隊の作戦指揮をとることはよくありましたが、常設でこれはすごいですよね
自分なら絶対パンクします
上に行くほど膨れ上がる嘘報告の弊害を抑えるための
上級司令官によるOTG司令兼任なのだろうか?
それにしても、いつまでも副総司令がドネツクの現場に出てるのなら、逆に軍上層部の決裁が滞りそうだが。
分割したらしたで1つの作戦グループの担当地域が集中的に攻められて他は傍観、「なんで各作戦グループの指揮を統一しないんだ!」という声が出てきそうですが。
ヴェリカノボシルカの地形、モクリ・ヤリー川の川幅・屈曲が気になって確認しましたが、東西方向からの攻撃には防御をあまり期待できません。
モクリ・ヤリー川の西部に、ロシア軍が進出するというのは、防衛ラインの想定外で全力で止める必要があったと思います。
政治的・軍事的の両面から、ドニプロ州境に近くザポリージャ州の東側面になるため、ヴェリカノボシルカかなりの重要拠点に見えるんですけどね。
ウクライナ軍が砲兵部隊を、(弾薬不足ではなく)そもそも配置できないくらい厳しいのであれば、そもそも相手を止められず肉薄されますからどうしようもないですね…。
追記です。
ヴェリカノボシルカは、河川が流れているのが気になっていましたが、かなりの低地です。
両岸ともに高さが高いのですが、特に両岸は急激に50m以上の高さがあるのですが、ロシア軍が進出の南西部~西側は標高差が少ないので進まれると苦しいですね(オチェレティネをイメージすると分かりやすいかなと)。
ヴェリカノボシルカ北方(47.8478735,36.8204288)、GoogleMapストリートビューがあるのですが、河川幅が狭いのも分かりやすいと思います。
天才が国家親衛隊の穴を寄せ集めの部隊で一応埋めたと、、何がしたいのか不明なのだけど撤退すべきではないだろうか?
もしかすると後方に下がれる様な防衛線引かれてない可能性が高いので、今から準備するので時間稼いでくれということなのかもしれないが絶対に構築間に合わないと思う。
天才の国家親衛隊が安全圏へ逃げるための時間稼ぎの捨て駒にされてるようにしか見えない・・・
劣勢がさらに酷くなるにつれて、上辺の取り繕いもしなくなってきた印象がある。
精鋭の国家親衛隊を温存する為に、他所から引き抜いた部隊を肉壁にした。砲兵も工兵も居ないから荒野でスコップを手に戦え、という事でしょうか、、、?
あまりにも酷過ぎる。前線で踏ん張っている兵士の扱いが粗末に過ぎます(一体何回目…)
半年ぐらい前に「俺たちは砲兵なのになんで小銃持って歩兵やらされるんだよ!クソッたれ!!」みたいな動画が流れてましたね
歩兵、砲兵、工兵なんてそれぞれ熟練が必要なのに無駄に使い潰してるのが判る動画でした
各戦線が絶望的な中のロシア軍ミサイル各種90発、ドローン200機(囮込)の10倍返しの報復攻撃。
ウクライナ軍の主張では90%以上撃墜したとされているが各戦線で戦闘機撃墜報告が聞こえてこないのに都市の防空が機能するものだろうか?
