DEEP STATEは「ロシア軍がニューヨーク方面、ポクロウシク方面、クラホヴェ方面で前進した」と報告したが、ヴフレダル方面については新たな報告はなく、ここ数日間のロシア軍の前進範囲は以前と比べて緩やかになっている。
参考:Мапу оновлено!
参考:Покровско-Кураховское направление: рывок к Горняку и бои на подступах к Мирнограду обстановка по состоянию на 16:00 27 сентября 2024 года
ここ数日間のロシア軍の前進範囲は以前と比べて緩やか、ヴフレダル方面についても新たな報告はない
DEEP STATEはニューヨーク方面について「ロシア軍がネリピフカ集落内に侵入した」「ロシア軍がニューヨーク北郊外に前進した」「ロシア軍がニューヨーク西郊外に前進した」と報告、ウクライナ側の評価でもロシア軍がニューヨーク市内の大半を支配し、ザリズナ川を越えてネリピフカ集落内に侵入した。
今のところネリピフカ集落内の状況は不明だが急速なロシア軍の前進は見られず、トレツク市内の状況にも変化は見られない。
DEEP STATEはポクロウシク方面について「ロシア軍がムイコラフカ、クラスヌイ・ヤル、クルティ・ヤル一帯で前進した」「ロシア軍がノヴォホロディフカ北郊外の住宅地を占領した」「ロシア軍がマリ二フカ周辺で支配地域を広げた」と、RYBARも「ロシア軍がムイコラフカ、クラスヌイ・ヤル、クルティ・ヤル一帯で前進した」と報告。
ムイコラフカ、クラスヌイ・ヤル、クルティ・ヤル一帯について両者の評価には差があるものの、ロシア軍はディミトロフ方向にゆっくりと前進を続けており、さらにDEEP STATEはノヴォホロディフカ北郊外に残っていた最後のグレーゾーンについても「ロシア軍が占領した=敵が市内全域を支配地域した」と認め、マリ二フカ周辺でもロシア軍が前進して前線の凸凹が平らになってきた。
DEEP STATEはクラホヴェ方面について「ロシア軍がツクリネ方向に前進した」「ウクライナ軍がヒルニク郊外の学校に設置されたロシア国旗を撤去した」と、RYBARも「ロシア軍がセリダブ南の線路沿いで支配地域を広げた」「ロシア軍がヒルニク郊外の学校まで前進した」と報告。
セリダブとヒルニクの間に打ち込まれた楔=ツクリネ近郊の線路沿いに伸びた突出部について両者の評価には差があるものの、ロシア軍はゆっくりと突出部を拡大させており、ここを潰せないとウクライナ軍が守るセリダブ、ヒルニク、クラホヴェの背後に回り込まれる可能性がある。
さらにRYBARが言及した「ヒルニク郊外へのロシア軍前進」は前回記事で紹介した視覚的証拠に基づいているものの、DEEP STATEは既に国旗を撤去したと報告しているため、ドローンによる設置=支配的でない地域に国旗を設置して「ロシア軍優勢」を印象づけるプロパガンダである可能性が高く、現段階でロシア軍の支配地域がヒルニク郊外まで到達したという評価は早計かもしれない。
ここ数日間、DEEP STATEやRYBARが報告するロシア軍の前進範囲は以前と比べて緩やかになっており、ヴフレダル方面についても新たな報告はないが、この傾向が今後も継続するのかは不明だ。
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※アイキャッチ画像の出典:47 окрема механізована бригада
ロシア軍の進軍が遅くなったのは、部隊の追加投入のおかげらしい。
準備中の14旅団のうち、4旅団の装備も整っていないとかいう話だが、装備が整っている3旅団の一部か全部を投入したのかな。
NHK ウクライナ東部 部隊追加投入でロシア軍の進軍遅くなったか
2024年9月25日 19時13分
km単位の前進でも“穏やか”になったというのが、本当にヤバい状況なのだと分かる。
実際、最近は一日に3kmや5km進むことも珍しくなかったから、1.0kmや一番多いところで2.3kmというのは穏やかになったと言えるのだが、7月以前なら各前線で数百mの前進があれば「戦況マップを更新するだけの前進」だったし、アウディーイウカで戦っていた頃に比べると数値が1桁変わってしまった。
集落を落としていた段階から、ヒルニク、ゼリダブなど小都市を陥落させる段階へ。さすがにウクライナ軍も頑張りどころなわけで簡単には進まない。ロシア軍も包囲と補給切断で兵糧攻め(弾薬減少)を優先している感じだし、時間は多少かかるでしょう。
ロシア軍にしてみるとウクライナ軍の追加投入は期待していた相手方の動きでしょう。
ポクロウシクを強襲しなかったのもウクライナ軍の予備戦力を引きずり出すためだと思われます。
実際、これ以上猛烈な勢いで制圧地域を広げられると全体の士気に関わるでしょうからこうせざるを得ない。
ロシアがポクロウシクを直接攻略するのは例え泥濘期に突入していても米国大統領選の方がいいわけです。プーチンにとってより明確な敵なのは民主党と共和党では明らかに民主党ですから、選挙戦中に大型拠点が取られるという話題はハリスのというかバイデン政権のポイントにはなりません。どちらかというとトランプに有利に働くでしょうが、別にハリスが勝っても構わないわけです。仮にハリスが勝ったとしてもこれはダメージとして残りますから、バイデンやハリスや民主党側が怒って無理矢理に支援を増やしても、無理をかけているだけですから結局続きません。なんならロシアが解析したい新兵器を無駄に投入する可能性もあります。
東部戦線については現状ではロシア軍がほぼ完璧にコントロールしていると考えても間違いないと思います。
