ハルキウ方面についてロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは18日夜「リプシ方向でロシア軍支配地域が後退した」「ボルチャンスク方向でウクライナ軍にティケを奪還された」と、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも「ロシア軍はボルチャンスクの東郊外を占領していない」と報告した。
参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 18 июня 2024 года
参考:Синєгубов: У Вовчанську цілодобово точаться вуличні бої
ボルチャンスク市内の状況は相変わらず戦場の霧に包まれている
ハルキウ方面リプシ方向についてロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは18日夜「ウクライナ軍が貯水湖沿いからライボケ方向に反撃をしている」と報告し、ロシア軍の支配地域を貯水湖沿いのダーチャからライボケ郊外に、リプシ郊外に伸びたロシア軍支配地域を高台側に後退させた。
ウクライナ人が運営するDEEP STATEは「貯水湖沿いのダーチャ」や「リプシ郊外の高台陣地」のロシア軍占領を認めていないため、RYBARが報告した内容(ウクライナ軍の反撃によってロシア軍支配地域が後退した)は過剰に設定したロシア軍支配地域の修正でしかない。
さらにRYBARはゼレンについても「ロシア軍が支配している」という主張を復活させている。
ハルキウ方面ボルチャンスク方向についてDEEP STATEは「ロシア軍支配地域が(ボルチャンスク北東郊外)で東に伸びいている」「ロシア軍がボルチャンスクの東郊外を占領していない」と、RYBARも「ウクライナ軍にティケを奪還された」と報告、DEEP STATEが主張する「ロシア軍支配地域の拡大」は「ロシア軍の塹壕」が確認されたことに起因しており、RYBARが主張する「ウクライナ軍によるティケ奪還」については「過剰に設定したロシア軍支配地域の修正」に過ぎない。
興味深いのは「ロシア軍がボルチャンスクの東郊外を占領していない」というDEEP STATEの報告で、これは「ウクライナ軍が奪還した」という意味ではなく「ロシア軍が支配していないことが判明した」というニュアンスに近く、ロシア軍はボルチャンスク~ティケまでのヴォブチャ川に沿った地域に到達できていない可能性が高い。

出典:МУРЧИКИ
RYBARは「アパート地区と部品工場周辺で戦闘が続いている」「部品工場周辺は孤立状態ではない=支配地域と工場は繋がっている」と主張しているが、これを裏付ける視覚的証拠はなく、DEEP STATEも部品工場の状況については何も言及しておらず、ボルチャンスク市内の状況は相変わらず戦場の霧に包まれている。
因みにハルキウ州のオレフ・シネグボフ知事は18日「ボルチャンスク方向の前線はヴォブチャ川沿いで安定している」「ボルチャンスク北市内では途切れることなく市街戦が続いている」「我々は敵の人員と装備を最大限破壊することに集中している」「ロシア軍はハルキウ方面での攻勢に失敗しているにも関わらず、新たな前進のためスームィ方面やクピャンスク方面から戦力を引き抜いている」「ヘルソン方面でも部隊の引き抜きがあったという情報を確認した」と明かした。
知事の話が本当かどうかは不明だが、これが事実ならハルキウ方面の戦いは「ウクライナ軍戦力の誘引」ではなく「ロシア軍戦力の誘引」に変化しているという意味だ。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
ボルチャンスクのアパート地区・部品工場周辺が、どうなっているのか非常に興味深い状況ですね。
市街戦は、消耗戦になりやすいですから、視覚的情報・SNS・ニュースなどの続報に引き続き注目したいと思います。
