ウクライナ人が運営するDEEP STATEは「バフムート方面でロシア軍がボダニフカとカナル地区の間の森林地帯を占領した」「アウディーイウカ方面でロシア軍がノヴォポクロフケの南とヤスノヴロディフカの南で支配地域を広げた」と報告した。
参考:DeepState
参考:Военная сводка за 14 июня: зона СВО
参考:Бахмутское направление: продвижение ВС РФ в микрорайоне «Канал» и к северу от него обстановка по состоянию на 10:00 15 июня 2024 года
参考:Мапу оновлено!
アウディーイウカ方面を除けば各方面で危機的な状況は見られない
DEEP STATEはバフムート方面について「ロシア軍がボダニフカとカナル地区の間の森林地帯を占領した」と報告、さらにクレシチェエフカ方向の評価を大幅に変更、グレーゾーンの範囲に変更はないものの「森林地帯沿いに高台陣地へ伸びていたロシア軍支配範囲」と「クレシチェエフカ集落のロシア軍支配範囲」をグレーゾーンに戻した。
ウクライナ軍がクレシチェエフカの北にある高台を維持しているため「ロシア軍は恒久的に集落へ留まることができない=支配していない」と言いたいのかもしれないが、同時にウクライナ軍も集落を支配していない。
DEEP STATEはアウディーイウカ方面についても「ロシア軍がノヴォポクロフケの南で支配地域を広げた」「ヤスノヴロディフカの南で支配地域を広げた」と報告、ウクライナ軍は「第68独立猟兵旅団がノヴォセリフカ・ペルシャの西=Ⓐでロシア軍の戦車中隊(戦車8輌が破壊され2輌が損傷)を全滅させた映像」を公開した。
繰り返しになるが、1,000km以上の前線で繰り広げられる戦闘のワンシーンを切り取った内容は「自軍の優秀性」と「敵の無能さ」をアピールするだけのもので、この手の映像は大抵「戦場の優位性」に結びついておらず、我々が映像から得られるのは「ウクライナ軍がロシア軍をボコボコにしている」ではなく「Ⓐよりも東側にウクライナ軍が存在しない=グレーゾーンが西に向けて広がっている可能性が高い」という知見だけだ。
ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARはドネツク西郊外について「ロシア軍がパラスコヴィイフカの北東で支配地域を拡大させた」「パラスコヴィイフカ集落の西側はグレーゾーン」と報告したが、この方面で最も興味深いのはヘオリフカ方向の状況に関する視覚的証拠=Ⓐだろう。
第46独立空中強襲旅団が公開した映像には「ヘオリフカ~マクシミルヤニフカにある3つのロシア軍陣地を攻撃する様子」が含まれおり、既にロシア軍がマクシミルヤニフカ郊外の家屋に取り付いていることが確認できるため、ウクライナ軍はヘオリフカを失っている可能性が高い。
因みにロシア軍がマクシミルヤニフカ方向に前進すればするほどコスティアンティニフカの状況が悪化し、コスティアンティニフカの状況が悪化するとヴフレダル方向の状況が悪化し、その先にはウクライナ軍が準備していると言われるポクロウシク~クラホヴェの防衛ラインがある。
追記:ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARはチャシブ・ヤールの状況について「ロシア軍がボダニフカとカナル地区の間の森林地帯を占領した」「ロシア軍が線路沿いの森林地帯とカナル地区の工場地区で占領範囲を広げた」「ロシア軍がカナル地区の大通りで前進した」「ロシア軍がカナル地区南のアパート群を制圧した」「カリーニン方向の状況は依然としてロシア軍に厳しい」と報告。
ボダニフカからカリーニン方向について「ウクライナ軍が戦術的に有利な高地を抑えている」「HIMARSの積極的な使用も確認されている」「そのためロシア軍の攻勢を複雑にしている」と述べており、クレシチェエフカ方向についても「戦場の霧に包まれている」と指摘、DEEP STATEもクレシチェエフカ方向の評価変更について「ロシア軍が後退した」と表現している。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
1000kmの戦線は、管理人様が仰る通り非常に長いですね。
WW2以降、ここまで長い戦線の長期戦は、ないのではないでしょうか。
ウクライナは、G7諸国に支えられていますがイタリアを除く、6か国の現政権が不安定になっています。
ロシアにも、ウクライナのように兵士が帰還できないという問題がある事を、管理人様が取り上げられていました。
過酷な総力戦であり停戦の見通しがないですから、管理人様の仰るようにアピール合戦に振り回されることなく、長期的な動きを見据える事が重要かもしれませんね。
現状お互いに大突破は不可能で、大きな犠牲を払って数メートルづつ前進するしかない。
こういった状況でウクライナの完全勝利やロシアの完全勝利を達成はできないから何処かで停戦は確実だと理性では誰もが思ってると考えています。
ウクライナと西側が設定した勝利条件である全土奪還が叶うまで、少なくともウクライナや西側から停戦なんて言えないでしょ。
全土奪還出来ずに停戦は民主主義が劣った体制である権威主義に敗北したと同義となりますから。
仰る点、非常に重要と思います。
太平洋戦争の日本も、なぜ1945年8月15日まで降伏しなかったのかと言われてきましたが、少し追体験している気持ちになります。
戦争は、1度始まると終わる事が本当に難しいですね。
日露戦争、上層部・両国の交渉担当者の優秀さを改めて感じます。
なお、日中大東亜戦争時代はなんであんなことになったのやらまともな後継者の育成怠りすぎじゃないですかね?