またウクライナ側が無理に主導権を取り返そうとしても「準備がまだ万全でない新編成の部隊を繰り出すしかない」ので結局取り返す事は出来ません。
ゼレンスキーというかウクライナ側はとにかく退くのが嫌なので非常にコントロールしやすいと見なされていると思います。
政治的には、ロシアは米大統領選の結果を見たいと
思ってるでしょうね。トランプとハリスだと支援規模が
相当変わるでしょうし、このまま押し続ければ勝てる
としても、やはり自軍の損害は出来るだけ抑えたい
ロシアの夏の大攻勢は成功したと言わざるをえない
流石に息切れしたか、と考えたいところですがロシア軍については未知数な部分が多いですし、予測が外れやすいので様子見ですかね。ウクライナ軍が固まってきたのでまた砲撃とドローンの過剰なまでの攻撃で更地にしてから比較的安全に進むつもりなのかもしれません。
話は変わりますが、自民党総裁選は石破議員に決定しましたね。一時は高市議員有利か、みたいなムードでしたが様々な要因が重なり、五回目の立候補で初の総裁=総理の座を手に入れた訳ですが、今後の国際情勢にどう対応していくのか?「アジア版NATO」なる言葉も発言として飛び出てきたり、国防関連でも変化が生まれるようだと自衛隊の組織づくりもより軍組織的になっていく可能性もあるので、注目していきたいところです。
石破氏は独特な軍事感覚を持っているようなのですが、軍備増強はとにかく進めそうなので現時点では応援しますね。
経済は大チョンボしなければ何とか。
クルスクのおかげで侵攻が遅くなった、みたいな世迷言はメディアすら食えないくらいには信じられてないらしい
もう遅いんじゃないですかね
8月〜9月にかけての進軍速度からするとポクロウシクの命運はあと僅かに思われましたが、戦況マップを見させていただくとディミトロフ・ポクロウシクの攻略は単純に難しいのかもしれませんね。
ただでさえ防衛側に有利な市街戦で、先に建物を壊すにしても規模が大きい。包囲もできていない状態で突出しても徒に損耗が増えていきそうで、ロシア側も無理にポクロウシクを攻めようとはしていないように見えます。
これは当初言われていた「ロシアは兵隊の損耗を気にせず人海戦術で無理矢理攻めてくる」とはずいぶん印象が異なります。
素人的には、自国に有利な戦況が続くと勢いに任せて無茶な攻勢をかけたくなるように思うのですが、ロシアはあんまり「短期的かつ政治的な勝利」を重視していないのでしょうね。
西側のほうが、短期的な戦況に一喜一憂して、行き当たりばったりな対応をしているように感じます。
西側やウクライナがロシアを批判する時、大体は同じことをウクライナがやってるので・・・
これもメディア工作の一環で。
ウクライナ側のマイナス記事が出そうな時は,同じ内容のニュースをロシア側に作っておくんですよ。
大衆の記憶力なんて曖昧ですから、「捕虜虐殺」「賄賂で前線勤務回避」「市民に向けて機関砲を水平射撃」なんて、1月も経たないうちにどっちがどっちだったかなんて忘れてしまうんですね。
そして西側言論空間ではウクライナに有利なニュースのみがバズるので、「捕虜虐殺 ウクライナ」で検索すれば、ズラッとロシアの捕虜虐殺のニュースが並ぶことになります。
こういうメディア戦略にかけてはゼレンスキー政権は本当に上手い。
彼らは軍事は素人ですが、メディア対策にかけては世界の政府機関でトップクラスの能力があります。
メディア王を擁するアメリカと中東問題を生んだイギリスがタッグを組んで
プロパガンダから他国への破壊工作まで何でもこなすウクライナを支援してますからね。
まさにドリームチームと言って過言ではないでしょう。
侵攻初期の段階で、軍事専門家の方々が「ウクライナはすでに情報戦で勝利した」と断言するほどうまく立ち回っていましたね。実際、キーウにミサイルが降り注ぐ中でゼレンスキー大統領が「我々はここにいる」とやってたときは専門家の方々も含め西側諸国は本気で熱狂していました。
ゼレンスキー大統領は若く、ビジュアルも良く、元俳優ということもあってよりハマったんだと思いますが、個人的にはどうあってもロシアはメディア戦には勝てなかったんじゃないかなと思っています。
何せ、侵攻時のプーチン大統領演説の全訳を載せただけで朝日新聞を叩いてる「専門家」がいましたし、早期停戦を唱えていた橋下さんや鈴木宗男議員は頭のおかしな人扱いでしたし。
どちらかというとロシアを徹底的に叩くことが既定路線で、ゼレンスキー大統領はその中でうまく立ち回ったという印象ですね。想像ですが、西側のPR会社に加えて複数の情報機関が連携していたんじゃないかと思います。
>「ウクライナはすでに情報戦で勝利した」
情報戦の内容が軍事なのか、世論操作なのか、区別していない印象だったな。軍事ではスターリンクとか新しいの出てたし。オープンソースとか大ブレイクしたし。
西側メディアが支配する西側の言論空間で、西側が勝利するのは、ある意味当然。ただし、数ヶ月後の国連でグローバルサウスがロシア制裁に消極的ことがバレて、「ロシアは世界から孤立しています」どころか、西側が少数派であることがバレたけど。 国連は意味があると思った。
結局、西側市民だけが世論操作させれまくりの素晴らしい言論の自由・民主主義国だと判った。
>「ウクライナはすでに情報戦で勝利した」
ベトナム反戦運動の反省から世論操作に力を入れて、ユーゴ内戦では「民族浄化」と言うバズワードを生み出してた。第1次、第2次湾岸戦争でも嘘が多かったことが晩年判っている。役者使ったり。
戦争中のリアルタイム情報は、西側メディアも意図的にかなり嘘が多いのは、ベトナム以降の傾向なのかな?
