ドネツク州コンスタンチノフカ方面では「ロシア軍がチャシブ・ヤール市内に取り付いたことを示す視覚的証拠」が登場、DEEP STATEはトレツク方面について「ロシア軍がトレツクまで約100mの位置に到達した」「敵は確実に戦術的成功を収めている」と報告した。
参考:Мапу оновлено!
参考:Deep State: Враг вплотную подошел к Торецку
参考:Военная сводка за 2 августа: зона СВО
前進距離は大したことはないものの「チャシブ・ヤール市内に取りつかれた」という点は注目すべき
RYBARはドネツク州コンスタンチノフカ方面のチャシブ・ヤールについて先月28日「グレーゾーンがカリーニン西地区に伸びた」「ロシア軍が運河の西岸に侵入して最初の家屋占領に成功した」と、31日夜「ロシア軍が運河を越えて支配地域を広げ塹壕を築いた」と報告、視覚的にもウクライナ軍が運河西岸のロシア軍陣地=Ⓐを攻撃する様子、ロシア軍の歩兵戦闘車輌が運河西岸でウクライナ軍の陣地=Ⓑを襲撃する様子が登場していたが、遂にチャシブ・ヤール市内でロシア軍が足場を築いているのが確認された。
ウクライナ軍がゾフトネヴィ地区内のロシア軍陣地(ロシア軍兵士が立て籠もる民家)=Ⓒを攻撃する様子が登場しており、前進距離で言えば大したことはないものの「チャシブ・ヤール市内に取りつかれた」という点は注目すべきだろう。
DEEP STATEはトレツク方面について2日夜「ロシア軍がアルテーモヴェ郊外のダーチャに向けて前進した」「グレーゾーンがアルテーモヴェ市内南西の端まで拡大した」「ロシア軍がトレツクまで約100mの位置に到達した」「第100機械化旅団が公開した映像から前線位置が明らかになりつつある」「敵は確実に戦術的成功を収めている」「敵は既にトレツク自体への侵入を試みている可能性がある」と報告。
DEEP STATEが言及した第100機械化旅団の映像とは「ダーチャの南=Ⓐでウクライナ軍がロシア軍を攻撃する様子」のことで、グレーゾーンの拡大も過去に登場した視覚的証拠に沿っているため妥当な評価と言えるが、土地勘のない他国の人間にとって「ロシア軍がトレツク市内まで約100mの位置に到達した」という言及を理解するには想像力を働かせるしかない。
トレツクとアルテーモヴェ(現在はЗализное/2016年に改名)の行政境界線が何処にあるのか不明で、Googleマップで見るとダーチャはトレツクの一部として扱われていないものの、ウクライナ人が運営するDEEP STATEの言及は「登場した視覚的証拠から約100m先がトレツク(Googleマップの範囲に従うなら約900m先の刑務所辺りがトレツク)」と示唆しており、現地の人間はロシア軍が迫っているダーチャについて「トレツクの一部」と見なしているだろう。
ホルリウカの正面に位置するトレツク、アルテーモヴェ、ピヴニチネ、ドゥルジバは2014年からロシア軍の西進を阻んできた防衛拠点群で、2022年以降も殆ど前線位置に変化は見られなかったが、ウクライナ軍は6月20日頃に開始されたロシア軍の攻勢(約40日間)によって4km以上も後退を強いられており、ウクライナメディアも「DEEP STATEの言及=ロシア軍がトレツクまで約100mの位置に到達した」に注目している。
因みにRYBARはポクロウシク方面について2日「ロシア軍がヴェセレを占領してジェランネ駅付近まで接近している」と述べていたが、DEEP STATEも2日夜「ロシア軍がジェランネに入った」と報告し、更新した戦況マップの中で「ジェランネ駅周辺」をロシア軍支配地域に変更したものの前進範囲が非常に狭いため今回は取り上げない。
追記:RYBARはトレツク方面について3日「ロシア軍がアルテーモヴェ市内南西に支配地域を広げた」と報告、これでウクライナ軍が保持するアルテーモヴェ市内はテリコン周辺のみとなった。
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※アイキャッチ画像の出典:АРХАНГЕЛ СПЕЦНАЗА
停止の気配がないですが、これはそれぞれの担当する部隊が継続して前進しているのでしょうか。それともやはりソ連式に段階ごとに後続する部隊が先行する部隊を超越して交代しながら進んでいるのでしょうか?
そのへんは前進に要した前衛部隊の死傷者の人数や、弾薬の消費量にもよるでしょう。
激戦の末に、多くの死傷者を出して、弾薬もほとんど使い果たした、というような状況であれば、他の後衛部隊と交代するか、停止して他の部隊と交代するのを待つ以外にありませんが、ウクライナ軍の抵抗が弱くて、死傷者も少ない、弾薬もそんなに消費していない、となれば、わざわざ止まって他の部隊と交代する必要もないわけです。弾薬の残りが多いうちは行けるとこまで行っちゃおう、という感じでしょう。
兵士も激戦で疲れていれば休養が必要ですが、ウクライナ軍の組織的な抵抗もなく、特に疲れているわけでなけれ兵士にば長期の休養は要りません。
どうやら偽装退却は成功のようです。いよいよ周到に準備したキルゾーンにロシア軍を誘い込んで一気に殲滅する段階になってきましたね。
なる
全て誘い込まれていたのか〜(棒)
ウクライナには諸葛亮孔明がいたのですな
コリャイッポントラレテワ マイリマシタ
f16も来たし、これからずっとウクライナのターン。
ゼレンスキーラインの全貌がついに、明らかになるのだろうか。隠匿が上手過ぎる。
クリミア大橋も破壊されて、ロシア軍の補給は崩壊。弾のないロシア軍は崩壊待ったなし。
ゼレンスキーラインはみんなの心の中に…
実際にはその予算はウクライナ人の誰かのポッケの中に…
そろそろウクライナ絶対国防圏が制定されそう
今の前線に近いラインだとすぐに破られそうだし、確実に防衛できる前提で設定するとドニプロ川が境界線になりそう。
チャシブヤル西部への運河越えが正面突破なのが驚きだな。
もっと時間をかけて南北からの包囲を目指すと想像していたが。
ここから拡張するのか、ここは陽動でウクライナ軍が兵力を集中させてきたら南北からの突破を図るのかもしれんけど。ロシア軍はよくそれをやるし。
ウクライナ軍はもう組織的な抵抗をする力がないのかもしれませんね。
ハリコフ方面に引き抜いた部隊を今更呼び戻しても焼け石に水でしょうし。
見える!
