DEEP STATEは5日夜にハルキウ州リプシ方面、クピャンスク方面、二ューヨーク方面、コンスタンチノフカ方面、ポクロウシク方面の戦況を報告、ロシア軍はクピャンスク方面でオスキル川までの距離を縮め、チャシブ・ヤールのカリニナ西地区に侵入、ポクロウシク方面ではヒルニクに急接近した。
参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 5 сентября 2024 года
多くの戦線で変化が観測され、クピャンスク方面、コンスタンチノフカ方面、ポクロウシク方面の状況が悪化
DEEP STATEは5日夜、ハルキウ州リプシ方面、クピャンスク方面、二ューヨーク方面、コンスタンチノフカ方面、ポクロウシク方面の戦況を報告、一方のRYBARは各方面の戦況マップ更新を制限(もしくは停止)しているもののクラホヴェ方面について興味深い言及を行った。
DEEP STATEはハルキウ州リプシ方面について「ウクライナ軍がリプシ近郊の高台陣地で領土を奪還した」と報告。
DEEP STATEはクピャンスク方面について「シンキフカの西に広がる森林地帯でグレーゾーンが広がった」「ロシア軍がピシュチャネ郊外の森林地帯を占領した」「ロシア軍がピシュチャネ郊外の突出部を渓谷に沿って西に広げた」「ロシア軍がノボセリブケ郊外のポケットを占領した」「ロシア軍がステルマキフカ方向に支配地域を広げた」と報告。
視覚的にもウクライナ軍がピシュチャネ郊外の森林地帯=Ⓐでロシア軍の戦車を攻撃する様子が登場、DEEP STATEの報告が部分的に事実であると裏付けている格好だ。
どちらにしてもDEEP STATEの報告が正しい場合、ウクライナ軍はコリズニキフカ方向にある比較的大きな森林地帯を失い、ロシア軍はオスキル川到達までの距離を5km未満に縮め、O-211942の物理的な遮断まで2km強となった。
DEEP STATEはコンスタンチノフカ方面チャシブ・ヤールについて「ロシア軍がカリニナ西地区に侵入して集落の大部分を支配している」と報告、視覚的にもウクライナ軍がチャシブ・ヤールのゾフトネヴィ地区=Ⓐでロシア軍を攻撃する様子が登場。
ロシア軍が本当にカリニナ西地区に足場を築いているのなら「シヴェルスキー・ドネツ・ドンバス運河沿いの防衛ライン」が破られたことになり、カリニナ西地区の南に広がる比較的大きな森林地帯に食い込まれるとロシア軍を押し返すのが困難になるだろう。
DEEP STATEは二ューヨーク方面について「ウクライナ軍が二ューヨーク市内のフェノール製造工場やネリピフカ集落内の支配をとり戻した」「ロシア軍が二ューヨーク北市内の高台で支配地域を広げた」「ロシア軍が二ューヨーク市内の中心部で支配地域を広げた」と報告。
二ューヨーク市内に登場したポケットについてDEEP STATEは先月22日「市内に双方の混乱と特殊な状況が発生している」「敵はフェノール製造工場を迂回するルートでネリピフカに前進しようとしている」「この動きを排除する対策が既に進められている」「敵はネリピフカを占領するのではなく更に先に進むための足がかりを確保するだけという状況が発生している」と説明し、暫くのあいだ謎のポケットが二ューヨーク市内に存在しつづけたが、どうやらフェノール製造工場の支配をウクライナ軍が取り戻したようだ。
DEEP STATEはポクロウシク方面について「ロシア軍がハリツィ二フカ方向で支配地域を広げた」「ロシア軍がドリ二フカからヒルニク方向に支配地域を広げた」「ロシア軍がウクライナスクに南から接近した」「ロシア軍がリシフカに南から侵入して集落の大半を占領した」と報告。
ロシア軍はヒルニクまで1km以下の地点に迫っており、ウクライナスクやリシフカに北からではなく南からアプローチしている点が非常に興味深い。
RYBARはクラホヴェ方面について「ピヴデンノドンバスカ第1炭鉱で戦闘が発生している」「ロシア軍がプレチスティフカに集結してゾロダ・二ヴァへの攻撃を準備している」と報告、DEEP STATE、RYBAR、ロシア国防省は「ロシア軍がプレチスティフカを占領した」と報告していたが、視覚的にもロシア軍がプレチスティフカ集落の西端=Ⓐに軍旗を掲げる様子が登場。
