ウクライナ戦況

膠着状態の前線、ロシア軍が数週間以内に新たな攻勢を始める可能性

DEEP STATEは「ヴェリカノボシルカ陥落後=1月25日以降、前線での衝突回数が減少している」と報告していたが、AP通信は29日「ロシアが停戦交渉の立場を強化するため数週間以内に新たな攻勢を複数方向(スームィ、ハルキウ、ザポリージャ)で始めるだろう」と報じた。

参考:Ukrainians expect Russia to launch a fresh offensive to strengthen its negotiating position

もし「戦場の現実」に従うなら「現在の前線位置」で全てであり、これ以上の何かを手に入れるには血をもっと流すしかない

DEEP STATEはウクライナ軍参謀本部のデータに基づいて「ヴェリカノボシルカ陥落後=1月25日以降、前線での衝突回数が減少している」と何度も言及、2月の衝突回数は1月の約半分(特にポクロウシク方面の衝突回数は1/3に減少)で、3月に入ると全体的に衝突回数が増加したものの「昨年の攻勢時」と比べれば少ない方で、この傾向はDEEP STATEとRYBARの報告回数や前線の動きにも如実に反映されているが、DEEP STATEはは「3月下旬に入って衝突回数が増加している」と報告。

出典:DEEP STATE

まだ衝突回数の増加は目立った前線の変化に影響を与えていないものの、AP通信は29日「ロシアが停戦交渉の立場を強化するため数週間以内に新たな攻勢を複数方向(スームィ、ハルキウ、ザポリージャ)で始めるだろう」と報じた。

“ゼレンスキー大統領は諜報機関の報告に基づいて「ロシアは交渉を長引かせ、偽りの条件について終わりのない無意味な議論の中に米国を閉じ込め、稼いだ時間の中でもっと領土を奪おうとしており、スームィ州、ハルキウ州、ザポリージャ州で新たな攻勢の準備を進めている。プーチンはより強い立場で領土をめぐる交渉を行いたのだ」と述べ、キーウの駐在するG7構成国の外交官2人もゼレンスキー大統領の評価に同意した。プーチン大統領も戦場での成功を重視しており、ムルマンスクで開催された北極圏フォーラムでも「前線全体の戦略的な主導権はロシア軍が握っている」と述べて戦場での成功を強調した”

出典:President of Ukraine

“ウクライナ軍指揮官らは「実戦を経験した部隊をクルスクから東部戦線に移動させるのではないか」と、ある大隊指揮官は「クルスクで戦ったロシア人らは勝利に勢いづいているため(これを相手にするのは)簡単ではない」と懸念しており、前線で戦う兵士らと繋がりのあるウクライナ人アナリストも「ロシア人は6ヶ月~9ヶ月、つまり年内いっぱい継続する攻勢を準備している」と、2人のウクライナ軍指揮官も「敵は将来の攻勢に備えて(障害となる陣地やドローンシステムの運用拠点などに対する)偵察活動を強化している」「これはそう遠く攻勢が準備されている兆候かもしれない」と述べた”

“ウクライナ軍の報道官も「ロシア軍は過去2ヶ月間の攻勢で疲弊したため小休止に入ったが3月中旬に攻撃が再開された」「これはロシア軍の戦力が回復したことを意味する」と、ポクロウシク方面で戦うウクライナ軍兵士も「ロシア軍がセリダブ周辺に戦力と弾薬を集結させている」「増強された戦力には大型の装甲車輌が含まれている」「無線から聞こえてくる多くの新しいコールサインは増援部隊の到着を示唆している」と指摘したが、ロシア人らは戦場の見通しについて楽観的だ”

