DEEP STATEとRYBARは「ロシア軍がクピャンスク、トレツク、ポクロウシク、クラホヴェ、ヴェリカノボシルカで前進した」と、特にRYBARは「ロシア軍がネスクチネを占領し、ヴェリカノボシルカに対する大釜が登場した」と報告した。
参考:Мапу оновлено
参考:Не припиняють кацапи свій тиск і в районі Покровська
参考:Ситуація навколо Нескучного
参考:Хроника специальной военной операции за 15 января 2025 года
参考:Освобождение севера Дзержинска, нюансы котла в Большой Новоселке — сводка за 15 января
ロシア軍がネスクチネを占領し、ヴェリカノボシルカに対する大釜が登場
RYBARはクピャンスク方面クルフリャフカ方向のオスキル川沿いについて「ロシア軍がゼレ二・ハイ方向に前進した」と報告し、DEEP STATEの評価と差が広がるばかりだが、RYBARが報告するロシア軍前進の大半はDEEP STATEが報告するグレーゾーン内に収まっているため、両者の評価の差は「ロシア軍支配地域」か「グレーゾーン」かの違いでしかない。
但し、ナディア方向のポケットだけは両者の評価が大きく食い違っており、DEEP STATEの基準に基づけばペルショトラヴネヴェ~ジェレルネの間の空間はグレーゾーンにすら掛かっておらず、ナディアを中心とする一帯はウクライナ軍支配地域だ。
DEEP STATEはトレツク市内について「ロシア軍がザバルカ地区の南で前進した」と、RYBARは「ロシア軍がトレツク市内北西端に到達した」「ウクライナ軍が管理しているトレツク市内の面積は5%~10%だ」と報告。
こちらものDEEP STATEの評価と差が広がるばかりだが、RYBARが報告したロシア軍の前進範囲もDEEP STATEが報告するグレーゾーン内に収まっているため、両者の評価の差は「ロシア軍支配地域」か「グレーゾーン」かの違いでしかない。
今からウクライナ軍がロシア軍を押し戻すとは考えにくいため、DEEP STATEとRYBARの評価も時間の経過と共に収束していくだろう。
RYBARはポクロウシク・ディミトロフ方面東方向について「ロシア軍がエリザべティフカ方向に支配地域を広げた」と報告、DEEP STATEはT-0504方向やエリザべティフカ方向にグレーゾーンを設けておらず、この部分に関しては両者の食い違いが顕著だ。
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面西方向について「ロシア軍がコトリーネ方向に前進した」「グレーゾーンがコトリーネ方向に伸びた」「ロシア軍がウダチネ方向に前進した」「ロシア軍がソローネ郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がノヴォジェリザヴェティフカ北郊外で支配地域を広げた」「ウクライナ軍がウスペニフカ方向に伸びたロシア軍支配地域を押し戻した」と、RYBARは「ロシア軍がピシュチャネからズヴィロヴェ方向に前進した」と報告。
メティンベストは14日「ポクロウシク炭鉱の操業を停止した」と発表、New York Timesの取材に応じたメティンベストの関係者は「鉱山施設に電力を供給していた変電所がクリスマスイブに攻撃され、これが決定打になって操業を停止した」「ピシュチャネにあった第3立坑の坑道がロシア軍に利用されるの防ぐため坑道を爆破した」「コトリーネとウダチネにある別の立坑にも爆発物が仕掛けられた」と明かしている。
