New York Timesは「秘密裏に計画されたクルスク侵攻は大きな賭けだ。和平交渉の切り札を手に入れるか、貴重な戦力を消耗してドンバス制圧の機会をロシアに与えるかのどちらかだ」と報じ、東部戦線で戦うウクライナ軍関係者は「今のところロシア軍の攻勢に変化はない」と述べている。
参考:Deception and a Gamble: How Ukrainian Troops Invaded Russia
参考:Russia Moves Some Troops From Ukraine to Fight Incursion, Kyiv and U.S. Say
ウクライナにとっての成功は和平交渉までクルスクで獲得した領土の保持とドネツク州の制圧阻止
New York Timesは13日「秘密裏に計画されたクルスクでの作戦は大きな賭けだ」「もしクルスクで獲得した領土を維持できればロシア軍を薄く引き伸ばすことができ、プーチンに大恥をかかせ、和平交渉の切り札を手に入れることが出来る」「逆にロシア軍がクルスクからウクライナ軍を追い出し、ドンバス方面で前進することに成功すれば『敵に成功の機会を与えただけ』と軍上層部は非難されるだろう」と報じた。
“ウクライナ軍は米支援の停滞で武器や弾薬が一時的に尽きかけ、支援が再開されたにも関わらず東部戦線でジワジワと土地を削り取られているため、誰もが『ウクライナに新たな攻勢を仕掛ける余裕はない』と考えていたが、ウクライナ軍は本作戦のためチャシブ・ヤールの防衛に参加していた第22機械化旅団のドローン大隊、ボルチャンスク近郊でロシア軍と激戦を繰り広げてきた第82空中強襲旅団、ハルキウの最前線にいた第80空中強襲旅団を密かにスームィ州へ移動させた”
“さらにウクライナ軍は訓練と武器の受領を装って旅団の一部をスームィ州に移動させたり、将校らには「都市や街に移動する際に軍服を着用するな」と指示して徹底的に部隊の移動を隠した。作戦内容も一握りの人間だけに知らされ、ある旅団の副司令官は「上級将校を集めた8月3日の会議で任務の目的を明かされた」「ロシア軍の戦力をクルスクに誘引してドンバスで戦う仲間を支援すること」「ロシア軍の砲兵部隊をスームィから遠ざけること」「ロシア軍の計画と諜報の失敗を見せつけて軍の士気を下げること」と述べている”
“それでも一部のロシア人はスームィ州に集結する敵戦力の変化に気づいていた。元軍人のグルリョフ下院副議長は出演した国営TVの番組内で「司令部には攻撃開始の約1ヶ月前『敵の部隊が移動して攻撃準備を行っている』という報告が上がっていた」と明かしたが、これに対して上層部は「全てを把握しているのでパニックに起こすなと指示した」と嘆いた。ウクライナ軍は旅団を構成する各大隊を「異なる戦場」に分散派遣するのが日常的な光景で、スームィ州でのいかなる動きも「防衛体制の強化」として誤解された可能性が高い”
“戦闘地域から遠く離れたクルスク州は対車輌用の溝、龍の歯と呼ばれる障害物、防御陣地の数が少なく、地雷の数や密度も占領地に比べれば小さかったため、ロシア領に侵入した第22機械化旅団の兵士らは素早く前進することができ、作戦に参加しているウクライナ人兵士は「我々が進むと多くのロシア人は逃げ出した」「一つのチェックポイントで8人の敵兵士が投降したこともある」と述べ、唐突に始まったウクライナ軍の攻撃に国境付近のロシア人住民は大混乱に陥った”
“New York Timesの取材に応じたスジャの住民は「住民らは出来ることを何でもやっているが政府は無関心だ。我々は見捨てられたんだ」と語り、国境から約80km離れたクルスク市は戦闘地域から逃げ出してきた人々で溢れかえった。ボランティアが設置した救護センターの関係者も「助けを求める住人が長い行列を作っている」「携帯電話の電波は不安定で、空襲警報は断続的に鳴り響き、人々の神経はすり減っている」と述べ、この戦争についてどう思うかという質問に「様々な意見があるが、多くの人々は『悲劇だ』と考えている」と答えている”
ゼレンスキー大統領は10日夜の演説「戦争を侵略者の領土に押し込んだ」と発言、Washington Postはウクライナ当局の発言を引用して「クルスク侵攻はロシアが一方的にウクライナを侵略するという構図を逆転させた」「戦争をロシアに持ち込むことでロシア人は過去2年間にウクライナ人が体験したこと経験することなる」と報じたが、New York Timesは今回の記事で以下のように述べている。
