ロシア軍は6月に自爆型無人機のGeran2とGarpiya-A1、弾頭を搭載していない囮のGerberaを計5,337機も発射し、Kyiv Independentも「ロシア軍のディープストライクは5月と6月に劇的に激化し、大規模な攻撃はより頻度が高くなり、より致命的になった」と報じた。
参考:Smashing previous monthly record, Russia launches 5,337 kamikaze drones against Ukraine during June
ロシアは支援の見返りとして北朝鮮領内でGarpiyaやGeranの生産立ち上げに合意しているため、日本も自爆型無人機の脅威と無縁ではない
ロシア軍はウクライナに対するディープストライクにイラン製無人機=Shahed-136を導入、弾道ミサイルや巡航ミサイルと比較すると「破壊力」や「速達性」で劣るものの「調達コスト」や「量産性」が圧倒的に優れており、他の攻撃手段と組み合わせた複合攻撃はウクライナ軍の防空能力を飽和させるのに有効で、ロシア人ジャーナルリストのアンドレーエヴィチ氏は「正直に言えばShahed-136の供給がなければロシアはもっと困難な状況に直面していただろう」と述べ、Economistも以下のように指摘している。

出典:Повітряні Сили ЗС України
“今から1年前、ウクライナを攻撃する自爆型無人機が一晩で数十機にもなれば「異常なこと」と認識されていたが、現在では数百機の自爆型無人機がウクライナ軍の防空能力を飽和させている。ロシア軍は24日夜から25日朝にかけて298機もの自爆型無人機を発射し、これは無人機を使用した1度の攻撃規模として過去最大だ。ロシアのShahed生産能力は月300機程度だったが、現在では同じ数を3日以内に出荷することができ、ウクライナの諜報機関は「1日の生産量を500機まで増やす計画を示唆する文書を持っている」「ロシアは1,000機の自爆型無人機を1度の攻撃に投入してくるかもしれない」と懸念している”
ウクライナ国防省情報総局も6月に発表した声明の中で「Shahed-136のロシア軍バージョン=Geran2と中国製エンジンや部品で構成されたShahedの代替品=Garpiya-A1を計6,000機以上、Shahedを模した安価な囮無人機=Gerberaも6,000機以上保有しており、ロシアは1日でGeran2とGarpiya-A1を計170機生産している。この生産数を2025年末までに190機に増やす予定だ」と明かしため、Economistの指摘が事実だったと裏付けており、ロシア軍が6月に発射した一方通行型無人機の数の過去最高を記録した。
ロシア軍は6月に自爆型無人機のGeran2とGarpiya-A1、弾頭を搭載していない囮のGerberaを計5,337機も発射し、Kyiv Independentも「ロシア軍のディープストライクは5月と6月に劇的に激化し、大規模な攻撃はより頻度が高くなり、より致命的になった」「現在のロシアは2024年夏の1ヶ月間に発射した数と同じだけの無人機を1日で発射できる」「ロシアは2022年以降に約2万8,000機のShahed型無人機を発射し、そのうちの約10%を6月に発射した」と報じている。
因みにイランも12日間の戦争に1,000機以上のShahed-136を投入したが、イスラエルの防空シールドを突破して損害を与えたのは1回だけで、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは「どうしてウクライナで結果を残したShahed-136がイスラエルに対して無力なのか、それはイランはロシアから貴重な経験を学ぶ機会があったに独自の道を選択肢したためで、その結果がどうなったかは最近の攻撃を見れば一目瞭然だ」と述べており、アンチスプーフィング対策すら施されていないオリジナルのShahed-136とGeran2は別ものだと強調している。

出典:Telegram経由
ウクライナ国防省情報総局のブダノフ中将もWar Zoneの取材に「ロシアは支援の見返りとして北朝鮮領内でのGarpiyaやGeranの生産立ち上げに合意した」「これは東アジアにおける北朝鮮と韓国の軍事バランスに確実な変化をもたらすだろう」「まだ生産合意に同意しただけなので北朝鮮領内で何機の無人機が製造されるかは分からないが、ロシアは北朝鮮が提供する兵士や武器の代わりに無人機や弾道ミサイルに関する技術を提供している」「これは東アジアの軍事バランスに確実な変化をもたらす」と述べており、日本も自爆型無人機の脅威と無縁ではない。
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※アイキャッチ画像の出典:ДСНС України
発射数はともかく被害はどうなんでしょうか?
