DEEP STATEとRYBARは4月1日~3日の間に「ロシア軍がクルスク方面、クピャンスク方面、トレツク方面、クラホヴェ・ヴェリカノボシルカ方面、カミアンスケ・オリヒウ方面で前進した」と、さらにRYBARはベルゴロド西部方面について「依然として状況は緊迫したままだ」と報告した。
参考:Мапу оновлено
参考:Ворог здійснив 3 механізованих накати на Андріївку силами 17 од.ОВТ
参考:Освобождение Веселого Обстановка на Времьевском направлении к 14:00 3 апреля 2025 года
参考:Хроника специальной военной операции за 2 апреля 2025 года
参考:Хроника специальной военной операции за 31 марта-1 апреля 2025 года
4月1日~3日の間に報告されたクルスク方面、ベルゴロド西部方面、東部戦線、南部戦線の状況
RYBARはクルスク方面について「ロシア軍が38H-609付近で支配地域を広げた」「オレシュニャの東地域で激しい戦闘が続いている」「ロシア軍はオレシュニャ郊外に到達できておらず集落解放を語るのは時期尚早」「ロシア軍がヴェセリフカ~ジュラフカのラインで支配地域を広げた」「ウクライナ軍の激しい反撃でロシア軍はバシフカ集落に足場を築くことが出来ない」と報告。
RYBARはクルスク方面の状況について先月19日「クルスク方面から撤退したウクライナ軍は力を失っておらず国境を突破する能力を十分持っている」と、24日「ウクライナ軍はロシア軍がスームィ州に緩衝地帯を作ることを恐れているというより、新たな突破口を開くことを期待して大規模な戦力を集中させている」「ウクライナ軍はベルゴロド西部方面で起きているような攻撃を実行するのに十分な戦力を有している」と、28日「敵はクルスク州とベルゴロド州で新たな攻勢を仕掛けるの十分な戦力をスームィ州に集結させている」と警告。
2日の報告でも「ウクライナ軍はクルスク州の一部を保持し続けるためオレシュニャとゴナルに戦力を移動させ続けている」「ウクライナ軍が他の国境地域を攻撃する新たな試みの可能性も捨て切れない」と警告したが、DEEP STATEはクルスク方面について何も言及していない。
DEEP STATEはベルゴロド西部方面について先月26日「ロシア軍がデミドフカや周辺地域でウクライナ軍を攻撃する様子が確認され始めた」「ロシア軍は緩衝地帯を作るため国境地帯を突破してスームィ州(バシフカ方向やヴォロディミリフカ方向など)への侵入を試みている」「そのためウクライナ軍は戦場の主導権を敵に渡さないよう対称的に行動する必要がある」「ロシア軍の規模は非常に大きいため(スームィ州で対処するだけでは)敵を封じ込めるのが困難だ」と報告。
RYBARは2日「ベルゴロド西部の状況は依然として緊迫したままで、ロシア軍は状況を安定させることが出来たものの敵の攻撃が繰り返される危険が残っている」と述べて「両軍とも航空機と大砲を使用してデミドフカでの戦いを続けている」「ウクライナ軍がプロホディとマリンからデミドフカ方向の陣地に戦力を移している」「ポポフカ方向には広大なグレーゾーンが残ったままで集落への襲撃が続いている」「ウクライナ軍がデミドフカ方向とポポフカ方向に要塞を構築している」「グラフォフカ方向とプリレセ方向でウクライナ軍はあまり活動していない」と報告。

出典:DEEP STATE
DEEP STATEは「ウクライナ空軍によるデミドフカやコンドラトフカへの空爆の様子」を報告したが、状況の変化については何も言及していない。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)
DEEP STATEはクピャンスク方面オスキル川沿いついて1日「ロシア軍がキンドラシフカ方向に前進した」「グレーゾーンがキンドラシフカ集落に伸びた」と報告。
