RYBARはポクロウシク方面について31日「ロシア軍がソニアチニー 地区とノヴォパヴリヴカ南郊外を占領した」と報告、さらにポクロウシク攻略戦は小規模部隊による浸透作戦なので街を迅速に制圧するのは困難と指摘し「ポクロウシク・ディミトロフ解放を祝うのは時期尚早だ」と述べた。
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逆にゲラシモフ参謀総長が言う「ポクロウシク包囲(2回目)」が事実なら、数日以内に陥落しないと辻褄が合わない
ゼレンスキー大統領は31日「ポクロウシクの状況は困難でロシアはポクロウシク方面全体に17万人の戦力を集結させている。今日、司令官と話をしたが状況に大きな変化はない。ポクロウシクにいる敵を徐々に破壊している。勿論、ポクロウシクの状況は四方から敵が迫る緊迫した状況だが、ポクロウシクが包囲されたというのは嘘だ。クルスクの時も5,000人~6,000人を包囲したと言ったが嘘だった。ロシア人がウクライナを打ち破っているというのは事実ではない」と言及。
第7軍団も「ロシア軍がポクロウシク・ディミトロフ包囲作戦に約1.1万人を投入している」「第7軍団がポクロウシク方面で担当している作戦地域には2.7万人、戦車100輌、装甲車両260輌、大砲・迫撃砲160門の敵が集結している」と報告し、Reutersは「ウクライナ軍がポクロウシク防衛のため特殊部隊を投入した」「この作戦はブダノフ中将が指揮を取っている」と報じ、情報総局の特殊部隊がUH-60でポクロウシク郊外=Ⓐに投入される様子も公開され、投入日時は今週初め(恐らく26日~28日)としか明かされてない。
RYBARはポクロウシクの状況について31日「ロシア軍がソニアチニー 地区を占領した」「ロシア軍がノヴォパヴリヴカ南郊外を占領した」と報告し、ポクロウシク攻略戦は小規模部隊による浸透作戦なのでポクロウシクを迅速に制圧するのは困難と指摘し「都市の解放を祝うのは時期尚早だ」と述べた。
New. Hearing Ukraine’s military intelligence is conducting a daring counter-offensive near Pokrovsk to reopen key logistics lines. Videos shared with me purport to show a heli drop in areas Russia claims to hold. *Have not been able to verify vids independently. pic.twitter.com/ZGyYfjUD2S
— Oliver Carroll (@olliecarroll) October 31, 2025
“ロシア軍の突撃部隊がポクロウシク北郊外に進出していることを示す視覚的証拠が公開されている。恐らく市内に分散するウクライナ軍部隊は特定の地区のみを保持しており、抵抗も局地的なものに留まっている。密集した建造物、地下室の多さ、ドローンの積極的な使用のため街を迅速に制圧するのは困難だ。ポクロウシク市内の戦闘は2人~3人の小規模部隊によるもので、双方の兵士はドローンの監視と攻撃で身動きが取れなくなり、隣同士の建物だけでなく同じ建物の違う階に居座っていることさえある”
“隣接するディミトロフでも激しい戦闘が続いている。ロシア軍はディミトロフの北と東から攻撃を仕掛けており、敵の防衛ラインを安定させないよう努めている。ディミトロフへの補給ルートは完全に遮断されていないものの、ポクロウシクの状況悪化が補給ルートを脆弱にしている。この地域の戦いは激しさを増しており、ポクロウシクとディミトロフの解放を祝うのは時期尚早だ。敵は反撃の可能性を残しているだけでなく、特殊部隊を市街戦に投入してきた。彼らはロシア軍に出来るだけ多くの損害を与え、同時に勝利の映像も撮影している”

出典:93-тя ОМБр Холодний Яр