出典:President of Ukraine

“ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは「オリヒウ西部での新たな攻勢は敵に戦力の再配置を強制することになる」「そうなれば隣接するロボティネ方向やマラ・トクマチカ方向の守りが手薄になるだろう」「この攻勢はザポリージャ地域解放に向けた第一歩になるかもしれない」と、ロシア人アナリストのセルゲイ・ポレタエフ氏も「我々だけでなく敵も春から夏にかけて積極的な攻撃準備を進めているが、ウクライナ軍は十分な準備に苦労しているという見方が強まっている」「ロシア軍は消耗しているにも関わらず今後半年から1年の間に決定的な勝利を収める可能性があり、これは敵の防衛ライン崩壊を意味する」と予想した”

“米国が仲介する停戦交渉はロシア側の要求(SWIFTへの再接続など)によって成果が制限されており、前線では交渉の浮き沈みが兵士らの不満と不安を煽っている。あるウクライナ人兵士は「(前線では)誰も彼らを信用していない」「まだ戦争が『別の方向に進む』という希望や『戦場で前向きな変化が起こること』に誰もが期待している」「何故なら現状は我々にとって良くないからで、我々はそれを認めたくないのだ」と語った”

出典:Donald J. Trump

停戦交渉が難航するのは双方が戦場の現実を受け入れないためで、ウクライナは「戦場の現実」ではなく「国際社会の力=経済制裁」で交渉立場を強化し「自国に有利な条件での停戦」を、ロシアも「完全に占領できていないヘルソン州、ザポリージャ州、ドネツク州、ルハンシク州を寄越せ」と言って譲らず、もし「戦場の現実」に従うなら「現在の前線位置」で全てであり、これ以上の何かを手に入れるには血をもっと流すしかないだろう。

それをトランプ政権が容認するかどうかは謎だが、今直ぐ戦いを止めるには「互いの政治的な正義」ではなく「双方の歩み寄り」が必要だ。

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※アイキャッチ画像の出典:Командування Повітряних Сил ЗСУ

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コメント

  • コメント (51)

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    • kame
    • 2025年 3月 30日

      >今直ぐ戦いを止めるには「互いの政治的な正義」ではなく「双方の歩み寄り」が必要<
    この管理人さんの文章が全てでしょうね。欧米が直接的な軍事支援について完全否定した開戦初期の段階から国力差で押し切られる事は容易に想像できていた事でした。経済制裁によってロシアが侵攻を停止するだろう、ある程度の被害を与えさえすれば割に合わないと考えるだろう、というのもウクライナと欧米の見込み違いであった事も関係国からは既に暴露されてしまっている以上、後はウクライナとロシアが戦場における優劣を第三者視点で捉えた上で妥協をしなければ解決は不可能でしょう。
     ウクライナとロシア両軍の前線兵士は政治的な判断が下されるまでは戦闘を続けるしか道が無い以上、政治家が国民の顔色を伺うという呑気な事をしている暇はなく、戦場で血を流させ続けてきた責任と義務を果たすために行動して欲しいものです。

    24
      • やみと
      • 2025年 3月 30日

      いいえ、どちらかが拒否する能力を失っていれば、問題は解決します。ロシアの目標もずっとこれであり、5年以上の長期戦争を行い、ウクライナの現存戦力と兵役対象者を徹底的にすり減らす覚悟ができていることは確かだ
      相手がいくら嫌だと言っても、もう身動きが取れなくなったら、あとは好き放題されるだけ

      そして、指導者や国民の感情が引き起こした無意味な戦争ではなく、国益、安全、戦略によって決定される「理性的で有意義な戦争」である。これらの根本的な原因を取り除かなければ、今のような中途半端な状態で一時停戦しても次の戦争のための時間稼ぎにすぎない。実際には苦痛を長引かせるだけで、最後には戦場で死ぬ人が増えるだけですよ

      75
      • コンコルド効果で、妥協は困難
      • 2025年 3月 30日

      ウクライナもロシアも犠牲が多すぎる。
      ウクライナは、人が死に、領土も失い。経済もボロボロ。 今更、妥協しては、何のための停戦拒否か意味不明になってしまう。
      体制のピンチ。

      13
    • もへもへ
    • 2025年 3月 30日

    トラパティ総司令官のもと、問題点が改革されて今年のウクライナ軍は去年と見違えるように戦えるようになってるので例え数カ月の攻勢を受けても耐えきれるのでは?

