ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは9日「ロシア軍がリマン方面で大きく前進した」「ロシア軍がトレツク方面で前進した」「ウクライナ軍がポクロウシク方面でロシア軍を押し戻した」と報告し、久々に前線の大きな変化が複数方面で観測された。
参考:Мапу оновлено
参考:Третя штурмова знищила половину батальйону кацапів на Луганщині за один день
DEEP STATEは警告していたリマン方面でロシア軍が大きく前進、ウクライナ軍はポクロウシク方面で善戦
DEEP STATEはスバトボ方面ゼレベツ川沿いについて3月23日「ロシア軍は2月下旬~3月上旬にナディアを占領したが、それ以上の成功を収めることは出来なかった。そして第3独立強襲旅団の第1強襲大隊はロシア軍を押し戻してナディアを奪還した」と報告、第3独立強襲旅団も「ナディア奪還の様子」を公開したが、RYBARを含むロシア人ミルブロガーらは「ウクライナ側が主張するナディア奪還は事実ではない」「敵の反撃は失敗してナディアから後退した」と主張。
しかし、ロシア人戦争特派員のアレクサンダー・シモノフ氏は今月4日「ライホロドカ方向でウクライナ軍の強い圧力が観測されている」「ウクライナ軍の目的はスバトボ~クピャンスクの交通遮断だろう」「既に敵ドローンが後方地域を飛行して移動を妨害している」「1ヶ月前と比較してライホロドカ方向の状況は確実に悪化している」と報告。
DEEP STATEは9日「ロシア軍が3個大隊を一挙に投入してナディア再占領を試みたが、第3独立強襲旅団の第1強襲大隊、第1機械化大隊、第2機械化大隊が全戦力でこれを排除した。当該大隊の砲兵、防空、FPVドローンが投入され、歩兵部隊も敵を直接攻撃した。この戦いでロシア軍は143人が死亡、86人が負傷し、1個大隊の半分が1日の戦闘で壊滅した」と、第3独立強襲旅団も「戦闘の様子」を公開して「ナディアを襲撃した敵は新たな陣地の獲得や旧陣地を奪還することはできなかった」と報告したが、DEEP STATEは警告していたリマン方面でのロシア軍前進も報告している。
DEEP STATEはゼレベツ川沿いの状況について7日「ノーヴェ~カテリニフカ~ネフスケのラインは引き続き状況が悪化している。この方面の敵はネフスケ地域とネフスケ地域で成功を収め、カテリニフカ方向に絶え間ない圧力がかかっている。この方面のウクライナ軍は残念ながら状況に上手く対応できておらず、ここを担当する旅団はリソースを効果的に運用できておらず、状況認識も良くなく、ドローンの運用能力と火力におけるロシア軍の優位性は明らかだ」と警告し「何らかのテコ入れが必要」と訴えたが、今のところ状況は改善されていない。
DEEP STATEは9日に「ロシア軍がカテリニフカ集落内に足場を築いた」「ロシア軍がカテリニフカ東の渓谷地域で支配地域を広げた(8日報告分を含む)」と報告し、この方向でロシア軍が何を狙っているかは諸説あるものの、短期的な目標は「フレキフカ付近の占領=一方的に併合を宣言したルハンシク州に属する範囲の制圧」である可能性が、ロシア軍がナディア再占領を試みるのも同様の目的である可能性が高いが、長期的にはボロバ方向に前進するための足場確保が目標だろう。

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RYBARはトレツク方面について7日「ロシア軍がH-20沿いで前線を押し上げた」と報告していたが、DEEP STATEは9日「ロシア軍がカリノヴェ方向に前進した」「運河沿いでグレーゾーンが広がった」と報告し、H-20沿いの状況が慌ただしくなってきたが、両者の報告は別方向=一致していないため今のところ何とも言えない。
さらに興味深いのは「タラシフカ集落内でウクライナ軍とロシア軍の兵士が交戦する様子」が登場したことで、この動画を投稿したロシア人ミルブロガー=Два майораは「集落内で第33自動車化狙撃連隊(第20親衛自動車化狙撃師団所属)の兵士と敵兵士の間で銃撃戦が発生した」と述べており、3月26日頃に報告された「タラシフカ方向へのロシア軍前進」が初めて視覚的証拠に確認された。
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面西方向について9日「ウクライナ軍がコトリーネとウダチネの間でロシア軍をT-0406まで押し返した」「グレーゾーンがT-0406の南側に伸びた」「ロシア軍がナデジディンカ南の植林地で支配地域を広げた」と報告。
ウクライナ軍はポクロウシクの西側に回り込むロシア軍の動きをほぼ潰した格好で、一方的に押しまくられた2024年と比較すると本当に興味深い状況だ。
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※アイキャッチ画像の出典:117 окрема важка механізована бригада
