DEEP STATEは29日「ロシア軍がリマン方面のニトリウス川で前進した」と、RYBARは「ロシア軍がポクロウシクに隣接する集落を占領した」と報告し、kyiv Independentは「国家汚職対策局がドローン契約の不正疑惑でフラミンゴミサイルを開発したFIRE POINTを捜査している」と報じた。
参考:Мапу оновлено
参考:Покровск: на границах города
参考:Maker of Ukraine’s new Flamingo cruise missile facing corruption probe
参考:Расследование по ракете “Фламинго” не ведется – НАБУ
テレク氏の証言で「フラミンゴミサイルの生産・調達にドイツの資金が流れている可能性が高い」と裏付けられた格好
RYBARはリマン方面ゼレベツ川沿いについて27日「ロシア軍がカルピフカ方向で支配地域を広げた」「ロシア軍がシャンドリホラブ郊外に到達した」「ロシア軍がコロディアジ方向で前進した」と報告したが、DEEP STATEは29日「ロシア軍がシャンドリホラブ北東郊外に前進した」「ロシア軍が樹林帯に沿ってデリーラブ方向に前進した」と報告。
もうリマン方面には「ニトリウス川沿いを巡る戦い」と呼ぶべき局面が登場しており、DEEP STATEもRYBARも「ロシア軍がニトリウス川沿いで前進している」と評価しているものの、両者が報告するロシア軍の前進方向は微妙に食い違っており、中々興味深い状況だ。
大砲の火力が戦場を支配した2022年夏とは異なり、現在の戦場はドローンの戦場認識力と攻撃力が支配する樹林帯、塹壕、遮蔽物を奪い合う戦い、機械化部隊による数十km単位の突破など不可能な状況なので、リマンを再奪取するにはセレブリャンスキー自然保護公園からヤムピリを確保してT-0514とT-0513を遮断、ニトリウス川沿いに前進して最低でもドロビシェフを確保してスヴャトヒルシク方面への移動も遮断する必要があるため、リマンが本格的に危なくなるのは当分先の話だと思うが状況は悪化し続けている。

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DEEP STATEはポクロウシク方面について28日「ロシア軍がピシュチャネ周辺で支配地域を広げた」と、RYBARは29日「ロシア軍がレオントヴィチを占領した」「ノヴォエコノミチネ集落南部分はグレーゾーンのままで激しい戦闘が続いている」と報告、視覚的にもロシア軍兵士がレオントヴィチ集落内=Ⓐで国旗を掲げて「何かの像」に国旗を持たせている様子、ロシア軍がノヴォエコノミチネ集落内=Ⓑでウクライナ軍を攻撃している様子が登場し、RYBARは現地の状況について以下のように報告した。
“敵のミコライウカ方向に対する反撃は成功を収めたものの、突撃部隊(歩兵部隊のこと)の大半はFPVドローンの攻撃で散り散りになって大部分が壊滅した。ノヴォエコノミチネ集落南部分では激しい戦闘が続いており、この部分にはロシア軍とウクライナ軍の小部隊が存在している。ウクライナ軍の反撃は大きな成果が挙げられず、近いうちに集落からの撤退を余儀なくされるだろう。ポクロウシク南郊外ではロシア軍がレオントヴィチを占領した。この集落はポクロウシクに隣接し市内中心部まで3km未満だ”
“ロシア軍は徐々にポクロフスク郊外を占領し、市内中心部を攻撃するのに適した位置まで到達した。ポクロフスク市内では定期的に単独の偵察グループが確認されている。ウクライナ軍はロシア軍を押し戻して防衛ラインの安定を回復させようと試みている”
ウクライナ軍やDEEP STATEは「Воин DVが投稿する国旗を掲げた映像」について「集落を占領したと見せかける国旗部隊」と反論することが多いが、ロシア軍兵士がレオントヴィチ集落内で国旗を掲げる映像はВоин DV経由ではなく、しかも国旗を掲げるシーンに加えて「レオントヴィチ集落内の道をバイクで走行するロシア軍兵士の様子」「集落内の家屋を掃討するロシア軍兵士のグループの様子」「集落内を単独で歩くロシア軍兵士の様子」「掲げた国旗を何かの像に固定する様子」が映っており、Воин DVが投稿する内容とは明らかに何かが違うため事実の可能性が高いと思っている。
因みにkyiv Independentは29日「国家汚職対策局=NABUが『ドローン契約を水増しした疑惑』でフラミンゴミサイルを開発したFIRE POINTを捜査している」「NABUはゼレンスキー大統領が以前所有していた映画スタジオの共同所有者をFIRE POINTの実質的な受益者として捜査している」「FIRE POINTはNABUの調査が事実だと認めたものの『これは装備品調達に関する広範囲な調査の一部だ』『捜査に関する疑惑は反対派が広めた噂に過ぎない』『秘密がないところで秘密を探すのは無意味だ』と述べた」と報じた。
kyiv IndependentはFIRE POINTについて「公開文書によれば同社の収益は2023年から2024年にかけて400万ドルから1億ドル以上に増加する見込みだ」と報じ、kyiv Independentの取材に応じたテレク氏=AP通信の取材に応じたFIRE POINTの製造責任者も非常に興味深いことを言及している。

