DEEP STATEは18日夜「ポクロウシク方面シェフチェンコ方向の致命的な裂け目が大きくなった」と、RYBARは否定的だった評価を変更して「クピャンスク方面でロシア軍がオスキル川を渡河して橋頭堡を築いた」と報告し、クラホヴェ方面ではロシア軍兵士がウスペニフカ集落内で国旗を掲げた。
参考:Мапу оновлено
参考:Ускладнилася обстановка біля Зеленівки
参考:Плацдарм ВС РФ по ту сторону Оскола, взятие Успеновки и путь на Покровск — сводка за 18 декабря
参考:Хроника специальной военной операции за 18 декабря 2024 года
DEEP STATEとRYBARはクピャンスク方面ドヴォリチナ方向の評価で一致した
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面について「ロシア軍が線路沿いポクロウシク方向に前進した」「ロシア軍がピシュチャネ方向に前進した」「ロシア軍がノボトロイツケの北で支配地域を広げた」「ロシア軍がノボトロイツケ南のT-0515沿いで支配地域を広げた」「ロシア軍がプーシキン方向のポケット内で支配地域を広げた」「グレーゾーンがノヴォレニフカとウクライーンカに伸びた」と報告。
RYBARは「ロシア軍がシェフチェンコ~ノボトロイツケ地区のくさびを大幅に広げた」「ロシア軍がヴィドロジェニアを解放した」とテキストのみで言及、シェフチェンコ方向の前線位置に関する報告はDEEP STATEが完全に先行しており、RYBARが主張する前線位置は完全に消えてしまった=DEEP STATEが主張する前線位置内に埋もれて表示されなくなってしまった。
DEEP STATEはクラホヴェ・ヴフレダル(南ドネツク)方面について「ロシア軍がクラホヴォ市中心部で前進した」「ロシア軍がウスペニフカをほぼ占領した」「ロシア軍がトルダベを占領した」と、RYBARは「ロシア軍がウスペニフカを占領した」と、ロシア国防省は「スターリ・テルニーを占領した」「トルダベを占領した」と報告、視覚的にもロシア軍兵士がウスペニフカ集落内=Ⓐで国旗を掲げる様子が登場。
さらにDEEP STATEはゼレ二フカ方向の状況について「12月15日に3輌の敵装甲車輌がマクシミフカからゼレ二フカに向かって移動し、大きな抵抗を受けることなくゼレ二フカに到達して約30人の歩兵を降車させた。翌日(16日)には戦車1輌と装甲車3輌がマクシミフカからコスティアンティノピル方向に移動し、抵抗を受けることなくゼレ二フカ北西で歩兵を降車させた。この敵を排除したという情報は今のところなく、ゼレ二フカ方向の状況は更に複雑になった」と報告した。
因みにDEEP STATEが報告した「クラホヴォ市中心部での前進」は非常に致命的で、ロシア軍が前進した地点は「中心部アパート地区の西端にあるアパート棟=47.987694, 37.263913」で、DEEP STATEは「まだ市内中心部はロシア軍に占領されていない」と主張しているものの、西端にあるアパート棟を抑えられると市内中心部と市内西部の移動がほぼ遮断されるため中心部の放棄を強制されることになる。
DEEP STATEはヴェリカノボシルカ方面について「ロシア軍がモクリ・ヤリー川西岸の高台で支配地域を広げた」と、RYBARは「ロシア軍がマカリフカからストロジェベ方向に支配地域を広げた」「ノヴィ・コマール方向とロズドルネ方向で激しい戦闘が起きている」「ネット上の噂とは異なりノヴィ・コマールにはウクライナ軍が残っている」と報告した。
因みにRYBARはクピャンスク方面ドヴォリチナ方向のオスキル川沿いについて当初「オスキル川西岸への渡河は地形的に不利で、ロシア軍が本格的にオスキル川を渡河する作戦を行うはずがない」「これは渡河したロシア軍を川に追い落としたとアピールするためのプロパガンダだ」と述べていたものの、ロシア軍のドヴォリチナ郊外侵入を受けて「ロシア軍が渡河に成功した」と言い出した。
DEEP STATEは先月24日「ロシア軍がドヴォリチネからボートでオスキル川を渡河し西岸に上陸した」と、26日「ロシア軍がノヴォムリンスク集落に侵入した」「ロシア軍がオスキル川西岸の足場を広げた」と報告したが、今月3日「第3独立戦車旅団の第2戦車大隊が率いる装甲部隊がノヴォムリンスク方向の敵陣に突撃し、各車輌は火力で敵陣を制圧してロシア軍兵士を塹壕に釘付けし、降車したウクライナ軍兵士が塹壕内の掃討に向かった。ロシア軍もヴォムリンスク集落内の地下から歩兵を出して反撃してきたが、最終的にロシア軍は両翼からの圧力に耐えられなくなり集落を捨ててオスキル川東岸に逃げた」と報告。
これに対してRYBARは「敵はノヴォムリンスク周辺に上陸したロシア軍を英雄的に撃退したと主張しているが、交戦後の戦利品やロシア人捕虜の姿は確認されていない」と述べ、ノヴォムリンスク周辺への上陸や交戦は根拠のないプロパガンダだと示唆。
