ウクライナ戦況

ポクロウシク方面の戦い、ロシア軍兵士がヒルニク中心部で軍旗を掲げる

ドネツク州のポクロウシク方面セリダブ方向では「ロシア軍兵士がテリコン頂上で国旗を掲げる様子」が登場したが、ヒルニク方向でも「ロシア軍兵士が市内中心部のアパート屋上に軍旗を掲げる様子」が登場、第114自動車化狙撃旅団は「ヒルニク解放作戦が完了した」と主張している。

参考:26 октября 2024 года — Горняк под контролем 114-й мотострелковой бригады

今回の視覚的証拠だけで「ヒルニク市内全体を支配している」と解釈するのは流石に無理がある

ポクロウシク方面セリダブ方向では「ロシア軍兵士がセリダブ郊外にあるコロチェンカ炭鉱のテリコン頂上で国旗を掲げる様子」が登場し、高さの優位性を失ったウクライナ軍の立場も一気に苦しくなったが、ヒルニク方向でも「ロシア軍兵士が市内中心部にあるアパート=の屋上に軍旗を掲げる様子が登場」が登場。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

第114自動車化狙撃旅団(ボストーク旅団)は26日「ヒルニク解放作戦が完了した。突撃部隊に支援された戦車部隊が敵の防衛を突破し、敵戦力が集中する地域に大打撃を与えることに成功した」「旅団の兵士は市内中心部のビル屋上に第114旅団の旗を掲げた」と明かして映像を公開しているが、DEEP STATEやRYBARの報告を見てみないと何とも言えない。

市内の西側部分や南側部分で視覚的証拠が登場していないため、だけ「ヒルニク市内全体を支配している」と解釈するのは流石に無理があるものの、一つだけ言えるのは「ロシア軍がヒルニク市内中心部に足場を築いた」という点で、ウクライナ軍にとってポクロウシク方面の状況は悪くなる一方だ。

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※アイキャッチ画像の出典:114 Бригада

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コメント

    • nk
    • 2024年 10月 26日

    ロシア軍は人海戦術重視で最近は毎日1500人以上は死傷し北朝鮮に援軍頼まないといけないレベルの損害を受けているというのがウクライナ側でのプロパガンダなのだろうけども、戦線の動き見ているとウクライナ側の損失が本当はその程度であるということが現実に近そうなのかなと思えてくるが真実はどうなんでしょうね、戦後に少しは判明するのかな。
    ウクライナ側の戦線の崩れ方や今までの用兵を見るに、もはや戦線各所で綻びが凄いことになり謎のクルスク全力ベットを辞める気配もまるで無く、動員も政治的理由で難しいとなればウクライナ側人員の限界値がもう近い印象を受けざるを得ないし、1年後にどうなっているか考えた際に今の現状ではどう転んでも大分後方までロシアに全戦線で侵攻されている未来が見えるので、早急に降伏したほうが傷は浅いと思うが受け入れられないのならば、ドニエプル川西まで全軍撤退して38度線スタイルで堅守する位しか継戦するなら手立てないと思うが、住民大規模避難や住民残しての大幅な撤退は政治的理由で難しい所か。

    42
      • かぼ
      • 2024年 10月 26日

      マイダン革命がウクライナ起こり内戦状態になってしまった直後からある程度この地域を分析してた人達は
      ウクライナの紛争は、今後拡大していき朝鮮戦争みたいになって
      最終的にドニエプル川を挟んで東西にウクライナは分裂すのではないかと言われていましたが
      やはり地政学的になるようになってしまうものなのかもしれないですね

      46
        • Hakugen
        • 2024年 10月 27日

        朝鮮戦争では、北朝鮮が負けそうになり国連軍(実質的には韓米軍)が中朝国境の近くまで迫ったところから、中国人義勇兵の大部隊が北朝鮮を助けて国連軍を押し返しました。
        今、ウクライナが負けそうですが、NATO等の義勇兵の戦力は強大ではないのでロシア軍を押し返すのは不可能です。
        ロシア軍は、1943年と同様に、ドニエプル川でも渡ってさらに進撃するでしょう。戦いが続けばいずれは。

        いずれにしてもウクライナは、戦後の西ドイツや韓国とは別の形で分断されることになるでしょう。どちらかと言えば、第一次大戦後のオーストリアハンガリー、内戦後のユーゴスラビアに近い形かもしれません。

        23
      • Hakugen
      • 2024年 10月 27日

      ドニエプル川西岸でも守り抜くことは無理でしょう。

      1943年のドイツ軍も、ドニエプル川で食い止めようとして失敗しました。

      朝鮮戦争のような停戦も、ウクライナ軍対ロシア・ドンバス連合軍では戦力が拮抗している訳ではないため、やはり無理でしょう。

      25
    • 傍観者
    • 2024年 10月 26日

    ウクレダールと同じで要塞の存在に関わりなく前線が進んでいき、要塞は前線に飲み込まれていく。アメーバが細菌を飲み込んでいくのと同じ過程。1000や2000が死ぬまで戦っても意味はない。過去の独ソでは数百万人単位が前線で戦っていた。最前線では10万人や20万人が死ぬまで戦ったところで何の意味もなかった。
    兵士のレベルでは第一次大戦がらみのドイツ映画では主人公が死んだ日の戦争報告では「西部戦線異状なし」だ。
    ウクライナは無条件降伏と言われようが早くやめるべきだ。我が日本国は米の原爆投下、ソ連=露の参戦、関東軍壊滅の状況で天皇が戦争を止めた。ウクライナ戦争を誰が戦争を止めるか?私共民草は注視すべきだ。

