DEEP STATEはポクロウシク左翼方面について「7月2日~5日の間にロシア軍が大きく前進した」と報告、さらにハルキウ州ミロヴ方向で生じたロシア軍の新たな突破を受け、シルスキー総司令官とドラパティ統合軍司令官がハルキウ方面に入っている。
参考:Мапу оновлено
参考:Ворог продовжує докладати зусиль для просування на Донеччині
参考:Ситуація в районі Мілового на Харківщині
参考:Хроника специальной военной операции за 30 июня – 1 июля 2025 года
参考:Хроника специальной военной операции за 4 июля 2025 года
参考:СИРСЬКИЙ
ミロヴ方向での突破を受けてシルスキー総司令官とドラパティ統合軍司令官がハルキウ方面に入っている
DEEP STATEはポクロウシク左翼方面について7月2日~5日までに「ロシア軍がアンドリイフカ郊外で前進した」「ロシア軍がロズリヴ郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がバハティル集落内で支配範囲を広げた」「ロシア軍がN-15沿いで支配範囲を広げた」「ロシア軍がノヴクラインカとゼレ二・クットを占領した」「ロシア軍がジルカ集落内に侵入した」「ロシア軍がピドゥブネ集落内に侵入した」「ロシア軍がフェドリフカ周辺で支配範囲を広げた」と報告。
RYBARは同じ期間に「ロシア軍がダクネ、ノヴクラインカ、ゼレ二・クットを占領した」「ロシア軍がシェフチェンコ郊外で前進した」と報告し、これまでと同じようにロシア軍は「小さく突破して包囲する」を繰り返しており、DEEP STATEはポクロウシク左翼方面の状況について以下のように述べている。
“ロシア軍がドニプロペトロフスク州境に近いノヴクラインカとゼレ二・クットを占領し、さらなる前進を試みているが、ウクライナ軍は敵が積極的な攻勢を仕掛けるダクネへの前進を阻止している。ダクネ方向の状況は流動的で、ウクライナ軍はドニプロペトロフスク州への前進を阻止するため予備戦力を投入したが、敵は数的優位と小規模部隊による継続的な攻撃で防衛ラインを突破しようとしている。これは多くの前線で見られるおなじみの光景だ。ロシア軍にとってドニプロペトロフスク州への侵入はプロパガンダを仕掛ける口実であり、これまでも「偽の突破による成果」を何度も誇示してきた”

出典:Сухопутні війська ЗС України
“ウクライナ軍にとってもロシア軍を行政境界線上で阻止することは重要であり、これはウクライナにとっての原則的立場でもある。コトリャリフカ方向やホリホヴェ方向でロシア軍が行政境界線を突破したという噂も飛び交っているが、その影響と重要性を十分理解した上でウクライナ軍は敵を阻止しているが、敵も予備戦力を投入し続けており、本当に状況は複雑で「無限の予備戦力」が問題を大きくしている。この方面では今後も同じ問題に悩まされることになる可能性が高く、ロシア軍はヤルタ、ジルカ、ピドゥブネ、トルストイ、シェフチェンコ、ヴォスクレセンカ方向でも急速な前進を見せているからだ”
さらにクピャンスク方面ミロヴ方向の突破についても以下のように報告している。
“ロシア軍は非常に短時間の作戦でミロヴを急襲して占領した。さらに集落の西と南の森林地帯も制圧した。この作戦の意図はオスキル川西岸での攻勢を支援するためで、今後数日以内にオドラドネやボロヒフカへの攻撃が予想され、ロシア軍はオスキル川沿いの攻勢範囲を拡大する恐れがある。ミロヴ方向で大規模な戦闘は発生していないものの、ザルビンカとアンバーンへの攻撃を試みている。この地域の防衛を担当する部隊はオスキル川方向とは全くの別組織で、ロシア軍は戦力を着実に増やすのに対し、ミロヴ方向のウクライナ軍部隊はゼロから予備戦力を調達しなければならない”
要するにミロヴ方向とオスキル川西岸方向では防衛を担当する部隊が異なるため、現地指揮官の判断のみで戦力を融通し合うことが出来ず、上級司令部が状況に介入しない限り「ミロヴ方向のウクライナ軍部隊は追加戦力を自力で調達しなければならない」という意味で、この状況を受けてシルスキー総司令官とドラパティ統合軍司令官がハルキウ方面に入っている。
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※アイキャッチ画像の出典:СИРСЬКИЙ
クピャンスク方面そんなに不味いのか……
