ウクライナ戦況

侵攻876日目、ロシア軍がポクロウシク方面とヴェリカ・ノボシルカ方面で前進

DEEP STATEはポクロウシク方面について「ロシア軍がプロレス集落に入った、線路沿いからロズヴァツケ方向、ノヴォセリフカ・ペルシャ集落で前進した」と、RYBARはヴェリカ・ノボシルカ方面について「ロシア軍がウロジャイン周辺で支配地域を広げた」と報告した。

参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 18 июля 2024 года

ロシア軍はオチェレティネから7km先のプロレスに到達

ウクライナ人が運営するDEEP STATEはドネツク州ポクロウシク方面について18日夜「ロシア軍がプロレス集落に入った」「ロシア軍が線路沿いからロズヴァツケ方向に前進した」「ロシア軍がノヴォセリフカ・ペルシャ集落に前進した」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

ロシア軍はオチェレティネから高台の線路沿いに進んでプロレスに到達、線路沿いから北に進むことでロズヴァツケ方向にポケットが発生、ノヴォセリフカ・ペルシャ北集落の大部分はロシア軍の手に渡ってしまい、集落南部分の大半もグレーゾーンに収まってしました。

ノヴォセリフカ・ペルシャより西にある高台には「工兵部隊が建設した第2線」もしくは「民間の請負業者が建設した第3線」があると言われている。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

RYBARはドネツク州ヴェリカ・ノボシルカ方面について「ロシア軍がウロジャイン周辺で支配地域を広げた」と報告し、この方向のウクライナ軍はマカリフカに後退しているらしい。

因みにワシントン・ポスト紙は昨年12月「如何にしてウクライナ軍の反攻作戦が失敗したのか」についての記事を公開していたが、英国王立防衛安全保障研究所も反攻作戦に関する詳細なレポート(Preliminary Lessons from Ukraine’s Offensive Operations, 2022–23)を18日に公開、48ページで構成されたレポートの趣旨は「反攻作戦の失敗原因を調査して同じ過ちを繰り返さないこと」「この教訓をNATOの攻撃能力再生に役立てること」にあり中々興味深い内容だ。

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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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コメント

    • FAB
    • 2024年 7月 19日

    >ノヴォセリフカ・ペルシャより西にある高台には「工兵部隊が建設した第2線」もしくは「民間の請負業者が建設した第3線」があると言われている。
    >ロシア軍はオチェレティネから高台の線路沿いに進んでプロレスに到達、

    高台に沿って進んで来てるから高台陣地での防衛計画が破綻してしまってる
    オチェレティネ突破されたのが諸悪の根源

    24
      • 事実
      • 2024年 7月 19日

      いつ撮影したのか知らんが、Google MAPの航空写真を見ると、
      ノボセフレカ・ペルシャの西側の川を越えて坂を上がった所や、
      コミシフカの東側に、ラインになっている「防衛線」ではなく円形で単独の「防衛拠点」が構築されている

      おそらく現在ではきちんとした防衛線が構築されていると思うけど、予算不足や人員不足で複数の独立した防衛拠点しか構築されていない可能性もある
      この場合、逆に北からの(高台経由の)攻めに意外と強いかもしれない?

      9
        •  
        • 2024年 7月 19日

        おそらく反攻作戦でロシア軍が南ドネツク戦線に設置したハニカムトレフォイル陣地をウクライナ軍が参考にしたのでしょう
        正面は赤軍伝来の重陣地に劣りますが全方位に火力を指向しやすくされている陣形で、どの方向から敵が侵攻してきても対応できます
        オチェレティネから尾根沿いに進んでいるとはいえ、この高台の陣地郡をロシア軍が攻略するのは相当険しい道になることでしょう

        16
          • nachteule
          • 2024年 7月 19日

           馬鹿正直に歩兵やロケット弾や榴弾砲で攻略しようとすれば脅威だろうが、そこって航空攻撃やイスカンデルMとか物ともしないような構造なの?
           要衝であるならロシア軍の攻撃だって大盤振る舞いしてもおかしくないと思うが。

          1
      • ななし
      • 2024年 7月 19日

      ほんそれ
      ボルチャンスクとかクリンキーにここまでこだわるより
      全力で奪還しなければならない要衝
      優先順位を根本的に間違えているとしか思えない

      11
    • kitty
    • 2024年 7月 19日

    >「この教訓をNATOの攻撃能力再生に役立てること」

    意訳:「いやー、お金はかかったけど、この教訓を血を流さずに勉強できてマジ助かったわー。」

    36
      • Whiskey Dick
      • 2024年 7月 19日

      >お金はかかったけど、この教訓を血を流さずに勉強できてマジ助かった

      アパッチの調達に失敗して機能停止状態だった陸自の対戦車ヘリコプター部隊が解散されるきっかけになって良かった。近年の対戦車ヘリコプターは限られた状況でしか使えないのに単発戦闘機並みの価格というのが解せない。

      8
        • 伊怜
        • 2024年 7月 19日

        ウクライナの反攻時は既に戦闘ヘリ廃止が決まったあとで、しかもロシア軍のKa-52が防御で活躍してむしろ微妙な空気になってたような?