DEEP STATEはトレツク方面について1日「ロシア軍がパンテレイモニフカを完全に占領した」と報告。
DEEP STATEはクラホヴェ・ヴェリカノボシルカ方面について2日「ロシア軍がスリブネの南で前進した」「ロシア軍がロズリヴ集落内に足場を築いた」と、3日「ロシア軍がアンドリイフカ集落内で支配地域が広がった」と、RYBARは3日「ロシア軍がヴェセレを占領した」と報告。
ウクライナ軍参謀本部も「敵がアンドリイフカからオレクシイウカ方向に大規模な攻撃を仕掛けた」と発表し、その様子を収めた映像も公開した。
DEEP STATEは「3日午前6時半頃、ロシア軍の機械化部隊がアンドリイフカ集落を通過してオレクシイウカに向ったが我が軍の大砲と無人機によって破壊され、生き残った歩兵が周囲の茂みに隠れている。午前8頃に2回目の攻撃が行われ投入された車輌と歩兵の大半は破壊された。午前10時頃に3回目の攻撃が行われ、敵車輌はオレクシイウカ西郊外で破壊されたものの6人の兵士を送り込むことに成功したが、この兵士は戦場から逃走し始め、我々の攻撃を受けて被害を被った。要するに敵は4時間の間に3回の攻撃(14輌以上の車輌と40人以上の兵士)を仕掛け、少なくとも13輌の車輌と多数の兵士を失った」と報告。
DEEP STATEはカミアンスケ・オリヒウ方面について3日「ロシア軍がピャティハトキ周辺で支配地域を広げた」「グレーゾーンがロブコヴェ集落に広がった」「グレーゾーンがマリ・シェルバキ集落に広がった」と、RYBARは1日「ロシア軍がシェルバキ方向に前進した」と、2日「ロシア軍がロブコヴェをほぼ占領した」と報告した。
追記:2024年とは異なる東部戦線の状況とは「非常に不味かったウクライナ軍の運用面が改善されロシア軍が容易に前進出来なくなった=1平方kmの土地を奪うの必要な戦闘回数が増加した」という意味で、ウクライナ軍の大反撃が始まったとか、急にウクライナ軍が強くなったとか、東部戦線でロシア軍が大きく後退しているとかという意味ではありません。
依然としてロシア軍は攻勢を維持しているものの、DEEP STATEが提示したデータは「2024年のように複数方面で毎日km単位の前進が出来なくなってきた」と示唆しており、これはDEEP STATEとRYBARの報告にも反映されている兆候ですが、これが春から夏に向けて維持されるかどうかは蓋を開けてみるまで誰にもわかりません。
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※アイキャッチ画像の出典:47 окрема механізована бригада
無能な司令官1人をクビにして有能にすげ替えて数週間で効果が出てるんだから、もっと無能をクビにして効率化すれば一気に押し返すは無理でもジワジワ押し返すことも十分可能なのではないかと思う。
さらなる動員による兵力増強とやっとアメリカ抜きで安全保障をやる気になった欧州の追加支援を合わせれば無理だと思われてた2025年夏季大反抗も可能な気がする。
夏季大反抗実施のために十分な戦力集積が必要なので、ゼレンスキー大統領閣下及びウクライナ軍参謀、NATO参謀の皆様におかれましては中途半端な戦力で中途半端な越境攻撃を控えるようお願い致します。
今まで、ハッタリばっかりで。ちっとも動かなかったドニエプル川沿い、サボリージャ方面が動いたのが、気持ち悪いな。
>さらなる動員による兵力増強とやっとアメリカ抜きで安全保障をやる気になった欧州の追加支援を合わせれば無理だと思われてた2025年夏季大反抗も可能な気がする。
肝心の司令官がゼレンスキー大統領閣下だから、「無理だと思われてた2025年夏季大反抗も可能な気がする」が、「ロシアを倒せる」に変換されて、また変な作戦やって大惨事に繋がってしまう流れが毎回続いている。
2023年夏の大反攻はどうなりましたか?あの時よりも更にロシアとウクライナの戦力差は開いてますが?
