RYBARはポクロウシク方面について18日「準備が整ったロシア軍がディミトロフの東側で攻勢を再開した」「ミロリュビフカ方向に装甲車輌を使用した本格的な攻勢を開始した」と報告したが、DEEP STATEは映像付きで「ロシア軍の大規模攻勢は大きな損害を出して失敗した」と報告した。
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現在の戦場ではほぼ通用しない「まとまった戦力による白昼の突撃」をなぜ繰り出してくるのか非常に疑問
ウクライナ国家親衛隊の第14特務旅団は17日「ロシア軍によるポクロウシク方面への大規模攻撃を撃退した」「装甲車輌21輌、オートバイ96台、自動車2輌、砲兵システム2基を破壊し、ロシア軍兵士240人以上が死傷した」と発表し、DEEP STATEも「これはポクロウシク方面のエリザヴェティフカ方向で発生したロシア軍の大規模攻勢のことだ」と報告。
RYBARは14日「ロシア軍が再びエリザヴェティフカを占領した」と、19日「ロシア軍はポクロウシクに近づくことが出来たものの無謀な正面攻撃を回避し、攻勢を停止して解放された領土に陣地や補給ルートを整備、この間に敵が仕掛けてきた反撃を撃退した。そして準備が整ったロシア軍はディミトロフの東側で攻勢を再開した」「ロシア軍は18日にノヴォトレツクからミロリュビフカ方向へ装甲車輌を使用した本格的な攻勢を開始した」「今のところロシア軍の前進を把握することは不可能」と報告し、エリザベティフカの西でロシア軍が前進したと主張。
これに対してDEEP STATEは18日「ロシア軍がノヴォトレツケ~エリザベティフカ~ヴォディアン・ドゥルーエのラインにまとまった戦力を投入することはなく、いつもなら防衛上の弱点を見つけ出し『小規模編成の歩兵部隊』を投入してくるのが通常のアプローチだ。しかしまとまった戦力を集結させ、ソ連時代最高の伝統に則った方法でウクライナ軍の陣地を襲撃し始めた」「ロシア軍はエリザベティフカ方向の攻撃に約100台のオートバイを投入してきたが、第14特務旅団によって装甲車輌21輌、オートバイ96台、自動車2輌、砲兵システム2基が破壊され、ロシア軍は攻勢は完全な失敗に終わった」と報告。
さらに19日「第14特務旅団がロシア軍の大規模攻勢を阻止した新しい映像=Ⓑを公開した。以前の映像=Ⓐと合わせると、ノヴォトレツケ~エリザベティフカの間に投入された装備と兵力が如何に大規模だったかが良く分かる」「ノヴォトレツクからミロリュビフカ方向の攻撃は第117重機械化旅団や第38海兵旅団などによって撃退された」「ロシア軍は一時的にミロリュビフカへ侵入したものの長くは持たなかった」「この攻撃は1回限りで終わったため当該地域のグレーゾーンを変更する意味はない」と述べている。
第14特務旅団は17日に発生した一連の攻撃規模について「ロシア軍は2個中隊分の人員、多数の装甲車輌、オートバイ、大砲を投入してきた」と、攻撃失敗で被った損害についても「ロシア軍は歩兵戦闘車輌24輌、オートバイ99台、車輌2輌を失い、兵士263人が死傷者した」と述べており、ヴェリカノボシルカ方面で13日に発生した攻撃もそうだが、現在の戦場ではほぼ通用しない「まとまった戦力による白昼の突撃」をなぜ繰り出してくるのか非常に疑問だ。
ウクライナ軍が最も対応に手こずるのは「小規模編成の歩兵部隊による浸透」と「ドローンや大砲による火力支援」が十分調整された分散攻撃で、これはどの戦場でもロシア軍の前進を担保してきたはずなのに、なぜ2022年の戦術に逆戻りしたのだろうか?これはドローン戦力が充実してきたウクライナ軍にとって非常に楽な相手で、この傾向が今後も続くならポクロウシク方面の状況は当分安泰だろう。
追記:プーチン大統領は19日「4月19日午後6時から4月21日午前0時まで敵対行為を停止する=イースター休戦」と発表した
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※アイキャッチ画像の出典:47 окрема механізована бригада
ロシア軍は新たな戦術をためしているのかな?でもDeepStateの報告が本当だったらこの戦術は採用されないだろうね
小規模な攻撃の繰り返しも回数重ねる分損害も出るから大規模攻撃で一気に突破口を開きたいってのはあるんだろうな。防衛線も硬くなり過ぎてるし。負傷兵を引っ張って帰れるし。
まあウクライナの発表通りの9割撃破とかには実際にはなってねえんじゃねえの?とも思ってるし。
実際にこの攻勢が成功だったか失敗だったかはこのあとロシア軍がどんな戦術を取ってくるかで分かるかな。ザポリージャに戦車集めてるっぽいしそこで同じ戦術を取ればウクライナの発表は嘘だったって事だろう。
成功だったか失敗だったかは視覚的証拠で大体わかるので、待ってみればいいんじゃないですか
ウクライナだけが証拠を出してるのを見れば失敗したんだろうなと察せますが
決してロシア全軍があの手の高度な分散攻撃が出来るわけではないんじゃないかと。クルスク奪回戦の後&露暦イースター前で後方編成に入ってる部隊もいるだろうし、逆に今ドンバス方面の部隊を指揮してるの経験不十分or頑固な指揮官だらけだったりするんでは?