    逆に攻勢に出たロシア軍をかつての様にロシア軍を効率的に削るキルゾーンだっていう主張ができるくらいになる可能性だってある訳です。

    皆もう忘れてるかもしれないが、2023年の大反抗が頓挫した後に、2024年は防御に徹してロシア軍を効率的に削り、反対にウクライナ軍は増強して2025年は再度の大反抗って話でした。

    今度こそその流れになる僅かな可能性の未来を信じましょう。

    10
      • らっく
      • 2025年 3月 30日

      守りに徹していればねぇ…クルスクを攻めていなければねぇ

      73
      • 阿呆
      • 2025年 3月 30日

      根拠のないかもしれないは斧先生のお家芸。
      英米のかもしれないキャンペーンが1度も真実ではなかった。
      それやりたいならヤフーニュースへどうぞ。

      55
      • 舎人
      • 2025年 3月 30日

      個人的には総司令官が変わったから強くなったというのは眉唾物で、停戦を見据えてそれだけ無理しているだけにしか思えないんですが。
      明確な根拠を示すことはできない素人の戯言に過ぎませんが、ウクライナ軍の根本的な問題は戦力不足で総司令官か変われば何とかなる問題とは思えないので。
      停戦を長引かせることに拒否感を示すゼレンスキー大統領の発言も同じライン上にあるように思えます。

      46
        • やみと
        • 2025年 3月 30日

        総司令官よりゼレンスキーの方が問題が大きいでしょう
        ウクライナが戦いに勝つためには、2022年初頭からできるだけ力を節約して防御に専念しなければならない。すべての行動は「ロシア軍の消耗を増やし、自身の消耗を減らす」という原則に従っている。ほとんどの反撃は実際には必要ありません。領土への固執も捨て、多層防御線を構築し、どこかで守りにくくなったら後ろの防御線に果敢に撤退する……
        しかしゼレンスキーはザルジニーのやり方さえ許さず、この戦法を認めることはさらに不可能になった
        間違った全体戦略が変わらなければ、総司令官はいくら優秀でも局所的な戦略や戦術を改善するしかない。ましてこの3年間で大量の戦力を無駄にしてきたのだから、今から変えても取り返しがつかない

        24
        • 契約者さん
        • 2025年 3月 30日

        司令官だけで変わる事は殆ど無いでしょうね。人事刷新して上部層を新司令官派閥で固めることが出来ればそれなりの速度で変革が起きるとは思いますが、それでも半年ぐらいはかかりそう。

        10
    • 皇道派
    • 2025年 3月 30日

    ウクライナ有利にしても結局自活する能力のないウクライナが誰に養われるんだっていう、西側にウクライナを養える金も資源もない。
    戦争始まる前みたいにロシアからの資源に頼る以外の選択肢はない
    となるともう無理だってわかったNATO加盟なんて言わず
    将来も加盟しないと誓って、今も処罰されてない親ロ焼死の対応とかちゃんとやるべきことをやればいいのではと思うが
    ロシアもここまで来たら取るもん取るかもしれないが、これ以上はないのではとは思う

    47
      • 2025年 3月 30日

      プーチン大統領が現時点で停戦すればこれ以上の領土の割譲を要求しないと言っていたね。

      13
        • hoge
        • 2025年 3月 30日

        実際ロシアの右派と左派、双方の意見を見ると領土は結構どうでもいい感じなんですよね
        ただザポリージャまでロシアが取った場合はオデッサへの色気が出てくると思います
        地政学的にもそうですが、その頃まで戦ってるってことは右派の意見が強くなるでしょうし

