RYBARはハルキウ方面ボルチャンスク方向について「ウクライナ軍が反撃している」と報告していたが、DEEP STATEも11日夜に戦況マップを更新して「ウクライナ軍がボルチャンスク北市内の病院付近と墓場付近でロシア軍を押し戻した」と報告した。
参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 11 июля 2024 года
参考:Военная сводка за 9 – 10 июля: зона СВО
本ブログの戦況マップが絶対に正しいとは思っていないので、違うと思えば好みの戦況報告を信じるべき
RYBARはハルキウ方面ボルチャンスク方向について7日「ウクライナ軍が北市内の病院付近で領土を奪還した」「ウクライナ軍が北市内の部品工場付近で領土を奪還した」「ロシア軍がアパート地区の一角を占領した」と、10日夜「ウクライナ軍がリプシ方向とボルチャンスク方向で反撃を実施している」「ロシア軍がヴォブチャ川を渡河して南市内に足場を築いたという誤った情報がネット上で拡散している」と報告。
さらに11日夜「ウクライナ軍がリプシ方向のライボケで反撃を開始し、ロシア軍はボルチャンスクの東(市内の東ではなく街の東)で前進している」と報告したが、具体的な反撃や前進の内容については触れていない。
ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏も10日「ヴォブチャ川からT-2104沿いにウクライナ軍が前進した」「中央公園からT-2104を越えてウクライナ軍が前進した」「北市内の住宅地区でコロレンカ通り付近までウクライナ軍が前進した」「北市内の東でウクライナ軍が前進した」と主張。
ブトゥソフ氏の主張が事実ならロシア軍が実際に支配している市内の範囲は「T-2104の西側(それもヴォブチャ川沿い側のみ)」で、部品工場へのアクセスルートは驚くほどか細く、6月20日からボルチャンスクの状況を更新していないDEEP STATEの報告が待ち望まれていたが、11日夜に「ウクライナ軍が北市内の病院付近でロシア軍を押し戻した」「ウクライナ軍が北市内の墓場付近でロシア軍を押し戻した」と報告。
ブトゥソフ氏とDEEP STATEの評価は似ている部分と食い違う部分があるものの、全体的には「北市内の病院付近と墓場付近でウクライナ軍がロシア軍を押し戻している」という評価で一致する。
ヴォブチャ川沿いの部品工場に繋がるアクセスルートの評価も三者三様だが、共通するのは「部品工場に取り残されたロシア軍部隊の状況は改善ではなく悪化している」という点で、Washington Postの報道=ハルキウ方面のロシア軍部隊が絶望的な状況に陥っているという指摘も軽視出来なくなってきた。
DEEP STATEはシヴェルシク方面について「ロシア軍がロズドリフカの北東郊外で前進した」と、RYBARは「ロシア軍がスピルネの約半分を支配している」と報告、視覚的にもウクライナ軍がロズドリフカの北東郊外=Ⓐでロシア軍陣地を攻撃する様子、スピルネ集落内=Ⓑで掲げられたロシア国旗(兵士の姿が見えないので人力で掲げたのかドローンで設置したのかは不明)が様子が登場し、両者の主張を裏付けている格好だ。
RYBARは「空挺部隊の旗が集落中心部に掲げられたこと」を理由に「ロシア軍によるロズドリフカ占領」を主張しているものの、映像でも「旗の設置はドローンによって行われた」と確認されているため、DEEP STATEは「ロシア軍によるロズドリフカ占領」を認めていない。この手法は両軍で行われ「ここを自軍が支配している」「敵に占領されていない」という主張に使われることが多く、管理人も騙された経験がある。
因みに航空万能論GFの戦況マップは基本的に「DEEP STATEとRYBARの報告」と「視覚的証拠」を元に作成していますが、これが絶対に正しいとは思っていないので、違うと思えば好みの戦況報告を信じるべきです。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
ハリコフ方面はウクライナ軍が唯一押し返せてるから、なんとか目立った戦果をあげたいんだろうけど、そう簡単にはいけてないから厳しい状況が変わってないのも間違いないというか、ロシア軍は兵力に勝るウクライナ軍に対して、どれだけ守れるのか試しているのかもしれないとも思う。5月にほぼ何もせずにごっそりと占領できてしまった失っても何の問題もない地域だし、ウクライナ側もこれだけ手こずってるのも分かってるだろうから、同じ失敗を繰り返さないようにロシアが攻めてくるかどうかすら分からないスムイや他の地域への兵士や武器弾薬を割り当てるとなると、他の前線はどうしても手薄になってしまうし。
時間をかけてしまうとロシアの陣地構築能力からして国境まで押し戻すのが難しくなってしまうので、なりふり構わず即座にかき集めた兵力をぶち込んだのだろう。戦術的に見ると正しい判断だが他の戦線が押されることとトレードオフになるので戦略的に見ると疑問が付くが。まあ今の時点で戦略ミスだったかどうかの判断は時期尚早だけどね。秋の泥濘期までに全体の戦線がどう動くのか答え合わせを待つしかない。
書き込みが成功しない。テスト。
荒らしになってしまい失礼しました。ngワードがあるのかな。
>兵力に勝るウクライナ軍に対して、どれだけ守れるのか
この地域の兵力差ってどれくらいなんでしょうか?