ロシア軍はプレチスティフカからノボウクラインカ方向ではなくゾロダ・二ヴァ=ヴェリカ・ノボシルカ方向に前進するつもりで、この方面のウクライナ軍はコスティアンティニフカ、ヴォディアン、ヴフレダル、ヴェリカ・ノボシルカの4方向でロシア軍から圧力を受けていることになる。

出典:public domain
追記:タイのグリペン導入に関するニュースは「空軍がF-16Vではなくグリペンの導入を支持した」という話で、海外のディフェンスメディアは「タイ政府は軍の勧告を無視した決定を下す可能性がある=中国からの潜水艦導入でも政府は軍の勧告を無視した決定を下している」と指摘しており、サーブも「前向きな動き」と述べるに留まっている。そのためタイのグリペン導入は政府決定が出てから取り上げる予定。
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※アイキャッチ画像の出典:24 ОМБр імені короля Данила
ポクロウシクの防衛設備ですが、地下施設が手抜き工事されている事を、ボグダンさんが解説しています。
アウディーイウカ後方・今年ハリコフ方面でも、汚職で防衛設備が使い物にならなかった事例があるため、充分にあり得る話しと思います。
(24:25~)ドネツクのポクロウシクなんかが非常に陥落間近で、今日も映像の中でそこから現地住民がドニプロの方に避難する無料の鉄道をクライナ政府が提供したんだけど。
そのポクロウシクでも防衛設備、ウクライナ軍が地下の安全なところにいながらロシアの軍をに対抗するための設備っていうのが建設されてなかったんですよ。
(24:45~)形上、書類上は建設できてる、実際見に行ったらなんかそれっぽいものあるんだけど。
もうすぐ崩れたりとか実用性がないものだったりとか、そもそもあるところにそれがなかったりとか、めちゃくちゃなんです。
(2024/09/05 イラン、ロシアへ弾道ミサイル提供でウクライナ全土が射程範囲に。リビウ夜間空爆で7人死亡、47人負傷、ポーランド軍は迎撃に動くのか?6人が辞任したウクライナ内閣!ゼレンスキー政権の狙いとは? Youtube)
(2024/05/05 【ウクライナ防衛線の危機】勢い衰えぬロシア軍、厳しい状況にあるウクライナについて解説します。 Youtube 20:35~)
(2024.05.22 要塞は本当に建設されているのか? 最高議会が臨時調査委員会の設置を可決 航空万能論)
あの動画みました。
ストームシャドウの保管庫が
ロシア軍にバレて潰された話まで
ペラペラ喋ってましたけど
SBUに口封じされないか心配です
日本人としては興味深い情報なのですが、仰るように大丈夫なのか少し心配になりますね。
ポルダヴァの軍訓練施設への攻撃で、スウェーデン製AWACSに関する人員が被害を受けたという話しが別件で出ていましたが、やはり有り得るなと感じてしまいました…
一発でストームシャドウの備蓄分の2/3を失ったとのことで、あの話が本当なら衝撃的です。そりゃそんな大失態があったらメディアにはひた隠しにするでしょうし我々西側には伝わってこないでしょう。
(7:55~)内容を拝見すると、ポルタヴァは、かなり長く資材の保管に使われていたならば、充分に有り得そうですね。
スウェーデンAWACSの訓練人員に被害がでた噂もそうですが(スウェーデン外相がその時期になぜか辞任)、ポルタヴァの被害の全容かなり気になりますね…。
(2024/09/04 朝礼中のウクライナ軍施設を襲撃!?ロシアの弾道ミサイルで51人死亡。プーチン、モンゴル訪問も逮捕されず!国際法無効をアピールか?チェルノブイリで再び火災!放射能拡散の恐怖とウクライナ全土への影響 Youtube)
ロシア側からはプレチスティフカの地下はずいぶん強固にされていたように報告されてましたね。
あまり話題になってませんが近辺の状況が1週間ほどでこのように塗り替わったあたり、相当な影響があったことが見られる気がします。
情報ありがとうございます。
ヴフレダール方面、戦争初期から最前線ですから、いつ強化したのかは気になりますね。
汚職がなければこれが本来の姿なのか、この方面の指揮官が優秀だったのか、(個人的な妄想ですが)鉱山が近いため重機・資材があったのか少し興味深く感じます。