トレツク攻略を優先して、トレツク方面H-20沿いを後回しにしていたように見えましたが、ここが動き出したのは気になります。
H-20沿いは高さがあるため、ここを抑えていれば、東西方面に高さを使って管制することができます。
トレツクは急がば回れであることに気付いた感じですかね
リマン方面の動きも同様
ポクロウシクはできるだけ都市を破壊せずに手に入れたい(?)のか何なのか
とにかくロシア側の意図が見透かされているような気がする
傍観者の戯言だがアウディーイウカを落とした時のような執念を感じない
仰る通りかもしれませんね。
ロシア側の虚偽情報が、トレツク攻防かなりあったため、かなり慌てていたような印象を受けます。
ウクライナ前線歩兵の驚異的な粘りを見ると、時間をかけて順序を踏まなければ、簡単には進まないのでしょう…
トレツク北西、カテリニフカ~クレバンビクあたりを空爆したりしていますから、何らかの拠点があると推察します。
カリノヴェ方向の前進を見ると、急がば回れと仰るように、何か変化があったのかもしれませんね。
トレツク防衛・ポクロウシク防衛に重点を置いていますから、H-20沿いは攻めやすい気もするのですが、地形的に高さがあるため実体がどうなのかしばらく様子をみたいなと感じています。
ポクロウシク以外もそんなに順調じゃないように見えるのがなあ。チャシブヤールはそろそろ陥落宣言だせる所までいけるだろうに。
topの写真はいつ頃のものか分からないけどまだこんな感じなのでしょう、ウクライナの戦場はまだ雪も残っているし泥濘あるしでお互いなかなか大変そうで、来週からはウクライナも20℃行く日も増える様なので4月後半位からは大きく動いてくるのかも知れないですね。
北と東にウクライナはリソース割いている様に見えるのでロシアは南部方向から攻勢強めて行く様な気がする。
なんとなく、トレツク方面がロシア軍お得意の尾根伝いに進み、真ん中の平地の部隊を押し出す形になってきたなあ。トレツクから北に向かえば、コンスタンティノフカに圧力をかけてバフムートの西の壁がが丈夫になる。
しかし、ヨーロッパロシアというのはまったく平地の国で一つの都市は四方に都市が控えているから、一つの都市を抑えるには、四方の都市も考えなければならない、という複雑な戦場と感じる。
ポクロウシクは風前の灯火と思っていたが、泥濘期とはいえ、粘っている。都市として、兵站基地としての機能がどうなっているのか、ここは迂回するのか占領するのか、迷うところだろう。
トレツクは北部から市外北にロシアが進出が確認、南部もいつの間にかボタ山にロシア軍が陣取っているのが視覚的に確認されたことでウクライナ軍が撤退していることがほぼ確実となりました。撤退できていなければ脱出は絶望的でしょう。
ポクロウシクの反撃もロシア軍の突出部を西から刈り取ろうとする動きは完全に止められてしまい、逆に反撃を食らっています。北の駅周辺では粘っていますが西側からの攻撃が失敗した時点でそのうち撤退するでしょう。
さらにクルスク方面ではロシア軍の進軍が確認されすでにウクライナ国内スームィ州の最初の村の手前まで到達されています。恐らく予備戦力をベルゴロドに投入している影響でしょうか。この辺りは本当にグダグダです。
トレツクは「ロシア軍が制圧できていない」という見方よりも「無理に維持しようとしているウクライナ軍を狩っている」と見たほうが良い感じに思えますね
ウクライナ軍が押し返した、とされる戦況図が出てもすぐに潰されているように見えますので
ポクロウシクはどちらが優勢なのかよくわからんです。ロシア軍の回り込む動きをウクライナ軍が潰したという話もあれば、ジリジリとロシア軍が進んでいるという話もあり、まだ明確な判断を下すには早いように見えます
クルスクとベルゴロドはもう何やってんのこれとしか言いようがないのでノーコメント
・ウクライナ側のDEEP STATEがロシア軍の前進を報告→信じる
・ロシア側のRYBARがロシア軍の前進を報告→信じる
・DEEP STATEがロシア軍の後退を報告→プロパガンダと失笑
・RYBARが偽の成功と指摘してロシア軍に不利に働くと報告→ロシア軍の計略と言い張る
ロシアを盲目的に支持してる連中って戦争初期のウクライナを盲目的に支持していた連中と同じになってきたよね。
どうやってもロシア軍が優秀でウクライナ軍が無能っていうストーリーに当てはめようとするのが笑える。
俺は親露だけど言ってることには同意する。何でもかんでもロシアの作戦と信じるのは違う気がする。
ロシア側は昨年と同じプランで手痛い反撃受けているように思える。
米国も離脱しそうだしもう勝った気でいるのかも知れん。
まあ全体的にはウクライナの勝ちはないのだろうが気を引き締めないと損害が拡大する。
局地的にみればドラパティ司令官の善戦で短期的にはロシア軍の勢いは止まったと見るのが普通だろうな
ウクライナ側が持続的にリソースを投入できるかは別問題として
これは完全に同意
「戦況を俯瞰的に見てるだけ」とか言いつつ本心ではロシアに勝ってほしいと思ってる人もここのコメ欄には多いのでは?
