DEEP STATEは30日夜「ロシア軍がクピャンスク方面、スバトボ・リマン方面、トレツク・ニューヨーク方面、ポクロウシク・ディミトロフ方面、ヴフレダル方面で前進した」と報告、特にヴフレダルではロシア軍が3方から街に侵入し、西市内のアパートにはロシア軍兵士によって赤旗と国旗が掲げられた。
参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 23 сентября 2024 года
参考:Александро-Калиновское направление: продвижение ВС РФ в Дзержинске и окрестностях Новгородского (Нью-Йорка) обстановка к по состоянию на 11.00 30 сентября 2024 года
参考:Южнодонецкое направление: штурм Угледара и продвижение на рубеже Водяное — Катериновка обстановка по состоянию на 21:00 30 сентября 2024 года
ロシア軍はセリダブ北郊外からもじわじわと支配地域を拡大させ、ヴフレダルが陥落するのも時間の問題だ
DEEP STATEはクピャンスク方面について「ロシア軍がピシュチャネの南西で前進した」と、RYBARは「ロシア軍がキスリブカ西郊外で前進した」と報告、視覚的にもウクライナ軍がキスリブカ西郊外=Ⓐでロシア軍陣地の攻撃に失敗する様子、ウクライナ軍がクルフリャフカ東郊外=Ⓑでロシア軍陣地を攻撃する様子、ウクライナ軍がクルフリャフカ東郊外=Ⓒでロシア軍陣地を攻撃する様子、第77空中機動旅団がオスキル川方向に突破を試みたロシア軍装甲部隊をクルフリャフカ東郊外=Ⓓで破壊する様子が登場。
ⒶはRYBARが報告したロシア軍の前進、ⒷⒸはDEEP STATEとRYBARが報告してきたロシア軍の前進範囲が事実だと裏付けており、DEEP STATEは先月26日「敵が機械化部隊をピシュチャネ方向に投入してきた」「今回の攻撃は阻止されたものの繰り返される可能性がある」「機械化部隊の投入は歩兵主体だったピシュチャネ方向に一定の優先順位を与えているようだ」と報告していたが、ⒹはDEEP STATEの報告に登場していた機械化部隊の阻止に関する映像だ。
これまでの報告と映像から「ロシア軍は歩兵主体でピシュチャネからクルフリャフカ東郊外までのルートを確保し、ここに戦車や装甲車輌で構成された械化部隊(約50輌)を投入してオスキル川到達を実現しようとしたが、EWシステムで前進ルートの上空を制御出来ていなかった。そのため攻撃自体が丸見えでFPVドローンや大砲の攻撃で多数の車輌を失い(両手では足りない数)作戦中止を余儀なくされた」と推測され、何らかの方法でドローンの運用を妨害して認識力を奪わない限り「械化部隊による大きな突破」は困難なのだろう。
ロシア軍が問題点を修正して械化部隊による一点突破を再び試みるかは不明だが、クピャンスク方面はポクロウシク・クラホヴェ方面よりも戦力投入の優先順位が低いように見えるため、ロシア軍得意の戦術=数的優位を活かして戦線を広げ敵戦力や注意を分散させる方法が取れない可能性があり、ウクライナ軍の脆弱な部分(部隊のローテーションなど)が露呈するまで次のチャンスはないかもしれない。
DEEP STATEはスバトボ・リマン方面について「ロシア軍がネフスケを占領した」「ロシア軍がネフスケ集落中心部から北に支配地域を広げた」「ロシア軍がネフスケ南郊外とジュラフカ渓谷で支配地域を広げた」と報告、視覚的にもウクライナ軍がマキエフカ集落内の南端=Ⓐでロシア軍陣地を攻撃する様子が登場。
DEEP STATEは先月24日「ロシア軍がネフスケ集落の中心部を占領している」「ロシア軍がネフスケ集落全体を占領したかどうか確認中だ」と報告していたが、今回の報告によりマキエフカ~ネフスケの間にポケットが生じたのは確実で、このスペースを失うのも時間の問題だろう。
ジュラフカ渓谷の南側面から突出部を切り落とせればネフスケ方向の敵を押し返せるが、DEEP STATEは「ウクライナ軍の問題は人員と物資の不足に起因したお馴染みのものだ」「一部の指揮官はポジションの改善(突出部を叩いて前線を平らにすること)に消極的なので問題を悪化させている」「さらに補充兵を待っても意味がない」「新兵は旅団間で盗み合いになっている」と報告しており、ウクライナ軍がネフスケ奪還を試みる可能性は極めて低いと思う。
