ウクライナ人が運営するDEEP STATEは12日「ウクライナ軍部隊がクラホヴェ方面で敵に包囲される寸前だ」と報告、ウクライナ鉄鋼企業のメティンベストも「前線が近づいて敵の砲撃が激化しているためピシュチャネにあるポクロウシク炭鉱第3立坑の操業を中止した」と発表した。
参考:Мапу оновлено
参考:Ситуація навколо “Успенівського мішка”
参考:Покровское направление: бои в Шевченко и «рейды ДРГ» в Покровск обстановка по состоянию на 19:00 12 декабря 2024 года
参考:EURONEXT DUBLIN ANNOUNCEMENT
参考:Ukraine’s largest steelmaker suspends operations at Pokrovsk coal mine
ポクロウシク炭鉱におけるピシュチャネはウクライナ最大のコークス供給拠点で国内の鉄鋼業にとっては大打撃
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面について今月6日「シェフチェンコ郊外でロシア軍の存在が確認されるという不愉快な状況が発生した」と報告し、最も突破を許してはいけない方向の防衛ラインの裂け目はどんどん大きくなり、ホルティツィア作戦軍のヴォロシン報道官も11日「ポクロウシク方面のロシア軍がヴィドロジェンニアの西とノボトロイツケの南にあるウクライナ軍陣地を積極的に攻撃し、2つの陣地が破壊さた」と、シルスキー総司令官も「通常とは異なる決定を下さなければならない」と言及。
DEEP STATEは12日「ロシア軍がノボトロイツケをほぼ占領した」「ロシア軍がゾリャを占領した」と、RYBARは「ロシア軍がヴィドロジェニア~ダチェンスケの大釜を左右から閉じようとしている」「ノボトロイツケ集落の西側にロシア軍は安定的な足場が築けていない」と報告し、ウクライナ鉄鋼企業のメティンベストも「現地の情勢が悪化し、前線が近づき、敵の砲撃が激化しているためピシュチャネにあるポクロウシク炭鉱第3立坑の操業を中止して従業員と家族が避難した」「同社の石炭採掘量全体に占めるピシュチャネの割合は約半分だった」「第3立坑の操業中止による影響は現在評価中だ」と発表。
Kyiv Independentは「ポクロウシク炭鉱におけるピシュチャネはウクライナ最大のコークス供給(歴青炭を産出しているという意味)拠点で国内の鉄鋼業にとっては大打撃だ」「ウクライナにとって鉄鋼生産は主要産業の1つで農業に次ぐ外貨獲得手段だ」と報じており、メティンベストは「ピシュチャネの第3立坑以外は操業を続けている」と述べている。
DEEP STATEはクラホヴェ・ヴフレダル(南ドネツク)方面について「ロシア軍がソンツィフカをほぼ占領した」「ロシア軍がウスペニフカ集落内に侵入した」「ロシア軍がヴェセリ・ハイ郊外まで前進した」「ロシア軍がヤスナ・ポリアナの北で支配地域を広げた」「ウクライナ軍がコンスティアンティノポルスケ方向でロシア軍を押し戻した」と報告し、ウスペニフカ方向について以下のように言及した。
“現地の最新情報は心強いものとは言えず、状況は悪化の一途を辿っている。エリザベティフカ、ロマニフカ、ハニフカ、ヴェセリ・ハイはポケットの中にあり、敵が四方八方から突破を試みている。ポケットの蓋に位置するトルダベやウスペニフカにも敵が定着している。ウクライナ軍は侵入者が定着した建物を排除しようと試みているが成功しておらず、集落に侵入してくる敵は増える一方だ。さらに敵はウスペニフカとハニフカのウクライナ軍を事実上分断している”

出典:DEEP STATE
“敵がクラホヴェを徐々に占領している状況でウスペニフカ方向の渓谷ラインを保持する意味が理解できない。現在の状況は作戦・戦術グループ「ドネツク」の無為無策か明確ではない作戦指導の結果であり、敵はウスペニフカで支配地域を広げてポケットの蓋を閉じようとしている。もし蓋が閉じられればエリザベティフカ、ロマニフカ、ハニフカ、ヴェセリ・ハイのウクライナ軍部隊は包囲される可能性がある。現在の状況は作戦・戦術グループ「ドネツク」の元司令官を除く全員にとって危機的だ”
“司令官だったルツェンコは解任され別のポストが与えられるまで陸軍司令部で勤務する予定だ。そして近い将来、新しい作戦・戦術グループ「ドネツク」の司令官がこう発表するだろう。我々は準備された位置まで後退したと”
