ウクライナ戦況

ロシア軍がウスペニフカを占領、一部のウクライナ軍部隊が包囲される

ザポリージャ州フリアイポレ方面は前進頻度、前進距離、具体的な成功、視覚的証拠による裏付け、DEEP STATEとRYBARの評価が概ね一致するという点で他方面とは一線を画しており、フリアイポレの東側面を守るウスペニフカがほぼ陥落し、一部のウクライナ軍部隊がロシア軍に包囲されたらしい。

参考:Мапу оновлено
参考:Сили Оборони України зачистили Солодке та Рівнопілля — начальник управління Штурмових підрозділів Манько
参考:Освобождение Успеновки
参考:Волчье наше

南ドネツクやザポリージャ州東部でこのパターンが繰り返されるのは「東からの攻撃に有利だったヴフレダル喪失」が原因だ

ザポリージャ州フリアイポレ方面はリマン方面、コンスタンチノフカ方面、ポクロウシク方面が動き出したため「唯一の例外」ではなくなったものの、それでも前進頻度、前進距離、具体的な成功、視覚的証拠による裏付け、DEEP STATEとRYBARの評価が概ね一致するという点で他方面とは一線を画しており、フリアイポレの東側面を守るウスペニフカがほぼ陥落した。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

DEEP STATEは11月1日~8日までに「ロシア軍がウスペニフカをほぼ占領した」「ロシア軍がパヴリフカ、パヴリフカ、ノヴォリホリフカを占領した」「ロシア軍がプリヴィリヤ集落に足場を築いた」「ロシア軍がヤンチャー川東岸で前進した」「オレストピル、イェホリフカ、ソロドケ、ノヴェ、ノヴォスペニフスケまでグレーゾーンが広がった」「ロシア軍がノヴォミコライウカを守るウクライナ軍部隊を包囲した」と報告。

RYBARも「ロシア軍がウスペニフカとヴォヴチェ占領した」「リプネとソロドケからロシア軍の成功に関する報告が届いている」「ヴォヴチェでの成功でオレストピルのウクライナ軍を包囲し、実質的に同地域で戦うウクライナ軍をヴォヴチャ川沿いに追い詰めることが可能になる」「ウクライナ軍は反撃を試みているものの同地域の反撃はヴォヴチャ川南岸のオレストピルに依存しており、今後やってくるであろう泥濘期を考慮すると車輌での移動が困難だ」「ウスペニフカを解放したロシア軍は西に前進してフリアイポレ要塞(南からの攻撃を想定した防衛ラインのこと)を迂回している」と報告。

出典:Воин DV

視覚的にもロシア軍兵士がウスペニフカ市内=ⒶⒷⒸⒹⒺで国旗を掲げる様子、ロシア軍兵士がリプネ集落内=ⒻⒼⒽⒾで国旗を掲げる様子が登場し、DEEP STATEはフリアイポレ方面の状況について以下のように述べている。

“南部防衛軍は6日「パヴリフカとウスペニフカを制圧した」と発表したが、なぜ各司令部の発表に6km~8kmの差があるのかは不明だ。我々の情報によれば敵はウスペニフカとパヴリフカを占領し、ノヴォミコライウカを守るウクライナ軍部隊を包囲した。さらにソロドケとリヴノピリヤでは敵の破壊・工作部隊との交戦が発生している。少なくともプリヴィル、ノヴェ、ノヴォスペニフスケには敵が存在している”

“ウスペニフカはヴィシュネヴェ防衛に戦力の50%が引き抜かれたのち状況が悪化した。10月末に第14特殊任務旅団が集落に侵入して通信を確立し、第218戦車連隊と第394自動車化狙撃連隊の歩兵(約70のグループで2個中隊規模)を呼び込んだ。ロシア軍は第394連隊をウスペニフカの陣地に残し、第14旅団と第218連隊の歩兵は近隣の集落に向けて移動している。第102領土防衛旅団の1個大隊がウスペニフカの状況を救おうと試みたが戦力の不均衡で良い結果を得られなかった”

これでフリアイポレの東側面を守る大きな防衛拠点はなくなった格好で、DEEP STATEの報告が事実なら「ウクライナ軍はウスペニフカよりもヴィシュネヴェの防衛を優先した」「ポクロフスケとフリアイポレを結ぶ主要ルート=P-85の物理的な遮断を嫌った」となり、もし東からフリアイポレの側面を破られると強固な南に対する防衛ラインが迂回可能になり、南ドネツクやザポリージャ州東部でこのパターンが繰り返されるのは「東からの攻撃に有利だったヴフレダル喪失」が原因だ。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