昨年末までの戦況を全く把握してないのですが、先日読んだ話によると「この街の地下を2年半の間ひたすら強固に掘り進めていた」とのことなので戦争中にやっていたらしいです。
情報ありがとうございます。
ウクライナ軍の最前線部隊、勇敢なだけでなく、地道で粘り強いですね。
太平洋戦争の日本軍もそうでしたが、地下陣地構築、地道な作業の重要性を感じます。
そろそろウクライナが欧米のせいで負けてるキャンペーンを大きく始めそうな雰囲気ですね。
ウクライナは欧米への憎しみを持って終戦(停戦)しそうな気がします
欧米の支援はかなり中途半端かつのんびりペースで、真剣さがあまり感じられないと私も思います。
ただ、ウクライナ側も特に政権の無能さと汚職が酷く、“誰のせいで負けてる”かについては、不毛な擦り付け合いだけが続く状態になっているような。
いずれにせよ、ウクライナが不利な形での終戦へと向かっているのは動かし難い事実と考えます。
そういう客観的な「誰のせいで負けているか」と言う話では無くて
これからウクライナ国内では最初に停戦すれば良かった等、様々な政府への追求が待ってます。
それを避ける為にまともな欧米の支援さえ有れば、欧米が制限をかけなければ勝っていたと言う論調になるんだろうなと言う話でした。
実際結構ウクライナ世論では、欧米がまともに支援してくれたら勝てる(コレは次の供与で逆転できる儚い希望とも捉えられたりするのですが)で戦っています。
コレが反転すると、供与が有れば勝てる、有れば勝てるのに実際無いのは欧米のせい=負けたのは欧米のせいだという話ですね。
アメリカの口車に乗ったら
だいたいそういう運命です
フセインにアルカイダ
みんなアメリカが育てて
用が済んだら抹殺されました
ガニ政権でアメリカが鍛えた兵士も
イラン経由でロシアのPMC入りしたのも多いとか
アフガニスタンの対ソ戦で活躍したムジャヒディンも用が済んだら放置プレーで
挙句にタリバンをテロ組織扱いで北部同盟なんてモノを祭り上げ一方的に侵攻しましたしね
結果はグダグダ泥沼紛争の挙句に惨敗の撤退
フェノール製造工場は堅牢でしょうから手放したくないとは思うのですが、トレツク方面が先にやられたら結局ネリピフカもフェノール製造工場も囲まれますね。
両方を守り切るだけの兵力が足りないなら、突出部になりつつあるフェノール製造工場は放棄し、トレツク防衛にあてたほうがよいのではと思いますが、滑空爆弾をどうにかできない限り、10月あたりにはトレツクもほぼ制圧されるのではないかと。
どちらかと云うと今回は、包囲されつつあったフェノール製造工場を包囲網突破・救出作戦の色合いが濃いものでは無いでしょうか。
仰る通り、ニューヨークやネリビフカは、トレツク防衛の為の前哨陣地に近い位置付けだと思われます。本丸はトレツク防衛であり、トレツクへの侵攻が進み、占拠されれば工場周りを抑えておく意味が薄れますよね。
但し、包囲を突破し退路を確保した事には有意義な作戦だとは思います。
もしかしたら、フェノール工場自体に危険な化学薬品が満載されており。迂闊に爆撃するとロシア側にセルフ化学兵器となって流出して後片付けが大変だから,攻めあぐねているのかもしれませんね。
ロシアとしては占領間近で自国領に組み込む予定ですから,化学汚染はなるべく避けたいところでしょう。
フェノール自体が割と危険物っすねえ…
フェノール工場、鉄道の引き込み線もありますし、なんでこんな場所に?と思ったのですが石炭産出の歴史的な経緯なのでしょうね(48.336404, 37.834658)。
日本だと、臨海部にあるイメージですから、ドンバスの特徴を感じました。
FABで、一応爆撃しているようですが、どこまでやるのでしょうね。
環境ホルモン、昔よく言われてましたから、工場内で防衛したくないなと感じます…
(2024.07.15 ニューヨーク(ノヴゴロド)のフェノール工場にあるウクライナ軍陣地に対するFABの攻撃の映像が公開された。 TOP WAR ミリタリーレビュー)
ポクロウシクの戦況はウクライナもさすがに真面目に防衛をするようになったのか、それともロシアが支配地域の安定を取りに行ったのかわかりませんがセンセーショナルな状況は落ち着いたように思います。
ただ、ハリツィニフカやウクライナスクの防衛の厚そうなとこを素通りしてヒルニクに向かい、ウクライナスクの南から進もうとするなど戦況を一変させかねない状態は続いているようですね。
