ロシア軍の夏季攻勢はポクロウシクとコンスタンチノフカの状況を悪化させ、RYBARは「ロシア軍が成功を続けるポクロウシクの状況と今後の展開」について、DEEP STATEは「コンスタンチノフカ方面の不味い状況」について報告、特にポクロウシクの状況はウクライナ軍にとって危機的だ。
参考:Шахта у Мирнограда
参考:Ситуація навколо Костянтинівки
コンスタンチノフカの運命は「どこまでポクロウシクでの抵抗が続けられるか」に左右される
ロシア軍の夏季攻勢はポクロウシクとコンスタンチノフカの状況を悪化させ、kyiv Independentは7月17日「ウクライナの偉大な要塞都市=ポクロウシクは敵の攻撃を防いできたが、ロシア軍が都市の側面で成功を収めたため孤立する危険に晒されている」「この都市を巡る戦いは最終局面に差し掛かっている」「残念ながら撤退は時間の問題だ」「(兵站ルートを遮断されれば)ロシア軍はほとんど抵抗を受けることなく都市を制圧できるだろう」と報じたことがある。
DEEP STATEはポクロウシク方面の状況について4日「ロシア軍がノヴォトレツケをほぼ占領した」「ロシア軍がノヴォトレツケ東郊外のポケットで支配地域を広げた」「スヴォロヴェとクラスノリマンスカヤ炭鉱がグレーゾーンに移行した」「ロシア軍がスヘツケをほぼ占領した」「ノボウクラインカがグレーゾーンに移行した」と、RYBARも「ロシア軍がフェドリフカ南西の樹林帯からウクライナ軍を排除してクラスノリマンスカヤ炭鉱に侵入した」「ロシア軍がノボウクラインカの敵を駆逐して集落中心部で軍旗を掲げた」と、特にRYBARは当該方面の状況について以下のように報告した。
“ロシア軍はポクロウシク・ディミトロフ都市群に向けて東と南から徐々に前進している。東方向ではロシア軍がフェドリフカ南西の樹林帯からウクライナ軍を排除し、クラスノリマンスカヤ炭鉱に侵入して地上施設の占拠に乗り出した。まだクラスノリマンスカヤ炭鉱地域はグレーゾーンのままで、ウクライナ軍も予備戦力を投入してロシア軍の施設占拠を阻止しようとしている。それでもウクライナ軍は炭鉱周辺の支配を失ったため、ロシア軍はディミトロフの主要補給ルートが通るロディンスケへの攻勢を開始できるだろう”

出典:Сибирское объединение ロシア軍兵士がノボウクラインカ集落の中心部(48.228089,37.200174)で軍旗を掲げる様子
“南方向ではロシア軍がノボウクラインカの敵を駆逐して集落中心部で軍旗を掲げた。ウクライナ軍はノボウクラインカから隣接するチュニシンに後退した。敵のポクロウシク・ディミトロフ都市群における状況は刻々と悪化しており、ロシア軍は複数方向から同時に前進しているため、ウクライナ軍は予備戦力の分散投入を余儀なくされている。このことはポクロウシク・ディミトロフ包囲作戦全体の行方を左右する「クラスノリマンスカヤ炭鉱の戦い」において決定打になるかもしれない”
DEEP STATE基準で見てもクラスノリマンスカヤ炭鉱は完全にグレーゾーン化し、ロディンスケを経由するT-0515の物理的遮断まで約2kmしかなく、炭鉱の地上施設や隣接するテリコンを失えばロディンスケ周辺の「高さの優位性」はロシア軍に奪われてしまい、これを阻止しようとするウクライナ軍の試みは厳しくなるしかない。もし鉱山やロディンスケを短期間で失うようなことがあればポクロウシクは秋口までに放棄されるかもしれない。

出典:Сухопутні війська ЗС України
Wall Street Journalは先月21日「コンスタンチノフカのウクライナ軍地下司令部を出ると建物には空爆の傷跡が残り、道路にはドローン攻撃で焼け焦げた車の残骸が転がっている。街に残る住民も僅かで、ほとんどの店は閉まっており街は死にかけている」と、Kyiv Independentも2日「4ヶ月前までコンスタンチノフカの通りは活気に満ちていたものの、現在では街に真の戦争が迫っている」「コンスタンチノフカを守るウクライナ軍は3方向からの攻撃に備えている」と報じていたが、DEEP STATEも「コンスタンチノフカの状況が悪化している」と報告した。
“敵はトレツク・シュチェルビニフカ方向の兵站を完全遮断するため、ビラ・ホラ~オレクサンドロ・シュルティネ方向、オレクサンドロ・カリノヴェ方向を積極的に攻撃している。ビラ・ホラ~オレクサンドロ・シュルティネ方向を守る部隊は追加戦力や交代による回復を必要としているにも関わらず、兵士が最後の力を振り絞ってロシア軍の攻撃に耐えている状況だ。ロシア軍が両拠点を確保すれば間違いなくFPVドローン部隊を送り込んで来るだろう。但し、両拠点は低地に位置しているため周囲の高地を奪いにかかるかもしれない”