        25
        • Mr.R
        • 2025年 3月 30日

        ??「これが最後の領土要求である!」

        6
      • 2025年 3月 30日

      戦前と比較して
      農業はだいぶ土地が汚染されて収穫量が減りブラックロッド経由でアメリカに収益吸われる
      鉄鋼業は強みだったブランチマイニングが不可能になって弱みの低品質加工品に頼るしかなくなり
      ブラックマーケットはロシアによって絶賛駆逐中

      欧州と米民主党がブラックマーケット温存に走ることで多少はマシになるとしても自活能力は半減して借金返済が始まる以上経済破綻は確定です。
      死体にくぎを打ち付けて債権一部放棄してでも生き残らせる方向に走るでしょうから表向きは生き残るとしても

      13
    • 774
    • 2025年 3月 30日

    ウクライナがどこまで現実を直視するかですかね
    軍事的に奪還は無理、よくて膠着状態、経済制裁でロシア尾は倒れない、NATOは加盟できない、停戦まで欧州から軍の派遣はない、それだって英は米の派遣がないと出来ないと日和って不明瞭
    でもよく言われてますが停戦するより継戦のほうがウクライナの現政権にも経済にも都合が良いのかもしれませんが

    英や欧は現実を把握したうえで自身の支持率や影響力行使、イデオロギー実現のネタにウクライナを使い潰そうとする邪悪さしか感じない
    米とトランプもひどいけど端的には”無益な血を流すな!”と言ってるだけ相対的にマシ

    61
      • 朴秀
      • 2025年 3月 30日

      トランプは言っていることやっていること滅茶苦茶ですけど
      「人が死なないようにしたい」一点だけはまともですし
      実際に行動するのも偉いと思います。

      79
      • 2025年 3月 30日

      確かにウクライナは継戦してるから色々支援して貰ってるけど、停戦したらそれが減るか無くなる可能性高い事を考えたら今の方が都合良いかもしれませんね。
      支援があるからまだ破綻してないような状態の国ですし。

      まあ、英仏等一部の欧州諸国は停戦後に派兵は一致したみたいな話ありましたけど、要は戦闘が終わるまでは他国は絶対派兵はしないって事な感じの。
      ドイツ何かは自分達の軍備増強の時間稼ぎの為に後5年はウクライナに戦えみたいな話もあったような?

      7
    •  
    • 2025年 3月 30日

    歩み寄りなんかあるわけないじゃん
    トランプの言う通りこれ以上長引かせてウクライナの立場がよくなることなんてないのに
    必要なのは歩み寄りじゃなく西側が敗戦を認めてウクライナを諌めることだよ

    76
      • うくらいだ
      • 2025年 3月 30日

      ウクライナの状況は悪いですからね
      プライムか何かの番組でアメリカに詳しい小谷哲男さんか、トランプ政権では最終的に停戦仲介を諦める、という選択を政権が持っていると言ってました。つまり完全に手を引いてあとはそっちでやってくれということです。
      ゼレンスキーが時間的猶予そんなに無いかもしれないということにどこまで危機感をもってるかは謎ですが、劣勢状況の中どこかで折れないと、アメリカが完全に手を引いたとき完全な敗戦も見えてきそうです。

      14
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2025年 3月 30日

    停戦条件としての「停戦中は支援国からの武器支援を受けない」を拒否する姿勢なのですから、ロシア側としても「では戦争を続けよう」としかならないでしょう
    安全保障をどうするかは別問題として停戦する気が無いなら現状が続くのは何も不思議ではありませんね

    55
    • T.T
    • 2025年 3月 30日

    別に停戦したいのはロシアじゃ無いからね。
    ロシアが長期戦を明言している以上、停戦条件に余程の旨みがない限りはウクライナ軍を破壊するまで淡々と戦争を続けるだけでは。

    57
    • 膠着からの停戦
    • 2025年 3月 30日

    前年と比べればウクライナはよく耐えてる方ではあるが、ここからロシア軍を10km前後押し返して大都市を奪還する体力は全く無さげだし、イースターは早い気もするが後数ヶ月は膠着が続いて、お互い突出部(ウクライナならクルスク、ベルゴロド、ロシアならオスキル川西部)を潰しあった上で停戦じゃないかな?

