F-16の固定武装によるShahed-136の迎撃は「簡単な仕事」と思われがちだが、ポーランドのディフェンスメディアは15日「ウクライナのF-16はShahed-136迎撃のため第二次世界大戦のような戦闘を繰り広げている」「機関砲によるShahed-136の迎撃は非常にリスクが高い」と指摘した。
参考:Ukraine: F-16s Fighting Like in World War II
APKWSによるドローン迎撃の効率性と安全性は非常に優秀な部類なのだろう
ウクライナ軍の防空シールドは機動射撃部隊、SKYNEX、MANPADS、IRIS-T SLM、ホーク、RAVEN、NASAMS、フランケンSAM、パトリオット、SAMP/T、電子妨害システムなどで多層化されており、ロシア軍が大量投入してくるShahed-136(Geran2)に対処する主戦力はサーマルビジョンによる照準と射撃に対応する機関砲=機動射撃部隊の役目だが、現在は欧州が供給したF-16もShahed-136迎撃に参加している。

出典:Повітряні Сили ЗС України
F-16の固定武装によるShahed-136の迎撃は「簡単な仕事」と思われがちだが、ポーランドのディフェンスメディア=Defence24は15日「ウクライナ空軍のF-16はShahed-136を迎撃するため第二次世界大戦のような戦闘を繰り広げている」と報じ、F-16に搭載されたM61A1バルカン砲でShahed-136を迎撃することは難易度と危険度が非常に高いと指摘した。
“Shahed-136が空中で破壊される映像にはガトリンク砲の発射とエンジンの轟音が含まれており、ウクライナ空軍が保有する旧ソ連製戦闘機にはガトリンク砲が搭載されていないため、これは間違いなくF-16とShahed-136の交戦を映したもので、ウクライナは依然として「機関砲でShahed-136を迎撃する」という非常に危険な戦術に頼っていることを裏付けている。この戦術が危険なのは「非常に低速で飛ぶShahed-136」を機関砲で迎撃すると「弾頭の誘爆」でF-16が損傷する可能性があるからで、ウクライナ空軍は少なくとShahed-136の迎撃中に2機のF-16を失っている”
Video of an F-16 shooting down a live Shahed strike UAV with its M61A1 six-barrel 20mm Gatling gun. Wait for the audio to reach the ground — gun first then warhead detonation.#OSINT #UkraineRussiaWar pic.twitter.com/PZYgHnqKHp
— OSINT Intuit 🇺🇸 🇨🇦 🇬🇧 🇺🇦 🇮🇱 🇬🇪 (@UKikaski) July 13, 2025
“ウクライナ空軍のF-16は米空軍の戦闘機と異なりAPKWSを搭載していないため、第二世界大戦時のV-1迎撃と同じ手法を採用するしかなく、これはミーティアやテンペストのパイロットが用いた戦術と多くの類似点がある。英国人パイロットはイスパノ・スイザ製の機関砲でV-1と交戦したが、この任務は当時もリスクが高い行為だとされてきた。そのためトランプ大統領の新たなウクライナ支援にF-16向けのシンプルなロケット弾が含まれていることを願っている。そうすればウクライナ空軍のパイロットは第二世界大戦時の危険な戦術に頼らなくて済むからだ”
BAEが開発したAPKWSは2.75インチロケット弾に組み込むレーザー誘導キットで、M61A1バルカン砲よりも射程距離が長く、高速な戦闘機なら2km~11km、低速な回転翼機でも1.1km~5km離れた地点から空中目標を破壊することができ、このマージンはShahed-136の弾頭誘爆に巻き込まれるリスクを軽減するのに役立つという意味だ。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Nyanda Walker-Potts
バイデン政権はAPKWSを組み込んだロケット弾をウクライナに供給していたものの、トランプ政権はウクライナ向けのAPKWSを中東駐留の米軍部隊へ振り替えたため、ウクライナ軍の機動射撃部隊やF-16はAPKWSを持っていない可能性が高く、中東危機=対イラン戦も落ち着いてきたのでAPKWSが再びウクライナへ供給されてもおかしくはない。
因みに米空軍はAPKWSを7発装填できるLAU-131/Aを6基搭載したF-16CやF-15Eを公開しており、この機体は計48発のAPKWSを携行できるため「1機のF-16で48機のShahed-136と交戦することができる」と示唆しており、APKWSをLAU-131/A×6基にフル装填するコストはAIM-120×1発もしくはAIM-9×2発と同じレベルなので、APKWSによるドローン迎撃の効率性と安全性は非常に優秀な部類なのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Командування Повітряних Сил ЗСУ





















まさか一周回ってミサイル万能理論が正しかったなんてな
雑魚処理にしか使えないならもういらんわな