DEEP STATEは先月30日「ロシア軍がオスキル川を渡河してドヴォリチナの南にも足場を築いた」と報告、RYBARは「ロシア軍がフリャニキフカやマシュティフカに塹壕を築いているような視覚的証拠、ここからオスキル川を渡河してドヴォリチナの南に上陸したことを示す視覚的証拠はない。現地の地形もオスキル川西岸は東岸よりも標高が高く、ロシア軍を迎えつに有利な森林地帯があるため渡河するには地形的に不利だ」と指摘し、こちらもの根拠のないプロパガンダだと示唆していたが、16日「幾つかの情報によればロシア軍がオスキル川を渡河してドヴォリチナの南に上陸したようだ」と報告。
DEEP STATEは17日「ロシア軍兵士がドヴォリチナ郊外に定着して市内への侵入を試み続けている」「ロシア軍がザバドネにも侵入を試みている」「オスキル川西岸に構築された橋頭堡の状況もかわっていない」「ロシア軍は橋頭堡に戦力を移動させ続けて右岸の支配地域を広げようとしている」「残念ながらドヴォリチナ周辺の状況は安定せず深刻化する前に状況を回復できるか分からない」と報告し、ウクライナ軍がドヴォリチナ郊外でロシア軍兵士を攻撃する様子、ロシア軍兵士がドヴォリチナ郊外を歩く様子を投稿。
RYBARも否定的な評価を変更して「ロシア軍がオスキル川の渡河に成功してドヴォリチナの南に橋頭堡を確保した」「この橋頭堡を拡張して安定的な前線を繰り出すための戦いが続いている」と報告、これにでDEEP STATEとRYBARの評価は一致した。
関連記事:侵攻1029日目、東部戦線に関する報告は何処もかしこも危機だらけ
関連記事:クルスク方面の戦い、ウクライナ軍は現地で厳しいクリスマスを迎える
関連記事:ヴェリカノボシルカを巡る戦い、ウクライナ軍兵士に残された逃げ道はあと僅
関連記事:ロシア軍がヴェリカノボシルカで致命的な突破、トレツク市内でも大きく前進
関連記事:オスキル川沿いの戦い、西岸に渡河したロシア軍がドヴォリチナに侵入
関連記事:ヴェリカノボシルカを巡る戦い、ウクライナ軍部隊が包囲される可能性
関連記事:クラホヴェを巡る戦い、ロシア軍兵士が市中心部の市議会で国旗を掲げる
関連記事:ポクロウシクでは裂け目は大きくなり、クラホヴェではポケットが閉じられる
関連記事:ロシア軍に要塞をプレゼントした無能司令官が解任、後任はタルナフスキー准将
関連記事:ポクロウシクの防衛ラインに致命的な裂け目が生じた理由、本当に意味不明
関連記事:侵攻1023日目、ウクライナ軍部隊がクラホヴェ方面で敵に包囲される寸前
関連記事:侵攻1022日目、ウクライナ軍が初めてクルスク州スジャ郊外で後退
関連記事:ロシア軍がスームィ州に侵入、ポクロウシク方面の裂け目も大きくなる
関連記事:トレツクを巡る戦い、ロシア軍が市内中心部の鉱山一帯を占領した可能性
関連記事:侵攻1018日目、ポクロウシクの防衛ラインで生じた裂け目は大きくなる
関連記事:ポクロウシクを巡る戦い、突破を許してはいけない防衛ラインに裂け目
※アイキャッチ画像の出典:Народная милиция ДНР
やはり『戦う事無く奪われてしまったウクライナ軍が準備した要塞』が目立ちますね……
それとマカリフカのポケットは消滅し、次の集落もポケット化して消滅しそうです
ノヴィ・コマールとロズドルネに関しては恐らく反撃するだけ、色んな資源の無駄遣いかなぁと……
要塞プレゼントは、仰る通り本当に痛かったと思います。
要塞周辺の防衛線は、要塞側からの迂回攻撃を想定していないでしょうし、そもそも防衛線がないかもしれませんね。
ポクロウシクは都市としての価値よりも、交通の結節点・炭鉱の価値の方が上です。
政治的要請で、1月を1つの区切りと考えれば、市街戦は時間がかかるので後回しなうえに、ドニプロ方面の方が防衛線がゆるく政治的効果が大きいのでしょうね。
ヴェリカノボシルカ方面は、モクリ・ヤリー川沿いが低地なうえに、北側も遮断されていますからね。
ヴェリカノボシルカ南部のポケットで粘り続けるのは、他に防衛拠点がないのでしょうが、かなり苦しい戦いを推察します。
追記です。
ドニプロ方面に侵入の効果について、気になる点です。
ウクライナだけでなく、日本もそうですが、地元愛の強い方がこういう場面で奮闘されているのでしょう。
ドニプロ出身の兵士・政治家・地元有力者から見れば、ドニプロ州に侵入されれば他地域(ドネツク州)よりも、地元(ドニプロ)を優先しろ・ドニプロに帰らせろと当然のようになるかなと。
シェフチェンコ方面に送られたという予備部隊も、ロシア軍の前進を踏まえると押されているようで芳しくないみたいですね
ハリコフ戦線のボルチャンスクも再びロシア軍の動きが活発になってきたようで市内中心部のグレーゾーンが拡大しているとのことですが、どうやら配置図見る限りウクライナ側はロシア義勇軍団が前面に立って戦闘を行っている感じっぽいですな
クルスクもWarGonzoによるとウクライナ軍が積極的に防戦や反撃を行っているそうでまだまだ頑なに占領地域を手放すつもりは無いようですけど、海兵旅団や空挺旅団に第1戦車旅団などはクルスクで無意味に磨り潰す位なら本当にドネツクに送りなさいよと…
酷使に酷使されまくった第47機械化旅団も現在はクルスクの最前線にて現在進行形で酷使されているようですし…
クルスクは大統領も関わった政治的な作戦なのに、それが失敗したとかメンツ丸つぶれじゃないですか!
