ウクライナ戦況

フリアイポレ方面の戦い、ロシア軍が重要な防衛拠点のポルタフカをほぼ占領

DEEP STATEとRYBARが報告する戦場の変化はどんどんペースが落ちているものの、ザポリージャ州フリアイポレ方面のロシア軍だけは夏季攻勢レベルの勢いを維持しており、DEEP STATEは重要な防衛拠点のポルタフカについて「ロシア軍にほぼ占領された」と報告した。

参考:Мапу оновлено
参考:Просування ворога поблизу Торського та збільшення “сіряка”

約1ヶ月が経過しても評価が一致しないシヴェルシク南郊外の状況、ロシア軍はポクロウシク市内端のゼレニフカ地区を占領

DEEP STATEはドネツク州リマン方面10月1日~18日の間に「ロシア軍がシャンドリホラブ東郊外のポケットを占領した」「ロシア軍がシャンドリホラブ西郊外で前進した」「ロシア軍がトルスケ南郊外で前進した」「ロシア軍がドネツ川沿いで前進した」「ヤムピリ方向に対するロシア軍の突撃は最終的に失敗した」「ロシア軍がリマン方向の森林地帯で浸透戦術を行っている」と、リマン方面の現状について18日「最新の更新で特に注目されるのはザリチネ方向でのグレーゾーン拡大だ」と報告した。

出典:管理人作成

“ヤムピリ方向に対するロシア軍の突撃は最終的に失敗したが、敵はリマン周辺に広がる広大な森林地帯に注力している。ヤムピリ北郊外の森に集結したロシア軍は線路を越えて集落侵入を試み、ウクライナ軍のドローンオペレーターによって阻止された。そのためロシア軍は西側に迂回して集落侵入のための突破口を探している。これらの試みは現在も続いており成功と失敗を繰り返している。稀に数人の敵兵士が集落に辿り着いても長くは生きられない”

“但し、ロシア軍は浸透戦術の範囲を広げ始め、特にリマン郊外で敵の出没を何回か確認した。少人数編成の敵部隊は夜闇に紛れて奥深くに浸透し、ウクライナ軍の攻撃から生き延び、増援を招き入れ、まとまった戦力の構築を試みている。ウクライナ軍の防衛陣地にも十分な兵力が配置されていないが、ドローンオペレーターによる絶え間ない監視が状況を救っており、敵が特定の場所に集結できないように努めている。同時に地上部隊による掃討作戦も行われ敵の前進と集結を阻止している”

出典:DEEP STATE

“敵の浸透戦術は特定の拠点や領土の確保に拘っておらず、出来るだけで奥深くに侵入し、最終目標付近で同じ目的の他部隊と合流することだけが目的だ。これはセレブリャンカやドロニフカで行われている動きと同じだ。ウクライナ軍は浸透してくる敵を最終目標に向かう過程で排除している。今回の投稿で紹介した画像もヤムピリ付近の森に浸透しようとした敵部隊に砲撃が加えられ、彼らの前進努力と命が無駄に終わった。このような状況を反映して戦況マップ上には広大なグレーゾーンが追加された”

DEEP STATEはドネツク州シヴェルシク方面について9日「ロシア軍がヴィムカ東郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍が線路沿いで支配地域を広げた」と、13日「セレブリャンカ方向に前線最大級のグレーゾーンが出来た」と、RYBARは18日「ロシア軍がペレイズネとヴィムカの間のポケットを占領した」「ロシア軍がペレイズネ西郊外で支配地域を広げた」と報告したが、依然としてDEEP STATEとRYBARはシヴェルシク南郊外の評価が食い違っている。

出典:管理人作成

9月にペレイズネやヴィムカでロシア軍兵士が国旗を掲げ、RYBARは「ロシア軍がペレイズネ、フェドリフカ、クズミニフカ、ヴィムカを占領した」と報告したものの、約1ヶ月が経過してもDEEP STATEは何も報告しておらず、RYBARの評価が事実ならシヴェルシクの生命線=補給ルートの物理的遮断に関する状況はポクロウシクやクピャンスクよりも危機的なのだが、ウクライナメディアはシヴェルシクの状況について大騒ぎしていない。

まだ何とも言えないものの、ウクライナ軍、ウクライナメディア、DEEP STATEが状況を意図的に伏せているのか、RYBARの評価が過剰なのか、それとも別の何かなのか、、、

出典:管理人作成

DEEP STATEはドネツク州ポクロウシクについて18日「ロシア軍がポクロウシク市ゼレニフカ地区を占領した」「ポクロウシク市内の高層地区にグレーゾーンが広がった」と報告、ロシア人らは「ポクロウシク市内へのロシア軍浸透」を強烈に主張しているが、同時に主張の粗(ロシア軍が市内でウクライナ軍兵士を待ち伏せ攻撃したという映像も不明瞭過ぎて言ったもん勝ちレベルの内容)も確認されており、この手の映像に基づく主張の前線ラインだとポクロウシク中心部はロシア軍の手に落ち、街自体も陥落寸前らしい。