もしかしたら、Velyka Novosilkaをこのまま西進して、HuliaipoleやOrikhivを南部の部隊と連携して包囲に持って行く狙いなのかな。
正直素人の私には、これが何の位ヤバイ事なのか分からないんだけど、誰か解説お願いします。
ロシア軍が予め攻勢用の予備戦力を用意しているだろうのに対してウクライナ軍は、戦略予備をクルスク侵攻で使い果たしているので上級司令部が他の戦区から予備戦力を転用しなければ対応不可能。
そしてT-2104はこの方面の補給の大動脈でもし対応を誤ってチュフニフカが陥落した場合、これ以降北の国境沿い集落は全て補給道路が絶たれ維持が難しくなります。
ロシア軍の意図はウクライナ軍の戦力誘引の可能性が高くミロヴから大規模な突破が試みられるというのは考えづらいですがそれでもウクライナ軍は戦力を回して対応せざる得ないので元から不足する戦力が更に薄く引き伸ばされます。
ウクライナ軍が対応に成功しても失敗しても辛い盤面になる為、ロシア軍が正面戦力の数で優越している強みを押し付ける堅実な手を取ってきたという印象です。
解説ありがとうございます。此処まで丁寧に説明してくれるなんて。ウクライナは、厳しい状況なのですね。技術は、進んでも数の差は何時も圧倒的戦力になるんですね。
ロシアの前進止まらないですがウクライナは単純に各リソース消耗し全く足りていない状況なんでしょうけど、ロシアは先日の記事にあった様に戦力の補充は充分に出来ているとなると進軍速度上がって行くのは必然ですかね。
アメリカの戦争研究所が、シベルスク市まで係争地が延びたと評価してる。
アメリカの戦争研究所って確か、マイダン(暴力)革命を扇動したヌーランド氏の妹さん御夫婦が設立したシンクタンクで、タカ派とネオコンの巣窟。ウクライナ戦争でも益体も無い大本営発表めいた分析を乱発して、却って西側の判断をミスリードしている、あの戦争研究所ですか?そこが“係争地”という引け腰な表現ながら、そんな事言ってるのは相当ヤバイ事になっている恐れも…。中東問題の解決はイスラエルを軸に周辺の独裁国家を破壊する事…なんて提言もしていました。その提言は採用されて見事成功し、国際法と人命に修復不能の損害をもたらし、米国とネタニヤフ政権のイスラエルが如何に暴虐で非道かという明白な観察事実を見事証明する偉業をも達成しています。
戦争研究所のウクライナ戦争での立ち回りのせいで、シンクタンクって特定の政治思想の集団に専門家の分析と云うていで都合のいい見解を出す為だけの御用聞きって理解になったわ。
シンクタンクどころか、現実には省庁の諮問機関たる委員会にも企業の利益を代弁するクズが平然と紛れ込んでくる
ハリコフ市の都市活動・人口維持の為に、かなり重要な方面とも言えそうですね。
ハリコフ都市圏は大都市のため、ボルチャンスク南など、ドネツ川の水源が不可欠と思います(49.999061, 36.885758)。
ミロヴ~クピャンスクに兵力を割いて、ボルチャンスク方面に影響がでても困難ですし、クリミア・ドネツク市もそうでしたが水源周りの状況に注目しています。
(ドネツ川 Wiki)
(2023.04.30 激戦地ドネツク州の支配地で深刻な給水不足、親ロシア派勢力 CNN)
>49.999061
そういえば、ハルキウは市中心部を北緯50度線が通ってる街でしたね
仰る通りで、驚きました。
>シルスキー総司令官とドラパティ統合軍司令官がハルキウ方面に
そうそう居場所がバレる事はないだろうが調査中らしいけど今月に第110独立機械化旅団指揮官がロシアのミサイルで殺害され転だよね。散々ロシアの将軍とかミサイルで殺害してるんだから、そろそろお返しはしたいだろう。ハルキウ方面の防空体制とかどうなのかね。
西側が支援するなら中国はロシアが満足するレベルには無いが支援はするだろうし、終わりが見えない中でどこまでウクライナは頑張るつもりなんだろうか。
個人的にはもはや限界突破していると思う。
停戦したとしても形だけ名前が残るだけで、欧米の経済的な植民地となるだけ。理想主義で現実見えてない指導者は、聞こえは良いこというけど、現実一番不幸な道をたどるね。
行政境界線に拘ってんのウクライナ自分で戦術の幅を狭くしてね。
行政境界線が山脈とか川とかの地勢に沿ってるのならいいけど。
森林地帯。ドローン戦争では、真っ先に狙われるんだね。
1時間ほど前にロブ・リー氏が投稿していましたが、どうもウクライナ軍(全体かは不明)はバイク歩兵対策にマキビシを使用し始めたっぽいですね。
①道路にマキビシを設置して観察用のドローンを貼り付ける。
②バイク歩兵がトラップゾーンに侵入、マキビシでパンク
③バイクを失い軽歩兵となった敵兵をFPVで排除。
軍用車両でもない限りマキビシで確実に足は奪えますね。そしてバイクを失ったら少数の軽歩兵、どうにでも処理できるでしょう