DEEP STATEはトレツク・ニューヨーク方面について「ロシア軍がトレツク市内のパン工場周辺を占領した」と、RYBARは「ロシア軍がトレツク市内の住宅地区の一角で支配地域を広げた」「ロシア軍がトレツク市内のパン工場周辺で支配地域を広げた」「ロシア軍がネリピフカ西郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がニューヨーク西郊外の敵陣地を占領した」と報告。
ウクライナ国家警察のリュート旅団もトレツク市内の様子を公開して「敵の主な戦術は街自体を破壊して維持できなくすることだ」「あらゆる手段で行く手を塞ぐものを一掃している」「ヴフレダル、ポクロウシク、ディミトロフ、クラホヴェ、チャシブ・ヤールなど前線の町や村が同じ運命を辿っている」「トレツク自体でも戦闘が行われており、文字通り建物の全部屋で戦いが繰り広げられている」と述べている。
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面について「ロシア軍がノヴォホロディフカ西郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がE-50沿いのガソリンスタンドまで前進した」と報告、視覚的にもウクライナ軍がE-50沿いのガソリンスタンド=Ⓐでロシア軍を攻撃する様子が登場し、ロシア軍はセリダブ北郊外(マリ二フカ方向)からもじわじわと支配地域を拡大させている格好だ。
RYBARは依然として「ロシア軍がセリダブ北市内に伸びる地域(テリコン、公園、スタジアムの占領)を支配している」と報告し続けているが、ここに関しては1ヶ月が経過しても視覚的証拠が何も登場せず、ロシア軍はセリダブ北市内に存在しない可能性が高い。
DEEP STATEはヴフレダル方面について「ロシア軍が第1炭鉱周辺のテリコンを占領した」「ロシア軍がヴフレダル東市内に足場を築いた」と、RYBARは「ロシア軍がヴフレダルの南から郊外まで前進した」「ロシア軍がヴフレダルの東から郊外まで前進した」と報告、視覚的にもロシア軍兵士がヴフレダル西市内のアパート=Ⓐに赤旗と国旗を掲げる様子が登場。
DEEP STATEは視覚的証拠の登場について「国旗を掲げたロシア軍兵士は西からではなくT-0524経由で南から侵入した」と指摘しており、この視覚的証拠を投稿したロシア人は「まだ都市全体は占領できていない」と述べているものの、この状況からヴフレダルを救うのはどう見ても不可能だ。
因みにロシア軍が9月1日~30日までにポクロウシク・クラホヴェ方面で前進した範囲(DEEP STATE基準)は上記の通りで、厳密に言えば30日夜の報告分は反映されていない。
関連記事:混戦模様が続くクルスク方面の戦い、双方とも決め手に欠ける状況
関連記事:侵攻949日目、ロシア軍がポクロウシク・クラホヴェ方面で前進を続ける
関連記事:侵攻947日目、ロシア軍がニューヨーク、ポクロウシク、クラホヴェ方面で前進
関連記事:包囲される寸前のヴフレダル、ロシア軍が接続道路を物理的に遮断
関連記事:ロシア軍がヴフレダル市内に侵入、東部戦線の各所で防衛ラインが崩壊
※アイキャッチ画像の出典:Воин DV
エストニアがロシアの侵略を懸念するのは、こんなところにもありそう。
ヴフレダールの陥落が双方の士気に与える影響は大きそうだ。
ウクライナ軍守備隊は、尋常ではない数の損害を、ロシア軍に与えてきましたからね。
ヴフレダル守備隊は、ウクライナ軍トップクラスに成果をあげて開戦初頭から健闘してきたため、彼らが玉砕・後置されたとなれば仰るように士気低下は仕方ないでしょうね…。
相変わらずロシア軍は、ジワっと進攻しては小休止(再編成?)
しばらくするとまた進攻を繰り返してますね
クルスク方面のウクライナ軍は塹壕とか防御陣地をちゃんと作れてるのだろうか?
ロシア軍の塹壕構築速度がとんでもないのは今回の紛争でよく判ったが・・・
色々と「時間の問題」でしかない状況になってしまっていますね
ヴフレダールは手の施しようが無いですし、どこもじわじわと小さな包囲を作ってはのみ込むの繰り返しでロシア軍がすり潰していく
この状況を打開する”勝利計画”なんてあるんですかね?
今回は町に歩兵が取りついてからの浸透がやたら早い感じがしますね。
やはり防御側の疲弊が臨界点を超えている感があります。
セリタブに関しては、第一報でセリタブのテリコンとミハイリウカのテリコンを間違え、そこから誤差が大きくなっていったのでは?