これまで南ドネツクやザポリージャ州の防衛ラインは南からの決定的な押し上げを阻止してきたが、フリアイポレを失うとオレホボの東側面が怪しくなり、オレホボを失うとザポリージャ戦線の形自体が根本的に変わってしまうためフリアイポレ方面の戦いは非常に重要な意味を持っており、その重要性はポクロウシク方面と比べても遜色ないものの町や集落の価値が低いため注目が集まらない。

但し、ザポリージャ州全体の状況に言及し始めるのは当分先の話(現在のペースでロシア軍が前進してもザポリージャ近郊に到達するのは1年~2年後)で、そこに言及するようになるかどうかは戦争がどこまで続くかに左右される。

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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

  • コメント (13)

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    • hoge
    • 2025年 11月 09日

    防御に用いる拠点が脆弱すぎるせいで滑空爆弾が猛威を振るいウクライナの兵士を景気よく爆サツしているらしい
    脱走兵と併せて、この方面のウクライナ軍はロシアがザポリージャへ到達するより前に戦闘力を喪失するんじゃね
    撤退するなら話は別だけど

    4
    • 朴秀
    • 2025年 11月 09日

    躍動感のあるいい写真
    何の棒を咥えているんですかね?

    11
      • 匿名希望
      • 2025年 11月 09日

      サムネタイトル「マリリンに逢いたい」(大嘘)
      軍犬なのかな?咥えてるのが手製の手榴弾の柄とかだったら悲しすぎるな。

      1
        •  
        • 2025年 11月 10日

        根っこ見えるし植物のなんかだと思う

        6
      • むむ
      • 2025年 11月 09日

      木じゃね?

      2
    • nk
    • 2025年 11月 09日

    ヴフレダル喪失した時からある程度は予想された展開なんでしょうね、ヴフレダル喪失は仕方無いにせよ東からの攻勢に備える時間はそれなりに合った様に思うけど、防衛ライン構築が間に合わずそもそも兵員も足りていないのでどうにも出来なくなっている感じでしょうか。

    19
      • たむごん
      • 2025年 11月 09日

      前線歩兵が、仰る通り、足りていないんでしょうね。

      防衛ライン構築に、重機・資材が必要になるわけですが、そもそもウクライナが調達できているのかどうか気になる所です。

      11
        • nk
        • 2025年 11月 10日

        重機や資材も足りて無いし、何より人手が全く足りて無いんでしょうね。フリアイポレが万が一陥落となるとドミノ倒しになるでしょうからどう対処して行くのか注目ですかね。

        11
        • 追剥強盗武士の手習い
        • 2025年 11月 10日

        ポクロシウクに拘束されているウクライナ軍を後退させて、ポクロウシク西部で西に向かうロシア軍の後方をたたくことはできんのかねえ。ポクロシウクのロシア軍は、占領後に都市を確実に支配するため、追撃は遅いのではないか。しかし、両軍とも追撃移動は、空からドローンに監視されているから難しいか。

        1
    • ドニプロ川の河童
    • 2025年 11月 09日

    DSの言う通りウスペニフカの防衛につけてから戦力を他所に引き抜いたりしてるなら、ウクライナの司令部は相当迷走していますね。戦力を分割しておきながら、結局各個撃破されてどちらも守れなそうなところが典型的な下策に見えます。

    16
    • むむ
    • 2025年 11月 09日

    ポクロフスクが陥落寸前の今 ウクライナはザポリージャ州を防衛する余裕あるんかな? 
    なんかポーランドは国民に軍事訓練をするみたいだけど なぜ今更焦ってるんだ?

    14
    • 匿名
    • 2025年 11月 09日

    でも日本ではすっかりウクライナが戦争に勝った『雰囲気』だから大丈夫だよ(棒)

    21
    • たむごん
    • 2025年 11月 09日

    犬猫は、本当に癒しですよね。

    空爆が、P-85沿いの街(ポクロフスケ・アンドリイフカ=ヴィドラドネ・ドブロピリアなど)にあったというのが、OSINTで指摘されているなと。
    航空機が、ウクライナ戦争あまり注目されなくなりましたが…

    後方の補給拠点を、日々コツコツ地道に叩き続けているのは、なかなか被害がありそうですがどうなんでしょうね。

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