これではロシア崩壊と叫んでる人達の逆張りでしかないことに気づいた方がいいと思う
ロシア軍は火力が物を言う開けた平野では無類の強さを発揮するが、反面市街地での戦闘は下手くそなように思える。市街地では防御側が圧倒的に有利で、国民総動員中のウクライナの方が歩兵の人数で勝っているので、大きな町を拠点に立て籠もればウクライナ軍はかなり善戦するかもしれない。
歩兵の人数に劣る攻撃側が市街戦で有利に立つには空襲が効果的だが、空自に毛の生えた程度のロシア空軍では大して期待できないので、グダグダな展開が続きそうです。
全体的にロシア軍の優勢は変わりがないのに、なんでロシア軍の失敗を頑なに認められんの?
一度の失敗もない無敵皇軍でないと気が済まないの?
この人の言ってることって要約すると「ロシア軍有能ウクライナ軍無能」だよね
ロシアを応援してるけどどっちの軍隊が比較的に有能?って聞かれたらウクライナに軍配挙げるわ。
ロシアの保有する兵器群は優秀で西側のそれに劣っちゃいないし数も確保出来てる。
偵察力はNATOの全面支援を受けてるウクライナに劣るのは理解できるがそれでも問題を抱え過ぎだわ。
ウクライナがイスカンデルやSu34やらを保有してなくて良かったわ。
失礼ながら、状況又はコメントを把握できていないか認知の歪みがあるかと思われます。
要約ではなく結論ありきで見ておられるのでは?
自分は親露と言うより、全生命体の敵アメリカ及びその追随者を呪詛しているだけの痴れ者ではありますが、ウラジーミル大帝陛下の御言葉しかと拝聴致しました。
ゼレンスキーはドネツク人民共和国のベロゴロフカとタラソフカ付近でウクライナ軍を攻撃したと主張。
つまり6人の中国人グループが戦闘に参加し、うち2人は捕虜になったと言及。
ウクライナはこれにて中国とも公然と対立することを表明。
ウクライナは善戦しているという話題性・雰囲気作りに全振りしている『映え戦闘』は見飽きたよ。もう信じてるのほぼ日本ぐらいじゃない?
映え戦闘でロシア軍の失敗を無かったことにするコメントも見飽きたわ
また両陣営の罵り合いになるので配慮ある言動してください。
どちらの陣営の肩を持つのは自由ですがヤフコメ化するのは良くないです。
ちゃんと節度を守ってコメントしないといけませんね
まさに仰る通りです。
日本は、第三国の立場なわけですから、皆でのんびり戦況を見守るのが肝要だなと。
我々が過剰に熱くなっても、現場の戦況には何一つ影響しないですし、まだまだ停戦までの道のりも長そうですからね。
管理人様の御厚意を忘れないようにしつつ、皆様のコメントからも勉強させて頂いています。
ヤフコメのこと馬鹿にしてたらヤフコメみたいになってきたな
ほら、このコメ欄を閉鎖に追い込みたい誰かさんたちがよく乗り込んでくるから
ウクライナコントロールマップを参照。4/9に位置情報が特定された前線の動きについて。
ポクロウシク方面。コトリーネ東端の住宅を第3SSO連隊の兵士が掃討。
スバトボ-リマン方面。ヤンポレフカ南東の森林地帯(地図にギリギリ入っている辺り)にいたロシア兵にドローン攻撃。ロシア軍歩兵が同地点まで浸透している事を示唆。
南部前線。シェルバキでウクライナ軍(GUR第10グループおよび第128山岳連隊)が攻勢。同集落を奪還したとのこと
シヴェルシク方面。ビロホリウカ(第81空挺旅団が布陣)の採石場付近でも4/7~4/9にかけて戦闘の様子が確認された。