“ウクライナはリスクの高いクルスクの作戦について米国に事前通告しなかった。恐らく作戦を思い留まるよう説得を受けたり、情報が外部に漏洩することを懸念したのだろう。この攻勢は大きな賭けだ。もしクルスクで獲得した領土を維持できればロシア軍を薄く引き伸ばすことができ、プーチンに大恥をかかせ、和平交渉において交切り札を手に入れることが出来る。逆にロシア軍がクルスクからウクライナ軍を追い出し、ドンバス方面で前進することに成功すれば『敵に成功の機会を与えただけ』と軍上層部は非難されるだろう”
“ロシアにとってクルスク侵攻は「プリゴジン率いるワグネルがモスクワに進軍してくる」のと同じぐらい衝撃的だった。プーチン大統領が築き上げた安全保障体制はウクライナ軍の奇襲攻撃の前に崩れ去り、国民を守るという基本的な任務を果たせなくなった。約30ヶ月間に及ぶ大統領選挙に付随していた不文律の契約、つまり「プーチンが始めた戦争は自らの意思で契約に応じた兵士のみで行い、一般的な国民は戦争とは無縁の普通の暮らしが維持できる」という契約は疑問視されることになるだろう”
New York Timesの記事内容のみで言えば「ウクライナはロシアとの和平交渉を前提に動いている」「クルスク侵攻の目的は東部戦線から戦力誘引、和平交渉の材料獲得、戦争をロシア国内に持ちこんでロシア人にもウクライナ人が体験したこと経験させプーチンと国民の間に溝を作る」「ウクライナにとっての成功は和平交渉までクルスクで獲得した領土の保持とドネツク州の制圧阻止」「逆にクルスクから追い出されドネツク州が制圧されると失敗」「この作戦のためウクライナは東部戦線から戦力をクルスクに抽出しているため戦力誘引に失敗すると厳しいことになる」だ。
ウクライナは大統領選挙前までに戦争の流れを変える必要があり、クルスク侵攻の結果次第で和平交渉での立場は大きく変わることになるだろう。
因みにNew York Timesは14日の記事で以下のようにも述べている。
“ウクライナ軍参謀本部のリホワ報道官は13日「ロシア軍が占領地から一部部隊の撤退を開始した」と明かし、米当局者も「ロシア軍は少数の部隊を撤退させた」と述べた。軍事アナリストはロシアの戦略について「出来るだけドネツク方面から戦力移動を避けること」と、戦争研究研究所も「クルスク侵攻の対処は重要ではない地域の正規軍と徴兵された兵士に依存している」と、リトアニアの国防相も「ロシアがカリーニングラードから部隊をクルスクに移動させ始めた」と言及”
“ウクライナ軍当局者は「クルスク侵攻が始まって1週間が経過したがドネツク方面の攻勢は衰えを見せていない」「敵はチャシブ・ヤール、トレツク、二ューヨーク、ポクロウシクに向けてゆっくりと前進を続けている」と、第32機械化旅団の報道官も「まだトレツク方面への攻撃や砲撃の密度に何の影響も出ていない」と述べた。ウクライナ軍がクルスクでの軍事的圧力を継続できるかどうかは投入できる戦力の数にかかっている”
果たして今後のクルスク侵攻はどうなるのか、ロシア軍に占領地からの戦力移動を強いることができるのか、どのぐらいの予備戦力を持っているのだろうか?
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
FTのインタビューやロシアの出したウクライナ捕虜のインタビュー(これ単体では信憑性低いですが)なんかでも触れられていましたが、NYTも報道し始めたので交渉材料としての領土占領という目的は真実味を帯びてきたように思います。
正直オッズは低いとは言えないと思いますが、まだ初期の機動戦の段階も終わっておらず、ロシア国内の反応など不確定要素も多すぎるのでしばらくは、まずはウクライナ軍がどこまで進めるか、長期にわたって土地を保持できる東部戦線のような陣地戦に移行できるかを焦点に戦場の様子を見ていきたいですね。
進みすぎると兵站が伸びて占領地の維持が難しくなるから飛車角みたいに突っ込むのか防衛線を固めるのかさじ加減が肝になりそうだ。
こうなるとロシアは徴兵部隊と必要最低限の部隊を除いたヨーロッパやアジア方面の部隊ををかなり動員しそうですね
11月に行われるアメリカ大統領選の結果が出ない限り停戦交渉は行われないでしょうし、まだまだロシアとしては時間的余裕があるでしょうから東部戦線から大規模に部隊を引き抜くという事は避けたいでしょうしね。
なんか逆に失敗したら講和条件にハリコフとオデッサ割譲とか盛り込まれそうな…
控えめでもこの2州はロシア軍が駐屯するとかになりそう。
戦術的には、今のところ成功、戦略的には未知数という感じでしょうかね?
