ウクライナ戦況

侵攻848日目、ロシア軍がホルリウカ方面とアウディーイウカ方面で前進

DEEP STATEはアウディーイウカ方面とホルリウカ方面について「ロシア軍がアルハンヘルヅケの北西で支配地域を広げた」「ロシア軍がソキルの北で支配地域を広げた」「ロシア軍がウマンスキーの北で支配地域を広げた」「ロシア軍がドゥルジバ方向に支配地域を広げた」と報告した。

参考:DeepState
参考:Хроника специальной военной операции за 19 июня 2024 года
参考:Военная сводка за 19 июня: зона СВО

ロシア軍はボルチャンスク、チャシブ・ヤール、クラスノホリフカを同時に攻めている最中、トレツクを正面から攻略する戦力的余裕はないだろう

DEEP STATEはアウディーイウカ方面について18日~19日の間に「ロシア軍がアルハンヘルヅケの北西で支配地域を広げた」「ロシア軍がソキルの北で支配地域を広げた」「ロシア軍がウマンスキーの北で支配地域を広げた」「ロシア軍がドゥルジバ方向に支配地域を広げた」「ロシア軍がオレクサンドロピルで後退した」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

RYBARも「ロシア軍がドゥルジバ方向に支配地域を広げた」「ピヴデンネ方向にも突破口がある」「ピヴデンネ方向にも突破口がある」と報告、DEEP STATEとRYBARは「ロシア軍がトレツク方向に前進した」という評価で一致し、ドゥルジバ方向へのkm単位の前進は過去10年間で初めてのことだが、直ぐにトレツク方面の状況が危機的になるとは考えにくい。

トレツク、アルテーモヴェ、ピヴニチネ、ドゥルジバを合わせた街の規模はアウディーイウカを超え、2014年以降から進められている要塞化、街に存在するコンクリート製建築物の多さなどから防御力が高く、ロシア軍はボルチャンスク、チャシブ・ヤール、クラスノホリフカの攻略を同時並行で進めているため、トレツクを正面から攻める戦力的余裕はないだろう。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

そもそもRYBARが言及した「ピヴデンネ方向やピヴデンネ方向への突破口」も何なのか不明で、ウクライナ軍の戦力拘束か、別方面・別方向での作戦を支援する陽動かもしれない。

追記:RYBARは19日夜「ロシア軍がカリーニン方向に前進した」と報告、さらにウクライナ軍がカリーニン集落内=でロシア軍部隊を攻撃した様子も登場した。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

RYBARが主張する範囲をロシア軍が支配しているのかは不明だが、少なくとも集落内の付近で戦闘が発生しているのは確実だ。

関連記事:侵攻847日目、ハルキウ方面リプシとボルチャンスクでロシア軍が後退
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関連記事:侵攻844日目、ウクライナ軍がボルチャンスク市内のロシア軍を包囲する可能性
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

    • たむごん
    • 2024年 6月 20日

    ホルリウカ方面、トレツク~ニューヨーク一帯は、都市や集落が集中して守備が非常に固そうですね。
    チャシブヤールの方が、優先されるのではないでしょうか。

    アウディーイウカ~オチェレティネ周辺は、戦線がどこで膠着するのか注目したいと思います。

    11
    • FAB
    • 2024年 6月 20日

    5月までのロシア軍の勢いが強すぎたからか失速気味に感じるけどどうなんだろうね。
    ウクライナ軍も当然のこと学習するから同じ戦術は有効でなくなるしな。
    滑空爆弾は脅威だけど戦場の脇役であって主役じゃないとウクライナ軍の指揮官が言ってた。
    やはり砲兵と歩兵が主役だと。そこの数的優位をロシア軍が握っているので勝てないとも。
    FPVドローンはそのうち無効化されて古典的な戦争に戻るだろうとも言ってた。

