ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは5日夜「ロシア軍がトレツク方面、ポクロウシク・ディミトロフ方面東方向、ポクロウシク・クラホヴェ方面で前進した」と報告、トレツク市内中心部のジェルジンスキー鉱山施設は包囲される寸前で、市内の大半もグレーゾーンに包まれている。
DEEP STATEとRYBARは「ウクライナ軍がジェルジンスキー鉱山に隣接するテリコン50mを失った」という評価で一致
DEEP STATEはトレツク方面について「ロシア軍がジェルジンスキー鉱山北の住宅地区に支配地域を広げた」「ロシア軍がジェルジンスキー鉱山に隣接するテリコン50mを占領した」「グレーゾーンがトレツク北西市内の住宅地区まで伸びた」「グレーゾーンがトレツク北東のダクネ集落内まで伸びた」と報告、視覚的にもウクライナ軍がトレツク北西市内の住宅地区=Ⓐでロシア軍を攻撃する様子が登場。
DEEP STATEとRYBARは「ウクライナ軍がジェルジンスキー鉱山に隣接するテリコン50mを失った」という評価で一致、さらにジェルジンスキー鉱山も包囲される寸前(DEEP STATE基準)なので、ウクライナ軍がトレツク市内中心部を失うのも時間の問題だろう。
もうトレツク市内の大半はグレーゾーンに移行し、トレツカヤ鉱山と隣接するテリコンが最後の抵抗拠点になると思われ、2014年からロシア軍の前進を阻止してきたトレツク・ニューヨーク一帯の命運は尽きる寸前だ。
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面東方向について「ロシア軍がバラ二フカ方向に支配地域を広げた」「ロシア軍がノヴォオレクサンドリヴカをほぼ占領した」「ロシア軍がゼレーネ集落内で支配地域を広げた」「グレーゾーンがエリザべティフカ集落内まで伸びた」と報告、視覚的にもエリザべティフカ集落内=Ⓐに侵入したロシア軍がウクライナ軍の待伏せ攻撃を受ける様子が登場。
ディミトロフの東に生じた防衛ラインの裂け目は徐々に大きくなっており、エリザべティフカに侵入したロシア軍が最終的に撃退されたのか、それともウクライナ軍を排除して集落に定着したのかは不明だが、ロシア軍はポクロウシクとコンスタンチノフカを結ぶT-0504遮断のため一定量の戦力を投入しており、この裂け目が致命的なものになるかどうかでポクロウシクの防衛状況も変わってくるだろう。
DEEP STATEはポクロウシク・クラホヴェ方面について「ヴォフコヴェからT-0409方向に前進した」「ロシア軍がペトロパヴリフカ集落内に侵入した」と報告、視覚的にもロシア軍兵士がペトロパヴリフカ集落内=Ⓐで第114親衛自動車化狙撃旅団旗を掲げる様子が登場した。
関連記事:ウクライナ軍がクルスク方面で攻勢、ロシア軍は南からスジャに迫る
関連記事:クラホヴェ陥落、ロシア軍兵士が西郊外の機械工場で国旗を掲げる
関連記事:侵攻1047日目、クラホヴェ市内最後の抵抗拠点にロシア軍が侵入
関連記事:ロシア軍が東部戦線で前進、領土面の譲歩不可と回答する割合が51%に低下
関連記事:ポクロウシク方面の防衛ラインに新たな裂け目、クラホヴェ崩壊も始まる
関連記事:クラホヴェを巡る戦い、火力発電所を含む複数地点でロシア国旗が登場
関連記事:クラホヴェが陥落した可能性、ロシア軍兵士が西郊外で国旗を掲げる
関連記事:クラホヴェの状況は悪化の一途、ロシア軍はポクロウシクの東で前進を再開か
関連記事:侵攻1040日目、ロシア軍はクラホヴェ制圧のため火力発電所に接近
関連記事:クラホヴェを巡る戦いも最終局面、ロシア軍が火力発電所に侵入
関連記事:ヴェリカノボシルカを巡る戦い、ロシア軍が全補給ルートの遮断に近づく
関連記事:侵攻1036日目、ロシア軍兵士がクラホヴェ市中心部の各所で国旗を掲げる
関連記事:ロシア軍の前進が続く東部戦線、特にヴェリカノボシルカが危機的
関連記事:政府支援を受けられないウクライナ人避難民、ロシア軍占領下に戻り始める
関連記事:ゼレンスキー大統領、脱走兵が来年1月1日までに復帰すれば責任を問わない
※アイキャッチ画像の出典:114 Бригада
貴重な予備兵力はクルスクで再度の攻勢中なので、この方面に戻ってくることはなさそうですね。
T-0504を遮断しようとするロシア突出部を本来であれば潰すべきなのにそれをできる部隊はクルスクに根こそぎ遠征中。
もうウクライナはポクロウシク防衛は市内での籠城戦しかないと腹をくくったのでしょうか。
比較的、防衛戦力が充実していたトレツクもいよいよ押し切られたみたいですね
50mテリコンは去年から全域がグレーゾーンになっており陥落は遅かれ早かれでしたが陥落が確定した以上、鉱山も長くは持たないでしょう
ポクロウシクは明らかにT-0504とT-0409を遮断し東西南からの半包囲を狙ってるのが興味深いですね
戦力優勢が明らかな状態でも大都市攻撃はまず包囲してからという定石に則っています
それにしてもトレツクが落ちれば次はコンスタンチノフカが危機に晒されチャシブヤールは要害地形である以外の戦略価値を失うのにクルスクの方を高く見ているウクライナ上層部はどこまで事態を把握してるのでしょうね
>ポクロウシクは明らかにT-0504とT-0409を遮断し東西南からの半包囲を狙ってる
ロシア軍は損失が大きい直接占領より、炭鉱制圧,西進してドニプロペトロウシク州に
に侵攻した方が、国際政治インパクトが大きいでしょうね
こんな辺境の地に固執する意味がない。いくらでもくれてやれ
これより価値のない辺境の過疎地に最後の主力部隊を注ぎ込んでるウクライナのことを馬鹿にしてるのかな?