どちらにしてもロディンスケやディミトロフは健在で、ロシア軍は不完全な状態でポクロウシク南郊外から市内に入ろうとしており、左翼か右翼で何らかの動きがないとポクロウシク攻略で相当な損害と時間を浪費するだろう。

出典:管理人作成

DEEP STATEはザポリージャ州フリアイポレ方面について9日から18日までに「ロシア軍がヴォスクレセンカ周辺のポケットを占領した」「ロシア軍がテルノヴェを占領した」「ロシア軍がステポヴェ東郊外で前進した」「ロシア軍がノヴォヴァシリフスケ東郊外で前進した」「ロシア軍がポルタフカ集落の大半を占領した」「ロシア軍がマリニフカを占領した」「オレクシイフカがグレーゾーンに収まった」と、RYBARは「ロシア軍がオレクシイフカを占領した」「ロシア軍がプリヴィリヤを占領した」「ロシア軍がウスペニフカ東郊外で前進した」「ロシア軍がポルタフカ北郊外で前進した」「ロシア軍がポルタフカ東郊外で前進した」と報告。

ウクライナ軍参謀本部が発表する両軍の衝突回数は依然として高いレベルを維持しているものの、DEEP STATEとRYBARが報告する戦場の変化はどんどんペースが落ちているが、ザポリージャ州フリアイポレ方面だけは例外で、多少の食い違いがあってもDEEP STATEとRYBARの評価の方向は概ね一致している。

関連記事:ポクロウシクを巡る戦いは一進一退、ロシア人も前進に必要な犠牲の多さに言及
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

  • コメント (16)

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    • FAB
    • 2025年 10月 19日

    >ロシア人らは「ポクロウシク市内へのロシア軍浸透」を強烈に主張しているが、同時に主張の粗(ロシア軍が市内でウクライナ軍兵士を待ち伏せ攻撃したという映像も不明瞭過ぎて言ったもん勝ちレベルの内容)も確認されており、

    主張することに意味がある。
    何故なら防衛側がパニックになって同士討ちをするから。
    これ開戦時のキエフ市内でも頻繁にあったこと。
    ウクライナ政府は同士討ちを認めてないがブトゥソフ氏はキエフ市内で発生した武装工作員との武力衝突は全て同士討ちだったと指摘している。

    30
    • ななし
    • 2025年 10月 19日

    >出来るだけで奥深くに侵入し、最終目標付近で同じ目的の他部隊と合流することだけが目的だ。
    さらっと書いてるけど戦場でそんな事出来るの?

    2
    • たむごん
    • 2025年 10月 19日

    ポクロウシクの衛星写真を見ると、南側に高層建築が集中しているエリアがあることが分かりやすいですね。
    『ここに損害覚悟で侵入するのか』先入観があったのですが、DeepStateも報告したのを興味深く感じています。

    米露会談プーチン大統領が、ドネツク全域割譲=ザポリージャ州ヘルソン州の一部放棄について報道されていますね。

    ザポリージャ州フリアイポレ方面も、『外交交渉・政治要請』により重要度が上がっていくのかは、少し注目しています。

    7
    • もへもへ
    • 2025年 10月 19日

    今の時期は秋の泥濘でしょうし、最近は温暖化の影響で冬でも凍らず泥濘のままという事もあるようなので、双方春の泥濘明けまで大人しく戦力集積なんでしょうかね。

    ロシア軍がガソリン不足や経済苦境のめげず再度の攻勢を掛けるのか、ウクライナが2023年ぶりに再度の大反抗を掛けるのか双方の作戦計画が気になりますね。
    ウクライナはドローン攻撃でロシアのエネルギー不足やエネルギー輸出を妨害してますし、その成果を生かして攻勢をかけるところが見たいですね。
    今度の攻勢こそ黒海まで到達したい。

    0
      • セピア
      • 2025年 10月 19日

      そんな無茶苦茶は望まなくとも、ぐぐっと押し戻してヴフレダル奪還して、ヴェリカ・ノヴォルシカ-ヴフレダル-クラホヴェ-ヒルニク-セリダフ-ノヴォフロディフカのラインまで防衛ラインを押し戻せたら奇跡of奇跡
      あの重厚なコンクリート建築物群とテリコンを再度奪還できれば露助なぞ恐るるに足らず

      ほんまブリカスのクルスク提案なんて無視してこっちに戦力つぎ込んでれば今頃遥かにマシな戦況だったのに…

      6
      • むむ
      • 2025年 10月 19日

      ウクライナ軍のピークは2023年の反転攻勢
      あれが大失敗に終わって 全戦線が軍事的主導権を完全に喪失
      2023年の同レベルの作戦はおそらく出来ない

      58
        • IPを変えてまでコメント欄に書き込んでくる面倒くさいロシア信者さん
        • 2025年 10月 20日

        確かにピークは2023年
        2024年のウクライナは50代まで徴兵し前線に送るほど犠牲多い状態で、2025年は10代や60歳以上を志願名目で採用するほど兵士枯渇してるからな