    15
    • nk
    • 2025年 3月 30日

    ロシアでは穏健派のプーチンが権力握っている内に戦争終わらせないと、ロシアは誰であれ強硬派が間違い無く後釜に座るので早い所損切りして終わらせることが最良の選択で1年後には何故あの時に終わらせ無かったのかということを後悔してる様が予想出来るし、もう停戦も当分無さそうなので泥濘終わると全戦線でロシアの攻勢始まり南部戦線が全体的に一気に押し上げらる可能性が高いだろうなとは思って見ている。

    49
      • やみと
      • 2025年 3月 30日

      なぜロシアは損切が必要なのか。今はウクライナと欧洲がやるべきだろう
      もっと長引いても最後はロシアが勝つだろうし、ウクライナと欧州は自分の損失をより多くするだけだ
      もちろんロシアの消耗もさらに深刻になるだろうが、国土などの実益を得て、戦争の勝利も国民や軍の支持を高めることができれば、何とかなるだろう。同じように消耗はもっと深刻だが、敗戦したウクライナと欧洲は、状況が何倍も悪くなるだけだ

      27
        • nk
        • 2025年 3月 30日

        結果は見えていて不変なのでウクライナが損切りするべきと言いたかったので、やみとさんの考え方と特に相違は無いですよ。

        44
      • たむごん
      • 2025年 3月 30日

      これは重要な視点ですよね。

      欧州目線で次世代を考えれば、強硬派が就任後も継戦が続いて、自国が危うくなるのは論外だろうなと。
      ロシア目線で次世代を考えれば、権力継承による混乱回避の為に、懸案を処理しておきたいというのもあるでしょう。

      アメリカ目線で見れば、地球儀目線で俯瞰する必要があるわけで、(対立相手に武器を流されて)在外米軍のリスクが上がるだけならば意味がありません。
      日本目線で見れば、アメリカも手を引く空気を鮮明に出していますから、ウクライナ戦争に深入りしすぎるメリットが何もないのは間違いないですね(日本が獲得できる大きい権益もありません)。

      26
    • たむごん
    • 2025年 3月 30日

    アメリカは、ウクライナ向けの債権保全に走っていて、ヨーロッパは焦げ付く可能性が高まります(日本もです)。
    ヨーロッパも打算はあるわけですが、善意でやっているのかどうか、ウクライナ権益を捨てるのか・国内世論が納得するのかで分かりやすいでしょうね(アメリカのようになぜ要求しないのかと…)。

    日本もそうですが、非常時の物資は、平時の数倍以上に値上がりしたりします。
    アメリカしか、最前線・敵地に関わる軍事情報を提供できないわけで、極端な話し『月1兆円だ!』と言われても、状況によっては言い値を飲むしかないかもしれません…

    アメリカは、ウクライナ支援を引く覚悟も鮮明なわけですが、アメリカを巻き込み続けるのにも何らかの厳しい条件を飲む必要がありますね。
    『年4%のリターン!』にも言及していて、インフレ負けしないように、アメリカ短期金利程度も組み込まれているのが興味深いです。

    >この草案文書によると、米国は基金の理事会メンバー5人のうち3人を指名し、決定を阻止できる特別議決権も得る。ウクライナ政府はあらゆる天然資源・インフラ関連の新プロジェクトから得る利益の50%を基金に払い込むことが義務づけられ、米国はこれまでの支援金額を完全に回収するまで、利益の全額に加えて年4%のリターンを受け取る権利を有する。

    >また、基金がプロジェクトに融資しているかどうかにかかわらず、米政府は他者に先駆けてウクライナの金属や鉱物、石油、ガスを商業的な条件で購入する権利を確保できる。重要な鉱物を米国の「戦略的な競合相手」にウクライナが販売することは禁止する。この合意に時間的な制限は定められていない。