外国の方の戦況図ではボルチャンスクの部品工場に立て籠もるロシア兵は
数十人と言ってますね、工場の占拠率は9割を超えてると
翻訳なのではっきりとは解りませんが、ロシア軍は徐々に後退を余儀なくされてます
ウクライナ軍の肉弾戦についての言及もしておりまして、アパート地区のロシア軍を
排除しようとかなりの部隊で突撃を繰り返し、死傷者が140名を超える損害を
出したとも言ってました
情報ありがとうございます、勉強になります。
部品工場に400人は、建物規模を考えれば非常に多いと感じていましたが、数十人ならば現実的にあり得る数字と感じます。
ウクライナ=ロシア両軍、イスラエルなどの他国軍も含めて、市街戦の攻撃時は被害が大きくなりやすいですよね。
今後、どういった情報が出るのか注目したいと思います。
リプシ方面はゼレンやネクスネの方にロシア軍が攻撃を集中させつつあるという話や映像が出てきているので、ライボケ正面やリプシ近郊の高台陣地で防御しつつ東側の高台占拠を狙っているのかなと
ボルチャンスクも孤立しているという部品工場からロシア軍が東側に占領地を拡大したという話だったり、逆にウクライナ軍がアパート地区で孤立しているなんて話も出てきたりとかなり情報が錯綜していますし
ただやはり個人的には正確性と慎重さに関してはRYBARやDEEPSTATEよりも重視していると思っている(その代わりに面白みは一切無い)WarGonzoが現在もなおウクライナ軍の反撃や工場の孤立に関しては一切言及せず、ボルチャンスクもリプシも激戦が続いているものの接触線に変化は無いとしているため、膠着状態というのが実際のところなのかなと思いますね
一方で殆ど変化の無かったゴルロフカ方面でロシア軍が一気に2km以上も前進し、アルテーモヴェの北に隣接するピヴニチネに到達したという話が出てきているため、普段殆ど進捗が無いこのエリアで戦線が動いたという事はやはりこちらも部隊引き抜きの影響がひょっとしたら出てきているのかなと
ハルキウ方面の進捗は恐らくロシア側の想定よりは進んでいないのでしょうけど、その他の地域についてはウクライナ側がハルキウに増援を送った影響は当然出始めるでしょうね。
そういう意味においてはロシアの思惑通りに進んでる印象がありますね。
ウクライナ軍の戦力をハルキウ方面に引き付けるためで、ロシアは力をいれてないと主張してる人もいましたけど、だいぶ戦力を注ぎ込んでるみたいですね。
立てた予想を悉く外すのがここの住民ですから…
昨年のウクライナの反抗作戦が停滞した時からなぜかウクライナ崩壊予想をしてたし
「昨年のウクライナの反抗作戦が停滞した時からなぜかウクライナ崩壊予想をしてたし」
あの反攻停滞して失敗して結果的に戦争が終わらずウクライナの財政的に厳しい長期戦がまだ続きそうだから崩壊って騒ぐのもわからん事も無いゾ
(まともに前進できなくて春の目覚め作戦みたいに特に旨い成果あげれなかったからね)
「立てた予想を悉く外すのがここの住民ですら…」
ネット元帥案件不回避!!!
「ウクライナ債務再編交渉、合意に至らず デフォルトの恐れも」ロイター
単に願望を書いてるだけでしょう
戦争が始まってからと言うもの全体的にコメントの質は下がりましたが、一方で年末のアンケートを見れば分かる通り大半の閲覧者は冷静に戦況を判断していますよ(ロシアが攻勢、戦況は膠着、2024年以内に決着はつかない)
即座に崩壊と繋げるのは早いかもしれませんが、政治、軍事、内外世論で不可逆又は逆転の難しい変化が起きた原因となったのは間違いないかと。
立てた予想が悉く実現しなかった(まあ外したという言い方の方が分かりやすいが)のは保守系コミュニティ、あるいはなんちゃってミリオタコミュニティでは?
予想が軒並み逆の結果になる逆神とか言われて悔しかったのは分かるけど言われた事そのまんまで返しても面白みがないぜよ
あの頃毎日ロシア軍崩壊大合唱でしょう……
ウクライナ崩壊まで言ってた人ここにそんなに居たか?