仰る通りと思います。
学校教育・マスコミ『反省反省』というものの、原因追及・再発防止がふわっとしてますよね。
今も、(大企業~政治家・官僚~マスコミ)あらゆる組織に引き継がれてるように感じる場面があります。
プーチンがロシア併合4州からのウクライナ軍の撤退とnato加盟しないことに加えてロシアへの経済制裁全面解除で停戦受けるといういつものカマシを入れてきているが、まあウクライナも西側も受けれないだろうとは思うが戦況的にこのまま時間が経てばさらにロシア有利な戦況になる可能性が相当に高いと推測されるのでここは西側はウクライナを損切りするが本当は正解なのかもね。まあ民主主義の敗北ということになるから絶対に停戦せず支援継続だろうしその為にウクライナとの2国間で協定各国結んでいるとは思うが、将来歴史の教科書にはこの戦争は西側民主主義の敗北、西側の世界支配の終焉、権威主義国家の勝利躍進と記載されることになりそうだ。
トルコが仲介したときも、「停戦なんてあり得ない!」と我々西側諸国とウクライナが盛り上がったんですよね。
結果、ウクライナは数兆円の武器と50万人の兵士を失い、電力の半分が破壊されて。
果たして我々の「勇敢な正義感」はウクライナに何をもたらしたのでしょうか。
そもそも、ウクライナはEUに加盟して豊かな生活を送りたくて、ロシアとの対決路線を始めたはずなんですが。
何故、水も電気も来ない暗闇の中で「欲しがりません勝つまでは」と耐乏生活を送ってるんでしょうか。
日本から見ても,他山の石とすべき事例ですね。
中国に降伏するか、その前にアメリカの準州になるか、って話?
日本がそうであったように嫌でも従えば普通に暮らせるでは?
国民に無理なことを押し付ける必要もないですよ
嫌なら出ていけを許さない政権をどう思います?
アメリカが日本を準州にしたいか?という問題がありますけどね。
NATO・EUが本音レベルっでウクライナを加盟させたいかという問題と同じで。
アメリカの51番目の州なら選挙権あるよな。と時々思う。
ウクライナも西側も拒否するの分かってて言ったとこはあるんでしょうけど、ロシアの最低条件がそれってとこなんでしょうね。
まあ、蹴るともし今後停戦やらしたくなっても、更にロシアの要求が厳しくなるんでしょうし。
冬戦争や継続戦争のフィンランドはソ連からの要求増えてましたし。
ただ続けり以上これからウクライナは更に犠牲者や被害が増える訳ですが、電気とかのインフラ壊されてるんで今後は厳しそうですよね。
>プーチンがロシア併合4州からのウクライナ軍の撤退とnato加盟しないことに加えてロシアへの経済制裁全面解除で停戦受けるといういつものカマシを入れてきている
どうですかねえ。
占領地の割譲をなるべく広く既成事実化しようとするプーチンの初っ端のカマシにしては、ずいぶん控えめに見えますが。
人海戦術で部隊を溶かし続け、予備兵力も使い果たし国土の荒廃したウクライナは無条件降伏同様の停戦条件でも受け入れる筈、と主張されていた方々はこのコメント欄でも多く見受けられましたが、そういう状況にしてはずいぶん弱気の要求ですな。結局ロシア側も余裕はあまりないんじゃないですかねえ。
それな
ここのコメ欄ではウクライナは崩壊寸前だと去年から言ってる人が割といたからな
ロシアは崩壊寸前と言ってる人達と同じ穴の狢
ウクライナはとっくに崩壊してますやん
西側に両腕借りて立たせてもらってるだけで
ウクライナ軍が崩壊寸前化どうかは知りませんが、現段階でロシア側が無茶苦茶な要求をする意味は無いのでは?