本当にトップの交代だけでウクライナ優位になったかは分からないと思うし、一時の流れだけで未来も同じ状況が続く訳でもない。ウクライナだけが改善している訳でもなく時間を与えるならロシアだって対応はしてくる。ウクライナの兵士が畑で取れる訳でもなく、ロシアがルガンスクでテスト中の電子妨害に強い新しいコンセプト?の新兵器も順調にいけば夏ぐらいの生産も有り得るし、ダラダラ続けるなら新要素が出てきて更なる混乱が起きる可能性すらある。
ロシアが盛り返す支援が細くなるとかの最悪な事態を考慮した上でなお戦争を継続するつもりならウクライナは更なる負担を覚悟する必要はあるだろうか。
大反抗可能とかこんな所で思われるぐらいならウクライナの上層部も同じ事考えていそうで・・・。戦争が長引けば当事国は1番酷く関係国も疲弊していくし、ロシアも大概だが西側もウクライナも継続に乗り気ならいつまで戦争続けるのかため息つきたくなるね。一定規模の国同士がそんなにダラダラ続けるならトランプ政権とか途中でちゃぶ台返しも有り得るけど、そこら辺のケア出来る物なのかな。
少し前にロシア人が書いてたがドローンと妨害電波ならドローンの方が強いと。
次々と使用周波数を切り替えてくるドローンに対してその全ての帯域を妨害するのは困難で物理的な撃墜手段が重要だと。
車載型の電波妨害装置を頼りに敵陣に踏み込む事の困難さは想像以上なんだと思う。
2024年は、アウディーイウカ・マリンカ・クラホヴェ・ヴェルカノボシルカといった、要塞陥落~周辺を浸食していったのは異質でしたからね。
2025年になっても、チャシウヤール・トレツク・クピャンスクなど守り続けてきた拠点は、相変わらず守備が固いなというのと同時に違いも気になっています。
今気になっているのは、4月の泥濘期明けからどうなるのか・停戦交渉の動向・外交関係の変化でしょうか。
トランプ大統領の相互関税ですが、想定以上に高率だったため世界中が動揺しており、各国ともに他国支援の余力がなくなったり足並みが乱れる可能性もあります。
一般的に、内政に余裕がなくなれば、外交余力は減少する事になるからです。
ロシアは泥濘期と再編成ローテーション終わってからトランプの様子も考慮しつつ本格的に再度攻勢開始という所でしょうかね。
トランプ関税これは経済への影響顕著に出ますね、日経先物が下げ止まらず本日は金曜日ということで本日も売り一色になりそうだし今後最悪27000〜28000円の抵抗ラインまで押し下げられる可能性が出てきてしまった様に感じるので電車が毎日止まる事態にならないことを祈るしかない。
株価への影響、仰る通り充分考えられますね。
日本目線だけで考えても、設備投資減少・リストラによる雇用の影響・持ち合い株売却による利益減少など。
EU・英国・韓国・台湾など、他国も同様のリスクが生じてきます。
税収下ブレ+景気対策が必要になってこれば、防衛費増額なども余力はなくなりますし、何とも見通せなくなってきましたね。
ウクライナ目線で見れば、支援国の余力が激減しているわけですから、とんでもなく厳しいと思います。
ヴェリカノボシルカ方面、ヴェセレが落とされたのは非常に不味いかもしれない。あの辺の対戦車壕の起点だったから、集落を自由に抜けられると防衛ラインに穴が開く可能性が……
ポクロウシク周辺~コンスタンチノフカ周辺と比較すれば、薄く感じますよね。
ここの付近から前進、東部最前線の防衛線を迂回する動きになるのか、少し気になっています。
やっぱり不味いですね。Xに興味深い投稿があったので翻訳を貼ります
#Veseleでの状況について簡単に。
昨日、#ロシアは村の最北端の家々まで前進することができ、そこで彼らは旗(47.935572,36.758908)¹で記録されました。
そこで、彼らは強力な砲兵とドローン活動により統合することができ、地域の装甲を破壊し、#ウクライナの陣地を抑制しました。これは、#Dniproenerhiia3からの危険な側面攻撃と相まって、#Russiansは村をほぼ完全に支配するポイントに到達することを可能にしました。4
現時点では、Vesele5のすぐ北にあるFedorivkaでの攻撃行動がすでに進行中です。今のところ、成功は報告されていません。
このすべての問題は、写真#2からわかるように、Veseleが#Ukraineの第2の#Zaporizhzhiaラインのキーピンの1つであったという事実にあります。
この瞬間は、最前線の他の部分に損害を与えて予備軍を移すことなく、ここで#ロシア軍を封じ込める#ウクライナの最後のチャンスです。村を奪還するか、Fedorivkaとさらに西の要塞が第2 #Zaporizhzhiaラインに属するかのどちらかです。そうでなければ、ディフェンスラインはそれ自体で折り畳まれ、さらに南にあるものは深刻なリスクにさらされます。
