ウクライナ戦況

バフムート方面の戦い、ロシア軍がチャシブ・ヤールに向けて前進中

バフムート方面についてDEEP STATEは「ロシア軍がイワニフスキー北西の森林地帯で前進した」と、RYBARは「ロシア軍がボダニフカを解放した」と主張、今のところ両者の評価で一致しているのは「ロシア軍がボダニフカと線路の間で前進した」という点だけだ。

参考:Мапу оновлено!
参考:на фронті станом на кінець доби 9 квітня 2024 року
参考:Хроника специальной военной операции за 8 апреля 2024 года

ロシア軍の攻撃が活発化して前線が動き始めていることだけは確か

ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは9日「ロシア軍がボダニフカを解放した」と、ウクライナ人が運営するDEEP STATEは10日に更新した戦況マップの中で「ロシア軍がボダニフカ集落の占領範囲を拡大した」「ロシア軍がボダニフカと線路の間で前進した」「ロシア軍がイワニフスキー北西の森林地帯で前進した」と報告した。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

RYBARが主張するボダニフカ占領を裏付ける視覚的証拠は登場しておらず、DEEP STATEもRYBARが主張する前進範囲を認めていないが、DEEP STATEが報告した「ボダニフカ集落の占領範囲拡大」は視覚的証拠=によって裏付けられており、RYBARも更新した戦況マップの中で「ロシア軍がボダニフカと線路の間で前進した」と示唆しているためDEEP STATEの評価と一致する。

逆にDEEP STATEが主張する「イワニフスキー北西の森林地帯でのロシア軍前進」を裏付ける視覚的証拠も登場しておらず、これをRYBARも報告していないが、ロシア軍の攻撃が活発化して前線が動き始めていることだけは確かだ。

関連記事:アウディーイウカ方面の戦い、ロシア軍がペルヴォマイズケで国旗を掲げる
関連記事:侵攻775日目、ドネツク西郊外ノヴォミハイリフカ方向でロシア軍が前進
関連記事:侵攻773日目、アウディーイウカ方面のロシア軍がセメニフカ集落内に侵入
関連記事:侵攻772日目、バフムート方面のロシア軍がチャシブ・ヤール郊外に到達

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

アウディーイウカ方面の戦い、ロシア軍がペルヴォマイズケで国旗を掲げる前のページ

ドイツ、フリゲート2隻と装甲車輌900輌の調達に70億ユーロを投資予定次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ロシア軍がオスキル西岸で5つ目の拠点を占領か、複数方向からスームィ州に侵入?

    ロシア国防省はクピャンスク方面ドヴォリチナ方向について25日「オスキル…

  2. ウクライナ戦況

    侵攻920日目、クピャンスク方面でロシア軍の突出部がじわじわと拡大

    DEEP STATEは31日夜「ロシア軍がポクロウシク方面のフロディフ…

  3. ウクライナ戦況

    ウクライナ国防相、ロシア軍が保有する精密誘導ミサイルの残数は609発

    ウクライナのレズニコフ国防相は14日「ロシア軍には609発の精密誘導ミ…

  4. ウクライナ戦況

    ロシア軍を止めるのが難しいウクライナ軍、進路上の住民は直ぐに逃げろ

    リシチャンシクを制圧したロシア軍の矛先はスラビャンスクに向かっており、…

  5. ウクライナ戦況

    またロシア軍司令官がヘルソン空港への攻撃で死亡、将官の戦死は6人目

    ウクライナ大統領府顧問のオレクシー・アレストビッチ氏は25日、ロシア軍…

  6. ウクライナ戦況

    アウディーイウカを巡る戦い、ロシア人はあらゆる方向から全力で攻撃中

    ウクライナメディアの取材に応じたアウディーイウカ軍政局のバラバシュ長官…

コメント

    • たむごん
    • 2024年 4月 10日

    ウクライナ軍の弾薬補充が、砲弾の撃ち返し量によって、どの程度進んでいるのか分かりそうですね。

    チェコ主導の弾薬調達に、スケジュール通りの確実性があれば、弾薬を節約せずに打ち返すでしょうし。

    5月に向けて、どういった状況になるのか注目したいと思います。

    14
    •  
    • 2024年 4月 10日

    バフムトにしろアウディーイウカにしろこの方面にロシア軍が力を入れる意味がちょっとわからない
    この二正面で西進しても突出するだけであまり戦域の有利に繋がらない気が

    7
      • 2024年 4月 10日

      突出するように見えましたか?
      このブログを見ていればロシア軍が戦術的な失態を最近はしていない古都を理解しているしスロヴィキンラインの防衛以降がほぼ合理的な判断で実行出来ているように思える。
      意味がわからないのはウクライナ軍の兵力、弾薬、兵器、士気、防衛線ご絶望的な状態で、そしてアメリカの支援がゼロになりのNATO脱退からのウクライナさよならが高確率のトランプ政権でどれだけ御花畑でも戦況を覆すのは不可能。
      何なら具体的な支援兵器や戦略の弁舌でプレゼンしてくれる軍師様はいますかな?