        13
      • たむごん
      • 2024年 7月 19日

      大規模戦争のファーストペンギン、軍事分野だとメリットないため大変ですよね。

      10
      • イーロンマスク
      • 2024年 7月 19日

      中国「ドローン売れまくってめっちゃ儲かったし技術も進んだわ」

      17
      • nachteule
      • 2024年 7月 19日

       戦争が終わった後にウクライナを生かさず殺さず出来るなら、血を流さずに投資した分の資金は豊富な資源とか復興で入る外国企業で巡り巡って戻って来る事になる。
       西側の最高のシナリオなら血を流さずに戦訓を得て兵器のアピールができフィードバックもある。ロシアの戦力を減らしてお金まで戻って来る状態やな。

      2
        • 熟慮
        • 2024年 7月 19日

        豊富な資源のある東部は殆ど取られてしまったので、資源による資金回収の見込みは少ないのでは。兵器のアピールという意味でも、高付加価値という西側兵器の長所が費用対効果の面で見た時に短所であることが露呈してしまい、軍事産業の宣伝という面でも失策に見えます。

        西側の思惑としては、戦訓獲得とロシアの国力低減に金を払ったというのが正確な気がします。まあ西側にとって金の価値なんて屁でもないので、軍事兵器の評判の失墜と、同時発生させられた中東案件によるソフトパワーの減少が西側にとって想定外かつ最大の損失ではないでしょうか。ペトロダラーをはじめとする金の小槌が壊れたようなものですから。

        13
    • ななし
    • 2024年 7月 19日

    >ノヴォセリフカ・ペルシャより西にある高台には「工兵部隊が建設した第2線」
    もしくは「民間の請負業者が建設した第3線」があると言われている。

    ボブチャ川という天然の防衛戦もある
    ちょうど昨年の今頃、ウクライナはスロヴィキンラインに突撃して
    壊滅的な損害を被ったが、はたしてロシアはゼレンスキーラインを
    突破できるか

    抜かれるとその先のポクロフスクまで電車道になるかも
    というかプロレス抜かれるとゼレンスキーラインの後背地に
    回り込まれるのでは?

    13
    • カリアゲ
    • 2024年 7月 19日

    ポクロウシク方面もRYBAR通りならば、ロシア軍の細かく突出部を創り、その突出部両翼を繋げる様に戦線整理してまた突進。定石通りの侵攻が続いている様ですね。
    ロシア軍の侵攻スピードが明らかに上がりましたので、プロレス、ノヴォセリフカ・ペルシャ市街戦も早く決着しそうな感じでしょうか。プロレス〜メジョフ〜ネタラブの運河沿いラインが厳しい戦況ですね。
    ウクライナ軍としては陣地構築されている様ですので、チャシブヤール方面同様に運河沿いまで遅滞戦術・後退の上、陣地戦の構えですかね。どのラインで侵攻を停めれるか、もしくはこのラインが噂されたゼレンスキーラインなのかも含め、状況を観ていきたいと思います。

    17
      • 事実
      • 2024年 7月 19日

      こっちは運河ではなく川
      Vovcha川

      細かいと思うかもしれんが、基本的に運河(と言うか用水)は高台を通すけど、川は谷底を走る
      地形的に全く異なるのよ

      17
      • baka
      • 2024年 7月 19日

      茶渋でロシア軍を攻撃してる様子が見えてるらしく
      思ったよりも侵食されてるかもしれません

      6
    • gepard
    • 2024年 7月 19日

    RUSIのレポートをAIに読ませ、要約させたが特に以下の点が重要だったと感じた。

    楽観的な前提: ウクライナの計画は、過去の成功(例:2022年のハルキウ周辺の攻撃)に基づいており、敵の士気が崩壊することを期待していた。しかし、実際にはロシア軍は強固な防御を維持し、士気も高かった。

    『精密攻撃の限界』
    敵の対抗策: ロシアの電子戦がウクライナの精密攻撃の精度を低下させ、攻撃効果を減少させた。
    期待された戦果の不達成: ロシアの兵站とC2の防御が強化され、攻撃計画の調整不足が影響し、重要な目標を効果的に攻撃できなかった。黒海艦隊に対する打撃には成功したが、地上作戦との連携が不十分で、全体的な戦闘への影響は限定的だった。
    兵器の運用制限: 発射可能なミサイル数(Storm Shadowなど)に限界があり、攻撃のタイミングを逃すことが多かった。
    戦術の柔軟性の欠如: 固定的な計画が戦況の変化に対応できず、敵の反撃に対する適切な対策が不足した。
    情報共有の不足: 部隊間の情報共有が不十分で、攻撃の効果を最大化できなかった。
    持続的な攻撃能力の必要性: 攻撃力を再生するための時間がかかり、持続的な攻撃が難しかった

    ウクライナの攻撃作戦から得られた教訓は、NATOの軍事力再生や将来の作戦計画において重要であり、特に地上と空中の連携が成功の鍵となると締めくくっている。

    10
    • 本質
    • 2024年 7月 19日

    昨年夏の反転攻勢については
    もはや英国すら失敗と断言してるのね

    てか、結果からいいますと
    ザルジニもA級戦犯だと思うのですが
    出世する人は、ボヤっとした社内好感度と
    人事異動でうまく逃げるのは万国共通ですね

    20
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