プーチンの支持率と、交渉材料はワンセットでしょう。ロシアは北朝鮮ほどの権威主義国家でもないので、支持率の低下は、交渉力にも影響すると思います。個人的には、そろそろ落としどころを見つけてほしいところです。
ただ、戦術的成功というものが後に戦略的には大失敗だったという例は、真珠湾攻撃などにも見られる現象です。交渉を引き出すはずが、逆に相手を逆鱗させたという現象があるのも事実です。そういった意味では、真珠湾がここでもよく引き合いに出されていましたが、間違いでも無いような気がします。
ただ、個人的には、ロシア国民はそこまで熱気があるわけでもなく、わりと冷めている人も多いとも思えます。そこが、この作戦の狙いどころのような気がします。
自分も、仰る点に同意です。
ウクライナの戦略が、政治外交の最高レベルに影響(停戦交渉の材料)しますから、クルスク州から絶対に撤退できないことになります。
他戦線への影響を含めて、今後どうなるのか見守りたいと思います。
完全な賭けでしょうね。
ロシア国民と、プーチンの関係性次第というところも大きいです。
長い戦争に嫌気を感じる国民は、実のところ多いでしょうから、単純な戦力比だけでは、戦争は語れない所があります。
国民が予想以上に嫌気を感じているとするならば、そこに榴弾砲による面攻撃を果たしてまともにできるのか?勿論、ある程度の攻撃はするでしょうが、テロの鎮圧という形に変えている事からも、それは避けたいという心理が働いているようにも見えます。絶望的に大きな軍が攻め込んでいるわけでもないので尚更ですね。
なんだかんだと、プーチンは支持されていたと思います。言われるような独裁者とまではいかず、その手腕で国を立て直した人として評価されていて、それにより権力を維持してきたところは大きいと思います。その国民という後ろ盾なしにプーチンの存在が有り得るとは思えないんですよね。
冷めるもなにも
もう、ロシアには抵抗できるほどの力は残っていないよ
だから、どの道ロシアは負ける
まだ言ってんのか…
全体見てから行った方がいいんじゃないかな。
局所的な勝利しか掴めないウクライナに負ける要素ないでしょ。
視野狭窄に陥ってる人間に何言っても無駄。
ウクライナの立場から見て、アウディーイウカ周辺、トレツク=ニューヨーク、ウグレダールなど、2014年~戦争初期~から維持してきた最前線は最重要拠点です。
アウディーイウカ陥落後を見れば分かりやすいですが、後方の防衛拠点が整備されておらず、ズタズタになるリスクがあるからです。
クルスク州の占領により、ロシア軍の防衛ラインを引き延ばす事を考えるのであれば、特にドネツクの重要拠点を維持しなければ厳しいと考えます。
ロシア軍が、正規軍・武器・大量の砲弾を貼り付けてますから、陥落すれば余力が生まれる事を意味するからです(都市攻撃は大量の砲弾を消費します)。
ウクライナ軍が、クルスク州に強固な陣地構築をして、ロシア軍の本格的な反攻・砲爆撃に耐えられるのかどうか少し気になっています。
少数の東部戦線の部隊の移転と徴兵だけでクルスクへの侵攻スピードもだいぶ落ち着いてきてるし詰みだろ
夏でロシアの領土に攻め込んで冬に地獄を見る侵攻者の例は少なくない
一方でロシアの東部戦線の押し上げは全く衰えていない
ただでさえ戦線の長大さに耐えきれてないのに、新たな戦端を開いて支えられるわけがない
奇襲の衝力が衰えて、クルスクに侵攻したウクライナ兵の惨殺死体の画像とか、結構上がってきてるからね。
あんまりなのはモザイク処理するなりして欲しいところ。
>「もしクルスクで獲得した領土を維持できればロシア軍を薄く引き伸ばすことができ、プーチンに大恥をかかせ、和平交渉の切り札を手に入れることが出来る」
なんだか戦況をつぶさに見守り一般人が触れることもできないような情報を持ってそうな報道機関が
僕でも思いつくような分析をネットにありふれてる雑言を混ぜて発信できるのは凄いなぁとしか…
うーむ交渉材料にするならウクライナは停戦交渉までクルスクから退けないのですが、そこまで堅い防衛線を即席で構築できるのか…
陣地の堅牢さが心許無いと、人数注ぎ込んで維持する肉挽きリターンズに陥る虞が出てきますが果たしてシルスキー将軍の用意した策は何なのか