    23
    • 名無し
    • 2024年 6月 20日

    ゴルロフカはロシア側がDPRの3個連隊と1個大隊に一部アフマト、ウクライナ側が1個連隊と1個大隊に無人機部隊が2個という感じでどちらも互いに攻めるには力不足ですから、今回はウクライナ側の隙や戦力引き抜きを見計らって手薄なところを攻め込んで制圧したという感じなのでしょうかね

    ただ一方でハリコフ方面はあまりにも戦力を過剰に集中し過ぎたため慌ててこの間ウクライナ軍が1個旅団と1個連隊を再びチャシブ・ヤールに戻したという話がありましたが、Poulet volantによると第116機械化旅団とドローン連隊のコーン・グループ、第9戦車大隊を増援として送り込んだとのことで

    これでウクライナ軍はハリコフに10個旅団と2個領土防衛旅団、2個国境警備旅団に1個連隊とウクライナ国家警察のツナミ強襲連隊、9個大隊に2個分遣隊と1個国境警備分遣隊、ドローン部隊が4つにロシア義勇軍団とロシア自由軍団、ベラルーシ義勇軍団と同じくベラルーシ人で構成されたカストゥス・カリノウスキ連隊、グルジア人で構成されたグルジア軍団と幾つかの特殊部隊が展開している形になり、展開しているロシア軍と比べると過剰戦力にも程がある感じなんですよな

    正直これらの多くは最近特に危ないチャシブ・ヤールやアウディーイウカ、またはウロジャイネなど南ドネツク方面に投入した方が良いのではないかと思うのですが…

    18
      • 無名
      • 2024年 6月 20日

      ハルキウ周辺のロシア軍を国境まで押し戻したら部隊を各地にわける気だと思います。
      今の反撃ペースではチャシフヤールはもつと思いますけど、他の地域は間に合わないかもしれませんが。

      2
    •  
    • 2024年 6月 20日

    失敗国家指数(0が最高、120が最低)

    ウクライナ
    2023年95.9
    2024年93.1

    ロシア
    2023年80.7
    2024年81.6

    ウクライナは前回より良くなったがロシアは逆に悪化してて草
    ちなみにG7

    アメリカ44.5
    イタリア41.1
    イギリス40.8
    日本30.2
    フランス28.3
    ドイツ24
    カナダ18.6

    G7は全ての国が前回より良くなってました
    対露制裁の影響とは何だったのか

    2
      • cosine
      • 2024年 6月 20日

      西側のシンクタンクが基準決めて出す指標ではそりゃロシアは失敗でG7は成功になるでしょうよとしか…
      んなら一刻も早くウクライナを成功させてあげてくださいな

      60
        •  
        • 2024年 6月 20日

        ほう、ではあなたはG7よりもロシアの方が安定していると?
        本気でそう思ってるなら随分と現実が見えてないと思いますね

        2
          • 774
          • 2024年 6月 20日

          藁人形を持ち出すのはやめろ
          「G7よりロシアが安定している」なんて誰も言っていない

          61
        • a
        • 2024年 6月 20日

        面白いのでせっかくですし彼の主張を深堀してみましょうよ。随分と現実が見えているようですし。ところで挙げられている数字はどのように計算されたものなのですか?この結果が正確ならアメリカもイタリアもイギリスも日本よりかなり失敗国家みたいですけど。

        14
          •  
          • 2024年 6月 20日

          具体的には90以上が失敗国家、30以下が成功国家だとされています(最低が0、最高が120で中間が60なので)
          なのでアメリカは良い方だしロシアも失敗国家ではない、ウクライナは失敗国家になりますが
          記事の内容と関係ないのでここで終わりにします

          1
            • a
            • 2024年 6月 20日

            「ところで挙げられている数字はどのように計算されたものなのですか?」ここが最も大切な部分なのに。でも、記事の内容と関係ないことはわかってらっしゃっんですね。

            17
              •  
              • 2024年 6月 20日

              リンク
              まあこれでも見て、詳しく書いてあるから

                • 犬の〆
                • 2024年 6月 21日

                僭越ながら、雑な投稿ですね。
                失敗国家とはどういう視点で計測して評価したものなのか、せめてご自分の言葉で説明されたらいかがですか?