真面目なことをいうならば、もともとメインウェポンのミサイルが尽きた時の使用がメインだし、まぁついてるならと意思表示としての威嚇のためにも使われるくらいで、万能論の正しさなんて議論にも上がらないことではなかろうか。短距離ミサイルを使った速度差が小さい対戦闘機でもドッグファイトは危険なのに、相対速度の差が大きく攻撃後の離脱に使える距離が短いことが問題で、本来歩兵のハンドガンくらいの持ってても基本使うことはない類の装備を常用するしかない現状こそが原因だろう。
サウジもフーシ派からの飛翔体迎撃にF-15で迎撃してたけど、費用対効果が問題に〜みたいな記事確かこのサイトで数年前に見かけた記憶。
安価なドローン撃ち落としに離陸したところを地対空または空対空ミサイルの餌食になりそう。
相手が何を装備してるか分からんのに相手がAMRAAMとかHARM装備してたら返り討ちに遭うがな
それもそうか…
ウクライナの内地を攻撃するためのドローンだから、前線を超えたウクライナ上空の戦闘機を効率よく落とせるようなSAMがないことにはどうだろうか。
ジャンケンみたいな関係性ではあるけど敵の内地に潜入している工作員がMANPADS担いで待ち受ける事が出来れば、低空を飛ぶ自爆ドローンを落とすために高度を下げた戦闘機を撃墜する事はできるかも。
Su-25とかの方がまだ低速で向いてそうだよな
とはいえ根本的にはレシプロのCOIN機みたいなドローン専用機に小口径機銃かキャニスター弾で弾幕作らせた方が安上がりかつ訓練も短くてすみそう。コストが許すならUCAVに今回のロケット弾なり機銃なり積んで常時数機対空させとかとかはどうなんだろうか。弾頭の数が少ないならワンチャン
つまり、、、A-10の出番と言う事か?
率直に言えば、求められているのは低速で頑丈で弾丸を山のように積めることなので。
まさにA-10の独壇場ですね。
ゲパルトといい、時代遅れのはずの兵器にこんなところに使い道があったとは。
似たような用途で現在も生産されているSu-25でいいやん。
特性的にはヘリコプターが向いてそうだけど、都市防空にあまり使われてないのは展開能力に難があるからなんだろうか?
固定翼機に対してコスト的に不利ではなかろうか
確かSu-25の最大生産工場はジョージアのトビリシ郊外にあったのでは…。サアカシュビリ親米反露政権の崩壊・否定以降の現ジョージア政権が、Su-25の引き渡しに関して如何なるスタンスにせよ、ウクライナ保有機は相当数損失してしまった(比率は別として勿論ロシア機も)様ですので、使いたくても使えないか、或いは前線でのニーズが切実過ぎてドローン迎撃には回せ無いのかも知れません。
APKWSの調達コストは2018年で$22000だから2025年だと$28000くらいか
ゲラン2が$20000と言われてるし(流石に安すぎないか?)、F-16の運用コスト加味してもざっと1.5~2倍のコストだからなかなかいいな
そろそろロシアもストレラやイグラを改造した対空ミサイルを積んだシャヘドを混ぜてきそうよね。
もう行くとこまで行ってドローンだけで戦争するところまで一気に持っていってほしい。ドローンが止められなくなってきて人に損失が出だしたら降伏するくらいで頼む。
A-10の出番だな
マジでこれ
低速で安定的に尚且つ高バイパス比で燃費よく飛べる
GAU-8アヴェンジャーは航空機搭載型ガトリングとしては非常に優秀で弾道特性も良さそうだ
タフさも折り紙つきで多少の誘爆くらいは耐えられる
これ以上シャヘドを機関銃で処理するのに向いてる機体は無い
去年の夏頃はF16の本格投入でウクライナ大勝利と某界隈はお祭り騒ぎしていた思い出
su-24はガトリング砲であるGSh-6-23を装備しています。1983年に一時使用中止になっていましたが後年に近代化改修したGSh-6-23Mが登場しており使用を継続していると考えられます。SPPU-6型ガンポッドなら斜め下方への射撃も可能です。
シャヘドは搭載量ゆえ打撃力が低いと言われておりますが迎撃可能なだけにウクライナの負担も大きいですね
まさに現代のV1
誘爆が危ないし機関砲の弾が勿体ないから、本当にWWIIの時のように翼の端に引っかけて墜落させようか.
シャヘドの幅は2.5mでV1ロケットの半分以下なんだぜ
某少佐「斜め機銃を使ってだな」
少し探してみたのですが。
F16の失速速度は160kt(F16Cブロック50)だそうです。
約300km/時ですね。約83m/秒でもあります。
シャヘド136の飛行速度は185km/hだそうです。約51m/秒です。
そして、M61バルカン砲の空対空射撃距離は概ね810mだそうです。
失速速度で後方の射撃位置に着いてから、衝突まで25秒くらいとなります。
失速速度で飛行することはないでしょうから、実際にはもっと短時間になのでしょうね。
爆発したシャヘドの破片が当たるのも珍しくないのだろうと想像します。
地上のことを考えれば、おそらく、目標の下から撃つでしょうし。
ちなみにA-10の失速速度は178kmだそうで
GAU-8 アヴェンジャーの有効射程は1220m
A-10を称えよ
正直GAU-8だと地上へ落ちる流れ弾が怖過ぎなんですがそれは…😨
経費対効果等を合わせて考えたら軽COIN機にミニガンのガンポッド位が一番いいと思いますけどね
撃墜すれば破片は当然、何なら本体が丸ごとそこらに突っ込むんだから流れ弾なんか些細な問題でしょう。
てか下から撃ち上げたってわずかに速度が落ちるだけですぐ落ちてくる訳で、むしろ着弾範囲を制御できなくなるだけでしょう。
それこそスーパーツカノで十分じゃね?