ただ、停戦するべきとか敗戦濃厚って意見が増えた時期ではあった
こんなのいつ終わるかも分からない戦争の一つの出来事でしかないし、名無しが悉く外すって言われてもねぇ。長い目で見てウクライナが崩壊したら、貴方が言っている事が外れになるのが何故分からないのか。
最終的に戦争がどんな終わり方をしてウクライナがどうなるかなんて未だ先が見えないが試合に勝って勝負に負けたとかならないと良いね。ソ連のアフガニスタン侵攻でソビエト連邦軍は決定的な勝利を得られないまま全面撤退したけど、勝者?であるアフガニスタンの損害は半端なかったしウクライナに対してのロシアの執着や各国のケア次第では崩壊レベルになっても不思議じゃないよ。
損害が多いから負け判定なら、ウクライナはすでに負けているし、ロシアもそう。
戦争の勝ち負けは戦略目的を達成したかどうか。
まさしく一進一退の攻防。激戦ですね。前線が渾沌としており判断が難しいのでしょう。恥ずかしながら語学力に乏しく、翻訳では伝わらないニュアンスの部分を教えて頂けるのは助かります。
ボルチャンスクは、アパート地区・工場周辺と見晴らしのとれる場所が重要で、ロシア軍は堅守。ウクライナ軍は川越えながら掃討奪取に奮戦でしょうか。リプシ近郊も高台地形をめぐって混戦状態ですね。
ウクライナ軍の誘引からロシア軍の誘引への変化に付いては興味津々です。ロシア軍としては意図せぬ状況でしょうし、ハルキウ方面の注目度・戦略性、政治的意味合いも上昇してる様に感じますね。今後の推移を見守ります。
事実かどうかはさておき、
”知事の話が本当かどうかは不明だが、これが事実ならハルキウ方面の戦いは「ウクライナ軍戦力の誘引」ではなく「ロシア軍戦力の誘引」に変化しているという意味だ。”
上記のような認識をウクライナ側が持っているというのは面白いですね。
去年の反攻の際にバフムートに拘ったのはロシア軍の戦力誘引が目的だったと聞いていますし、今回もハリコフ方面に戦力を誘引することで他戦線への圧力を減らせると考えているように思えます。
ただロシア軍の戦力誘引が出来たとすると、対面する戦力が増大するわけですから、ウクライナ側もさらなる増援が必要と考えます。
ウクライナ側にさらなる増援の当てはあるのでしょうか。
>>去年の反攻の際にバフムートに拘ったのはロシア軍の戦力誘引が目的だったと聞いています
バフムートでは、ハンバーグ師匠ことシルスキキーが4時間で味方を挽き肉にひたそうだから逐次投入していたシルスキキーはマクドナルドを目指していたのかな?
>>交換比率自体はウクライナ側が優勢なんだそんな記事ありましたっけ?
何故120万以上動員したウクライナが60万のロシア軍にジリ貧なのは異世界かパラレルワールドなのか?
まぁ好きな数字拾ってきたらいいんじゃない?
あなたはどんな数字を拾ってんの?
純粋に気になる
数字の意味を考えましょう
交換比率自体はウクライナ側が優勢なんだし
局所的に勝利する事自体は不思議でも何でもない。
(特にハルキウ州に投入されたロシア軍は質が低いと聞くし)
局地戦の勝ち負けより
上の次元である戦争継続能力の高低がより重要なので。
先手ロシアでハルキウへの緩衝地帯狙いとウクライナの兵力誘引目的でハルキウ侵攻、後手ウクライナは各戦線より兵力抽出後にハルキウにて反攻開始。兵力ウクライナかなり優勢、砲火力五分程度又はウクライナやや優勢、航空優勢圧倒的ロシア、拠点塹壕準備ロシア、兵站五分という所なのだろうか。現状ウクライナ反攻中でやや優勢に進めていそうな戦況でロシアの返して手はどうなるのか興味深い。可能性が高そうな感じだと、
1、そもそも膠着しているので特段変化無しで守る
2、前線に兵士送り込んで防衛強化して守る
3、後方の防衛戦に後退して守る
4、兵員送り込んで占領目指し攻勢かける
何となく1の可能性が高そうな気がするけども実際は所は戦場の霧の中で不明ですね、結局の所は守備に回り精度落ちたとはいえ滑空爆弾でウクライナ軍を削りたいのではないかなとは思うがどうなることか。
ウクライナはそれなりの損害に目を瞑ってでもボルチャンスクの奪還は成し遂げたいだろうからねえ。ウクライナの投入兵力が結構多い?ようなので2を採るかなあと。
ボルチャンスクは南北で川に隔たれているために、ウクライナ軍は重車両をボルチャンスク北部に投入できないので、東部のティケ経由で重車両を渡河させるために東部から攻勢をかけているという考察があるようです。
ヴォブチャ川流域にロシア軍が展開できていなければ戦況はウクライナ側に好転しそうに思える反面、膠着状態が続けばウクライナの損耗は激しくなりそうな気がします。
情報ありがとうございます、勉強になります。
自然障害、河川・運河(チャシブヤール)など、どのように克服するのかが大きな課題になっていますね。
少なくとも南側の橋は今回の5月の再侵攻以前に落ちてるんですよね。
南東側の橋も車両の通過はできない状況?
