DEEP STATEとRYBARはクピャンスク方面、シヴェルシク方面、アウディーイウカ方面の複数方向でロシア軍が前進したと報告し、ウクライナ軍参謀本部が連日「最も戦闘が激しい」と発表するオチェレティネ付近(アウディーイウカ方面からポクロウシク方向)でもロシア軍が前進している。
参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 30 июня 2024 года
参考:Хроника специальной военной операции за 1 июля 2024 года
RYBARの主張が事実なら「ロシア軍がカルリブカに前進するための条件が整った」という意味
クピャンスク方面についてDEEP STATEは「ロシア軍がペトロパブリフカ方向に前進した」「ロシア軍がステルマキフカ方向に前進した」と、RYBARも「ロシア軍がピシュチェイン方向に前進した」「ロシア軍がミャソジャリフカ方向とアンドリエウカ方向に前進した」「ステポワ・ノヴォセリフカがロシア軍の支配下に入ったという情報もある」と報告。
クピャンスク方面は相変わらずDEEP STATEとRYBARの主張に隔たりがあるものの、何かしらの変化が報告されているため停滞した前線でないのは確かだ。
シヴェルシク方面についてDEEP STATEは「ロシア軍が線路沿いで支配地域を広げた」と、RYBARも「ロシア軍がスピルネ方向に前進して集落全体がグレーゾーンに移行した」「ロシア軍がスピルネの南で支配地域を広げた」「ロシア軍が占領したロズドリフカ周辺で戦闘が続いている」「ロシア軍がスピルネを解放したという情報もある」と報告。
シヴェルシク方面はクピャンスク方面よりも両者の食い違いが大きく、RYBARはロズドリフカを占領したと主張しているが、DEEP STATEはロシア軍がロズドリフカ集落内に安定した足場を築いていることすら否定しており、DEEP STATEが戦況マップの中で主張するグレーゾーンも集落全体に及んでいない。
RYBARを含むロシア人が「ロズドリフカを占領した」と主張するのは「空挺部隊の旗が集落中心部に掲げられたこと」に起因していると思われるものの、この旗はドローンによって設置されており、この手法は両軍で行われ「ここを自軍が支配している」という主張に使われることが多いが、大抵は実際の支配地域とリンクしていないプロパガンダである場合が多い。
この手法で掲げられた国旗や軍機に管理人は何度も騙されてきたので、兵士が国旗や軍機を掲げる視覚的証拠が出るか、DEEP STATEとRYBARの主張が一致(もしくは攻められている方法が一方的に占領を認めるか)するまで集落の占領を断言できないと考えている。
アウディーイウカ方面についてDEEP STATEは「ロシア軍がエヴヘニフカ方向に前進した」「ロシア軍がネベルズケ方向に前進した」と、RYBARは「ロシア軍がカルリブカ郊外のダーチャに足場を築いた」と報告。
エヴヘニフカ方向に前進を続けるロシア軍は線路沿いのプロレスに手が届きそうで、ネベルズケ方向もロシア軍に距離を詰められており、RYBARの主張が事実なら「ロシア軍がカルリブカに前進するための条件が整った」という意味で、ここは「工兵部隊が建築した第2防衛ライン」もしくは「請負業者が建設した本格的な第3防衛ライン」がある高台の門前だ。
高台に陣取るウクライナ軍に対してカルリブカに前進するロシア軍は相当不利で、常識的に考えれればロシア軍の前進はここでストップすると思われるものの、逆にカルリブカを占領されて高台方向に突破されるようなら「致命的な突破」になるため注目すべきスポットと言える。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
ドローンで国旗掲揚って、冗談でなく多用されているのか…。
逆に言えばドローンでの撮影時はとりあえずの占領(固守)アピールで、兵士が余裕を持って撮影している場合はほぼほぼ占領(固守)しているという感じで理解できなくもないので、戦況を眺めている立場としては判断しやすいですね。
高台からの反撃を浴びながら不利な低地からの進出が実現したらそれは重要な局面になる、
日本の希少なブロガー様のご見解がありがたいです。
今後とも冷静なご分析何卒お願い申し上げます。
ここを突破しただけではメリットが薄いからなぁ
クピャンスクの方がロシアにとっては大事だろうし
川の東岸を確保して守りを固め、他のエリアに注力するんじゃね?
トランプが動き出す前に停戦ラインの見込みを立てたいだろうし
これ以上西へ侵攻するにしても尾根沿いに北から回った方が側面突けそう
もちろんオスキル川は重要な停戦目標ラインなのでしょうが、そこはハリキウ州です。政治的にはすでに4州併合宣言したのであり、とくにドネツク州の残りの部分への執着は政治的に大きいものと推察いたします。その停戦目標ラインがどこなのか予測もつきませんが、がむしゃらにただ前進しているわけではないと思います。
いや、安易にドネツク州なんて言ってるけど、具体的にどこなのよ?って話
リマン、スラビャンスク、クラマトルスク、コンスタンチノフカ、ポクロウシク。。。
10年単位ならともかく、来年に向けたタームでの実現可能性は?