残念ながら撃墜率は確実に下がっています。以前は90%を越えていたのですが、現在は80〜90%程度ですね。
自爆ドローンの弾頭も改良により90キロ程度に増加しているため、着弾数が増えるほど被害も大きくなっています
西側からの制裁を強化されるのが嫌だったんだろうけど、ロシアへは初期型シャヘドのライセンス供与と生産協力だけにとどまったのがイランには裏目に出たね
もっともロシアから最新トレンドを輸入してたとしても、平時の生産力しか持ってないイランがどこまで戦力化できたかは疑問なきがするけど
飽和攻撃の有効性が再認識されたけどロシアの自爆型無人機の生産数凄いことになってきてしまっている様子ですね、北への技術供与ということで朝鮮半島で動乱が起きれば複合的な火力でソウルや前線の軍事拠点が壊滅的な被害が予想されそうですがソウルは位置がなかなか前線に近いのでどう防衛していくのか悩ましい所ですし、日本が万が一中国と戦火交えるとなるとロシアとは桁が違う数で飽和攻撃してくることが予測されるけど正直現状手立てが無い様に思える。
北朝鮮からある日突然 数百機のシャヘド型ドローンと
特殊部隊を乗せた数十機のAn-2が深夜に韓国各地を襲撃とかありえそうな
北が撃ってきたら、こんなときこそF-15SJの出番だ。高価な長距離AAMがつめなくても無問題。大ペイロードのイーグルにAPKWSレーザー誘導ロケット弾をしこたま積んで迎撃するのだ。長距離自爆ドローンや劣化版巡航ミサイルならこの程度で十分
知らないので教えてほしいのですが、f15sjにAPKWSってインテグレーションされているのでしょうか?
ストライクイーグルに搭載できてるので技術的には可能でしょう。流石に無改造でポン付けは無理だとは思いますが
F-15Eまでは登載されてますね。
F-15C相当のF-15SJへの統合にはお金出してやってもらわないといけないと思われ。
先日の空襲では迎撃に出たF-16が墜落し、パイロットも戦死したとか…AAMを撃ち切って機銃での撃墜をしていた所破片を吸い込んでしまったとの事です
ロシアはイランに供与してやってくれ、ウクライナに打ち込むよりは人道的だ
量産効果、経験曲線を恐ろしく感じますね。
上記理由で、さらに増えてくる可能性が高いでしょうね。
物理的な効果は知れてると思うけどね。
イランのウラン濃縮施設攻撃の件でもう分かったと思うが爆撃は
十分な威力があるかという点が問題になる。
単に到達すれば勝ちというルールではない…シャヘドは破壊力という点で
劣るし、数でカバーするには高価過ぎる。
弾頭100kgのSDBが4万ドルでロシアに販売されたシャヘドが弾頭40kgで17万ドル
だった。アメリカで作る兵器は物価故に同価値のものより高いという点を考えても
シャヘドはそんなに効率のいい兵器じゃない。
そもそもSDBがリアルタイムに上空から地上を補足し正確に投下される前提で
この小規模な弾頭重量を受け入れたのに比べシャヘドは非力で不正確に過ぎる。
防空に対するハラスメント以上の意味はないから無視するのが一番いい。
都市に放り込まれたら敵が民間人を殺したーってプロパガンダに使えばいいよ。
残酷だけど数人の民間人の為に防空ミサイルを消費するのはもったいない。
それでは、仮にあなたの家にシャヘドが落ちても、防空ミサイル温存のためには仕方ないんですね?