これまで移動ルートを火力で制圧すると言えば榴弾砲や迫撃砲の出番だったが、ロシア軍は移動ルートの封鎖にFPVドローンやEWシステムの影響を受けない光ファイバーを採用したFPVドローンを積極的に使用しており、DEEP STATEは「非常に効果的な敵ドローン部隊=スドプラトフ大隊がポクロウシクで目撃され、パブログラードとポクロウシクを結ぶ道路(E-50のこと)での移動にリスクが高まっている」と報告した。
DEEP STATEはクラホヴェ方面について「ロシア軍がヤセノベ集落内で支配地域を広げた」「ロシア軍が貯水湖一帯を占領した」「ロシア軍がヤンタルネを占領した」「ロシア軍がスキ・ヤリ郊外で前進した」「グレーゾーンがダクネ方向に伸びた」と報告。
DEEP STATEはヴェリカノボシルカ方面について「敵は戦力の再編を終えて攻勢を再開し、積極的にネスクチネ~ヴレミフカ方向へ圧力をかけている。敵はネスクチネ集落に歩兵を送り込んで国旗を掲げたが、それ以外の部分をウクライナ軍が保持しているため『ロシア軍がネスクチネを占領した』という情報は事実ではない。ヴレミフカ方向でも少数のロシア軍兵士が確認され、もし足場を築かれればマカリフカの二の舞いになるかもしれない」と言及していたが、DEEP STATEとRYBARはロシア軍がネスクチネを占領したと報告した。
DEEP STATEは「ロシア軍がネスクチネを占領した」「ロシア軍がモクリ・ヤリー川東岸で支配地域を広げた」「ロシア軍がヴレミフカ集落内に侵入した」「ノヴィ・コマール周辺でグレーゾーンが広がった」と、RYBARも「ロシア軍がネスクチネを占領した」「ロシア軍がモクリ・ヤリー川東岸で支配地域を広げた」「ヴェリカノボシルカ方面に大釜が登場した」と報告し、両者の評価は概ね一致している。
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※アイキャッチ画像の出典:24 ОМБр імені короля Данила
やはりネスクチネに出来た飛び地はロシア軍支配地としてそのまま塗りつぶされる形になりましたね…。
ヴェリカノボシルカは四方の道路も抑えられてますし、割と詰んでる感がありますがどうやって退却するんでしょう。
降伏ぅ…ですかねぇ
逃げられない死にたくないのであれば白旗あげるしかありませぬ
ヴェリカノボシルカは三方の河と高地から一帯を見下ろせるヴレミフカ、南に点々とある河沿いの集落群と防御地形が幾つもある要害だったのですがこうなってしまうとヴフレダルと同じ末路を辿るしかなさそうですよね
包囲下で市街地戦を繰り広げてられる程、士気が高いとも思えない為、近いうちに撤退命令を待たずに敗走する何度も見た展開が予想出来ます
人間や車両なら何とかなりそうですが
重機は持ち運べるのでしょうか…
ヴェリカノボシルカは周囲に比べて標高が極端に低く、また高い建造物も少ないので、砲撃や観測拠点としては機能し辛く、町自体にはそれほど重装備は配備されていないと思われます。補給・修理拠点としては機能しますが、そもそも主要な補給路も4週間近く途絶えていますから、弾薬やドローンなどの消耗品も大して残っていないでしょう
追加の兵そのものが町に入れていない可能性も高く、ネスクチネがあっさりと陥落したことを考えれば、既に町内にもあまり守備兵がいないのかもしれません
なるほど
ありがとうございます
ネスクチネが陥落しましたか。これで南ドネツクにおける反転攻勢の成果は完全に消滅したということになるのですかね?とにかく、これでヴェリーカヤ・ノヴォショールカ(ヴェリカ・ノヴォシルカ)は南からの圧力にもさらされることになります。O-0510線が遮断されているならば補給手段も町から北西に伸びる小道しかないのですよね。その小道も、地図には載っておらずGoogleEarthを目を凝らしてみると道らしき物が見える程度です。寧ろ轍と言った方が正確かもしれません。
正直、このような絶望的状況になっても撤退させないウクライナ軍上層部の正気を疑いたくなっています。しかも、現在ヴェリーカヤ・ノヴォショールカを守っているのは第110旅団なのですよね…あの悲惨なアウディーイウカ撤退戦を戦った部隊です。こんな酷い待遇に対し、よく将兵が反乱を起こさない物です。