指揮官ガチャはもうロシア&ウクライナ軍名物なので、もう何も驚かない
状況を整理するとこうだ
4/18にロシア軍のこの作戦は大失敗に終わり、翌日はウクライナ軍によって暴露され隠蔽することが出来なくなった
またロシア軍は補充再編が必要となりそのための時間が必要になった
そこでプーチンは短時間の停戦を発表することで実害なくトランプからの警告に応える外交戦術に活用しつつ
国内向けでは失敗を糊塗させることにした
一つ違和感があるとするならば、大損害とは言え一週間間分には遠く及ばないものであり、その程度でここまでロシア上層部が反応するのは不自然であるが、この作戦がプーチンの肝いりならば納得がいく
軍事的合理性が欠如した戦術は往々にして上層部の政治的要求に起因するとされるのでプーチンの横槍で発起された作戦だと考えると前後の辻褄が合うのである
戦車、装甲車合わせて数万両損失してるロシア軍が一回の突撃失敗による損失に耐えられないはずが無いのですが、、、
トランプに対する回答と考えるのが自然でしょう
管理人様の仰る通り、違和感を感じる作戦だなと。
南ドネツク~ドニプロ州境方面のように、近々進んでいる戦線ならば(多少は)理解できるのですが、停滞気味の戦線ですから違和感を感じます。
政治的要請のようなものなのか、上層部が手柄を焦ったためなのか分かりませんが、軍事的合理性がない作戦が発生するのは古今東西かわらないのかもしれませんね。
失敗の原因がフィードバックされて、何か改善されることに繋がるのか・同じことを繰り返すのか、しばらく見守りたいですね。
石油安でドローンや砲弾の無限供給が厳しくなって来た?
この影響出るのは数週間先では
既に発注分は納入され続けるんだし
原油安なはずなのにガソリン価格が全く下がらないのは何故?今掘り出している石油が精製されスタンドに届くのにタイムラグがあるから、消費者に恩恵があるのはかなり先なのかな。
ヨーロッパから船便で荷物輸送すると数ヶ月かかる。
原油価格が下がっても、産地から運んで、精製して、ガソリンスタンドに運んで、今の高い在庫が無くなってから、ようやく店頭価格が下がる。
当面は今のままですかな
国内要因として、企業数・製油所の数が大きく減るなど、3つくらいの理由がありまして…
3社くらいが独占禁止法の観点から上限なのですが、石油元売り業界も3社に集約(エネオス・出光・コスモ)しながらガソリンスタンド会社・数も減ってしまったんですよね…
近所の製油所がなくなれば、製油所~ガソリンスタンドまでタンクローリーで運ぶコストも上昇(距離が長くなる)するので、これも価格上乗せ要因になります。
セルフスタンド化でスタンド数が減りましたが、古いガソリンスタンドはセルフに切り替える時に地下タンクなどの設備投資に、数億円単位の設備投資が必要になったのも背景にあります。
根本的には下げる気が無いから。ですかね。
日本は石油の供給を海外に頼っているため、経済が石油市場に振り回されて続けています。
石油の消費を如何に抑制するかが、国家的な課題だからです。
日本が第二次世界大戦に突入してしまったのも、原因は石油ですよ。その後も高度経済成長が終わってしまったのも、オイルショックが原因だし、バブル崩壊も湾岸戦争がきっかけです。
世界景気が良くなると、日本企業は儲かるけど、それに合わせて石油価格が上昇し、日本全体ではあまり儲からないという悲しいな現実。。。
数日前にザポリージャ方面で行われた同様の作戦は損害が出たとはいえ何だかんだ前進して複数の陣地を確保することに成功しているみたいなので、こちらも同様に上手くいくと考えて実行したといったところでしょうかね
一方で3月下旬から4月初めにかけて停滞気味のチャシブ・ヤールでウクライナ軍が頻繁に反撃を行ったものの、その度に悉く撃退されている上に現在もベルゴロド方面でのウクライナ軍の攻撃も軒並み失敗しているという報告もあるため、双方とも大規模攻撃による打開策を模索している感じなのかなと
> 数日前にザポリージャ方面で行われた同様の作戦は損害が出たとはいえ何だかんだ前進して複数の陣地を確保することに成功しているみたいなので
そうなのかー
上層部を批判して冤罪で逮捕された司令官が懲罰部隊の指揮官として復帰とかいうニュースがあったから政治絡みの動きかと邪推してしまった
ここを抜かれると後が本当に無いポクロウシクには十分な予備戦力が投入されているはずなので、他方面と同じように行くと考えたのであればロシア軍側の分析が足りなかったか、単に指揮官が無能だったかなんでしょうね
確かにザポリージャで前進したようだけど、それって防衛ラインの第1ラインでもないんですが……
>ソ連時代最高の伝統に則った方法
最新のデジタル迷彩服身を纏ったロシア兵がウラーーツって叫びながら突撃してくるのを幻視した。
まあ陸自の兵隊が天皇陛下万歳!と叫びながら突撃するくらいありえないとは思いますけど。
イギリス兵「ん?」
先日爆破されたサラトフ州のエンゲリス空軍基地ですが、爆破後の様子がGoogle Earthに反映されたようです。
参考までに。
毎回、同じ作戦で同じ失敗を繰り返して大損失を被るのは共産主義国の昔からの慣例では?