    36
      • マダコ
      • 2024年 10月 26日

      う~んこの地形、ウクライナ軍の逃げ道が少ない。早めに逃げないと大打撃を受けそう。

      17
        • マダコ
        • 2024年 10月 26日

        レスになってしまいました。
        申し訳ありません。
        どうも、タブレットで見ると、こうなりやすいですね。。

        3
          • 傍観者
          • 2024年 10月 27日

          ご連絡ありがとうございます。
          おっしゃる意味は私的なりに理解できる気がいたし同意いたします。
          クルスク侵攻には戦争に勝利するという意志が全く感じられません。私的には戦争の当初から露軍の意図はドニエプル以東でのウクライナ軍主力の殲滅だと思っています。ウクライナの勝機は西側支援の下でドニエプル以西での長期持久と思っておりました。そういう意味で逃げ遅れていると・・。

          敵地に等しいドンバスでもウクライナ兵は不利な状況で陣地を固守して死ぬ強兵だった。それに甘えてウクライナの戦争指導部は戦略を徹底的に誤った。「若き親衛隊」の現地のドンバスで、「塩とパン」の西ウクライナが勝てるわけはない。クルスク作戦は大半の人が合意する全愚行だ。
          ウクライナ兵とウクライナの戦争指導部との間には天と地の差があると私的には思っております。

          21
    • ジェム
    • 2024年 10月 26日

    貯水池の北、鉄道線の東の範囲は一週間以内に陥落するのでは?
    だって、三方から囲まれており、北からの部隊が進める限り、東から順に撤退を強要され続けるだろうから。
    本格的な援軍が来てツクリネあたりにぶつけでもしない限り、鉄道線の東の防衛はもう無理っしょ。

    24
      •    
      • 2024年 10月 27日

      個人的には、ここで頑張って良いことがないような気がする撤退が正解だと思う。
      ただし、今度は湖南部の状況が悪くなる。 ウクライナ軍も大変だ。

      6
    •  
    • 2024年 10月 26日

    まあこのあたりの突出部はウクライナ軍も徐々に後退していく腹積もりでしょうし特に意味はありません

    • gepard
    • 2024年 10月 26日

    ポクロウシク方面では114旅団…
    クルスク方面は810海兵旅団…

    なんだこれはたまげたなぁ…

    5
    • せやかて工藤
    • 2024年 10月 27日

    この屋上での式典って
    街の掃討が完了してないと
    危なくて出来ないと思うんですが

    狙撃は難しいかもしれませんが
    ドローンで見られた迫撃砲なんか
    撃ち込まれるリスクは有りそうだし

    39
    • paxai
    • 2024年 10月 27日

    ここ最近のロシアのFABが射程延長されると共に投下量が150発/日ぐらいになってるんだよねえ。
    ゼレンスキーが週に700発→800発と少しずつ引き上げながら防空システムを要求してたけど今回は1000発と言いそう。

    23
    • 通りすがり
    • 2024年 10月 27日

    更新お疲れ様です。
    何と言うか、ウクライナ軍にとって凄くヤバい状況ですね。セリダブの中心部や、オレクサンドロピルでもロシアの旗が掲げられた映像が流れてきていますし、セリダブ方面とヒルニク・クラヒフカ方面の状況が加速度的に悪化している。割と近い戦線で大規模な突破が同時に起きたことで、撤退する兵士がどこに逃げればいいのかも混乱して、指揮統制が出来ていないのではないだろうか。

    22
    • たむごん
    • 2024年 10月 27日

    ヒルニク~クラヒフカ、どこまで粘るのでしょうね?

    軍事的合理性を考えても、このポジションで粘り続けるのが、ちょっとよく分からないなと感じています。

    13
      •     
      • 2024年 10月 27日

       良いことないけど。西部に撤退した場合、西部は集落が少ない。クルスクみたいなエリアが多くなっていく。集落ベースではないゼレンスキーラインが姿を表すのか。ロシア版ピンポンダッシュが起きるのか。意外と楽しみ。

      7
        • たむごん
        • 2024年 10月 27日

        ゼレンスキーラインどうなったんですかね…
        建設重機の方が、F16(高価・時間がかかる)よりも、経済支援として援助してもらいやすかったなとは感じていまして。

        ここから、ドニプロ方面は厳しく感じますね。

        3
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2024年 10月 27日

    セリダブの市街地掃討が終わってからヒルニクを仕上げるのかと思ってたら同時並行だったでござる
    防御はどうなってんだ!防御は!と脳内ワッカさんが叫ぶほどの展開で驚きしかありません
    常々言われてきたウクライナ軍防衛陣の崩壊という言葉が脳裏をよぎります
    明らかにこれまでと違ってますよね

    24
      • ふぁんく
      • 2024年 10月 27日

      腐敗の賜物だな

      1
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