面積こそ微小ですが注目度は抜群ですねクルスク戦線は
まさにそれが問題で。
状況を切り取って見ると、「ウクライナ軍が自分で半包囲の大釜を作って自分でそこに精鋭部隊を詰め込んだ」となります。
そしてその大釜に自分で戦略的価値を盛りあげて絶対死守の義務まで背負ってしまった。
それで得られたのが「プーチンのメンツを潰すことが出来た」です。これは戦略的判断ではなく、子供の喧嘩ですよ。
アメリカ大統領選に影響を与えるためになんでもいいから象徴的勝利をあげる必要があったという見立てか。とはいえ誰が見てもウクライナ軍が長期間占領地を保持する能力はないし、ロシア側の映像も出てきて既にかなりの損害が出ているようだが
損害の多さにドン引きして1週間の楽観論や熱狂は完全に消えたね。
この空気感、去年の反転攻勢の時に似てる。
両軍共に、配置転換が多いようですね。
訓練された予備が少ないのでは、と想像します。
ウクライナについては、編成中と伝え聞く、14個旅団の準備がいつ終わるかでしょうか。
早急にできるならば、昔で言う動員奇襲に近い効果がありそうな気がします。
今のウクライナに必要なのは後詰めの兵力と長射程火力と思えます。
クルスク侵攻でドネツク方面のロシア側の戦力誘引を狙うというのはよくわからない話なんですよね。ロシア軍がクルスク防衛のためにウクライナ領内から兵力を引き上げるとしても、それはモスクワ軍管区の部隊になるはずで、ドネツク方面は主に中央軍管区、南部軍管区、東部軍管区の部隊の担当ですからたいして影響はないのでは。
例として挙げるとクルスク防衛のために戦車師団が必要となった場合、引き抜かれるのはポクロウシク方面に配置されている中央軍管区隷下90thGTDではなく、クピャンスク方面に配置されているモスクワ軍管区隷下4thGTDになるのでは?ということです。
ザポリージャ方面からの引き抜きが発生してるみたいなので、他地域からの誘因は成立してます。
問題はドネツク方面からの戦力誘因がまだ確認できてないっぽい事で、ロシア軍として勝ってる方面からは引き抜きたくないとかあるのでしょうか?
停戦/和平交渉見据えての交渉材料ということにしても「それまで維持できるか」「相手が直ぐ取り返せると判断してる場合そもそも材料にならない」というのが難しいところと思います
ドネツク方面からの戦力誘因については、勝っている方面からは引き抜きたくないというのもありそうですが、ニューヨークやトレツク、ウマンスキー周辺、ネベルズケ、クラスノホリフカ辺りの侵攻部隊は南部軍管区隷下ドネツク第1軍団の所属で、これはもともとはDPR所属の部隊がほとんどですからロシア本国へは動かしにくく(地の利を失いそうですし)、ここが動かせないので間にいる中央軍管区の部隊も動かしにくいというロシア側の事情はあるかもしれません。
何もしなければロシアに着実に侵攻されていずれ敗北というのが目に見えていたから、こういった紛れを起こさざる得なかったかなとは思う。
短期的に3ヶ月程度まではなんとか占拠維持できるかもしれないがそれ以降はこの特攻野郎Aチーム作戦はやらないほうが良かったという所に結局は落ち着くのではないかなと思うかな。
クルスク侵攻前🇷🇺頑張れが65🇺🇦頑張れが25
クルスク侵攻後🇷🇺頑張れが70🇺🇦頑張れが140位になっていたので数字の通りであれば🇺🇦支持の方が帰ってきたのかな。
参考になるのでどんな意見あってもいいと思うけど、ここで親露親ウで罵りあっても戦況にはなんの影響も無いと思うので無駄ではと思うかな。
私なんかは勝てないものは勝てないので少しでも良い条件で終戦しかない、よって🇺🇦は無駄なことせずさっさと終戦交渉すべしと思ってたけどもう終戦交渉の芽が当分消えたので無条件降伏か徹底抗戦の2択で徹底抗戦ということなのでこれはまた大変だとは思う、多分私はバリバリの親露ということになるのかな。
あなたは親露でも親ウクライナでもなく、ただ戦況が見えた気になっている人です。
現時点で無条件降伏か徹底抗戦の二択に絞り込むのは愚かな見立てです。