上手くいってシヴェルシク位じゃねーの?
4州なんて言ったらザポリージャ、ヘルソンあたりは計画すらないんじゃね?
あとごめんなさい、ここで「川」と言っているのは、カブリルカ〜プロレスにある川で、クピャンスク方面のことじゃない
カルリブカ周辺~南北は、自然障害に見えますが、防衛線の整備が気になります。
オチェレティネから、T0511沿いに迂回する動きと思っていました。
ウクライナ軍の兵力・防衛線強度が、どの程度なのか分かりそうですね。
追記です。
トレツク方面、坑道作戦(トンネル掘削)について、少し気になる記述があったので追記します。
>クシュ氏はロシアがすでにウクライナ・ドネツク地域のアウディウカとトレツクの近隣でトンネル作戦に入っているとし、アウディウカにはすでにトンネルがあり、トレツクには戦争中に長さ3.2キロのトンネルが新しく建設されたと伝えた。
(7/3(水) 「北朝鮮、トンネル掘る工兵をロシア派遣の可能性…兵力1万5000人予想」 中央日報)
ウクライナ軍の追い上げでロシア軍の侵攻スピードが鈍化したと思いきや、各方面で戦線が活性化してきたからただの休憩期間だった説?
追い上げと言っても、支援が滞っていた時期に失われた兵士や兵器、領土、軍全体の士気が元通りになった訳でもないので、期待する程にはウクライナ軍が完全な優勢状態を作るのは難しいでしょう。
追加の徴兵を実施して、訓練をしっかり受けさせて、なおかつ前線で戦い続けてきた兵士たちと同レベルかやや劣るレベルで戦えるようになるのを待ちつつ、欧米の支援とウクライナ国内での兵器及び弾薬生産が軌道に乗りつつ、ロシア軍の侵攻を可能な限り遅らせる。少なくてもこれらの条件を満たさないとウクライナ政府が望んでいるクリミア半島含めたウクライナ国内からのロシア軍撃退は不可能でしょうね。勿論、ロシアを経済的に追い詰めることが出来て、先にギブアップさせられれば御の字だとは思いますが、それは一つの可能性ですし、実際の戦場に影響が出るのが何時になるのかも分からないので深く考えたり、期待するべきではないでしょう。
ドローンが飛び交う普通に気を張っている戦線でなら車両による移動に問題があって遥か前に鈍化はしている。ハルキウ方面であれだけ進めたのはガチで不意をつかれたんだろうな。
双方共に各種ドローンで相手の動きが筒抜けで戦場の霧ってのがほぼ無い状態で侵攻スピードが早まるならよほど戦力差があるかゲームチェンジャーの登場か不意をつかないと無理だよ。
結局染み出すように抜かれちゃうのかー
政治面でもまずそうですよね
欧米でリベラル政権が退潮が鮮明に・・・
右派でロシアよりウクライナに親近感もつ勢力ってどれほどいるのかな・・・
新政権が判断するのは親近感からでなく、メリット又は国民アピールだと思います。
それはさておき基本的に右は外国との付き合いは極端になりがちですが、どちらに近いにしろ今より関心が減りドライになると思われます。
支援のためと経済的苦境を続けた政府への回答でしょうね
そうですね。例えばフランスの国民連合もアメリカ共和党もウクライナを支持しており、支援も明言しています。
但し、今迄通りの済し崩し的な支援強化では無く、自国ファーストで経済的負担軽減と国益重視、また問題になっている移民政策を最優先にせざるを得ない国内情勢がありますから…。
軍事援助は続くと思いますが、経済援助が細るのでは。と考えてます。
ロシア夏の進撃祭りになってしまっているが最近だともはや見慣れた光景か。まだまだウクライナはかすり傷程度の損害だろうからここからの巻き返しに乞うご期待と、日本のネット界隈は元気ではあるが現実は酷なものだと思うがこれからどういったことになるか非常に興味深い。アメリカもトランプの可能性が高く、ヒーローディールで停戦仲介したいだろうからどうなることか。色々と凄い時代になってしまったもので日本は自己決定権持てぬまま、将来は中国ロシアと愉快な仲間達との戦争に巻き込まれる可能性大分高いと思う次第。
対中体制として米国を巻き込んだこの10年の外交は評価する
一昔前は「中国と争っても米国は助けてくれない」が左巻きの主張だった
それが今や「米国と中国の争いに巻き込まれるな」に変化してる
それは米の対中経済戦争と歩調を合わせるなって意味合いのほうが大きいと思うけど、軍事面ではウクライナの戦争で「アフガンを見ろ!米は助けてくれない」と言えなくなったのは大きいね