飛び地の発生からどのように進展するか注目してましたが、こりゃまた見事な大釜と言う他ないですね。
お話を聞く限り士気の低下のほどが容易に想像伺えます。
追記しますと、撤退にも困難が伴います。かつてはヴェリーカヤ・ノヴォショールカを防衛しやすくしたモクリ・ヤリ川が問題で、橋が2本あるのですが、片方は滑空爆弾で破壊されている上どちらもヴレミフカと接続する物であり、既に同集落にロシア軍が侵入しているらしい今では時間と共に危険が増すでしょう。
最悪、ボート等が十分無ければ(先例を見るに無いでしょう)平均川幅約40mの川を泳いで渡る羽目になります。現地の気温は−4℃〜2℃くらいらしいので凍結には期待できないのでしょう。それでいて凍死しかねない温度ではあるという…悲惨そのものです。私にはロシア軍に投降して生き延びるのが最善策に思えます。
正直前線の逃げもせず守備に付いている兵員を責めることは出来ないですからね、兵站線を遮断されており兵站線奪還の目処も立たないという状況では降伏もやむを得ずと思うし非難されたら余りにも酷であると思う。
最悪玉砕覚悟で戦うにしても後方陣地にしっかりした防衛線がもうすぐ出来るので仲間の為に堪えてくれ等ならまだ気持ちの持って行きようもあるかなとは思いますが、、
一応ウクライナ軍による南ドネツク反攻作戦の成果としては、ヴェリカ・ノボシルカから西に位置するノボピル一帯が残っていますね(DEEP STATE Mapでも確認できます)。ただしこの辺は守れそうな拠点も乏しいですし、肝心のヴェリカ・ノボシルカが陥落したら、巨大なリチウム鉱床があると言われるシェフチェンコと運命を共にしそうですね…。
残念ながら降伏も難しいかと。南にあるブラホダトネで降伏したウクライナ兵が処刑される映像が昨年末にあがっていました。南からくるロシア兵またはロシア軍部隊は捕虜なんているかよぉ! な感じの可能性があります
ヴェリカノボシルカに関しては、一斉に攻勢をかけ始めた、という事だと思います
個人的にはポクロフスク炭鉱方面の補給路遮断が非常に気に掛かりますが
ずっと前、管理人さんかどなたかが言っていたポグロウシクを西から迂回し包囲または前進するルート
まさか実現するとは思いもしませんでしたね。
てっきりその辺りはもっと固めていると思ってました
ウクライナ軍は本当に人が足りないんだな、と……
分かりやすい順次戦略でじり貧ならもう一つの手段としての経済制裁やロシア後方への攻撃しての累積戦略(計画表を作れない数値化できない作業を積み重ね、達成率が分からず急に爆発的な効果になる)の効果に期待するしかない感じか。
これから先ロシアへの制裁強化が図られるようだが、抜け道をほぼほぼ潰されずに国家のリソースをとことん使うつもりの国トップが高い継戦の意志を示すならここまで出来ると言う事例で良い勉強になる。少なくともウクライナは国力が大きいロシアと同じくらいの所に墜ちるかそれ以上に墜ちる気が無いならまともな停戦が出来るか疑問ではある。
経済制裁が効かないから反攻作戦に踏み切ったんじゃなくて?
ロシア領内へのドローン攻撃にしても、兵器工場とかならまだしも、精油所だと原油・ガス価格が更に吊り上がって困るのは西側というオチ。去年ぐらいにそういう理由でウクライナはドローン攻撃をアメリカに怒られてなかったっけ。
制裁は既にやれること概ねやった上での現況なんでこれから強化するにしてもどこまで効果あるかはわからないし即効性についてはまぁ期待できないよね
その苦境から脱却も恐らく目標にあったのがクルスク侵攻だと思ってるが
現状はかばかしい成果上げたとは思えず正直そのリソースは東部の防衛に素直に使ってた方がなんぼかマシだったのではと
ヴェリカノボルシカどうやって逃げるんですかねぇ…?まさかドローン飛び交う畑の中を重装備で逃げるのかな?