                世の中には真に客観的な評価はあり得ません。せめて、他人に理解を求めるのであれば、自身の理解を自分の言葉で求めるのが筋というものでしょう。
                こういう匿名の場だからこそ、言いっぱなしではなく、自分の言葉で語ることがせめてものマナーだと思うのですが。。。

                2
              • https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_Fragile_States_Index
              • 2024年 6月 20日

              まあこれでも見て、詳しく書いてあるから

              •  
              • 2024年 6月 20日

              英語版WikipediaのList of countries by Fragile States Indexという記事に詳しく書いてあるよ

              1
                • コンビニ
                • 2024年 6月 20日

                なんすかこの三連投

                8
      • a
      • 2024年 6月 20日

      この指数に何の意味が…あなたはこの指数がどのような指標に基づかれてつくられているかご存じですか?

      28
      • active present
      • 2024年 6月 20日

      初めてランキング見たけど、イギリスが去年より良くなる要素があるのもよくわからないし、出生率が0.7の韓国が日本と変わらない数値で安定領域にいて失敗扱いされてないのもよくわからない。まぁ戦争している国が失敗国家というのはよくわかりますが

      なんなんでしょこのランキングって

      31
      • つぐみ
      • 2024年 6月 20日

      そうやって欧米の色眼鏡でロシアを評価したからロシアの実力を見誤ってウクライナが苦境に陥ってるんじゃないの?

      44
        • あるまじろ
        • 2024年 6月 20日

        まぁ確かに正しく評価してたら初期援助から重装備供与してたわな。

        欧米もロシアも相手の実力や方向性を間違えてる結果が現状ですものね

        6
          • F-117A
          • 2024年 6月 20日

          アメリカはロシアの実力を過大評価していたので、ウクライナが組織的な抵抗はできないとみて、ウクライナ戦争前はゲリラ戦でも使えるジャベリン、スティンガーなどの歩兵が扱える装備を提供したらしい。

          開戦後にすぐ重装備を提供しなかったのは、プーチンが核を使うのを恐れたからじゃないの?

      • kitty
      • 2024年 6月 20日

      こんなのパソコンの合成ベンチマークと同じくらい無意味でしょう。

      23
      • にほんへ
      • 2024年 6月 21日

      •(国家が有する)領域に対する物理的な統制の喪失、或るいは合法的な軍事力の独占(暴力の独占)の喪失。
      •集団の意思決定を下す為の正統な権限に対する侵害。
      •合理的な公共サービス(公益事業)の提供不能。
      •国際社会の正式な一員として他国と接触する能力(外交活動)の不能

      以上が、この失敗国家係数の構成要素なのだけれども、1番目は難なら支配領域拡大してるし、2、3番目は侵攻前と変化がない。

      変化があったのが4番目で、対露制裁の結果で悪化とみられる。

      これも対ロ制裁の影響で国際、経済交流が少なくなったから指数が悪化しただけの話

      データを持ち出すときは聞こえのいい数字の内容も精査したほうがいいぞ

      2
    •  
    • 2024年 6月 20日

    ちなみに侵攻前は実はウクライナの方が安定していた

    2022年(全面侵攻前)
    ウクライナ68.6
    ロシア72.6

    4
      •  
      • 2024年 6月 21日

      これだけで色々察せるわ

      4
    • Mr.R
    • 2024年 6月 20日

    Googleマップを見てたら面白いものを発見。
    クラスノダール地方、チホレツク。座標は45.8854722, 40.0412500。
    コレを見てくれ、コイツをどう思う……?

    2
      • paxai
      • 2024年 6月 20日

      線路があるから何かしらの軍事的重量物の拠点に見えるな。
      ロシア軍にしちゃ防護されてるから無人機で叩いてもあまり成果はなさそうな感じ。空軍基地の露天駐機に比べればねえ。

      3
      • ミカ
      • 2024年 6月 20日

      弾薬庫だな。
      日本にもある旧軍・自衛隊・米軍の弾薬庫と構造が似ている。
      倉庫の周囲を盛土で囲むタイプ

      5
        • F-117A
        • 2024年 6月 20日

        ホントや。
        探したらあった。陸上自衛隊火薬庫。
        見つけたのは4方を盛り土というか、弾薬庫が穴の底にある感じ?