あなたの家族が死んでも仕方ないんですね?
今のシャヘド等の弾頭は90キロだそうです。
連日数百機レベルの無人機の攻撃で勿論勝手に墜落するものも多数だろうし、機関砲などで落とせてるものも多数だと思う。それでも1日数百発レベルで対空ミサイルを使ってるはずで、一時期ミサイル枯渇するとか言われてたが、そうなってないあたり西側の生産力の底力とウクライナのソ連時代の遺産+生産力の凄みをみれた気がする。
今後おそらくロシアの無人機はどんどん数が増え続ける可能性が高いと思うが、こんなのいちいち迎撃してたらどう考えても赤字だしミサイルが枯渇してしまう。
幸い無人機の弾頭は100kg未満だし、よほど重要施設に直撃する可能性のあるものだけに貴重なミサイルの使用を制限する時も来ると思う。
市街地に落ちた程度では精々数人から数十人クラスの被害でしかないから、正直許容できる被害かなと。
その分浮いた機動防空部隊の人員を陸戦に回してロシア軍の進撃阻止に振り向けたほうが良いのではないでしょうか。
返信する木を間違えました。。。。
本来はp-traさんのコメントに返信で書きたかった。
ごめんなさい
シャヘドの値段がどんどん上がってる気がする
自分はシャヘド系はせいぜい高くて5万ドル、量産型は2~3万ドルくらいだと踏んでるが、どうしてみんな10万ドル越えだと思うんだろう
複雑な構造には見えないが、どこか取引データでもあるのかな?
ウクライナが公表してないだけで多くの軍需工場と軍事施設と装備と兵士がシャヘドに喰われてますよ
ウクライナが発表するのは民間被害だけです
計画停電・輪番停電しているはずなのに、軍需行動は電気を使ったり・ヒト・モノの動きがあるため、当たりをつけているというのを見かけたのを思い出しました。
将校・兵士の集合など、スポット的なものですら把握して攻撃しているわけですから、軍需工場・軍事施設を把握、仰るように攻撃していると考えるのが妥当でしょうね。
こないだも徴兵事務所がやられてたし、他にも兵舎とか工場を狙ってるのだろう。迎撃しないと軍にダメージが。
貴重なF16を長距離ミサイル、ドローン攻撃の迎撃に回すのは避けた方がいいと思いますね。既に2機も迎撃任務で失われてしまった。JDAM-ERやSDBを抱えて、前線に対する遠距離CAS任務にF16は割り当てた方がいい。結果としてその方がウクライナの防衛には寄与すると思えます。
上のスレで触れられているAPKWSは、各種練習機に登載されているので、そういうのに任せた方が効率的でしょうね。
OA-1K スカイレイダー IIが現役機に数えられているのは一瞬、ビックリしたけど、名機の名前を継いだ新造機だったw。
長距離ドローンの効果について、皆さんも自称専門家(JSFさん等)も破壊力と命中率にしか興味がないようですが、その下で暮らす一般市民について考えてみてください
”毎晩”ドローンがウクライナ全土を長時間飛び回ります
その間は例え囮ドローンであってもサイレンが国中に鳴り響き、スマホにも警告メッセージが送られてきます
場合によっては近くで爆発音が鳴り響きます。
毎晩そんな状態で安眠できるでしょうか?
日中は家族円満でいられるでしょうか?
仕事ははかどるでしょうか?
子供は健全に育つでしょうか? 妊婦は?
将来に希望を持ったり、子供を産み育てようと前向きに考えられるでしょうか?
この攻撃は一人ひとりでみたら大きな損害はないかもしれません。しかし、短期的に見ても例えば労働者一人当たりの生産性が1%でも落ちたら、国全体で数十万人規模の労働力が失われたことになります。
睡眠薬などの薬物やアルコールへの依存者は増えてるとのことです。
社会医学的に言えば大惨事であり、健康寿命と生産性を奪い、確実に将来的な国力が失われていきます。
ただ長距離ドローンとしてはスターリンクかましたウクライナの奴の方が優秀そうなのがなあ。
スターリンクに対する妨害ってそんなに難しいものなんかね?