“ロシア軍はロマニフカを占領後、積極的にオレクサンドロ・カリノヴェを攻撃し、ここを失うとシュチェルビニフカやペトリフカの補給が困難になる。さらにロシア軍は占領したヤブルニフカからオレクサンドロ・カリノヴェに前進して足場を築こうしている。ロシア軍はオレクサンドロ・カリノヴェ占領後に機会があればカテリニフカ方向に前進し、シュチェルビニフカやペトリフカに対する兵站ルートの完全遮断を、ベレストク方向にも前進してくるかもしれない”
“上記集落の喪失はトレツク、シュチェルビニフカ、ペトリフカ、ネリピフカ、プレシチイフカ、イヴァノピリャの兵站に不快な結果をもたらす可能性が高く、再び側面が我々の弱点になりつつある”

出典:ЛЮБАРТ XX БрОП
DEEP STATEが言及したコンスタンチノフカの不味い状況とは「コンスタンチノフカ包囲への動き」ではなく「コンスタンチノフカの南=トレツク周辺に通じるT-0516の状況」で、シンプルに言えば「クレバン・ビクスキー貯水池周辺の高地を含むT-0516一帯を両翼から包囲しようとしている」という意味になり、ここ失うとウクライナ軍はT-0504の南に広がる領土を維持できなくなる可能性が高く、ロシア軍がコンスタンチノフカ南郊外までやって来ることになる。
まだコンスタンチノフカの後方はドルジュキーウカ方向にかなり開けているため「ポクロウシクよりも状況が良い」と言えなくもないが、これは極度に状況が悪化したポクロウシクと比較した場合の話で「来年の夏もウクライナ軍がコンスタンチノフカを支配しているだろう」とは断言できなくなってきた感じだ。

出典:Сухопутні війська ЗС України
ロシア軍には2つの大規模都市を同時攻略する戦力はないため、コンスタンチノフカの運命は「どこまでポクロウシクでの抵抗が続けられるか」に左右され、ポクロウシクが秋口までに陥落すればコンスタンチノフカは冬季攻勢の最優先目標になる可能性が高く、逆にポクロウシクの占領に年明けまでかかるならコンスタンチノフカの支配者は来年の夏季攻勢までウクライナ軍だろう。
因みに欧米のウクライナ支援は「新たな反攻作戦で占領地からロシア軍を押し返すもの」ではなく「プーチンの要求=4州制圧コストを高価にするもの」でしかないので、防衛上のポジションを改善する局地的な反撃はあっても「2022年秋のハルキウ東部やヘルソン西岸での反攻作戦」や「2023年夏の反攻作戦」のような反撃は望めないため、ロシア軍が徐々にウクライナ領土を削り取っていくという「本戦争の根本的な流れ」に変化はないはずだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ























ポクロウシクやコンスタンチノフカを失った所で、まだまだ領土は沢山あるし両都市とも既に廃墟だから大打撃ではない。
重要なのは陥落が政治的意図を持たないようにする事で、その為には陥落する前からこの都市はいかに価値がないか、犠牲に見合わない等を積極的にプロパガンダすべきだと思う。
また既に喪失した領土についても奪還が出来ない事は明らかなので、その土地にいかに価値がないか負債であったか、手放せてむしろ良かったぐらいいって国際・国内世論の目を逸らさせるべき。
ウクライナ兵が不憫ですが見えていた結果でもありますね。
ゼレンスキーがウクライナをどこに連れて行こうとしているのかわかりません。
将来の安全保証どころか戦後の復興支援すらもらえるかどうか怪しい。
まぁ、欧州は軍備で金がなくなるのは確実なのでボロボロのウクライナを見て見ぬふり、人口減で国力低下著しい本邦が末永くたかられることでしょう。
戦後にウクライナは存在しないから気にする必要はないですよ。
ロシア連邦ウクライナ自治共和国か、あるいは焼け野原の無主地となるはずなので、支援の必要もないでしょう。
仰る通りです。
日本の衆議院・参議院選挙結果にも出ていますが、各国で政権交代・世論の変化が鮮明に現れています。
『復興支援を前借りしている』みたいなもので、継戦が長引けば長引くほど、(別腹とはならず)復興支援に相当する金は既に払ったと言われかねないのは苦しいものですね。
いやポクロフスクがいかに廃墟になろうともウクライナにとって打撃になるのは間違いないよ。この街は交通の要衝だからね