ポクロウシク市内で何が起こっているか良くわからないが、登場する視覚的証拠の戦闘シーンはバフムートやアウディーイウカとは全く異なるもので、これまでにDEEP STATEやRYBARが言及した内容も加味すると「ポクロウシクの市街戦は大軍同士が激しい戦闘を繰り広げるというものではない」「双方とも少人数編成の部隊で市内を動き回っている」「街の中でもドローンが飛び交っているため有人部隊の動きは制限的」「双方の部隊が直接交戦することは多くない」「誰が何処を保持しているのか判断するのが困難」となり、この市街戦がどのような展開と結末を迎えるのかは予想がつかない。
一つだけ言えるのは浸透戦術による市内への侵入、少人数編成部隊による市内の制圧を目指す戦いはポクロウシクよりも先にクピャンスクで始まっており、こちらも市内の大部分にグレーゾーンが広がったが劇的な展開にはなっておらず、ポクロウシクを巡る戦いも同じ展開になるかもしれないが、結局のとことは物理的包囲を達成できるかどうかに掛かっているのだろう。

出典:Минобороны России
逆にゲラシモフ参謀総長が言う「ポクロウシク包囲(2回目)」が事実なら、数日以内に陥落しないと辻褄が合わない。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України






















完全に包囲はされていないが、このグレーゾーン見るとポクロウシクは玉砕覚悟で最後の抵抗に入る、逃げる、降伏すると終末感漂う状況だと思うけどこうなる前に撤退すべきでしたね。
ロシア軍から見れば、昨年初めのアウディウカでは、市内制圧戦よりも、狭まった開口部から撤退を試みるウクライナ兵への掃討戦の方が遥かに多くの成果が出ていたものと記憶しています。
その教訓をしっかり活かして、ロシア軍は、今回も補給路を事実上遮断した状態で、わざと開口部を閉じず、かつ市内制圧を急がず、残存ウクライナ兵に補給枯渇による降伏か徹底強行による壊滅かを選ばせているのだと考えるのが妥当と思います。
いずれにせよ、ここまで見事に補給が立たれている状態では、ポクロウシクのウ軍は冬を越せるとは思えません。
集団的にせよ、個別的にせよ、何とかして早く白旗を上げた方が賢明です。
そう考えると、件のシルスキー将軍肝煎りのブラックホーク空挺部隊も辻褄が合いますね
おそらくE-50の補給線の復活、最低でも安全な退路の確保が作戦目標でしょうか
まあこんな軍事素人にもわかるような作戦をロシア軍がみすみすやらせてくれるとは思えませんが・・・
せっかく撤退路を確保しても、欲を出した政府や軍上層部が「もっと進め。」とか「ロシア軍を街から追い出せ。」とか命じて結局損害を増やすいつもの結果が見えます。
ヘリでの強襲、ロシア側のドローンから着陸前にすでに監視されていたようですが、数時間前に続報としていつものFPVドローンの映像が公開されましたね。ロシア側は全滅とは言ってるものの、映像内では5~6人ほどの犠牲者しか写っていませんでした。(とはいえ壊滅状態ではありますが……)
ドローンなどに頼っていることもあり、対空兵器が前線に恐らくあまりない現状、ヘリなどでの歩兵浸透はある程度効果がありそうな気もしますが、やはり図体が大きいこともありドローンに監視されていると厳しそうですね……。とはいえ車は車道以外だとリスクが高過ぎますし(尚且つ車道は監視下にあることも含め)、ウクライナ側が今から浸透させようとしても街側を抑えられているとどうにもできないでしょうし、ここから巻き返して回復することはないかもしれません。
こうならないようにウクライナ側は都市部の住人をさっさと避難させて軍人のみの要塞にすればいいんでしょうが、ロシア側が近付いた段階で避難させるのも「負けているのでは…?」と思われかねませんし、現地に居たい親ロやご老人、地元愛など多くの方が避難を受け入れる訳でもないでしょうから難しいことだらけですよね。
この先どうなるのでしょうか……。
UH-60って6名編成だと思いましたが、詰めて乗せても8人ぐらい?装備を考えるとそれ以上は無理か
今回の作戦では2機が投入されたとの事なので16名だと想定すると、動画で確認できる5~6名の損耗時点で壊滅と言っていいですね
ドローンで監視されている開けた地形に歩兵を降ろしても狙われるだけなんでしょうね
残ったのは10人かそこらですね。
数人を救出して英雄に祭り上げるか?それとも一応やりました!のアピールじゃないですか?