その意味でウクライナ軍が重装備もなしに渡河した上にアパート群をあっという間に押さえた事に驚いています。
大小合わせて10棟以上あり、ボルチャンスクでは部品工場や病院と共に数少ないコンクリート造りの大きめな構造物。
国境に近いボルチャンスクではロシア軍が一定の航空支援を受けれることもあり、一般民家では安定した抵抗拠点になりにくいと思うので、ここを押さえたのは大きい。
けど、その勢いがありながら膠着状態に陥いると言うある面での矛盾。
ロシア側、ウクライナ側双方が投入した軍の本当の規模に興味があります。
両者とも情報以上に小規模だったとか?
あの日本人少年、こんなとこに連れてこられたら速攻で死ぬ。
雑用のスキルもなさそうなのにどうすんだろ?
ロシア側からしたら戦力を引き付けるのが目的で
その効果がそれほど出なかったわけだから
撤収もやむなしでしょうね
しかし、一方でプーチンは緩衝地帯の設定を明言しているわけで。
ロシア軍内部で複合化した戦略目的に優先順位がつけられない結果が部品工場の孤立につながっているとすれば、単に400名程度の兵が全包囲状態にあるよりは、そっちの方が深刻な問題でしょうね。
ロシア戦力の誘引とは言うが、その前にウクライナの精鋭含む50個大隊がハルキウ方面に釘付けのままならロシアの失点はそれ程では無いと思う。
ウクライナがハルキウ方面に戦力を移動させて3週間程の認識で居るけどロシアは緩衝地帯の維持拡大に必死、ウクライナは国境まで押し返のに必死で、ここの戦線が長く膠着状態になった時に他の戦線がどうなっていくかは気になる所だな。
私はバフムトのロシア軍と同じ挙動とみてますね。
キルゾーンに誘い込んで殲滅するのが目的かと
ウクライナ領内が戦闘で廃墟になろうがロシアにとっては知ったことではないわけだし、都市という遮蔽物をいかして遅滞戦闘をやりながら、ロシアの砲撃集中する地点まで引き込むつもりかなと
一つだけ間違いないのはロシア軍のハリコフ州でのアプローチは守勢だということ。
ただボウチャンスクの南北を隔てる川の北側にある工場やリブシの北東にある高台というか前線に関与しやすく有利に戦える地形を未だに保持してるのは、ほぼ間違いないから理には叶ってる。
向かい合って膠着状態が続いてしまえばウクライナの失敗だし(去年の反転攻勢と同じパターン)逆に地形や前線基地化されてる工場を奪還できればロシア軍を撤退に追い込めるから成功。
ただボウチャンスクの方はウクライナ軍がドローンや爆撃しても工場でほぼ無効化されて、その後に川を越えて兵士を送り込んでも逆に下がったり工場に立てこもったロシア軍にドローン攻撃や爆撃をやり返されるだけだから東西から攻めて最低でもロシア軍がバフムトやアウディイウカでやったような半包囲の状態まで持ってかないと厳しい。
正面からだけだと去年の反転攻勢の時と全く同じで対処しやすいし。
武器弾薬の差があまりないなら尚更。