出典:Президент України
FIRE POINTの従業員数は2023年時点で18人に過ぎなかったが現在は2,200を雇用しており、FIRE POINTはデンマークモデル(ウクライナ支援の装備や物資をウクライナ企業から購入して供給する方式)を通じてドローン生産のための資金を受け取っている。テレク氏は「5月に発表されたドイツとの協定(総額50億ユーロ)からも資金を受け取っている」とも証言し、これはゼレンスキー大統領とメルツ首相が5月28日に発表した「ウクライナ企業が製造した長距離攻撃兵器の共同購入」のことだ。
テレク氏は他にも「(AP通信の取材に答えた)FP-1を1日に100機生産しているという話は同社の生産上限のことだ」「今年のドローン総生産数は約9,000機を見込んでいる」「この数字に最近公開したフラミンゴミサイルは含まれていない」「今回の騒動はデジタル変革省が噂を流してFIRE POINTを標的にしただけで、NABUの調査理由もデジタル変革省の主張をコピペしたに過ぎない」「それでも装備品調達の汚職問題について人々が疑いたくなる気持ちも理解できる」「逆の立場なら私だって疑うだろう」「戦争中に起こり得る最悪の人的行為は戦争から盗むことだ」と述べている。

出典:Associated Press
FIRE POINTに対する疑惑が事実かどうかは良くわからないが、テレク氏の証言で「フラミンゴミサイルの生産・調達にドイツの資金が流れている可能性が高い」と裏付けられ、FP-1の生産・調達にもデンマークモデルを通じて欧州諸国から資金が流れ込み、2025年の生産見込みは約9,000機に達する上「1日100機の生産上限が維持されるなら2026年の生産見込みは3万6,000機+フラミンゴミサイル」となるため、大変興味深い数字だ。
追記:国家汚職対策局は29日夜「我々と特別汚職対策検察庁はメディアが言及しているフラミンゴミサイルに関する調査は行っていない」と発表、これはkyiv Independentの報道を指しているのではなく、kyiv Independentの報道を受けて「フラミンゴミサイルに何らかの不正がある」と報じたメディアのことで、Ukrainska Pravdaの取材に応じた最高議会の議員も「kyiv Independentはフラミンゴミサイルに不正があるとは書いていない」「どういうわけか人々はニュースを誤解している」「ミサイルとドローンを混同してはならない」「kyiv Independentはドローンの契約に疑惑があると書いている」と指摘。
У відповідь на численні запити медіа повідомляємо, що НАБУ та САП не здійснюють розслідування щодо згаданої у медіа ракети “Фламінго”.
— NAB Ukraine (@nab_ukr) August 29, 2025
つまり国家汚職対策局は「フラミンゴミサイルに何らかの不正があるため調査が行われている」という報道を否定したものの、kyiv Independentが報じた「ドローンの契約に疑惑がある」という部分については否定していないという意味で本当にややこしい。
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※アイキャッチ画像の出典:Рядовой на передовой






