ロシアはオスキル川東岸にDRGでちょっかいをかけて予備戦力を誘引させようとしているように見えますね。
ポクロウシク方面はプレゼントされた要塞が見事に前哨拠点として活用されてますね。このタイミングでシェフチェンコ方面で反撃させられたウ軍部隊は罰ゲームか何かですか?
本日の更新図を見ると、ちょうどプレゼントされた要塞を中心に綺麗な円形に近くなるように占領地が増えているのが何とも。この一帯をロシアに渡したのはポクロウシク防衛の上で本当に痛いというのが分かります。
クピャンスク前面の渡河は正直かなり無謀な作戦と思い自分もここのコメント欄で酷評しましたからrybarの気持ちもわからないでもないんですよね
しかし結果を見るとたしかにロシア軍は対岸に安定的な足場を築いて拡大しており、渡河が成功したと言わざるを得ません
現場指揮官にしかわからない風みたいなものがあったんでしょうか
自己レスですが、とはいえこの攻撃がクピャンスク方面の会戦に利するかどうかはまた別です
クピャンスク方面の諸作戦がうまくいっていないのはロシア軍がアクセスできないキンドラシフカ近郊の高台から見下される形になっており、それに側面を晒した状態でシンキフカ方面から前身しなければならないからです
ウクライナ軍としては観測資源・非接触戦能力を非常に狭い戦域に投入できますから対応力に余裕があるわけです
ロシア軍はこの対岸にいてロシア軍側面を脅かしている敵軍を圧迫するために渡河したものと思われますが、これを達成するためにはまだまだ全然距離があり、そして前進するほど味方の火力支援の効率が下がるのは以前述べた通りです
とはいえロシア軍がそこに存在するというだけでもウクライナ軍は対応力をドヴォリチナ方面に割かなければならなくなっているわけで、そのままシンキフカ方向から押し切れたりすればいいですね
普通に考えれば、オスキル川渡河作戦は無謀だと誰もが判断します。
それが成功に近い結果になってしまっているのが、ウクライナ側の戦力低下を如実に物語っている気がする。
オスキル川ってこの辺の狭いところは10mちょっとくらいしか幅がないし、
冬季は凍結するんですよね、ドニエプル川と違って。
なので補給が続くかはアレですが、歩兵だけなら渡河は割と簡単なはず。
ロシアが各方面でしている戦線を広げてウクライナが対応できないなら取り付く、対応するなら引いて薄くなったところを押す、をしているように見えます
ノヴォムリンスクに侵入したのは事実なんでしょうけどウクライナが手厚く対応したので引いた。そして手薄になったドヴォリチナ南から橋頭堡を確保したとかじゃないでしょうか
ウクライナからすると手は二本しか無いのに4つも5つも出てくるモグラ叩きさせられてる感じでしょう
「ウクライナ不利の報をDS側が先行する」
「攻撃側の悪手にしか見えないような一手が通る」
情報戦は相手のプロパガンダを客観的事実と現場の現実をもってねじ伏せてこそですが、もはやRYBARが頑張る必要も無くDSを追認しておく程度でいいほどにまで至っているということなのでしょうかね…
ウクライナ目線でポジティブに捉えると、勝手に撤退したり情報が錯綜しすぎて、何が本当なのか分からなくなっているという前提があるのかもしれません。
大組織あるあるなのですが、ウクライナ内部組織が都合のいい情報をそれぞれ上にあげ過ぎて、DSがある程度情報を出さなければ判断の材料(現場で何が起こっているのか)がダメになっているのかもしれませんね。
オスキル側突破を考えているロシアの司令官はアホだと思うのだが
このまま河のロシア側だけ制圧したほうが楽だろうに