正面戦力ではロシア軍5大隊、ウクライナ軍50大隊(転戦した大隊有)ですがロシア軍は後方支援(砲爆撃)が強力てすね。
詳細は今後の情報待ちだと思うけど、昨日のFIRMSでロシア領内(国境から3km程度)にまとまった反応があったので、何かが起きているのは確かだろうと思う
長射程西側ミサイルの使用が感じられているだけで、グラードみたいな射程20キロ級の戦術ロケットや自前で作った弾道弾なんかは普通にロシア領内に使えるので。
ロシア側からは「ウクライナ軍が市民を攻撃して子供が2名死亡」なんかのニュースが流れているので、それじゃないですかね。
ごめん、どうもオレは言葉が足りん
距離自体は普通に榴弾砲で届く範囲なんよ
ただ、ロシア領内にまとまった反応は5月末以降多分初めてだと思う
と言う事で、ウクライナ軍の攻撃方法、戦術、部隊に何かしら変更があったかもしれない?って話
む、観測者が異常と感じるなら何か変化が起きているとみなすべし、の鉄則
考え方としては、やはりウクライナとしてはハリコフの決着をつけたいわけですから、リスクを承知で砲兵部隊を前進させてロシア軍後方に集中火力投射する作戦を決行したのかもしれないですね。
伝え聞く通りにロシア側将軍が十分に無能であれば、その程度すら予測出来ずにドローンもイスカンダルも用意しておらず、不用意にヘリと航空機を前に出してSAMの餌にしているのかもしれません。
常識的に考えれば、頃合いでロシア軍は突出部から徐々に引くべき局面だと思う。背面脅かされながら綺麗な撤退ができるとは思えないし手負いの兵隊は足も遅い。が、ボルチャンスクではローテーションが行われていない疑惑や指揮官が消耗戦を辞さない方針みたいだしもっと致命的な状況になるまで粘り続けそう。
仰る通り、基本的に全滅・降伏まで、突出して粘るメリット感じないですよね。
兵士の募集に影響しそうですし。
バフムトと同じで何か月かここでおしくらまんじゅうするのがロシアの目的かなと
人口3倍ですし、1:1の消耗戦を続けるだけでも少しずつロシア有利になるんですよね。
ボルチャンスク市の戦況、気長に見るのが大事ですね。
他方面の助攻のような役割を指摘されていますから、トレツク・ニューヨーク方面などと同時に見るのが大事なのかなと。
『緩衝地帯』を防護するためのガチ陣地造りの時間稼ぎとして国内評価が芳しくない将兵が生命授けよさせられてるんだろうかね
大部隊を迎え撃つにはロシアのいつもの週刊陣地月刊陣地では流石に力不足だろうし
地帯そのものをガチガチに固めたらそれは緩衝ではないただの自陣なので地帯内にウクライナ側も留まれないようにできるかが「合否ライン」なのかな
第10独立山岳強襲旅団のマーク入りのドロ-ンオペレーターの画像、入隊すればこんな最先端の軍事テクノロジーに触れられるんだぞ!と宣伝したいのかな。
実際、志願したら塹壕に放り込まれるんでしょう。
実際、ドローンを操縦するカッコいい仕事を1とすると、残りの99は。
この機材を収容する塹壕をGLから2メーター以上掘り下げ。モニタとPCに防水して配線し。数十キロある発電機を野営地まで運び込んで偽装して配線し,その燃料をまた数十キロ運び込んで穴掘って絶縁シートでくるんで。塹壕の中でネズミと戦いながら眠って、カビたパンをかじる生活、なんですね。それが99%。
野戦なんてそんなもんですよ。
でもVRヘッドセット(10万円) ノートPC(10万円) ドローン(10万円)ぐらいと仮定したら一般人でも手が届く範囲の装備なんだよね。軍事の歴史上最も安価な最先端だろうな。
気になるのはロシアのミルブロガーてハルキウとか、スーミの方面軍ラピン中将にやたらと厳しいんですよね
南部方面軍はやたらとかばうのに
もしかするとミルブロガーのスポンサーがどこなのかと関係してるのかもしれないですね
ショイグと同じトゥバ共和国出身たったと思う
ショイグのコネで出世して妬まれてるのかも
いつも戦況報告お疲れ様です。数百メートルの奪い合いなので、あまり細かい白黒にこだわっても仕方ない気がしますね。
日本語で戦況がざっくりとでもわかるのは十分ありがたいです。
私も同意見です。
もし市街戦の途中の奪還と再奪還ならよくあることです。戦略的な大きな攻勢かどうかは、まだ分からないと思います。
ただ、ハルキウ方面のウクライナ軍は兵力面での優位だけでなく、砲やドローンも他の戦線より優遇されていたようなので強力かもしれませんね。
ゼレンスキーの発言を合わせると、ウクライナは逆侵略でロシア領で緩衝地帯をという話を望んでいるようにも考えられますが、どの程度までやる気なんですかね。
ここの都市を守るのは政治主導が強いもののそれなりの合理性はあると思いますが、それ以上は他を完全に捨てる動きになるのでは。広い領土で遅滞戦術を選択なんでしょうかね。
そのうち目論見が漏れ伝えられるとは思いますが、結構気になります。
シヴェルシク方面、スピルネは自分の記憶だと3回はロシアが
奪還している。その度にウクライナが再奪還の繰り返し
今回注目しているのは、シヴェルスクの南全域でロシアが前進
し始めていることで、スピルネというより、その西の
イヴァーノ・ダリウカやヴィムカを侵食し始めればシヴェルスク
にロシアが本格的な夏攻勢かけ始めた、と評価できると思う。