A-10に夢見すぎなんだよ。
戦闘機より戦闘ヘリの方が迎撃に向いてそうだな
首都周辺に局戦的な扱いで何機か試してみたらいいのにと思った
ウクライナのF-16も、シャヘドの迎撃により着実に消耗させられるわけですから、前線攻撃・前線防衛に回せなくなるのは難しいなと感じますね。
政治面を考えれば、シャヘドを放置しておくという選択肢も、とりにくいでしょうし…
日本の自衛隊航空機が、スクランブルにより消耗していることが指摘されていますから、戦闘機をどのように運用するのが最適なのか悩ましい問題ですね。
ロシアからしたら
F-16を落としたのは思わぬ戦果なんでしょうね
単純計算で費用が1:1000くらいの差がありますから、シャヘド1000機撃ち落とすのにF16が事故で1回落ちれば採算が合ってしまいますね。
まあ、シャヘド対策にバカ高い西側戦闘機使ってること自体がアレなんですが。
この記事の趣旨からは少し外れますが気球を撃墜するためにF-22を動員した件を思い出しましたね
迎撃高度が高すぎるという明確にF22を使う理由があったので同列には扱えない
もしや低速で飛ぶ対空COIN機が必要なのか?
スーパーツカノにスピットファイアの初期型みたいに7.7㎜機銃8門装備するとか・・。
銃弾が市街地に落ちても被害は少ないでしょうし。
この記事とは関係ありませんが、イスラエルが今度はシリア暫定政権の国防省や大統領府周辺を空爆しました。
敵のドローンに体当たりするドローンを開発したほうがコスパが良さそう
Shark U1というShark Aero社が開発した対ドローン用電子戦機をウクライナが受領したというニュースを最近見ましたが、まだ実戦には使われていないのかな?小型軽量なレシプロ機でなかなか使えそうな性能でした
敵のドローンに体当たりするドローンを開発したほうがコスパが良さそう
F-16のAPKWS×42発フル搭載バージョンとか言うと、まるで空戦系ゲームのミサイル大量搭載戦闘機みたいですね。ぜひ優先してウクライナに提供してあげて欲しいものです。F-16をシャヘド迎撃に使って事故で2機墜落なんてあまりに割に合いません。
F-14なら、空中補給機からミサイルまで補充できたのに…。
かわぐちかいじの戦争漫画に真面目にツッコむのもなんなんですが、最近のロシア戦での第5世代戦闘機同士のドッグファイトにはあきれました。最新ジェット機でのドッグファイトの馬鹿馬鹿しさにはエリア88の段階ですら、BVR回をわざわざ描いて絵空事であると割切って書いていたのですけどね。
なんて言ってるとこうやって第四世代機でドッグファイトする実話がでるわけで・・・。
機体やパイロットの消耗も考えれば、遠隔操作できる安価な、対ドローン用の戦闘機型ドローンを本気で開発した方がよさそう
操縦方法も、ゲームセンターの筐体の様な安価な操縦シミュレーション機と連動したような、消耗前提の本気の遠隔操作で
機体や人的消耗を考えれば、そろそろ、対ドローン用の戦闘機型ドローンの安価なのを作るべきなのだろうなぁと
広大な戦線を維持するためにも数で押せないといけない
操縦人員確保を考えれば、それこそゲーム用コントローラー等の安価な機材を利用した、ゲーム感覚で簡単に操作できるような、そんなチープな遠隔操作システムで良い
ラジコン操縦方式よりは戦いやすいだろうし
ありゃ、最初に書いたのが書き込み失敗したのかと思ってこちら書いたら、二重投稿になってた
戦闘機によるAPKWSと対地攻撃機やヘリ、地上部隊による機銃掃射の2本立てになるんじゃないかな。戦闘機は前線付近での迎撃、機銃掃射はドローンの最終目標たる都市付近での迎撃に従事することになるじゃないかな。
戦闘ヘリでもできるドローン迎撃にF16を使うのは費用対効果が悪いが、迂闊に前線に出すと対空防御の餌食になるので他に使い道がない
アメリカからF16に搭載可能な長距離ミサイルが供与されると変わってくるかもしれないが
一方でドローンにもスティンガータイプのミサイルが積まれるようになるんじゃね?ペイロードもどんどん大きくなってるし
可能性として否定はしないが安さが武器なので。とはいえ少しだけ搭載したやつ混ぜて迎撃戦闘を複雑にするようなことはありえる。