ロシア軍はクルスク・スームィ方面、ハルキウ方面で前進が観測され、特に時が止まっていたボルチャンスクでのヴォヴチャ川渡河、ヴァルヴァリフカ方向で生じた新たな突破は非常に興味深いが、それでもポクロウシク方面の致命的な動きに比べればかすり傷程度だろう。
参考:Мапу оновлено
参考:Хроника специальной военной операции за 14-15 июля 2025 года
参考:Оживление на фронте Обстановка на Слобожанском направлении по состоянию на 10:00 16 июля
スームィ方面とハルキウ方面の動きは非常に興味深いものの、それでも本命の戦場ではない
シルシキー総司令官はクルスク・スームィ方面について先月26日「スームィの国境地帯でロシア軍の前進を阻止して前線が安定した」と、DEEP STATEも22日「ウクライナ軍がアンドリイフカを奪還して左側面の安定化に成功した」と、ゼレンスキー大統領も30日「ウクライナ軍は1週間前に設定された特別任務を完璧にやり遂げた」と報告。
RYBARも16日「ロシア軍がユナキフカ集落のH-07付近まで前進した」「ロシア軍がユナキフカ西郊外のH-07付近まで前進した」「ウクライナ軍がキンドラティフカ方向で反撃を継続している」と報告、これでユナキフカ方面の評価はDEEP STATEとほぼ一致した格好で、特に大きな突破や状況の変化は確認されていない。
今後も状況が安定的に推移する保証はないものの、ここ数週間の動きはDEEP STATEとRYBARの報告から見ても落ち着いているように見える。
DEEP STATEはハルキウ方面ボルチャンスク方向について17日「ロシア軍がハティシチェを占領した」「ロシア軍がボルチャンスク北西郊外でヴォヴチャ川を渡河して前進した」「ロシア軍がボルチャンスク南岸市内の工業地区に迫っている」と、RYBARも「ロシア軍がボルチャンスク方向で活動を活発化させた(具体的な変化は言及なし)」と報告、視覚的にもウクライナ軍がボルチャンスク南岸市内の工業地区=ⒶⒸで、ボルチャンスク北西郊外=Ⓑでロシア軍兵士を攻撃する様子が登場。
ボルチャンスク北西郊外に広がる森林地帯に取り付かれると安定した足場になってしまう恐れがあり、ここを突破されるとヴォヴチャ川沿いに設定された防衛ラインの背後を突かれ、この方向の防衛態勢が複雑化してしまうため、ウクライナ軍は是が非でもヴォヴチャ川までロシア軍部隊を押し戻さなければならないが、ハルキウ方面では複数の問題が同時発生している。
RYBARはハルキウ北東方面ヴァルヴァリフカ方向について16日「ロシア軍がデティアルネをほぼ占領した」と報告、この集落自体に大きな価値はないもののボルチャンスクから東に約35km離れた地点、クピャンスク方面で新たに発生した突破地点=ミロヴ方向からも約35km離れた地点にあり、時が止まっていたボルチャンスク方向での唐突な動きともタイミングが一致しているため、国境沿いの集落に国旗を掲げるだけの作戦とは異なるかもしれない。
さらにDEEP STATEはクピャンスク方面オスキル川沿いについても16日「ロシア軍がミロヴ西郊外の森林地帯を完全に制圧した」と、RYBARも「ロシア軍がカムヤンカ東郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がカムヤンカを占領した」と報告、この方向に状況について以下のように述べている。
“ウクライナ軍はトポリ~カムヤンカの間の森林地帯から完全に追い出され、ロシア軍はカムヤンカへ向かうのにオスキル川を渡河する必要がなくなった。ドヴォリチナ方向のロシア軍はクトキフカ方向に前進しており、周辺の森林地帯では偵察部隊の活動が活発化している。一方でクピャンスク周辺の状況は戦場の霧に包まれている。ウクライナ軍がホルビフカから撤退したいう情報、ロシア軍がホルビフカに入って足場を固めたという情報、ラドキフカの状況、モスコフカへの突破に関する情報など全て確認が取れていない”