既にポクロウシクに空爆始まっているという話もあり、状況が劇的に改善したというほどでは無いと思います
これまでもロシア軍は重要地点の攻略時は周囲の足場固めと半包囲の構えを行なって来たので、ここからはゆっくりとした動きになるでしょう
仮に急激に市街地に進軍するようであれば、それはウクライナ軍側に何らかの問題が起きている時でしょうし
既にノヴォホロディフカを取られて市内が完全に砲撃圏内に入ってしまっているのでウクライナ軍の対応は遅きに失した感がありますね。
ウクライナ軍がどこがで食い止めても別の場所をロシア軍が前進しちゃいますね…。
ニューヨーク北部はよく食い止めていると思いますがトレツク側が結局落とされて包囲されそうな気がします。
クルスク侵攻に反対したとされるシルスキー総司令官も大統領と同類になったのか、「ポクロウシク方面でロシア軍はここ6日間は1mも前進できてない。」とか言いましたね。
「ポクロウシク」に向かっては前進できてないないかもしれないけど、ヒルニクやセリダブが市街戦間近(もう始まってるかも)なのに。
数日ロシア軍が停滞しただけでポクロウシクの危機は去ったみたいな勝利宣言ですからね。また進軍が再開したら今度は何と言うのよ
ウクライナ版の
カイテル元帥?
まあそっち方面はある程度諦めたほうが賢いでしょう。
戦線を整理して適切に防衛部隊を配置すれば、ポクロウシクがすぐに陥落するようなことにはならないはずです。
今回のシルスキーの選択はそう悪くないと思います。
奪回されたニューヨークのフェノール工場には、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所の縮小版のような強力な地下要塞陣地があるらしいとの事で少なくともニューヨークを北進するロシア軍は長期間、阻止できる可能性が高そうですね
セリダブの前線が止まっている事については、ヴレフダルを守り続けていた第72機械化旅団が転戦した事が直接的な要因と思われます
セリダブが陥落した場合、クラホヴェが主要補給路を断たれヴレフダルは幾ら粘っても共倒れするしかなくなるので妥当な戦力移動でしょう
間接的な要因としては、ロシア軍がE-50を掌握したことに伴い補給路を再編中の為、攻撃が停止しているというものが考えられます
ただしウクライナスクを攻略したロシア軍がツクリネへ進撃を開始した場合、セリダブが保持されていてもクラホヴェへの補給路は断たれる事になる為、依然危機的な状況が続いています
どこか一か所で止めてもすぐ別の場所へ攻撃してくるロシア軍の戦力転換の速さとそれを支える補給能力の高さが凄まじいですがやはりクルスクの戦力がこの方面に居ればセリダブもウクライナスクも同時に守る事が出来ただろうにと思わざる得ません
で、そこを突いてブフレダルを取る、と。よくできてるなー
ポクロウシクが補給路の要所だというのがよく表れています
ポクロウシク~セリダブ~ツクリネ~クラホヴェで鉄道が繋がっておりクラホヴェはヴレフダル方面の策源地になっている為、南ドネツク一帯がポクロウシクを起点とした補給路で支えられているのです
末端部分に当たるヴレフダルは既に幹線道路を物理的に切断され北部から包囲されかけているという風前の灯火の状態の為、ウクライナ軍は戦略的要地であること承知の上で放棄してより上流のセリダブの増援に充てたのだと思われます
死守命令を出すよりも遥かに理性的で建設的です
チャシブヤール方面は、膠着状態が続いていた様ですが、動き出しましたね。ロシア軍が運河を越え、カリニナ西地区へ侵攻、そのまま鉱山地区へ向かい占拠の後、北側からチャシブヤール市街地攻略戦の構えでしょうか。
ポクロウシク方面南側は、南下してからの北進へ進路変更。リシフカを抑えウクライナスクを南側から侵攻と驚きです。戦線の隙を狙った機動戦に思えますね。
ウクライナ軍も増援を入れてセリダブ、ウクライナスクを防衛している様ですし、ロシア軍としてもミハイリイカ南側やメムリク西側に補給路にもなり得る道路・高速の側面を晒しており、戦線の脆弱性ともなり得るので、早期にウクライナスクを抑え、セリダブ方向と繋げておきたいと考えるでしょうから、両市街地・線路沿いにて激しい攻防戦になりそうです。