そんなに迎撃に成功しているなら、ここまで電力インフラ破壊されて、電力不足は深刻化していないですね。
「防衛成功!」と「大規模停電発生!」が矛盾してる。
あれもまた「美しい報告書」の一部分ですね。
都市防空部隊は、大都市勤務のまま安全で快適な生活を享受しつつ、徴兵義務を免れることが出来る美味しい仕事ですが。
戦果を挙げねば役立たずとして糾弾され、前線送りになりますので。文字通り報告書の美しさには彼らの命がかかっているので、そりゃ真剣かつ真面目に「いかに美しく書けるか」が勝負になるわけです。
都市防衛って事そのものが費用対効果の割りが合わないですよね
イスラエルのアイアンドームも地域を限定してるのである程度可能なだけで実際はトンデモ大赤字でしょうし
都市防空部隊の迎撃成功動画でもその守備範囲の狭さそのものはどうにも出来ないのが見てわかる
前線での自爆ドローン迎撃成功動画もほぼ奇跡的レベルなのが少しあるだけで、ほぼ不可能なのが納得のドローンの速さと小ささ、あんなの迎撃なんて無理ゲー
なんか最近、ウクライナ軍も民も精神の疲弊が限界を超えて、「援助欲しがります、勝つまでは」⇒「ええじゃないか!」になってきているような。
2022〜2023年の記事のコメント欄を見て, 「敵を侮る者は滅びる」と痛感.
現実を捻じ曲げて見たりそれを広げたりする者達は痛い目を見るって事ですね
敵を過小評価するのも過大評価するものダメ、そして自国側もそれは同様
データは、そのまま見るのが大切
南部反転攻勢の前に、『早期停戦交渉』は軍事力が担保するから、余力のあるうちに行う必要がある。
この趣旨で書いたら、もの凄い言われようで、太平洋戦争もこんな感じだったんだろうなと思い出しました…(兵庫県知事選挙も同じ感じですね)。
クルスク侵攻に、『最後の余力も投入』してますから、停戦を担保する軍事力がなくなってから慌ててどうするのかなあと(エイブラムスなど西側戦車、極冬季のアイドリングだけで燃費ヤバそうですね…)。
過去のウクライナ戦争の記事を見て思うのは、今の戦況MAPの作りが昔と比べて素晴らしい事。
町や集落が全て日本語化されているし、MAPの解像度が段違い。
先日、北朝鮮兵が成果を出した、との他所の記事がありましたが。
また、他所の記事で少し詳しい記事がありましたね。
夜間に、地雷原を越えて、油断をしていた?(地雷原を過信していた?)
ウクライナ部隊を奇襲し包囲殲滅した(捕虜を取らなかった)とのこと。
その際に輸送には車両を使わず、ボート橇を使っていたとのこと。
夜間に徒歩で地雷原を抜けてくるのですから、余程に訓練された兵ですね。
こうした兵が相手なると、ウクライナ側は大変でしょうね。
ちょうど、朝鮮戦争で中共軍を相手にした国連軍みたいですね。
四六時中に監視を怠らず、即時対応の警戒部隊を配置しておかないとですね。
観戦に来ているという韓国軍は、よく観ておかないと、でしょうか。
情報ありがとうございます、勉強になります。
江陵浸透事件では、極めて高い浸透能力を発揮していますから、まとまった部隊による能力に注目しています。
北朝鮮軍兵士って南北国境で小競合いの度にその能力の高さを示してるのに日本の報道では、異常なまでに過小評価してますよね
北の能力が高いのか、南の能力が低過ぎるのか…
ほんと仰る通りです。
小銃フル装備10名程度が浸透すれば、人的・経済的にどのくらいの損害出るのか、どのくらいの時間で対処できるのか考えた方がいいと思うんですよね(おそらく想定は出せないだろうなと…)。
南海トラフ地震の臨時情報を事例に考えれば、あれだけで2000億円減少の試算もありますから、日本の都市部で何か起きれば影響は凄いだろうなと…。
(2024/08/13 南海トラフ地震への警戒が経済に悪影響:旅行関連消費は1,964億円程度減少も 木内登英 NRI)
追記です。
仰る情報、日本語記事で引用しているものがありましたので、ご興味のある方は。
ロシアは、クルスク州の戦闘を対テロ作戦としていますから、(捕虜にしていないのは)北朝鮮軍もそれに沿って動いていると言えそうですね。
2024.12.15 ロシアの軍事ブロガー「北朝鮮兵、ウクライナ兵300人殺害し集落奪還」 中央日報)