      19
        • もく
        • 2024年 4月 10日

        日本語お上手ですね。

        17
          • kitty
          • 2024年 4月 11日

          この程度で工作員認定の方が不健全ですよ。

          15
        • Whiskey Dick
        • 2024年 4月 11日

        トランプの勝利はありえない、我が国の同盟国がそこまで間抜けでないと信じたい。アメリカ人だって一度痛い目を見ているんだから余程の被虐趣味でない限り奴に投票するとは思えない。
        しかしアメリカは毎年100兆円以上の国防予算があるのにウクライナ向けの兵器を十分支援できないのは不思議です。(確かに人件費や研究開発費もあるので全てを兵器購入に充てられないのは分かりますが)アメリカは本当に空軍と海軍向けの兵器しか作っておらず、大砲と地対空ミサイルを使った戦闘を想定していないのではないか。
        因みに2024年度のロシアの国防予算は(僅か)18兆円です。

      • ルイ16世
      • 2024年 4月 11日

      チャシブヤールより西は防御に適した高地が少なく守るにはより多くの兵力が必要(他の戦線からの引き抜きが必要)と思いますのでそれを狙っているのでは?

      5
    • ふむ
    • 2024年 4月 10日

    アウディーイウカ方面では地の利を失ったウクライナが後退するのは当然として、こちらチャシブヤール方面で 高地を占めているのに後退させられているのは意外な展開です
    拮抗しているロボチネ方面を優先しているんでしょうか

    昨年春の泥濘期はバハムート以外は戦線動いていなかった印象なので、今年春はウクライナの消耗が深刻なのではないかと思わせる展開ですね

    26
    • もへもへ
    • 2024年 4月 10日

    夏のロシア攻勢までは無理をしてでもゼレンスキーライン前方で前進防御して完成度を高めて、夏の本格攻勢自体はゼレンスキーラインに拠って防御しつつ秋頃に温存した予備軍で消耗したロシアに対してカウンター攻勢という腹積もりでしょうか。

    秋頃であればこれからは徴兵強化して集めた人員の訓練も間に合います。
    何より今年はひたすら土地を奪われ続けているため、そろそろ目立った土地奪還のニュースがないと支援国はもとより国民自体の厭戦機運が心配ですね。

    そのカウンター攻勢も結局のところ政治的に前回と同等以上の成果を求められるのは確実なので、どういった作戦を立てるのか興味深いですね。
    流石に前回みたいに数週間でクリミアまで打通という馬鹿げた作戦ではないとは思いますが。

    13
      • M 
      • 2024年 4月 10日

      開戦初期から従軍してる兵を復員させる法案を可決したから動員しても総数はさほど変わらんのと違う?
      今でも旅団とは名ばかりで定数満たしてないんだから、補充要員になるだけで新たな予備を編成できるとは思えない。
      兵だけならやっつけ訓練で無理やり数は揃っても指揮する下士官・将校は動員で揃えることもできないから、予備軍の新設は難しいと思うが。

      12
        • 2024年 4月 10日

        何かもろウクライナの話そのまんまだけど?
        レオパルド、ブラッドレーの西側兵器の最強旅団のトップが20代とか聞くし。
        結果だけ見ればウクライナ最強要塞抜かれて何年もローテーション出来てない兵士が最底辺の士気で近くにFAB1500(弾道ミサイルの3倍)が落ちて無理ゲーを知る。
        今のウクライナ軍は肉団のマトになって時間稼ぎをするしかない(今までもそうだが)悲惨な状況だ。

        13
        • paxai
        • 2024年 4月 11日

        Demobilisation issue removed from mobilisation bill and will be considered separately – document
        国家安全保障・国防に関する議会委員会は、第2読会の準備中の政府動員法案から、動員解除と軍人のローテーションに関する条項を削除した。
        細部:法案から動員解除の問題を削除するのは、ウクライナ軍の最高司令官であるオレクサンドル・シルスキーによって開始されました。

        どーにも復員させなさそうな話になってるようでして・・・

        12
          • 犬の〆
          • 2024年 4月 11日

          反転攻勢までは兵士を家には帰らせない(帰らせられない)ってことですかね。。。

          2
    • 正論
    • 2024年 4月 10日

    前線にロシア軍の滑空爆弾はおろか
    Su25まで出てきてる有様なので
    ゼレンスキーラインに籠ったところで
    守備隊のキルゾーンにされるだけなのでは

    スロビキン線が機能したのも
    ロシアの航空優勢とセットですし

    26
      • MarkⅡ
      • 2024年 4月 10日

      下手にスティンガー持たせても滑走爆弾でまとめて焼却されるので囮と割り切ってる可能性
      流石にゼレンスキーラインではまともな装備与えられるんじゃないか?