例えば「ウクライナは全面降伏しろ」とか「ドニエプル川以東は全てロシアに割譲」とか要求したとして西側の態度を硬化させる以外に何も意味はないでしょう
それぐらいなら現実的かもしれないというラインにふっかけ要素を入れた要求を提示するのが妥当でしょう
そのふっかけ要素が大きければ大きいほどその分相手の譲歩は大きい、と考えるのが力でねじ伏せるロシア・ソ連の伝統的発想ですからねえ。
それにも関わらずプーチンの要求が「控えめ」なのは、控えめにならざるを得ない内部事情があるのか、ロシア自身このまま戦い続けてもウクライナの崩壊が目前だとは思っていない、ということでしょう。
都合いい捉え方しかできない可哀想な頭でっせ。
話にもならん
まあ、こういう観方もあるということです。
思考停止よりは十分ましですな。
ここのコメント欄には西側の主張を丸呑みする思考停止の人に対して批判的な人が多くいるように感じていますが、匿名11号さんはその批判をする方々に対しても一方的な思考停止に陥らないよう注意してくれているのはとても興味深いです。
今回のロシアの主張が控えめてというべきかどうかは判断つきませんが、私もロシアに余裕があるとは思っていないです。
最近になって、
「権威主義」
という表現が増えてきたように思えますが、これもよく正体、定義のわからない概念、曖昧な政治用語といえます。
かつての東西冷戦時代は、
「資本主義・自由主義VS共産主義・社会主義」
というような経済学的イデオロギーによる対立の構図、図式化がされてきましたが、今はアメリカでも経済制裁や貿易の規制を主張するのが普通になっており、アメリカとロシア・中国の対立を経済学的な用語で図式化することが難しくなっており、またロシアなどは一応、選挙もやっている複数政党制の国家です。
民主主義より劣った権威主義の国家体制に対する勝利、という曖昧な定義、漠然としたイメージによる対立の図式化は本当に可能なのでしょうか?
資本主義の対義語が社会主義
究極の社会主義が共産主義
自由主義の対義語が権威主義
究極の権威主義が全体主義
今も昔も自由主義の敵は権威主義や全体主義
まさにゼレンスキーの最大の功績でもあり罪でもあるのは、民主主義対権威主義の構造に持っていって世界を巻き込んだことですね。実際は大国間同士のパワーゲームにウクライナの国内の問題が使用されてるだけですが、建前でも西側諸国もそれを利用してしまったてまえ、落としどころが分からなくなりましたね。そして、無責任に戦争の継続はウクライナ決めることと言いよる始末。
ロシアがやり過ぎたというだけでしょう。
他国に侵攻、自国領土を拡大するあからさまな侵略行為である以上、被侵略側としては抵抗し続けるし、当事国以外にわざわざその心を折りにいく国もおりますまい。
西側主張そのままですな
>全土奪還出来ずに停戦は民主主義が劣った体制である権威主義に敗北したと同義
そんな考えになりますか?正確な数値かは断定出来ませんが現時点での停戦ラインを得られるとして死者5万人はいって負傷者はそれ以上だと思いますしPTSDに悩む兵士も大量に発生する。自国経済も含めてそれだけの犠牲を出しておいて権威主義の勝利であるって言えるんでしょうか。
奪還せずに停戦した時にロシアの要望全てが飲まれるかも未定、勝利を得たとしても代償があまりにも大き過ぎて単純に敗北であるって話になるんでしょうか。
勝利条件はウクライナが決める事であり西側が設定出来る物ではないでしょう、西側がガチで全土奪還を勝利条件とするなら今のような支援なんか話になりません。
今日のロシア軍の進撃はいつもより穏やかですね。でもロシアの夏季攻勢はまだ始まったばかりなので、注視していきたいです。
個人的にはパリ五輪までには攻勢が終了して欲しいなぁ。特に根拠は無いけどロシア軍は五輪開催中によく事件起こすから、気分を害される。(ジョージア侵攻→北京五輪2008、ウクライナ侵攻→北京五輪2022、あとクリミア併合とソチ五輪も同じ年だった気がする)
ウクライナとロシアを比べてどちらが民主主義なんだろうか?
強いて順番をつければ、個人的にはロシアの方が民主主義ではないのかな?と思います。
しかし、大きく見れば、ウクライナもロシアも同じような国なんですよ。両国ともソ連共産党の支配ではなく、曲がりにも選挙もあるのですよ。
ウクライナ軍が局地的にでも優勢な戦場があるなら、彼らは黙ってられないから旗建てた動画出してくる。
ハリコフ方面でロシア軍が包囲され大量降伏してるとか一部メディアの怪情報が流れてくるけど、そういうのが流れてくる時は経験上ウクライナが劣勢の時が多い。