    (2025年3月28日 米国、ウクライナに投資計画全ての管理権要求-欧州など他国排除 bloomberg)

    21
    • 傍観者
    • 2025年 3月 30日

    嵐の前の静けさ。いずれにせよ露のウクライナ戦争の目的は達成されるだろう。

    42
    • 頬骨
    • 2025年 3月 30日

    こんな絶好のチャンスを棒に振って停戦なんぞに応じたらプーチンは大バカやで。あの手この手の無理難題をふっかけて戦争を延々長引かせつつ、ウクライナの継戦能力を破壊してキエフに三色旗を翻らせてから交渉に臨めばよい。どうせあと2~3年もすればどんなに欧州が支援してもウクライナの人的資源が先に尽きる。ロシアは経済的にテコ入れしてるアフリカ諸国から傭兵を雇いたい放題だ。あと少し我慢すればウクライナ全土が手に入るのに、ここで辞めたら英霊に申し訳がたたん。どの面下げてモスクワの英霊廟に参列するのだ。今やプーチンにとって、戦争を続けることよりも辞めることの方がリスクが高いのだ。勝てる戦を放り投げたらクーデター一直線なのだから。

    21
      • 通りすがりA
      • 2025年 3月 30日

      欧州委員会の言っている「ロシア全面撤退停戦」なんて夢想は、絶対に応じないでしょうね。ロシアの要求項目にあるように、NATOへの加盟禁止、ロシアへの制裁の解除、2022年2月以前の貿易状態への回帰などの「歩み寄り」があり、ロシアは優位でありながらも停戦に合意する、という妥協ならばあり得るでしょうが。
      しかし、今の欧州委員会は自国の産業界の現実すら見ない有り様。ドンバスの現実など見るはずがなく、EUが夢想に耽っている限り、ゼレンスキーも自己賛美の密室から出てこない。

      48
        • 頬骨
        • 2025年 3月 30日

        >>NATOへの加盟禁止、ロシアへの制裁の解除、2022年2月以前の貿易状態への回帰などの「歩み寄り」があり、ロシアは優位でありながらも停戦に合意する、という妥協ならばあり得るでしょうが。

        有り得るだろうか…?その気になればあと数年でウクライナ全土を踏み潰せるのに、いつかの反乱の目を西部に残して妥協するというのは我慢ならないロシア人も多いのでは。無条件降伏するならまだしも、ロシア経済も好調で人員もそれなりに確保できる現在、いかなる妥協も必要なく、もしそれを引き出すならウクライナの大統領選でロシアの傀儡を当選させて、3000万人総懺悔の気持ちで劣化ベラルーシになるぐらいまでへりくだらないと無理ではなかろうか。

        17
          • 琥珀
          • 2025年 3月 30日

          そもそも今のウクライナって人口3000万もいるんですかね?
          もう多くても2800万ぐらいな気がするんですよね。

          6
            • やみと
            • 2025年 3月 30日

            昨年の一部の見方では、ウクライナが実効支配している地域では、人口は最大2500万人、最低1800万人にすぎない
            何百万人もが欧洲に逃げて帰ってこない。また数百万人はもともとロシア占領区に住んでいたか、開戦後にロシア占領区や本土に逃げた

            7
              • 琥珀
              • 2025年 3月 31日

              EUやロシアに逃げたの合わせて一千万近いとか聞いたんで戦闘での損耗したの含めて多くて2800万と思ったんですが、思った以上に少なくなってて何も言えない感じに。
              まあ、もう3年以上経つしそれだけ時間あれば国外で生活基盤築いてて、そうなればもうそれ捨ててまで荒廃した国に帰るってのないですよね。

              というかここまで人口減ったら最早ウクライナは今の国土すら維持は無理なのでは?
              開戦前から出生率も低いし、継戦するならここから更に減る訳ですし。