ポクロウシク陥落は即ちドネツク州南部の完全喪失だし、コンスタンティノフカ陥落はクラマトルスク(州北部拠点)への大手を意味するから、幾ら鉛筆舐めても大敗は大敗としか言いようがないよ…
今からドネツク州なんて要らないんやとかそのレベルでのプロパガンダでも打ちたいなら自由だけど
大きく戦況図を見てみると、ロシアは4州制圧の最終包囲は
スリャビンスク・クラマトルスクでこの2都市の補給線である、
北のイジュームから伸びるM03道路の補給を断ち、包囲戦を
行うのが最終到達点です
ポクロフスクを落としドンバス南西部一帯を制圧した後は、
州境沿いにポクロフスクから東北東に前進、クピャンスク南部
からはリマンに向けて南西に前進
茶渋陥落後、シヴェルスクは東と南からジリジリと攻略
その過程でザポリージャ・ドニプロペトロウシク州とオスキル河
以東ハルキウ州・スームィ州と順次干渉地帯を削り取っていくと
ポクロウシク相当疲弊しているんでしょうね、装備は諦めて人員を後方に逃がす段階な気がするが、ウクライナ側は徹底抗戦する構えなんでしょうね。
都市を枕にしてという人員が稼いだ時間と引き換えにどういった対処でロシアを止めるのか特には手立てが無さそうなのが何とも言えない気持ちになる。
管理人さんは2つの大都市を同時攻略する能力がロシアにないと断言してはいますが既にその能力を獲得している可能性があり、能力があるから同時7か所攻勢+スジャ防衛しているとするとコンスタンチノフカすら今年中に落ちておかしくないのですよ。ウクライナの人海戦術でどれだけ遅らせることが出来るか次第ですが
スターリングラードの戦い並みに希望が無いな……
当然地図で見るよりも兵士にとって状況はかなり悪そうだ
そう言えばウラヌス作戦では側面の弱いルーマニア軍が狙われて包囲されましたね
精鋭のDG師団や第一SS装甲師団が抜けたのが痛かった
あれがいてくれれば逆襲出来たかも知れないのに
クラマトルスク〜コンスタンチノフカの一帯は単独で見ると堅牢に見えるが、ロシアがT-504のインターを起点に北上してポクロウシク方面との連携を断ちにかかった時点で既に存在価値が怪しくなってる
実際ロシアはポクロウシク方面でロディンスケへ仕掛けながら(T-515の切断を狙う王道的な攻撃)、シャコフも獲ろうとしてる
大規模な要塞地帯は維持するのにも相応の兵力を込める必要があるわけで、ロシアがこのまま封鎖を完成させようとするなら、ウクライナ伝統の氏守命令は非常に高く付くだろうな
ハルキウ、イジューム方面との連絡線さえ潰されなければ補給はどうにかなると思う。ポクロウスクが陥落する頃には、クラマトルスクは州全体を支えるハブから、ロシア軍のハルキウ州侵攻を防ぐ一拠点に格下げされるだろうし。
翼包囲が、ポクロウシク東部で延々と続いているのが非常に手痛いですね。
ポクロウシク=ディミトロフが、いくら防衛ラインが固いとしても、防衛線が引き延ばされると苦しくなります。
最前線で粘っているとも言えますが、ヒト・モノを集めているため、後方の防衛ラインが間に合っておらず迂回されているのかもしれません。
関ヶ原の伏見城攻防戦・満州国境の対ソ要塞戦(終戦直前)など、どんな強固な巨大要塞でも兵力不足になれば、大きな規模が逆に足を引っ張ることになります。
追記です。
スジャ防衛も、マラヤロクニャ~スジャ~スームィの補給線が怪しくなり、諸事情が重なり一気に陥落しました。
補給線への攻撃状況、特にE50~T0515がどうなるのか見守りたいと思います。
既に周囲270度を包囲されてますね。
まともな指揮官なら大撤退の時期に来てるの分かるでしょうけど、ゼ閣下はそんなのお構い無しで「また無人機で高価な航空機壊したぞヒャッホウ」言うてるんでまた悲惨な市街戦になるんでしょうね
そもそもまともな報告を受けているんですかね?23年末の反省記事で指摘されていたような空気が未だに蔓延しているのではと疑っていますが。
まともな報告は行っていないと思います。嘘報告についてディープステートも苦言を呈してますし。ただ、問題はまともな報告が行っているかどうかではなく、ネガティブな報告を受け付けないゼレンスキーの度量ですけどね。
大体、ディープステートがネガティブな報告は罰せられないようになったと伝えていること自体が大問題です。ゼレンスキーは都合のいいことしか聞かないと宣言してるようなものです。末端の問題ではなく、ゼレンスキーが神経質で自分の都合の良いこと以外受け入れられない結果、今に至っています。
本当に西側はなぜ、この程度の人物を英雄視したんでしょうね?