嘘の最たるものがナイラ証言ですね。
現在はこのあたりの嘘がバレて問題になり、PR会社も悪い意味で有名になったので、あからさまな形ではできなくなっていると思います。
今回も嘘というより、明確には言わずに相手(大衆)に都合のいい印象を植え付ける、といった手法をとっているように思いました。
「戦争広告代理人」名著ですよね。
あれは何となくで感じる西側のユーゴ以降の戦争メディア戦略を正に露わにしていました。中東の春時期に流行った本ですが、今(今更ですが)改めて書店に並んでほしいですね。
失敬、『戦争広告代理店』(高木 徹)でした
「冷戦後の世界で起きるさまざまな問題や紛争では、当事者がどのような人たちで、悪いのがどちらなのか、よくわからないことが多い。誘導の仕方次第で、国際世論はどちらの側にも傾く可能性がある。」ですね。kindleでポチりました。ありがとうございます。
今年2月のロシア大統領選で再選して国内の経済状況も安定しているので目先の政治的な結果が不要なんだと思います
西側はもう自転車操業の様相に見えます、落とし所が見つからないが損切りして終わらせることも出来ない、継続するためにはロシアに大損害を与えた、と小さな戦果を必死に取り繕ってもどこも与党は軒並み支持率が下がっています
我が国も自民党が崩壊寸前になっていて、党内野党みたいな石破さんが総裁になり、かといって他に任せられる政党がないという末期状態ですね。
これが民主主義の行き着く先かと思うと悲しいですが、あと20年くらいして世代交代が進んだら、政治は人工知能に任せる世界がやってくるかもしれません。
それに期待しましょう。
結局その人工知能調整する奴が信頼できるのかって問題になるので、変わらんと思います
△ 進撃が鈍った
◯ ローテ・休息タイム
多分これじゃない?
ポクロウシク方面はデミトロフ~セリダブ線が安定したおかげでかもしれませんね
他の地域も市街地帯にぶち当たって迂回して機動できるスペースがないのかも
トレツクは市街地への浸透を優先、ヴフレダルは包囲環を閉じたいから動きがないのかもしれません
さすがに息切れが見えますね
泥濘超えて凍結するまではお休み期間になりそうです
そういや、バフムトもアウディーイウカも泥濘期中の10月ぐらいから本格的な攻勢・突入が始まり、翌年に陥落してましたね。
関係ないけど、クルスク方面はどうなっているのだろうか。あまり情報が入ってこない気がするが。
クルスク方面では、ウクライナ軍が形成した第一の突出部でも第二の突出部でも、「勝利計画」と併せてNATOにアピールできるような戦果は、もうありません。
コレネボの攻略は事実上断念に等しい。
国境からスナゴスト経由でコレネボに至る主要道路は、一時ウクライナ軍が占領し開通させたけど、その後ロシア軍が奪還。
第一の突出部は西側からロシア軍に押し返され、特にリュビモフカ付近とスベルドィリコボ付近で激戦中。
第二の突出部は、ベセロエ付近で膠着。
という状況です。
ウクライナ軍は奇襲のメリットである勢いを完全に失ってますね……。単純な力比べでは物量からして圧倒的にロシア軍が有利だと思うので……。
ヒルニク~ドネツク市は、距離が近いんですよね。
ロシア軍の補給線が、(道路走行距離で見て)特に伸びたという訳もないですから、補給切れは期待できないでしょう。
ウクライナ軍の予備部隊の投入ですが、クルスク侵攻+ポクロウシク防衛(追加派遣)、これによりどのくらい残っているのかは気になりますね。
そろそろ泥濘の季節でしたっけ?