              3
        • れんちゃ
        • 2025年 3月 31日

        交渉などというものはお互いに大げさな事を言ってなんぼなので、まあ額面通りに真に受けるものではないかと…
        ロシアもいくつかの要求が易々と通るとか思ってないでしょう。諦めなかったとしてももっと搦め手が必要だとは思っているかと。

      •  
      • 2025年 3月 31日

      >あと少し我慢すればウクライナ全土が手に入る

      ムリムリ
      ロシアが大好きなのはよく分かるが夢見すぎだ

      1
      • れんちゃ
      • 2025年 3月 31日

      仮にウクライナを完全制圧したとして、そうしたらもう停戦による関係回復とかも当面無理になるのでは…
      なので、西側にウクライナ残党用の領地は残して交渉する可能性もあるんじゃないかな。
      モルドバへ至るルート確保してキーウさえ確保したら残り全部まではリスクに比べれば重要性低いんじゃないかな。
      ただ、アメリカが完全に引いたとしてもそうすると欧州が何を考えるかわからなくもなるので、
      なんとも言えないかな…ウクライナ兵力の大半がEU側に亡命してNATO軍を補強しまうというリスクもあるよね。

    • ふむ
    • 2025年 3月 30日

    一方の戦力が破壊されてしまえば、以降は塗り絵になります
    終戦条件には前線位置だけでなく、残存戦力も影響するでしょうね
    大日本帝国も台湾を保持したまま終戦しましたが、既に連合国に対して交渉できる戦力など無かったので連合国に言われるがまま放棄しました

    前線位置の動きは鈍いですが、遺体交換の比率変化からしてウクライナの損失どんどん増えてるようで気掛かりです
    練度や装備の劣化とか起きてるんでしょうか

    37
      • 通りすがりA
      • 2025年 3月 30日

      ローテーションがないことによる体力の限界。予備兵力の枯渇により一部隊あたりの守る範囲の増加。アメリカの支援がもうなくなることへの精神的な絶望。戦争そのものの先行き、その先の国家の展望に希望が見えないこと。そして、ロシアの攻勢が迫っているのではないかという不安。練度や装備よりも、「士気」の衰えが顕著になってきてるのではと思ってます。
      ウクライナが停戦に応じない以上、米国なしでロシアに立ち向かわねばならないという絶望感は、前線の兵士の心を折るには十分ではないかと。

      33
        • ふむ
        • 2025年 3月 30日

        ああ、確かに「隣の部隊が知らない内に脱走していた」とかなると敵の接近にも気付けず横や裏から撃たれるので戦況悪化要因には士気の低下も考えられますね…
        定量的な数値化も事後的にしかできないので、どの部隊の誰が逃げるかなど予め知って備える事もできず簡単には対策根絶できませんし
        どれだけ攻勢失敗しても攻めっ気を捨てられない理由の一つにもなってそうです

        11
      • kitty
      • 2025年 3月 31日

      遺体の交換レートは、ウクライナ軍が自国兵の遺体すら回収できていないのにロシア兵の確保できる機会なんぞ限りなく少ないってことですよね。

      3
    • Trumpx
    • 2025年 3月 30日

    管理人さんが載せた英仏首脳とゼレンスキーが前列中央に並び立っている記念写真
    から俳優大統領ゼレンスキー最大の成果が宇ユーロマイダン革命派のNATO・EU
    加盟強行で露プーチン政権が軍事侵攻、正義のEUと悪の露の戦争に置換える宣伝
    が成功の象徴に見える、ウクライナの現状は国民,経済が壊滅ゾンビ状態。
    国家主権だけで国の歴史地勢現状を無視して敵対陣営に寝返ればどんな結果になる
    のか、日本の政権は高度な政治外交軍事が必要不可欠。

    1
    • 匿名希望
    • 2025年 3月 30日

    分かっていた事ですがこのままでは部分停戦すら難しい状況ですね
    しかも国民に停戦の可能性を見せてしまった以上追加動員も難しくなる
    兵員の枯渇は切迫した問題のはずですが…