        欧米から兵器や兵士が沢山投入されるなら攻勢に動けるが欧米からの提供も減ってるし、消耗戦で負け逆転の可能性無いのなら直ぐにでもウクライナは停戦受け入れるべきだとは思う
        (だけどゼレンスキー政権が相変わらずなんだよなぁ)

        7
      • p-tra
      • 2025年 10月 19日

      ウの再反抗は流石に冗談以外の何者でもないでしょう。
      今のところ戦場で起きているのは陣地戦です。
      機甲部隊が駆け巡り劇的な突破で戦線が何十キロも前進する…なんて戦いではありません。
      歩兵を死なせて一定距離前進するというのがこの戦争のルールです。
      つまり基本的に攻勢=人的損失であって、これだけでもウがロシアに攻勢に出ることは
      ないと断言できます、人数に劣る方が損失を受け入れられる訳がないので。

      54
      • 黒酢
      • 2025年 10月 19日

      アメリカのトランプ大統領は今月の16日にロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナでの戦闘終結を協議するためハンガリーで首脳会談を行うことで合意したようです。
      トランプ氏によると首脳会談は2週間以内に行われるとのことで、米露首脳会談前までの戦況次第ではアメリカが検討している巡航ミサイル「トマホーク」のウクライナへの供与や、領土割譲を含む停戦協議の交渉内容も変わってくるでしょうから、ロシア軍も交渉を有利にする為に泥濘期であろうと積極的に動くかもしれませんね。

      4
      • IPを変えてまでコメント欄に書き込んでくる面倒くさいロシア信者さん
      • 2025年 10月 20日

      2024年から攻撃続けててこの状況だし、ロシア国内をガソリン不足とか無理でしょ(先月騒がれてたガソリン不足も誇張表現やデマだったし)

      ①攻撃された場所に何度も同じ名前出てくる=何度も復旧されてる(それだけダメージ小さい)
      ②仮に製油施設全て破壊されても隣国で精製されたら手出しできない
      ③闇バイトの取締強化されロシア内部から飛ばすの難しいし、長距離ドローンは高価なので西側の支援減ってて数が揃えにくいから破壊難易度上がってる(ウクライナが停電すると小型ドローンの出力も遅れるし)

      6
    • nk
    • 2025年 10月 19日

    ポクロウシク北側のロシア吐出部へのウクライナ軍の攻勢は一定の成果は合ったが現状は奪還作戦は頓挫した感じでしょうかね、他戦線が兵員引き抜かれたり兵員物資後回しにされたでしょうから各所綻びが出ており顕著なのがクピャンスク、シベルスク、リマン、フリアイポレ方面が相当厳しい状況になっていますがポクロウシク北側の吐出部は放置出来なかったでしょうから仕方無い面もあるのかな。

    12
    • NIVEA万能論
    • 2025年 10月 19日

    ロディンスケを速攻で落とすかと思えばそうではなく、一方でポクロウシクへは南側から侵入を試みているあたり、何だかグダグダになってきた感がありますね。
    ポクロウシク市内への兵站がどうなっているのかが問題ですが、さほど支障がない状態で市内への浸透を試みているのであればロシア軍は非常にまずい指揮をとっているという事になりますね…

    8
      • ras
      • 2025年 10月 19日

      正直同感で、今市内に無理攻めする理由は何か、と考えるとなんか軍事的合理性以外が思い浮かびそうに。肯定的に見てもトレツクと同じ状況な。
      一応、高層住宅群を拠点にできるなら市外の野営よりも安全で戦力を蓄える拠点にはなりうるからの市内南への積極的攻撃かもですね。

      まあ…それにしても包囲のための両サイドの激戦が難航して、予定通りの攻撃計画にはなってないでしょう。

      4
    • PONTA
    • 2025年 10月 20日

    リマンこそ補給線が途絶えているのでは。T-0514はライホロドク付近のドネツ川の橋が破壊。
    また、まだ通れるかもしれませんが、ドロビシェフーヤロヴァへ抜ける道も、ニトリウス川に架かる橋がダメージを受けているみたい。(Googlemapの映像より)

    5
    • IPを変えてまでコメント欄に書き込んでくる面倒くさいロシア信者さん
    • 2025年 10月 20日

    最近ブログの投稿頻度下がってるな
    MilitaryTVとか他の情報では毎日のように情報更新されてるのに何故だ

    9
      • 航空万能論GF管理人
      • 2025年 10月 20日

      貴方の中心はウクライナとロシアの戦争かもしれませんが、私の興味はそこだけに集中していないんですよ。

      IPを変えてまで書き込む情熱は称賛しますが正直迷惑です。わかりませんか? 

      その手の活動は他所でやりましょう。

      追記:貴方と議論する気はないし、貴方の主張がどうとかではなく邪魔だと言っているのがわかりませんか?

      8

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