確か、今までの戦いでも一番多いのは夜の闇に紛れて少人数の徒歩での脱出。
Mavic 3T 「生まれた時はまさか人間狩りに使われるとは思っても見なかったアルヨ」
アウディーイウカの時にウクライナ軍守備隊が夜間に負傷兵だけでも逃がそうとしたら熱感知センサー付きのドローンに補足されて全滅した話があったんで望み薄なんですよねえ
ロシア兵だか北朝鮮兵が夜間に同士討ち!とかいう与太話をよう○べで見かけたっけ
同士討ちはわりと起きる事なのですよね。北朝鮮兵が関わってるかは知りませんが。
幾度と繰り返されてきた地獄の撤退戦ですねえ…。
アウディウカ撤退で塹壕から飛び出したウクライナ兵の大軍に、に砲弾を浴びせる光景は衝撃でした。
平地ならともかく、市街地がkm単位で塗り替わるとかこれもうわかんねぇな
単に確認が取れていなかったという事なのか、本当に数日で数kmもロシア軍が前進・制圧したのか
後者ならウクライナ軍の兵員低下が笑えない状況なのでしょうね
トレツク市内についてはDEEPSTATEのグレーゾーン判定もウクライナ軍のドローン攻撃が行われているのでまだ完全な支配しているとは認めないみたいな状態なので市内は殆ど掃討戦の様相になっている可能性が高いです
既にトレツクはほぼ全域が陥落しており北のテリコンからドローンを飛ばして市内に取り残された残存戦力の撤退を支援しているのが現状ではないかと個人的には思います
一般人の感覚で言う戦場のグレーゾーンて、FPSみたいに両軍が戦闘を繰り広げてエリアを我が物にしようとしている状況だと思うんですが
トレツクの場合はそういったイメージの市街戦とはやや異なり、ひたすら浸透戦が続いてる状況なのではと推測します
RYBARからしたらウクライナ軍の大した抵抗がなく、あったとしても無視できるレベルの為ロシア軍の支配エリアとして認定していて、
DSからしたらロシア兵が浸透してきていても、ごくわずかにでもウクライナ兵がそこに隠れていればグレーゾーンに認定する、という形で食い違いが生じているのかもですね
まあ、最近のウクライナ軍はDSがグレーゾーンに認定している戦場で押し戻す事がまず出来ていないので、実際の戦況は厳しいんでしょうけど
一つ気になっているのは、少し前の記事でDeepStateが“このような敵(ロシア軍)を攻撃するのは歩兵ではなくFPVドローンやMavicだ。このことは「どれだけウクライナ軍がドローンによる攻撃に依存しているか」を〜示しており”と書いていることなのですよね。おそらく、もはやトレツク市内にウクライナ軍兵士は殆どいないのでは無いでしょうか。だからドローン攻撃が主体になっているのでは無いかと思います。
また無為に戦力が擦り潰されるのか
ウクライナ関連のコメ欄が平和になってる。中国関係は大荒れだけど
そうでもありませんよ。私も感情的になってしまいお恥ずかしいのですが、1つ前の記事でもゼレンスキー大統領への誹謗中傷コメントを管理人殿が削除されていましたし。
ヴェリカ・ノボシルカについて残ったウクライナ兵は降伏したほうが良いという意見が散見されますが、12/22に南のブラホダトネで降伏したウクライナ兵が処刑される映像が出ていた(ウクライナコントロールマップ参照)ため、降伏しても命の保証は無いと思われます…
追記:昨日投稿されたヴェリカ・ノボシルカに関する記事の管理人殿のXのリプ欄にポクロウシク周辺の衛星画像を添付しましたので参考までにどうぞ
(管理人殿、荒らしみたいになってしまいすみません…)
ヴェリカノボシルカのポケット、クラホヴェのポケットなど、ウクライナ軍の前線歩兵は厳しい中で十分に戦っているなと感じます。
長期の国家間戦争は、双方にマイナスになりやすく・負けた側は領土も失えばマイナスしかないわけですが、彼らの奮闘が報われにくいのが何とも厳しく感じますね。
ネスクチネが陥落したことで2023年の反転攻勢でウクライナが獲得した14集落の内、11集落が再奪還され、
反転攻勢の成果で残っているのはザポリージャ方面の拠点のみになってしまいました。
両軍の損害状況が不透明ではありますが、
あそこで無理に攻勢に出ずに、防衛側の有利を活かした敵戦力の消耗に徹していればまた現状も違ったんでしょうかね。