      6
        • nanashi
        • 2024年 4月 10日

        防空網の無い防御陣地なんて空爆の的でしか無いですからね。アウデイ―ウカでは一日100発以上の滑空爆弾を投下され要塞陣地が意味をなさず敗走していますし。
        その打開のためにゼレンスキ―大統領は25機のパトリオットミサイルを要求したんでしょうが、前線に出すと今度は自爆ドローンやミサイルによって破壊されちゃうんですよね。
        こんな戦いに付き合ってられるワケが無いですよ、消耗戦に引きずり込まれた時点でウクライナは敗北するしか無いんです。

        24
          • MarkⅡ
          • 2024年 4月 11日

          このままだと割と本気でやられそうなんだけど、なんとか出来そうなのがF-16ぐらいなのが・・・
          あとはハイマースにやったみたいな、ジャミングとか?

          2
          • たむごん
          • 2024年 4月 11日

          ゼレンスキー大統領のパトリオット25機要求は、即座に無料提供は不可能でしょうね。
          仰るように、前線に出せば破壊されるでしょうし。

          日本・サウジアラビア・米軍(中東)が、仮にオンステージ分を提供したとして(まあないでしょうが)、周辺の軍事バランスが崩れ紛争を招けば何の意味がありません。

          北朝鮮のミサイル試射を考えれば分かりやすいですが、そんな危機の中で提供したとなれば、指導者は自国民から糾弾されるだろうなと。

          5
            • どねつくぼうし
            • 2024年 4月 11日

            何処の国にせよそれが国防に必要と判断したからこそ血税を投じて装備の調達保有をしてきたのですからね
            そういった投資をしてこなかった国で必要とされているからと言っておいそれと提供できる筈がありませんよね

            18
              • たむごん
              • 2024年 4月 11日

              まさに仰る通り、ぐうの音も出ない、正論と思います。

              フリーライドして無料サービスなら、どの国もクレクレなりますよね。

              4
    • 暇な人
    • 2024年 4月 10日

    もう運河まで到達したといっていたけどウクライナ側も認めたような感じなのか?
    三か月くらいかけてゆっくり包囲して野戦軍殲滅するかと思ったが意外と早く動いているね

    21
    • 2024年 4月 10日

    フランス軍が来るから大丈V!

    11
      • 犬の〆
      • 2024年 4月 11日

      「大丈V」が分かってしまう私

      3
    • ストラスブール
    • 2024年 4月 10日

    ロシア軍は古い戦車引っ張り出して来るし、これから5万人と車両500両を溶かす覚悟で突撃してきたりで敗戦濃厚らしいから、ウクライナ軍は安心してほてほしい。
    知らんけど。

    6
      • 2024年 4月 10日

      ネタなのか知らんけど内容がヤフコメレベルなのであちらの世界にいるのが平和的だと思うけど?
      (狙っているのか知らんけど前回の書き込み以上に馬鹿レベルを増しているのは狙い何でしょうけどマジで去ってほしい)

      17
      •  
      • 2024年 4月 11日

      管理人さんも度々苦言を呈しているのだから煽り投稿はやめましょう

      11
    • 2024年 4月 10日

    ご存知じゃないようだけどネタコメではあるが、これをXで呟いてる人がいるんだぞ。
    そんなイライラすんなよ。ハゲるぞ

    5
    • 名無しの悪夢
    • 2024年 4月 11日

    お疲れ様です。
    魑魅魍魎が跋扈すると言っても過言ではないウクライナ情勢のことを忘れて、奇麗な軍事ブログに生まれ変わったものと思ってましたが更新続きましたね。
    バフムトやアウディイウカの頃なら前線兵士の苦悩が伝わる報道も多かったんですが、今はそんな話も一切なく
    一体どんな妖怪が潜んでいることやら不気味すぎて興味が止まりません。

    8
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  2. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  3. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  4. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  5. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
PAGE TOP