キエフ以外は全部辺境の地だと思ってるんですか?
ここまで極端ではないでしょうが、少なくとも東部二州については諦めて縦深にしているのではと思います。西部中部住民も東部は低い価値で見ているようですし切り捨てても支持は残るでしょう。政策でも市民レベルでも東部住民へのあたりが強いですからね。戦場でもクルスクの価値は東部より高いと考えている事が明らかですし。
そのうえで気になるのはデッドラインを何処に置いているかですね。
資源に恵まれて重工業が盛ん(だった)東部と、あまり大きな産業がない西部は元々仲悪いです。
価値が低いとかは感情的なものでしょう。実際は失うとかなり痛い。
経済的には仰る通りです。価値と表現しましたが気持ちの事ですね。
ついでの話ですが、EUに近づくにつれて3次職業を優遇し西はそちらで発展しようという向きがあります。従来のウクライナ産業形態を脱却する動きです。上手く行ってるかはあやふやですが(戦時経緯で発展した分野も厳しくなった分野もあるようですから)
ポクロウシク一帯には炭鉱とリチウム鉱脈があるんですがそれは(困惑)
日本の東京本社(メーカー)をイメージすれば、重要性が分かりやすいかなと。
地方の生産工場が消滅すれば、東京本社は少なくても縮小、最悪は消滅してしまうんですよね…。
キエフも、こんな感じでドンドン痩せ細ることになります。
無能です。
今回の失態の責任は誰がとるのでしょうか。おそらくゼレンスキーは夜逃げするでしょうが。
普通に退陣か亡命してくれた方が良いんだよなあ
当面は今までどうり無選挙で居座るんでしょ
歴史は繰り返しますね
トレツクが落ちればロシア軍が攻略できずに苦心してたチャシブヤールの状況も変わるかもしれんなあ。
チャシブヤールは暮れに耐火物工場奪還したと思ったら、町の北半分取られてるし、奪還した工場もそのまま包囲されそうなんですが…
それでも、他の町に比べればチャシブヤールは良く保っている。非常に守りやすい地形というのもあるが、コンスタンティノフカから近いので兵站が切られる心配がない。
問題は他のコメでもあったように、トレツクが陥落し、ポクロウシクとコンスタンティノフカを繋ぐ道路が遮断されたら、孤立していく状態にあること。
以前と違って、遮蔽物がなくなるまで身を潜めたりゲリラ戦法をとることはなく、どんどん撤退していくので、
砲撃の範囲に入るか、歩兵が突入してくるようになった時点で落ちたも同然になってきてますね。
ポクロウシクはt409とt504を切断してから本格的に殺りに来るんだろうね。
t504はインターが目標だと思う。
トレツクは完全にオワコン
クルスクであほなことやってるから……
もうポクロフスク自体も同市からトレツクやチャシブヤールへの補給線も普通に砲撃圏内でしょ
今はロシア側もクリスマス休暇だから、防御・撃退はしても前進する気はあまり無いっしょ
前線のロシア軍兵士にはローテーション帰りに地下サウナとウォッカが支給されてるかも
ウクライナ兵士にはゼレンスキー政権が西側クリスマスに変えたので何も無い
政教分離にも踏み込み、ウクライナ正教の分派立ち上げ、旧ウクライナ正教弾圧し、クリスマス祝日まで変えて、そこまでして西側に尻尾振りまくったんだけどね〜
で、何これ?ですよね〜
ウクライナが精鋭予備部隊を温存していれば、ロシア軍が前進して弱ったところを、もぐら叩きだったのかもしれませんが…。
南ドネツクでは、精鋭部隊も最前線ですり減らされて、補充訓練のサイクルが回っていないようですし。
クルスク侵攻・占領に戦略予備も使ってしまいましたから、どうしようもないですね。
非線形会戦下では戦闘正面に対する展開する部隊の規模が極度に限定されますから、クルスクに投入した部隊がドネツクにいたとして状況が変わっていたかはまた別です
古い伝統的な非線形会戦ならば、ある程度部隊規模が集中するため、むしろモグラたたきになるかなと。
偵察能力の昇華により、非線形会戦の考え方が進化しており、静止・集中の時間を減らすというのは興味深い考察だなと見ていました。
現状のドネツク方面に当てはめると、精鋭の予備部隊がある程度存在することが、極めて重要ということと思います。
部隊の集中運用をしすぎないため(充足率なども)欺瞞しやすく、攻撃側も迂闊に踏み込みにくくなるからです。
>ウクライナにおけるロシアの戦争のやり方:90年にわたる軍事的アプローチ THE RUSSIAN WAY OF WAR IN UKRAINE: A MILITARY APPROACH NINE DECADES IN THE MAKING
>ソ連は、非線形会戦(nonlinear battle)とは、別々の「戦術的に独立した」大隊や連隊・旅団が遭遇会戦(meeting battles)を闘い、障害物や長距離火力、テンポの手段によって側面を確保するものだと考えている
(2024年4月11日 ウクライナにおけるロシアの戦争のやり方:90年にわたる軍事的アプローチ (Modern War Institute) Milterm軍事情報ウォッチ)
おっしゃる通り戦闘正面は限定されますが、大事なことは部隊補充やローテなどの兵士の士気と能力を回復する選択肢が増えることでして…
前線が訴えていることはこれなので、クルスク侵攻が前線兵士に非常に不評なのです。