31日夜にロシア軍がスコップ片手に運河を越えて穴を掘る姿が。
しかし、本当に穴掘りシモンなんですね。
以前の都市攻略と比べて明らかに速度を増していますね。
現在取りつかれている二つの都市は要塞化されていて、攻略されるとしてもかなりの時間を要するだろうと考えていたのですが、ロシア軍の圧倒的火力及びチャシブの対岸にBMPなどの装甲車がわたって(一時的なものかもしれませんが)歩兵の援護をしている様子などを見るに一か月後には悲惨なことになっていそうです。ロシア軍は何度も要塞化された都市を攻略するにあたって洗練されてきているのではないでしょうか。
ウクライナ側のあらゆるものが不足している状況とはいえ、ニューヨーク方面しかり都市を攻略しそこから幅を広げて展開していくさま、またその速度も速く、砲撃やドローンで塹壕を攻撃したあとバイクで近づき制圧というような攻略方法が確立され毎日領土を食いつぶしている様子はウクライナ軍に適応したやっかいな強軍というような印象を受けます。
BMP、T72などの新型(ケージや対ドローン機器などを載せただけですが)の生産もかなり行われているようですし、毎日4000ほどのドローンが前線で使用されているとも聞きました。当たり前ですが物量も兵士の質もかなり劣っているウクライナは何か手を尽くせるのでしょうか.....。
現在の兵力的にロシア領土にかなりの部隊を突っ込ませたり、都市を取り戻したりはできなさそうですが、クリミアや原発奪還などの話を聞くに停戦前になにか大きなことをしでかしそうな気がします。
鳥かごケージはウクライナも真似をしてるので、バイク部隊もそのうち真似するかも。
走って突撃するのとバイクで突撃するのとどちらが良い?とか迫って。
両軍のバイク部隊が数十台単位で突撃とか。
ほう現代の騎兵突撃ですか
騎兵は、機動力+攻撃だけど、バイクに乗っての攻撃は至難の技。機動力全振りに近い。
そう考えると、モンゴルとか、馬に乗っての弓とか凶悪で凄いことだ。まさか、馬に乗っての銃撃は、、、無いよな。
中世軍はそういう重騎兵の突撃も一応ありましたが、産業革命以降の近代戦争の騎兵は普通に降りて戦うものですよ
おっしゃるとおり騎乗では銃が使えないので
一応自衛隊のバイク偵察部隊はバイクに騎乗し(アクセル固定して)両手手放しの状態で小銃撃つ訓練はしてます。なので物理的には可能、片手運転で撃つのも訓練次第で可能です。
まあ路上とか平地で直進している状態での話で、ぬかるんでる場所とか不整地だといくらニーグリップ効かせてもとても無理ですけど。
安彦良和「虹色のトロツキー」
松本零司「鋼鉄の竜騎兵」
ではそれぞれ、馬やバイクに乗って銃を使ってましたね。
どちらも取材はちゃんとしてそうだし、訓練すればできるんじゃないかなあ。
バイク突撃も騎兵突撃相当なので対策は古典的で済むのですが、現在の前線兵の士気低下とドローンによる低空の制空権損失で顔を出せない状況なのでしょうね
アンブッシュであれば脆弱なので森林地域や街路樹があればそちらに遠隔機銃設定するなどで対応可能ですし、そもそも防衛ラインと呼べる設備さえあればなのですが、現在の前線には何もかもないのでしょう
わるあがき、ザポリージャやその類でないことを祈ります
トレツク=ニューヨーク2014年からの防衛ラインですが、今後を考えると、後方防衛ラインが整備されているのか気になります。
アウディーイウカ周辺・ハリコフ周辺と同じように、汚職・資材不足で後方防衛線が整備されていないのか、それとも防衛線が整備されているのか注目したいと思います。
仮に整備されていなければ、アウディーイウカ陥落後と同じような展開になるかもしれませんね。
話ずれるしちょっと怪しい情報だけど最近やったロシアの非戦略核演習の第3段階で1000キロ飛ぶイスカンデルの実験をするらしい。
弾頭削って燃料増やしてるから見た目はほぼ変わらんらしいが。
ただこれが実戦に投入されるなら弾道ミサイルへの警戒は500キロ圏内までって訳じゃなくなるから防空が更に厳しくなりそう。
アメリカがINF条約を破棄するまでは
条約遵守で射程を抑えてただけで
700kmくらい飛ばす能力はあるのでは?
と言われてたと思います