兵士を人間ではなく、消耗品としてしか見ていないという共産主義者特有の思考が同じ愚行を繰り返している要因だろう
民主主義国家では絶対にありえない
国家体制に関わらず、一度うまく行った作戦を擦りたくなるのは普通なんじゃないかなとは思います。
ましてやロシア軍がこれまで取ってきた作戦はウクライナ軍に有効に働いてきたとあればなおさら。
今回のロシア軍の失敗はウクライナ軍が前と変わらない存在だと過信していた点でしょう。
相手の悪魔化は陥りがちな心理ですが、それに囚われると本質を見誤りますよ。
民主主義なら同じ失敗をしないなんてナイーブな考えは捨てろ(AA略)
実際残弾量の多さで誤魔化しているだけでアメリカも同レベルの間違い何度も繰り返した戦場がごろごろありますからね。
そして鳥かごや箱戦車、バイク突撃のように大失敗と評価していたのにウクライナが積極的に取り入れるようになったものまである以上は経過を視ないと
>民主主義国家では絶対にありえない
民主主義国家は戦争をしないと云っているように読めますが、そんなことはないでしょう。
戦争自体、兵士に死ぬかもしれない戦場に行く命令をするわけで、そも人絹なんかに配慮していたら戦争なんてできませんよ。
むしろ民主主義国家は「戦争ができなくなっている」が正しい認識です。事実、アメリカはベトナム戦争で反戦・人権意識の高まりの中、継戦ができずに負けていますし、その後のイラクやアフガニスタンでも兵士のコスト(兵士にかかる経費が高いことと兵士の死に対して世論がナイーブになり政権が維持できない)がかかりすぎることで、いわゆるオバマの「世界の警察をやめる」というところに行きつきました。
まあ、旧ソ連のロシアには色々なアクネドートがあるくらい兵士の扱いについては悪評がありますが、どの国の軍隊であれ、トップがアホでろくな支援もなく作戦が大失敗した例はいくらでもあるので、兵士を大切にしない=旧共産圏という公式は成り立たないと思いますけどね。
確かに解せない動きですね。
二個中隊で270名弱が死傷って全滅どころか壊滅で無事な人間の方が少ないというあり得ない状況。
分かっていない指揮官に変わったか、ウクライナ侵攻戦以前の知識しか無い戦術を強要されたか。
いずれにせよ、ロシア軍側の指揮系統で混乱が生じている感じですね。
敢えて昔の戦術が通用するかを実験してみた、なのかもですが犠牲になった人間からみればふざけるな、でしょうけど。
自分としては、分かってない指揮官がやって来て血の代償で教訓を得た説に1票かな
ロシアにはあらゆる装備的が充実したも有るみたいだから、この戦線はそうではないのに進軍を強要された可能性はある。抜けると思わせるように上手く誘引された可能性はあるし、想定外の攻撃や妨害を受けてグダグダになった可能性もある。
歯車が咬みあわさらなければ悪い方向に転ぶ事もあるので、被害が大きいからロシア側に落ち度があったのかは分からない。
結局どうだったのかはこの後の展開でわかるでしょうね。
既にそうコメントされた方もいますが、俺も同じ意見です。
また同じようにするのなら何らかの成果を得た。全く似たような事はしなくなったなら失敗と。
一番有りそうな事は真ん中ですかね?
ロシア軍が期待した通りの戦果は出ずに失敗はしたが、損害についてはウクライナ軍が主張してるほどでは無かった、って奴。