ちょっと不純な目的しか考えられないのだけど。
ポクロウシク郊外北西フリシュネ方向への浸透、ポクロウシク南部ノヴォパブリヴカなど南部の押上げも気になりますね。
ウクライナ軍は、ポクロウシク市内掃討を重視せざるを得ないですが、南部が手薄になれば前線が押しあげられていくのかなと。
市街戦は、最前線どうなっているのか見えにくい部分がありますから、1週間程度どうなっていくのか推移を見守りたいと思います。
追記です。
フリシュネ郊外(48.312874, 37.102245)、ウダチネ北側のコークス工場(48.261301, 36.991805)、コトリーネ~ポクロウシク間(48.283305, 37.080165)など、近々に空爆されていますね。
ポクロウシク都市部に集中するだけでなく、やや広域に圧力かけているのを、航空機活用の視点から興味深く感じています。
もうクピャンスクもポクロウシクも壊滅することは誰の目にも明らか
関心の対象になるのはウクライナが戦闘を持続できるのかってことだけ
私の考えでは、ロシア軍は少人数編成の部隊をポクロフスク市内に送ってるのは間違いないでしょう。でもそれは全体の人数が少ない訳ではなく、多数の部隊を何波にもわたって継続して送り込み続けているという認識です。幾らかは消耗するでしょうが市内のウクライナ兵戦闘員の数はさほど多くないと予想されているので総数は増えるのです。その数でもって端から掃討していけば早期にそれなりの戦況が現れるのではないかと思われます。
結局戦術を変えてはいますが、戦略的には当初から変わらずロシア軍は余裕のあるほどの戦力を投入しての波状攻撃に思いますね
これまでの市街戦の構図は、街区を掃討制圧していくロシアvs市街にドローン、歩兵を浸透させてゲリラ的に抵抗するウクライナだったのが、今回は全く逆で、市街地に歩兵、ドローンを浸透させてゲリラ戦を展開するロシアvs少ない兵力で市街地を掃討しないといけないウクライナという構図になっている。
市街地はゲリラ戦に有利で、掃討する側に負担が偏るからロシアも敢えてゲリラ戦を仕掛けているんだろう。ただロシアとしては市街地にロシア兵を充満させたところで、相変わらず市内に補充されるウクライナ兵をどう排除するのか?
一方でウクライナ側は市街地での掃討なんて現状そんな余裕ないだろと。むしろ郊外の維持なり、開囲の試みなりを徹底すべきではないのか?郊外の防衛を放置して市街戦に精鋭投入とか只のスターリングラードじゃないか
このまま市街地を制圧せずに市街各所に観測所、中継所を設けて、そこから市街地ではなくて郊外、特に6kmの開口部に向けて、温存してきた砲弾、爆弾、ドローンを叩き込んでウクライナ軍の郊外陣地を機能不全に追い込むんじゃないかな。開口部を守るウクライナ軍が沈黙すれば、掃討どころか市内への兵力投入自体困難になる。
ヘリで十数人の兵士を送り込んだところでどうにかなる戦況とも思えないが、何をしようとしたのかよくわからないな
ウクライナが送り込んだ特殊部隊員が本当にいるなら、ただのフェイクでないなら、
・とにかく少しでも時間稼ぎをするため。(近い内に交渉出来るというあてがあるなら)
・特殊部隊にロシアによる制圧前にやって貰いたい事があった。あまり一般の兵士達に見せたくない知らせたくないような書類や何かの破棄など。
・実際に送り込んだ部隊はもっと多く、なんなら西側諸国の特殊部隊員等も含まれていた。
これらですかね。
本気で防衛のために部隊を注ぎ込んだとは思えません。というか、本気でやっているなら逆に怖い。
仮に特殊部隊がとんでもなく強くて10人で100人倒せたとしても大きな影響はないと思うからです。
という事でむしろ可能性が高いのは、「ポクロフスクに注ぎ込んだよ!」と見せてロシア国内での破壊活動でもさせるために派遣したという所でしょうか。それもまたポクロフスク防衛の支援になるかもしれませんし。あるいはポクロフスクに近いロシアの拠点のどこか。
俺ならそっちの可能性の方が高いと思うので俺がロシア軍当局者なら、まずは国内の防衛の為に国境近くを警戒させて出来る限り罠でも張っておきますね。ウクライナは爆殺好きですから危険でもありますし。