        33.28429241150817, 130.54850640308808

        2
      • Whiskey Dick
      • 2024年 6月 20日

      Google Earthでその座標を確認しました。
      土砂を積んだ壁に覆われた建屋が10棟以上確認できます。中には壁の中に車両らしき機材があったり、土砂で全体を覆った地下倉庫らしきものもあります。民間施設でこんな構造にする必要は無く、台湾のパトリオットミサイル配備陣地がこのように土砂壁で囲われていたので、秘密基地じみたシロモノなのでしょう。この近くにチホニキーなる集落と地方都市のチホレツクがありますが、どちらも検索に掛けてもこの施設に関する情報は無かった。ストリートビューにするとこの施設はフェンスで囲われており、中にビルなどは確認できなかったので土砂壁で隠蔽できる平坦な建屋なのだろう。

      >コレを見てくれ、コイツをどう思う……?
      てっきり珍地名か変な形状の建物若しくは地形だと思った。調べてみると最初は大きな畜産施設に見えたが、建屋を囲う土砂壁がこの施設を不気味なものにしている。

      2
      • ヤフコメ民
      • 2024年 6月 20日

      チホレツク弾薬庫(第719砲兵弾薬基地)
      北コーカサス鉄道に繋がっている。
      北朝鮮の砲弾が運び込まれるなどして、2023年から大幅な拡張が行われている。
      近くに軍用滑走路もあり使い勝手がいいが、戦場から300km程度離れている。
      google mapの写真は拡張前。ネット上のロシアの地図では空白地扱い。

      Defence Express
      「North korea russia ammunition supply routes and main depots analyzed」

      6
        • ヤフコメ民
        • 2024年 6月 20日

        読売新聞 2024年6月9日
        「ロシア貨物船が4月前半に北朝鮮寄港、北製の武器や弾薬運搬か…読売新聞の衛星画像分析」

        2
    • あるまじろ
    • 2024年 6月 20日

    更新お疲れ様です。
    当分はまだ押される感じですかね。

    それにしてもウクライナって本当に要塞都市多いですね。

    マリウポリと同じでソ連時代からの引継ぎもあるんでしょうが
    2014年以降、本気で戦争の準備してたんでしょうねぇ

    5
      •  
      • 2024年 6月 21日

      準備というか、東部地域の制圧のために使ってたぞ

      4
    • 2024年 6月 20日

    2月ごろはアウディイウカ戦線だったのが、西側や北東側をゴッソリと取られてそうじゃなくなってしまってるのがヤバいというか。北東側への進軍も突出して他方向から攻撃を受けないように配慮しながらボトルウシクに向かって近づくのはコンスタンチフカやチャシブヤールへの補給路を遮断するだけじゃなくて、ニューヨークなどアウディイウカの北側の地域を一気に半包囲していけるようにもなるから、ウクライナ軍は対処しないとアウディイウカやバフムトみたいになるのは間違いないんだけど、他の戦線に兵力や武器弾薬を注ぎ込まないといけないなら、これで精一杯なんだろうね。

    7
      • 2024年 6月 20日

      強固な陣地や都市に関しては正面から攻めるんじゃなくて、手薄な周辺を取って包囲殲滅するセオリー通りに物事が進んでる。
      だからウクライナ軍もボウチャンスクても同じようにすべきなんだろうけど、いくら兵士がいても川があるからなかなか難しいというか、
      ロシア軍はボウチャンスクの東側から迂回して攻められないように防衛線を構築し始めてるし、ハリコフ方面も国土から完全に追い出すには時間がかかりそう。
      ウクライナ軍もさすがに去年大失敗した反転攻勢と同じ轍は踏めないだろうし。

      8
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