    15
    • 通りすがれ
    • 2025年 3月 30日

    仮に現状の前線ラインで停戦とするとハリコフの占領地と交換してもロシアの戦略目標であるドネツクの残りとは全然見合わないのでウクライナ側も飲まなさそう
    もし国家戦略上超重要なザポリージャ原発を交換条件に出したらどこまで領土を割れるかには興味ありますね

    1
    • 懐中電灯
    • 2025年 3月 30日

    「双方の歩み寄り」
     ↑
    一方的に国民の生命財産と国土蹂躙されたウクライナの立場から考えるとたまったもんじゃない。

    4
      • 契約者さん
      • 2025年 3月 30日

      それはそう。でも感情で現実は覆せないわけでして。

      34
    • 匿名
    • 2025年 3月 30日

    誰が言ったか、西側にとっては拡張の為の戦争/ロシアにとっては生存の為の戦争。
    今年1月のスロバキア首相フィツォの発言を思いだします。
    「戦争は2022年2月に始まった。4月にはウクライナとロシアの双方が署名する用意のある和平協定がテーブルに上がった。しかし、西側の外交官や政治家がやって来て、『この戦争はロシアを屈服させる絶好の機会なので、ウクライナはこれに署名してはならない』と言った」と、 2022年春にイスタンブールで失敗した交渉に言及してフィツォ氏は述べた。」「西側の戦略はそれ以来裏目に出ていると主張した。」
    ウクライナの人々の命をチップに使ってギャンブルをしているのは誰なのかという事をいつも思います。

    51
    • 2025年 3月 30日

    トランプとゼレンスキーの会談で 「 your GAME is world war 3 」は言い得て妙だ。
    その言葉の意味をゼレンスキー、英仏の連中は理解し出来ないのは救いがたい。
    出口戦略もなしにベットし続けるギャンブラーそのものだな。

    24
    • メロン
    • 2025年 3月 30日

    >今直ぐ戦いを止めるには「互いの政治的な正義」ではなく「双方の歩み寄り」が必要だ。
    ノーノー
    これはスポーツじゃねぇんだ
    いや、スポーツでも勝ち負けをハッキリつける
    正義とかそんなん関係なくどちらも停戦条件で折り合いが付かない以上、相手を徹底的にブチのめすしかない
    そっちの方がトータルでスッキリカタが付く
    そりゃ状況がマズくなったから、「両成敗や引き分けで手を打たないか?」って解釈出来てしまう
    今中途半端に終わらす方が余程不味い
    後を引きずるから

    10
    • ppp
    • 2025年 3月 30日

    >>「戦場の現実」に従うなら「現在の前線位置」で全てであり

    交渉は将来予測される前線位置で行われるものじゃないでしょうか。
    不利な側が現在の前線位置という甘い妄想に憑りつかれると、一撃講和的な維持不能の無謀な突撃が発生してしまいます。
    結局は戦力の損耗に繋がって終戦を早めることになるのが何とも言えませんね。

    12
    • れんちゃ
    • 2025年 3月 31日

    もう半年以上前でしょうか…ロシア軍がウクライナ軍を完全撃破する時が来た前線は崩壊しロシア軍がウクライナ領土を瞬く間に蹂躙するだろうという様な事が触れ回られてかなりの時間が過ぎました。
    ですが、結局のところある程度戦線が移動したというだけで、結局は長く膠着したままとなっています。
    これはロシア軍にとっては大問題となっている様で、なんらかの再攻勢を企図して期待外れに終わったという汚名を返上する作業をいくつか繰り返して、当面の結論=軍部での更なる粛清人事を回避する必要性に駆られているとも見られていますね。
    最近大人しかったのはそうした準備を執り行う必要もあったのかもしれません。また、アメリカにいまいちやる気がない現状が最後のチャンスだという様な慌て方もしているとも。ロシアの攻勢にあわせてもう一度武器供給停止や情報提供の停止をしてくれる淡い期待…

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