関連記事:侵攻1022日目、ウクライナ軍が初めてクルスク州スジャ郊外で後退
関連記事:ロシア軍がスームィ州に侵入、ポクロウシク方面の裂け目も大きくなる
関連記事:トレツクを巡る戦い、ロシア軍が市内中心部の鉱山一帯を占領した可能性
関連記事:侵攻1018日目、ポクロウシクの防衛ラインで生じた裂け目は大きくなる
関連記事:ポクロウシクを巡る戦い、突破を許してはいけない防衛ラインに裂け目
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
詰みだな
度々報告される上層部の怠慢や現地部隊の(主に戦力不足から生じる)連携不足はあるものとして。
それがどのような結果を生み出すかはともかく、政治的には18日の動員解除法案発表、もう少し欲を言えば年内はクラホヴェを維持したいというのはあるかもしれませんね。
政治が機能していないウクライナで、政治的な欲を考えほど有害なこともないと思う。この3年間の戦争でウクライナ側の「政治的に~したい」が碌な結果を産んだことがない。
ポクロウシク炭鉱及び、南の線路・道路まで、通常砲撃の管制下に入る射程ですから、もうどうにもならないでしょうね。
セリダブ周辺の市街戦は、街の被害が少なかったわけですから、ドネツク~セリダブ周辺までの鉄道で物資を届けられるでしょう(ドネツク都市圏からまだ近い距離です)。
ウクライナ上層部は、クラホヴェ南のポケットで限界まで粘らせ続ける想定なのでしょうが、何とも悲惨な事になってるでしょう…。
こういった時間の稼ぎ方をしても、守備部隊は全滅に近くなりますから、退却しても部隊再編できずに使い物になりません。
ウクライナは、トランプ大統領就任まで時間を稼いで、外交交渉に賭けているのでしょうかね?
トランプ次期大統領は、ウクライナ支援削減だけでなく、アメリカ製長距離兵器によるロシア領奥地の攻撃を非難しているわけで…。
そんな中で再びATACMSで空軍基地を攻撃。
どのような倍返しがおこなわれるのだろうか?
トランプ新大統領は、ウクライナ支援削減しそうなのに、どうなりますかね…。
日本のウクライナ支援も、バイデン大統領につつかれた対米追随なだけでしたから、時流を見定めるのが肝要に思います。
追記です。
アメリカが、ウクライナ支援を削減すれば、独仏を中心にEUが肩代わりする事を想定されますが…
ドイツは独露首脳が電話会談を2年ぶりに行っており。ドイツ国内は信任投票否決の公算で、2月に総選挙、ショルツ首相は交代かもしれません。
フランスは内閣総辞職しており、マクロン大統領の支持率も低迷。ウクライナ平和維持軍も、ポーランドは派遣計画がないとしています。
ウクライナに、本当に時間が味方するのか怪しく、注意深く見ています。
(2024年12月09日 マクロン大統領、辞任の可能性否定(フランス) JETRO)
(2024年12月13日 仏 マクロン大統領 ポーランド首相とウクライナ情勢など協議 NHK)
そもそもドイツは経済状況が悲惨すぎる
まずドイツは来年まで実質成長がマイナスからゼロ成長が確定していて、インフレも2%を割り込まず、景気が悪くて輸出産業も弱くて企業業績が悪いのに無理矢理賃上げを強行した結果、倒産件数がバブルが崩壊した中国より悪化してる始末
最近では100兆円規模の資金流出に加えて若年層21万人(つまり1世代の半分くらい)が海外流出し、その8割弱が大卒の高学歴という悲惨さ
今後は30年まで計画的な大規模リストラも待ち構えてる
ECBはユーロの利下げを予定通り行えば名目ベースの経済規模で日本、インドを下回るのは確定で、しかも利下げするのにインフレは一向に潮目の2%をきらないという
リベララストや海外信者は潜在成長率の表れなどと言うだろうが、高学歴若年層の流出が起こってる段階で言ってもなんの説得力もない
アメリカもヨーロッパも経済状況のヤバさが招いた政権交代だろうに、テレビは中露の経済苦境は誇張して報道するが欧米の苦境は過小にしか報じない
ここ5年を振り返ってみても脱原発論からのエネルギー危機や、コロナの隔離政策の人権侵害報道からの欧米の医療崩壊や、電気自動車による日本メーカーのカタストロフ論からのEV墓場と、散々欧米のやり方の失敗を目にしてきただろうに、いまだに欧米のプロパガンダを垂れ流してるのはなぜなのか
ちょっとゼロ成長になっただけでドイツは悲惨とか言って言いのだろうか?