“クピャンスク方向の状況は依然として複雑だ。この地域には森林と高地が密集し、敵はクピャンスク防衛にこれを活用している。そのためクピャンスク自体への攻撃を議論するのは時期尚早だが、隣接するスロボジャンスカ地域(スームィ州、ハルキウ州、ドネツク州、ルハンシク州にまたがる一帯=今回の場合はスームィ北東部、ハルキウ北東部、オスキル川沿い、ゼレベツ川沿いを指している)での戦闘が活発化したことで敵の状況は悪化している”
スームィ方面、ハルキウ方面ボルチャンスク方向、ハルキウ北東方面ヴァルヴァリフカ方向、クピャンスク方面オスキル川沿いの動きは非常に興味深いものの、最も激しい戦いが繰り広げられているのはトレツク方面やポクロウシク方面であり、この方面の致命的な動きに比べれば上記の動きはかすり傷程度だろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

























ポクロウシクがヤバめに突破されてるのにこれとは…
ウクライナ軍からしたら何をしていいのか分からなくなってそうですな…
ウクライナ軍というか、その上のウクライナ政府の方針はメディア映えによる支援取り付けでしょう
変わらず北東方面の宇露国境に注力するのでは?
仰る通りで、どこもヤバくて優先順位をつけにくい感じになりつつあるのかなと…
ハリコフなどの都市機能も、ハリコフ方面・特にドネツ川を失えば取水が厳しくなるため、かなり重要なのではないかな?と少し見ています。
「上記の動きはかすり傷程度」
らしいがどれも致命傷だがもっと致命傷があるから放置してよい程度の意味にしか聞こえないのは気のせいだろうか
私の生え際も前進中
回り込まれるように脱毛中であります。
まもなく包。。。
ウクライナ側完全にリソースが足りて居ない模様、ほぼ全戦線でロシアが攻勢且つ止まる気配が無いので戦線の思い切った取得選択が必要になると思いますがどういった決断になるでしょうか。
米国の支援がどうなるとか欧州からの支援が増えるとかの話はよく出ますが、最近はなぜか兵士不足の話が出ませんね。
もはや常態化して「ニュース」にもならないのか。
この記事の管理人殿のポストを引用して7/6撮影のクピャンスク方面ミロブ近郊の衛星画像を貼りました。参考までにどうぞ。
ウクライナ軍もヴィルクヴァトカ-カトニェ-グリホリウカ-ミトロファニウカのラインに防衛線を敷いているものの兵力が足りなければ……
これぞ戦いは数だよといった状況ですね……
切れる手札がなければ勝負にすらならないとった感じでしょうか。
ゲームなら諦めて新しいデータで始めそうなものですが、実際どこにどう注力すれば粘れるんですかね……?
クピャンスク方面はアンバーンにロシア軍が定着するとグリホリウカから南の集落の補給が困難になる
後方の憂いがなくなったロシア軍がクピャンスク攻略に集中できるようになると非常にまずい、でいいのかな
ポクロウシク方面に比べれば、ハリコフ方面は些事のように見えるわけですが、放置しておくわけにもいかないですからね。
クルスク侵攻により、戦略予備を消耗してしまったわけですから、突出部に反撃する予備戦力があまりないというのが実体なのかなと。
管理人さんも「致命的」と書かれましたが、
ポクロフスク・コンスタンチノフカの3包囲が
急速に進んでおりますな
それ以外の地域は、ロシアにとっては、「干渉地帯」
をできる限り削り取るだけということです
俺はロシアにもウクライナにも友人がいるので、
できるかぎり早い停戦を望んでいますが、ゼレンスキー閣下
と、「ロシア勝利は絶対許さないマン」が欧米・我が国にも
いらっしゃるので、ウクライナは国体が完全破綻するまで、
ボロ雑巾のように使い捨てられるでしょう哀
正直タコジジイの停戦交渉を期待していたのですが、
やはりタコはタコにすぎなかった、、、残念
だって今は米欧でディールという名の責任の押し付け合いに忙しいもの