停戦の空気が出てきたところで、逆張りの侵攻するから徹底抗戦か壊滅的敗北の二択に寄るんよ。
その意味でクルスク侵攻は愚策と感じる。
まぁ、正直この数年でもトップレベルの愚策でしょうな。
どう転んでも、ウクライナは生き残るのが難しくなった。
ゼレンスキーやウクライナ上層部、あるいは西側首脳やそれこそウクライナ市民の考えはともかくとして、プーチンやロシア市民はもう普通の意味での「停戦」は望んでいない可能性が高いです。
クルスクにいる住民は当座はロシア政府やプーチンに対しての苛立ちなどを表明するとは思いますが、実はこの作戦はプーチンが常々言っていた「NATOにコントロールされているウクライナは危険である」の証明になっているのです。
この後ウクライナが終始戦術的にも戦略的にも有利に立ち回れるならば別ですが、もしもウクライナ軍が敗退し、ロシアが有利になったら、「もう二度とこんな料簡を起こさないようにするために徹底的にやってくれ、プーチン!」にしかならないと思うのですね。ほぼ必ずこうなります。元々ウクライナに対してシンパシーを感じていた人もいたでしょうが、クルスク住民についてはそういうのは皆無に近くなるでしょう。
戦略的意図が「プーチンに嫌がらせをしたい」とか「東部地域などの交換のためにクルスクを占拠したい」とかだと住民にしてみると絶句するような口実です。西側が喧伝する「実は優しいウクライナ人」では少なくとも彼らに対しては全然無いので。
そういう訳でこれからはウクライナは少なくともクルスク近辺においては「勝ちの山」を築き続けないといけないと思うのですが、それが出来るかどうかです。駄目なら「やらない方がよかった作戦」になるでしょう。
何故かというと「他にもっとやるべきだったはずの作戦はあるから」です。東部守りましょうよ……。
RIAノーボスチの「停戦はありません。ウクライナは存在すべきではない」という昨日の記事の「イイネ」数が現時点で5千を超えていました。 いつもここのサイトを見ていますが、こんな数の「イイネ」を見たことがない(通常はせいぜい3桁)ので、激昂しているロシア人が多そうですね。
あれ、なぜか消されてる?
該当記事を見に行きましたが、かなりイカれた内容ですね。
ウクライナの生存権などまったく考慮だにしないようです。
あれがロシア人の頭の中身なら、そりゃ「世界」と乖離するわな・・・としかのこのこの。
ご指摘ありがとうございます、愚かな見立てなのかもしれないですね参考にさせて頂きます。
尚ご自身はどの様な見立てをされているのか参考までにご享受頂ければ幸いです。
まあ遠くない未来にはクルスク侵攻の結果どのような結末に向かう可能性が高いのかより見えて来るとは思いますので、そこで答え合わせになるとは思いますが。
このサイトのいいねなんか一人で何回も押せるんだからあまり意味ないだろ
ここでよくわからないのはロシア側なんですよねえ
昨今衛星もドローンもあるので兵や兵器が終結した時点でバレます。
ウクライナ側は民間人を装って集まったようですが、車両が集結すればわかります。
実際ロシア側も把握していたというのはロシア側のブロガーなどにも複数上がってますので知らなかったはありえない。
けど全く対応していないんですよね。
兵力規模を見誤ったのかと思ったのですが、そもそも国境警備隊くらいしか対応しておらずむしろ軍は引いていたとも言われているくらい。官僚の縦割りなのかそれとも別の意図があったかです。
ウクライナはロシア国内に紛争を持ち込めたといいますが、ロシア軍もそれを狙っていた可能性もあるんですよね。
ロシア軍は最初から契約兵ではなくて動員を求めています。国内の戦争になれば徴兵した兵士も戦場に送れますし、高額な契約兵に定期契約して長期戦なんてしなくてよくなります。政府は国民に不人気な事はしたくないですが軍は別ですからね。
ウクライナ軍が追加動員を求めウクライナ政府がその金がないと拒否したような事例なのではないかとみているのですよね。
つまり本動員の口実を得るため
あえて引き込んだと
なんだか真珠湾攻撃に似てるね
まだ真珠湾陰謀論とか唱えてる阿呆がいるのか…
陰謀論??そんな事は一言も言ってはいませんが…