妨害するためには接近を探知するレーダーと、探知したものを攻撃する電子戦装置があって稼働させていなければならないわけです
つまり妨害のしづらさは技術的なものではなく、システム的なものだと思います
北朝鮮が嫌がらせのように日本にgeran撃ってきたら悪夢だな。どんな政権だろうとまともに対処できると思えない。火元も断てない。悪夢だ。
こうなる確率5割より大きいと思う?
北の場合喧嘩を売ったとしてもイランみたいに防空叩かれて航空機にフルボッコにされるのがオチだと思うぞ
どうかな
イランで破壊工作ができたモサドと違って北朝鮮国内では一般アメリカ人ですら捕まって薬物で植物人間にされてんのに工作員が紛れ込める余地があるようには見えん
韓国がガチれば不可能という事はなさそうだけど
それに北もS-300のコピー版持ってるし
東側の防空システムは性能が低いのが中朝にとってはネック 特に低空の目標は
自衛隊が巡航ミサイルの増強に高速滑空弾や極超音速誘導弾の開発を進めてるがこれは東側の防空システムでは恐らく防げないだろう
いまだにそんな訳の分からない事を言っておられるのですか
中国がやるならともかく、韓国vs北朝鮮の時に後方支援を遮断する目的でやるなら無意味どころか有害ですね
韓国の陸軍力が圧倒的過ぎて日本にちょっかいだしてる暇が無い
毎度毎度思うが、ロシア人は有りもの活かすの上手だな。イラン時代より遥かに面倒な兵器になってしまった。まぁウクライナにイスラエル程の空軍の優位がないことや、そもそもイランイスラエル間が宇露間より長距離なのも原因だろうけど、日本はどちらにしてもイスラエル以下ウクライナ以上?だから何ともだな…
まあ1機100万円としても、月50億円、500万円としても250億円なので、戦争してると思えばそこまで高いコストではないですよね。
一方で、具体的にウクライナにどのようなダメージが入っているのか、いまいち見えない攻撃でもありますが。
月間450tの火力投射(最大値で見積もっても)というのは、戦略爆撃というにはあまりに小さい数字ですし
連合国がナチスへ行った、2,000t~/日の爆撃でさえ、効果はまちまちだったわけで。
1000機空襲ですか、WW2のドイツ本土爆撃を思わせますね。爆薬投射量は1/20ですけど。本当に実現するとして、ざっくり100t。
余程、勘所に決まらない限り効果は限定的ってのが80年前の戦訓だったと思います。我が家にも落ちてきたと聞いてます。疎開してましたけどね。
毎日1000機生産。飛行性能、搭載量共にWW1の複葉機レベルまで後退してるんだから無理でもないでしょう。アルミ管FRP張りなら自転車工場で作れそうだ。
WW2の時は無誘導爆弾でしたが、今は誘導されてますから、同じ爆薬量でも効果はだいぶ大きいのではないでしょうか。
遠からず、GNSSや通信に頼らず完全自立型+画像認識機能も備えてきそう。
ノルデン爆撃標準機のCEP数百メートルと言われており、他標準機・夜間爆撃・妨害があるとCEPがkm単位になったりでしょうか。
仰る通り、効果は大きく違う面があるのかなと。
例えばCXD5602PWBIMU1Jという5万円弱の民生向けのジャイロでも。
500km/hで100km飛行したらだいたい誤差140mぐらいです。
現実には100kmもの間、妨害し続けるのは難しいのでもっとCPSは小さいでしょう。
価格が100万こえてしまいますが、レーザージャイロならCPS10m未満もいけると予想。
後は最終段階で画像認識の精度次第でしょうか。
航空機とか建物とか、事前に形状が分かってる目標なら直撃もいけるかもしれません。
typoです。
CPS→CEPでした。
現代、技術の発展を感じますね。