日本なんて30年以上ゼロ成長(マイナス含む)で日本より下の成長率の国なんてこの世に存在して無い世界最下位んだけど(紛争地域除く)
財務省の財務真理教が破られたら少しは改善するかなぁ・・・して欲しいなぁ
財務真理教で思い出したんですけど、森永卓郎さん病気で激ヤセしましたよね……
最近は自分の畑でメロンの栽培に成功してて、この人やっぱり凄いなぁ、と……
森永さん、抗がん剤など、がん治療の影響でしょうかね。
日本人が、企業の運転資金などすら分からない人が多いですから、財務真理教に騙されるのは仕方ないと思います。
勤務先の決算書、ほとんどの人は、知らないでしょうし…(運転資金はひたすら借換、売上増えたら増えるんですよね)
あれだけ財務省を批判してればガンにもなりますよ。消されなかっただけよかったですが。。。
森永さんは、ガンになって余命宣告されて怖い物無しになったので財務省批判を始めたので順番が逆ですね
マジレスするとリーマンショック以降から2019年までの生産年齢人口あたりでの成長率はむしろ日本がG7トップだぞ。
ちなみに19年以降は全体でもユーロ圏に勝ってる
断言するが間違いなくヨーロッパは日本より悲惨だ
人口ボーナス・人口オーナスが、大きく影響を与えますからね。
基本的に少子高齢化は、無理ゲー社会なわけで、マクロでみる時の難しさを感じます。
ドイツは、製造業=化学産業の輸出、EU圏への投資がメインエンジンでしたからね。
天然ガス価格を中心に、インフレの影響が大きくでてるなと感じています。
ハニフカ、、、撤退する為に血路開いている感じでしょうけどいつも通りで撤退遅いですね、助けもこないでしょうから投降するのが最良の選択。
クラホヴェ南の意味不明な地点で抗戦して包囲されるのに、戦略的に重要なポクロウシク南にあっという間に取りつかれているのは作戦の優先順位が支離滅裂としか言えない。
どれほどの部隊が包囲されているのかわからないが、愚かな上層部のせいで犠牲になる兵士がとにかく気の毒だ。
実際、この無意味なポケットを死守している間に、ポクロウシク炭鉱の半分が操業中止になったのはただのアホとしか。国内の鉄鋼業なくして、どうやって戦争を続けるつもりなのか。
ウクライナ上層部は、何を考えているのか、本当に意味不明ですよね。
ウクライナ前線歩兵が、自分も不憫に感じています。
誰かが考えてるだろ、誰かが考えてるだろ、誰かが考えてるだろ、と
計画書と稟議書が組織の中をめくら判押されてぐーるぐると回ってるだけの「現場猫」案件になってるんじゃないかという気がします。
後始末に関しても現場猫バージョンの「オ・ア・シ・ス」で終わりでしょうね。
『とにかくヨシ!』現場猫といえば、これを思い出しました…
大統領、西側が何とかしてくれるはずだから、ヨシ!
軍総司令官、大統領が考えてるだろうから、ヨシ!
方面軍司令官軍、総司令官が考えてるだろうから、ヨシ!
旅団司令官、方面軍司令官が考えてるだろうから、ヨシ!
大隊指揮官、旅団指揮官が考えてるだろうから、ヨシ!
小隊指揮官、大隊指揮官が考えてるだろうから、ヨシ!
大隊指揮官、小隊指揮官が考えてるだろうから、ヨシ!
小隊指揮官、塹壕の兵士が考えてるだろうから、ヨシ!
塹壕の兵士、大統領が考えてるだろうから、ヨシ!
( ^ω^)どうして・・・
蓋が閉ざされる寸前の大釜の拡大画像とはまたえげつないものを…
>そして近い将来、新しい作戦・戦術グループ「ドネツク」の司令官がこう発表するだろう。我々は準備された位置まで後退したと
大本営発表の末路ここに極まれりというか、自国民に完全に信用されなくなった政府並びに軍部の発表ほど、醜悪かつ有害なものもない。ロシアとの戦後がどのような形になろうが、“ゼレンスキー政権と軍閥のままでは国に未来がない”という点ではウクライナ人の大半の意見は一致するのではなかろうか。
ここ数日(1週間?)ロシア軍の動きがおかしい気がする
大規模攻撃が近いのだろうか?