アメリカは当時、日本から奇襲があるかもしれないと
諜報部から言われていて
結局現場レベルでは奇襲を受けてしまった。
それが結局アメリカに良い方向に流れてしまっただけのこと
この記事でも言われてますが単純に防御のための配置転換と見誤った可能性が大きいと思いますよ
単に国民を煽りたいだけならこんなに深く引き込む必要はないです
もっと言うと、
「こんな自爆的な自殺手を打ってくるわけがない」
「もし本当にやって来たら、最悪でもなんとかなる」
という判断が働いたんでしょう。
実際問題、相手が想定を大きく超えて愚かな場合、全ての敵の行動に対応することはできません。
もし敵が本当にそんなことをしてきたら、単に殲滅すればいいだけですので。
個人的にクルスク侵攻は戦略的には第大成功でクルスクでウクライナの苦戦が目立つのはギヴィで偵察部隊が全滅したことくらいでスジャもほぼ落ちているし何よりロシアの対応が下手。
しかしもし本当に交渉材料としてウクライナが利用するのであればこの戦争に再び停戦の雰囲気が出てくるまで待たないと行かないわけでそれまでウクライナがクルスクの一部を保持できるかと言われればかなり厳しいと思う。そこらへんウクライナはどういう算段なのだろうか…
その状態を『戦術的に成功』して、『戦略的に失敗』していると言うのでは?
それが言いたかった。
国民士気を考えれば間違いではない
バクチで負け続けても少し最近勝てば勝ってる気分になる
国民士気を考えれば間違いではない
バクチで負け続ければ少しの勝利でも勝ってる気分になる
クルスク戦線の管轄を軍から切り離してSFBに移した、とちらりと報道されていたけど、これはどういうことなのだろう。報道ではクルスク侵攻をテロ扱いして矮小化すようとするプーチンの意図の現れとされていたけど、それだけなのだろうか。
軍の管轄下にある部隊は一般的に考えるならゲラシモフをトップとする参報本部が企画立案しプーチンが裁可した計画に従って動かされる。でもクルスク戦線がSFBの管轄に移されると言うことは、同戦線に限っては参報本部の指揮から切り離されると言うことだろうか。だとすれば参報本部の指揮下にはない戦線が生まれたと言うことで、組織論的にはちょっと驚くような変化じゃあないのだろうか。
仄聞するところによればSFBはKGBの後身で、国家の中の国家とでもいうような強大な内務機関とされている。プーチンがKGB出身なことを考えるなら、これは軍部の権限が大幅に内務機関に委譲された、つまりプーチンがより直接的に掌握する内務機関の権限の拡張と言うことになるんじゃあないだろうか。
スターリンはKGBの前身、内務機関のGPUを動かしてロシア軍の大粛清を行い、その後共産党の政治将校を送り込んで軍を完全に掌握した結果、独ソ戦の初期こそグダグダだったけど、大損害にも拘わらず最後まで軍部に反スターリンの動きは見られなかった。どうもプーチンもスターリンに倣って、内務機関を強化し軍のより完全な掌握を目指しているようないる気がしする。実際、開戦当初はグダグダだったロシア軍の統帥に対するノイズは、特にワグネルの乱の鎮圧後、ほとんど聞こえてこない。表には出てこなかったけど、SFBは乱の鎮圧とブリコジン粛清の時も主体となって動いていたはずだ。内務機関とはそういうものだから。
確実な証拠はないしただの推測でものを言っているから自信があるわけじゃあないのだけど、どうだろうね。
一回だけならtypoかと思いましたが、何度も出てくるので…。
FSBを間違えて覚えていませんか?
GPUもツッコみたかったけど。
失礼、GPUは存在しましたね。
アラほんとだ。ご指摘ありがとう。
オイオイオイ プーチンと交渉なんて有り得ないって散々言ってたのは西側だろ?
ロシアは国民の意見など欠片も尊重しない権威主義国家なんだろ?
ロシア国民に厭戦気分をもたらしたところで大した意味ないでしょ 戦争の行く末を決めるのはプーチン、シロビキ連中
エベレストよりプライドの高いプーチンがメンツ丸つぶれの領土交渉なんて認めるはずない それくらいなら戦争続行して国力の差でウクライナを根負けさせる
結局徹底した防衛線をしくなりして実力で戦争を終わらせる以外に道はない