恐らく、土地勘のない現場の兵士ではどっちのテリコンなんかわかるはずもないでしょうし、RYBARも断片的な情報(おそらくセリタブ近くのテリコンを占領した。南西に進軍したくらいか?)では、正確な分析はできないでしょう
その証拠に、RYBARがセリタブのテリコン占拠を報告したのとほぼ同時に、DEEPSTATEはミハイリウカのテリコンをロシア支配領域にしていました
ミリタリー系FPSでCapture The Flag:CTF戦というルールの対抗戦がありますが、現実の戦争がそっちに寄ってていってる感。
まあ象徴的な硫黄島の擂鉢山の星条旗、ライヒスタークの赤旗とかもありましたが、ここまでカジュアルではなかったような。
仰る点、理解できます。
戦車=歩兵携行火器の関係が、歩兵寄りにパワーバランスが動いた事。
支援砲撃の威力はリアルの方がえげつなく感じましたが、滑空誘導爆弾の精度を考えれば近しいものを感じますね。
リアルの観戦視点(ドローン)で監視されながら、あの世界観に生身の人間が放り込まれたと考えれば、なかなか大変なものを感じますね…
誰かが作るとは思っていましたが「Death From Above」というFPSドローンを操作するゲームがあります。
航跡がウクライナ国旗だったり、売り上げの一部がウクライナに寄付されるとか、まあ政治的主張のためのものらしいですが。
この状態でブフレダールを守る第72旅団の司令官が解任されて交代したようなので、上層部はブフレダールの死守を命令したっぽいですね。
司令官が兵士達に支持されてたか嫌われてたかは知りませんが、支持されてた指揮官なら兵士の士気は滅茶苦茶落ちるでしょうね。市内各地に侵入されだしたのはそれも影響してるかも。
近郊のボホヤヴレンカ辺りからブフレダールまで地下通路でもない限り補給や負傷兵の後送とかももう困難な状況でしょう。
ウクライナ側とロシア側では人命軽視なのはどう見てもウクライナ側だと思うんですね。
クルスクにウクライナ軍が入ってきた時もロシアがまずやった事は「クルスクからの退去を指示する事」でした。
しかし、日本のメディアも欧米のメディアも割と気軽に死守命令を出すゼレンスキーを「民主主義の擁護者」と持ち上げる。そういえば中東にも「民主主義の牙城になってる国」がありましたね。米国の一番か二番目の同盟国の。
このあたりのなんとも言い様の無さが正直西側に対する目が冷たくなっていく理由です。
でも、日本は西側じゃないかって? こんなに貢献度の割には粗末な扱いを受けている国が本当に「西側」の訳はないでしょうとしか。バルト三国みたいなものよりもある意味粗末な扱いですからね、日本は。
プラザ合意なんて酷い事は日本相手にしか出来ませんよ。何なら中国にもやらない、あんな事。
この日本は「西側の僕」かもしれませんが、「西側諸国の一員」だとはとても思えません。よって幸いにして西側諸国の仲間ではないと言えます。
じゃあ東側なのかって? そうでもないですからね。この国は本質的に孤独な国です。G7の一員という扱いになっていても、気分ではそこから離れていないといけない国だと思っています。でも、一応そのように振る舞ってみせる事は大事な事でもあります。協調性は必要ですから。
ヴフレダルが陥落すれば、ヴフレダル~クラホヴェを無理して守る価値は低下しますし、南ドネツクの防衛が一気にダメになるリスクを意味します。
ウクライナ軍が、どこかにゼレンスキーラインを構築(?)していたはずですが、後方に防衛線がなければ厳しくなるかもしれませんね。
泥濘期中に、ロシアがドネツク方面での攻勢を、継続するのか注目したいと思います。
ポクロフスク・セリダブ・クラホベ方面とヴグレダル方面では、9月の1ヶ月間でもロシア軍がかなり前進していますが、ウクライナ軍の死傷者はヴグレダル方面の方がかなり少ない(前者と比べて数分の1)です。
ヴグレダルの町の外、西側側面と北東側面では、ウクライナ軍の守りがかなり手薄、特に西側はがら空きに近かったものと思われます。
そうであるならば、後方の第二線、ボゴヤブレンカやノボウクラインカ辺りも、容易に包囲されて短期間で陥落するかもしれません。
兵力不足が、ヴフレダルの両脇に、仰る通り感じますよね。
自分も、ヴフレダル後方ガラ空きと予想しているので、今後の展開に注目したいと思います。
ヴフレダル市街に進入してからロシア軍の動きがやけに早く感じますが、ウクライナの守備隊が上手く撤退できた結果として抵抗が少なかったからだと思いたいですね
ついに難攻不落のヴフレダル要塞が落ちるとなれば、泥濘期までに南ドネツクが大きく動くことになるんでしょうか…
ヴフレダルが落ちるとヴォルノヴァーハ経由でのサプライが盤石となり兵站が改善されるので、南部から攻勢をかける可能性も出てきそうですね。
Rybarはゾロタ・ニヴァ方面への進出を本日報じており、ロボティネ方面でもじわじわとポジションの改善が行われています。
月次のマップよいわ
一月分をまとめたマップは大変ありがたいです。
毎日のようにロシア軍前進のニュースを聞いていましたが、こうしてみると確かに前進はしていても距離にすると思ったほどではない印象を受けますね。ドネツク州の州境到達が来年、完全制圧には年単位が必要そうな感じ。
DEEP Stateが突如更新
ブフレダルとツクリネがやばい