#Ukrainiansはすでにこの脅威をしばらく前に認識し、急い有刺鉄線と竜の歯を配置し、対戦車溝と新しい塹壕を掘り、古いシステムをアップグレードし始めました。しかし、このラインは完成度が低いため、使用が制限されています。
写真#3では、ロシアの攻撃ルートとウクライナの要塞が見えましたが、写真#4では、町の南西にあるウクライナの2023年の塹壕システムと2022年のシステムを簡単に見ることができます。2023年については、南からのロシアの攻撃に耐えるために作られたことは明らかです(システムの南部にはさらに多くのダグアウトと屋根付きの発射位置があります)。したがって、北東から攻撃された場合、長く持ちこたえる可能性は低いです。
ロシア軍の前進ペースは鈍った、ウクライナ軍の反撃による領土奪還は止まった。真っ当に考えれば、停戦交渉の最中だから双方とも過度な攻撃は控え、政治外交の様子見程度しか動いていないということになるのですが。
停戦交渉が進むのであれば、段階的に戦闘は収束に向かうはず。しかし、停戦が頓挫すれば再開される。その時、両軍にどれほど前進、奪還、迎撃のリソースがあるかが要ですが、米軍の支援が不透明なウクライナに長期戦の不利が依然としてあると考えます。政治と軍部の一体性、上手く連動できるかがこの局面からの優劣を決める気がする。
停戦交渉中だから、というのはあるかもしれませんね
ベルゴロドへの攻勢が上手くいっているように見えませんが諦めずに攻撃を繰り返しているのも、停戦交渉が固まってしまうまえにロシア領土を一部でも確保しているという状況を作りたくてしょうがないのでしょうから
ただ、両軍ともにFPVドローンの生産・配備・運用がとても増えているために前線を押し上げるのが以前より困難になったという見方のほうが大きいのではと思いますが、はっきりした事はわかりません
ホワイトハウスからイースター停戦は無理そうとの見込みが示されましたね。
相前後してロシアからウクライナの停戦違反(エネルギーインフラへの執拗な攻撃)に関する説明がされていたようで。
アメリカの『仲介』では戦いは終わらないと、そう気付いたというか、諦めがついた感じでしょうか。
トランプの次の一手がどうなるかは興味深いですね。
それはそれとして、ハルキウに西側装備の戦力が集結しているとの噂があります。
次はハルキウ→ベルゴロドで戦端が開かれるということなんですかね?
んな馬鹿な……と思ってしまいますが、さて。
ウクライナとロシアの装備格差って実際の所どうなの?戦争が始まって早3年装備の情報は出揃ったと思うけど、僕みたいな素人でば表層のイデオロギー塗れの情報しか見れない。
装備の情報は私も詳しくは知りませんが、どんなに装備が潤沢でも、バイデン政権やゼレンスキー政権みたいのが上に居れば戦争には勝てないということはこの3年で分かりました。戦争を行うのも人間の組織ですから、「上層部の人材がダメ」では設備や装備があったところでどうにもならないのは、会社も軍隊も変わらないのだと。苦労する下の人間は報われません。
いかに時代が変化し技術が進歩しても、結局は人が扱う物という事ですね。その点、ロシアの方が優秀な人材が多かったと言う事ですか?
優秀な人材を妬んで更迭するのがウクライナのゼレンスキー大統領。有能ならばブリゴジンのような男でも使うが、ロシアに有害となれば誅殺することも厭わないのがプーチン大統領。頂点の力量差が、組織が登用できる人材の力の差となり、それが国力差をさらに広げていく。優秀な人材はウクライナにも多くいたはず、しかし、それを活用できなかった。
少なくとも、君主論を書いたマキャベリならば、どちらを君主として称賛し、どちらを共和政体の悪い例として題材とするかは分かります。例え今の西側オールドメディアであっても、ゼレンスキーがプーチンより個人的力量で格上だと書くのは稀だとは思いますが。
そもそもミリオタ諸兄に思い出していただきたいのは、
昨年の今頃は、戦況はどうだったか?ということで、
昨年はアウディーイウカが陥落し、さらにその西の
ウクライナ軍の防衛戦が崩壊し始めていました
ロシア軍はアウディーイウカの北西のオチュレチネを
陥落させ、尾根沿いにジリジリと西進している段階で、
逆にそれ以外の地域ではほとんど戦況に変化がなかった
多方面でウクライナ軍の前線が加速度的に後退するのは
7月くらいからですね。
>DEEP STATEが提示したデータは「2024年のように
複数方面で毎日km単位の前進が出来なくなってきた」と
示唆しており
つまるところロシア軍の進行は昨年夏前の状況に戻ったと。
原因は泥濘期・ロシア政府がトランプの動向をじっと見て
いることがやはり大きいのではないですか
いずれにしても6月くらいからまた大きい動きがありそうです
両軍が大きく動いているのは毎年そのくらいからですから。
泥濘期もあるのでしょうが、一定の規則性がありますね