都市が早々に陥落しては当然不味いのはそうだとしても、補給線もガッツリ叩かれてるとされる不利な形勢で長く粘り続けるを強いられるのもまた不味いのであり。
有利な形勢での戦闘が続く分には問題無く、前に出るのはその「有利な位置」が、相手の抵抗が折れて「空白な位置」に変わってからでもいいのですから。外征側にとっては尚更。
このパターンを崩しうる方法は、彼等といえども両翼を押さえきれないくらいデカく広く長いところまで退がるしか無かったのでは。ここでは散々言われ続けたことでしょうけど。
遅かれ早かれ「ドネツク最終決戦」に全てを賭すしかなくなる気がします。
初手の失敗を反省して
やるべき事を愚直にやってるロシア軍
一発逆転やSNS映えを狙って
セオリー無視するウクライナ軍
蟻とキリギリスの話と一緒やんか
話逸れるけどTwitterで触れられてたハイダイ氏の汚職疑惑さあ
激戦州の元州知事が汚職に手を出すようじゃ現地民からも嫌われてたのかなーとか色々思う所はあるのよ。
ただそれより驚くのは既に保釈の話が出てるのが理解できない。戦争中に政治家が軍需品で汚職するとか大罪だし証拠隠滅の恐れもある。
でもってこんな解決法でウクライナ国民は納得出来てるのだろうか?
旧ソ連お得意の賄賂で保釈されるんじゃないですかね、報道しない自由で揉み消されて終わりな気もします。
何故かウクライナを聖人君子の国にしたがる人は多いですがこういうのもきちんと報道すべきですよね。
本当ですね。だから、まともな検証や改善ができず、ウクライナは負けているんですよね。
直すべきところや改善点を指摘せず祭り上げた結果、「なぜ負けているのか?」「どうしたら勝てるのか?」その視点がどんどん抜け落ちる。これは、西側各国含めたウクライナ側全体の問題です。これが負けにつながるのは火を見るより明らか。「敵を侮らならない」この基本ができていません。
ベトナムからもアフガンからもイラクからも教訓を学んでいなかったんですね。西側は。
追記です。弱点や敗因の分析は軍事における基本です。その基本を怠り、ゼレンスキー持ち上げ、ウクライナ不謬説。個人的には西側に本気で勝つ気があったのかどうか?疑うレベルです。
ロシアをこけにしていましたので、分析せず勝てると考えていた可能性もなきにあらずですが、、、、
いずれにせよ、西側の戦略、戦術レベルの思考力の脆弱性は完全に証明されましたね。
情報ありがとうございます、勉強になります。
貧乏なウクライナで、保釈金3500万円(1フリブニャ3.55円換算)とは、上級国民の汚職文化は本当に根深いですね。
(GDPの格差を考えれば)日本で例えてみれば、山口組最高幹部の保釈金と大して変わらないような、金額なわけですから。
>ウクライナの政権高官の汚職犯罪事件に特化した裁判所「高等反汚職裁判所」は4日、セルヒー・ハイダイ元ルハンシク州軍行政府長官・元ムカチェヴォ地区行政府長官とオレクシー・クズニェツォウ最高会議(国会)議員の未決囚予防措置として逮捕(勾留)を選択した。
>反汚職裁判所のストロヒー予審判事は、公判にて、ハイダイ容疑者につき「裁判所は容疑者に対して60日間の勾留という予防措置を選択する決定を下した。保釈金は1000万フリヴニャと定められた」と発表した。
(2025.8.5 ウクライナの汚職容疑の元地方行政府幹部と国会議員の拘束決定 ウクルインフォルム)