DEEP STATEとRYBARはドネツク州ポクロフスク方面について「ロシア軍が複数方向で前進を続けている」と報告し、特にRYBARは「この方面の急速な前進は敵がスームィ方面に戦力を移動したことにも関係がある」と指摘した。
参考:Мапу оновлено!
参考:Покровское направление: начало боев за Новогродовку обстановка по состоянию на 9:00 23 августа 2024 года
ポクロフスク方面での決定的な瞬間が年内に訪れるのか、それとも来年の話になるのかはゼレンスキー大統領の決断次第
DEEP STATEはドネツク州ポクロフスク方面について22日夜「ロシア軍がノヴォホロディフカ市内に侵入した」「ロシア軍がヴォフチャ川東岸の高台を南下して支配地域を広げた」と、RYBARも「ロシア軍がフロディフカ郊外で前進した」「ロシア軍がノヴォホロディフカの東郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍が線路沿いにノヴォホロディフカ方向へ支配地域を広げた」「ロシア軍がヴォフチャ川東岸の高台を南下して支配地域を広げプティケを占領した」と報告。
視覚的にもロシア軍がコミシフカ集落内=Ⓐで赤旗を掲げた様子、ロシア軍兵士がプティケ集落内=Ⓑで国旗を掲げる様子、ロシア軍がノヴォホロディフカ市内でウクライナ軍が立て籠もるアパート=Ⓒを襲撃する様子が登場。
RYBARは他にも「ロシア軍がT-0511に沿ってフロディフカ集落の中心部に前進している」「クラスヌイ・ヤル一帯を巡って戦闘が続いている」「この一帯を占領できればフロディフカ西郊外とノヴォホロディフ北郊外に進めるようになる」「プティケ占領で貯水湖の西岸にある敵陣地制圧が可能になった」「ポクロフスク方面での急速な前進は敵がスームィ方面に戦力を移動したことにも関係がある」「それでもロシア軍はポクロフスクへ向う前にノヴォホロディフとセリダブを確保しなければならないだろう」と指摘している。
ロシア軍部隊の先端がポクロフスクやディミトロフに到達するだけなら「そう遠くない」と言えるが、両都市に攻め込むための条件を作り出すには周辺拠点を占領して足場を構築する必要があり、ポクロフスクやディミトロフを巡る直接的な攻防はまだ先の話だろう。
それでも「決定的な瞬間が年内に訪れるのか」「それとも来年の話になるのか」をEconomist風に予想するなら「ゼレンスキー大統領の選択(ロシア領の獲得を優先させるか、自国領の防衛強化を優先させるか)にかかっている」と言ったところかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:110 окрема механізована бригада імені генерал-хорунжого Марка Безручка