気のせいであればよいが
個人的には、1月7日のクリスマスが近づいているので、ロシア側は前線の兵士が帰れる限り、交代して休暇を取っているのではと思っています(11月の成果は十分でしたし)。どんな組織でも、ずっと働きづめで気を張り詰めるよりも、ローテーションを組んだほうが総合的な効率は上がります。ハンガリー提案の「クリスマス停戦」を支持ともあったので、ロシア側には12月中に攻勢をかける可能性は低いんじゃないかと。
ロシア、ハンガリー提案の「クリスマス停戦」を支持=大統領報道官(ロイター)
ロシアが「クリスマス休戦」を支持するのは、それが”強烈な”踏み絵になるからだと思います
前回のクリスマスからウクライナ政府はクリスマスを西洋と同じ12月25日としてしまいました
そのため、1月7日に休戦することはある意味ロシアへの屈服となります
もともと、国民の間ではこの変更への反発も大きく、今でも1月7日を維持する人も多い状態です。いつをクリスマスとするか問題は余計な不和を生みかねず、ウクライナ政府はこの案に乗ることができないのです
前回クリスマスの日付を変えたときに宗教の記念日を政治で変えるのは
宗教は政治に関わってはいけない、政治は宗教に干渉してはいけない政教分離も守れないのに何で自由と民主主義の一員のふりしてるんだろう、と思いながら見てました
同じクリスマスを祝ってる筈なのに反目しあうとか良く判らないですよねぇ
イスラム教だって宗派で対立が凄いですし
一神教あるあるの対立は多神教的価値観の日本人にはいまいちピンとこない
多神教徒のヒンデゥー教もかなり大雑把な部分があるからそーゆーものなのかもしれないですが
まあ、日本でも同じ仏教徒であるはずの日蓮宗徒と一向宗徒と天台宗(比叡山)は殺し合いをしてきた歴史があるわけで、そういうのを乗り越えて今があります。多神教的価値観というより、長く平和な江戸時代を経験したことで宗教の牙を抜かれた影響の方が大きいと思います
あと宗教は国家や民族、文化、ひいては個人のアイデンティティにかかわる部分なので、むしろ分からない、とういうより関心の低い日本人の方が世界的には異常なのかもしれません
日本に伝わってる仏教は北方仏教で下手すると一神教的とも言える価値観になったので争いの種になったのでしょう
神道の宗派の解釈違いで殺し合いとかあまり聞かないし
宗教は古くなりすぎると戒律とかも無くなり生活習慣の一種になってしまう傾向があるので日本人の宗教観が今みたいになってるのでしょう
これは政治的な問題だからちょっと違うかな。そもそもウクライナ政府がウクライナ正教会に手を突っ込んでかき混ぜてるので色々おかしい。
ポケットのウクライナ軍は撤退しないのではなく、火力統制されて撤退出来ないんでしょう
>コンスティアンティノポルスケ方向でロシア軍を押し戻した
ヴェリカ・ノボルシカ方面でも同じ事起きてたな
やっぱり退路の確保に必死になっている、という事か
という事は両戦線とももう終わりが近い、そしてポクロフスクで本格攻勢の準備が完了しつつある……
これから10日は絶対に目が離せない、そんな気がします
本記事からはちょっと離れますが、12日付のデイリーメールで、拉致のような動員が招集拒否者へ行われているだけではないような内容が記事になっていました。
『Ukrainians used to spit at deserters… now they sympathise with them. With 6,000 soldiers absconding every month, brutal press gangs roam the streets seizing new ‘recruits’. DAVID PATRIKARAKOS on how battle-weariness is taking its toll』
プレスギャングとはかつて英国が水兵の確保のために”飼って”いたリクルーターを意味していますが、本人の意思に関係なくめぼしい男性に目をつけて兵士にさせることが当時と同じであるということでそう呼ばれているようです。
ぶっちゃけ今月はクリスマス前のローテーションでお祭りムードだからそこまで攻めてこないでしょ。適当に圧力かけながら被害最小限で疲弊だけさせ続けてくる。そして来年の1月8日の状況次第では本当の終わりの始まりになるだろう