ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは30日「ロシア軍がリマン方面ゼレベツ川沿い、ポクロウシク方面、クラホヴェ方面で前進した」と報告し、特にクラホヴェ市内や郊外の状況は悪化の一途で、ポクロウシクの東でもロシア軍が再び前進を開始した兆候がある。
参考:Мапу оновлено
参考:Заход ВС РФ на Кураховскую ТЭС, бои за шахты в Дзержинске — сводка за 28 декабря
シェフチェンコやノボトロイツケの時のように防衛ラインの裂け目に発展しないことを祈るしかない
DEEP STATEはスバトボ・リマン方面ゼレベツ川沿いについて「ロシア軍がテルニー集落内で前進した」「ロシア軍がシロカ・バルカ渓谷を制圧した」と、RYBARは「ロシア軍がテルニー東郊外に支配地域を広げた」と報告。
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面について「ロシア軍がヴォズドヴィジェンカ集落内に侵入した」「ロシア軍がシェフチェンコから線路沿いに前進した」「ロシア軍がヴォフコヴェ集落内に侵入した」「ロシア軍がノヴォジェリザヴェティフカ集落内に侵入した」「ウクライナ軍がノヴォジェリザヴェティフカ北郊外でロシア軍を押し戻した」と報告。
ロシア軍はオチェレティネからノヴォオレクサンドリヴカに前進したものの、ヴォズドヴィジェンカ方向ではなく線路沿いにノヴォホロディフカ方向に前進したため、ポクロウシクとコンスタンチノフカを結ぶT-0504は物理的な遮断を免れたが、DEEP STATEは連日「ロシア軍がノヴォオレクサンドリヴカからヴォズドヴィジェンカ方向に前進している」と報告し、遂にロシア軍はヴォズドヴィジェンカ集落内に足場を築いた格好だ。
ここからT-0504がある高地に進まれるとポクロウシクとディミトロフは左右から包囲される格好となるため、シェフチェンコやノボトロイツケの時のように防衛ラインの裂け目に発展しないことを祈るしかない。
DEEP STATEはクラホヴェ・ヴフレダル(南ドネツク)方面について「ロシア軍がC-050951沿いのポケットを占領した」「ロシア軍がシェフチェンコ集落内に侵入した」「ロシア軍がクラホヴェ西市内に向けて前進した」「ロシア軍がクラホヴェ南郊外で前進した」「ロシア軍が貯水湖方向に支配地域を広げた」と報告。
クラホヴェ方向のポケットが縮小し始め、ソンツィフカとスターリ・テルニーの間のポケットが消滅するのも時間の問題で、シェフチェンコを失うとアンドリイフカがいよいよ危なくなり、何処に前進されてもクラホヴェ方面は致命的な状況に陥るだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:53 окрема механізована бригада імені князя Володимира Мономаха
ポクロウシク周辺、東西の街道沿いに薄く引き伸ばされますから、兵力不足の中で苦しいでしょうね。
T409の南に、いくつか高さのある場所がありますから、ここがどういった役割を果たしていくのかも少し気になっています。
クラホヴェ・ヴフレダル方面は、ポケットの掃討を繰り返していますが、兵士・武器・弾薬にどのくらいの損耗がでているのでしょうね…
ウクライナ兵の捕虜が、増えてきているという指摘を見かけましたが、非常にまずい兆候に感じています。
アメリカのグアンタナモ基地も有名ですが、数年単位で帰国できない可能性は現場の士気も下がるでしょうし。
ウクライナ側は、ロシア兵捕虜が不足していて交換するための対価がない、これを見かけたのも気になっています。
追記です。
カタール仲介で捕虜交換があったようです、中東は存在感が増してますね。
(2024年12月30日 ロシアとウクライナが捕虜交換、UAEが仲介 ロイター)
数か月くらい前の露側系のサイトではありますが、
露軍が交換希望人数をウ側に伝えたが、応じられなかったと言う記事を見かけたことがあります。
西側では報道されませんが、否定しないので事実なのでしょうか。
まず露側系サイトって何ですか?スプートニク・RIAノーボスチ・Meduzaとかの名の知れたメディアなのか軍事ブロガーの扱ったネタなのかで全く変ると思いますけどね。
情報サイトは多いので忘れた。
このサイトは、両側の報告をすり合わせて記事を作成されている。
片方によってないので投稿もさせてもらってる。
私にとって大事なのは、最後の1行の事実である。
退却してる側が捕虜を多くとる戦争などありえないと思うので、不思議ではないと思う。
事実について、情報があれば伺いたいのは、こちらの方です。
>事実について、情報があれば伺いたいのは、こちらの方です。
流石に無理筋でしょう?大手なのか数多ある信頼性も微妙なサイトなのかもいつなのかも不明でそんな話しがあったと言われても探れないでしょう。捕虜交換の話は話題性がある話なのでロシア国防省なりの発表ある筈だし、英語で見る限りは今年中止になったのは前半にロシアのドタキャンぐらいの認識。
情報ありがとうございます。
ウクライナが、負傷兵を後送できていない映像が、日本メディアでも流れた事がありまして。
防衛側は、どうしても捕虜が増えやすくなるので仕方ないのですが、特にウクライナの戦術だと増えやすいだろうなと。
南ドネツク攻防戦では、守備側(ウクライナ)の部隊壊滅具合を見ていると、キルレだけでなく捕虜の数が気になってしまいました。
>「ロシア軍がノヴォジェリザヴェティフカ集落内に侵入した」「ウクライナ軍がノヴォジェリザヴェティフカ北郊外でロシア軍を押し戻した」
最初、え?となり、地図を見て、集落北郊外で1.5km押し戻して、集落内を1.2km押し込まれていて余計に混乱した。
これはどういう動きなのだろうか。地図を見直しても、北側が集落を見下ろす高台になっているとかではないように思えるのだが。
他サイトでは地図にあるゼレンポールと言う集落に露軍が襲撃をかけた様な気配があります。
ノヴォジェリザヴェティフカからタラシフカ方面に進み、どこかで504を渡りたいのでしょう。
しかし、t-20周辺に存在と思われるウ軍や504北方にいる部隊から側面攻撃をかけられる恐れがあるので簡単ではないでしょう。
露軍は、アウデ方面からT-20の両側にある集落を北進する部隊がいない様です。
トレツク・シェチェルビニフカ方面を終わらせてからT-20に西進しなければポクロウシクを挟撃する体制を作るのは難しいのでは。
今年一年貴重な情報を提供し続けてくれて本当にありがとうございました
管理人様の 好意で提供されてる情報やコメント欄を拝見させて貰って
勉強になり大変感謝してます
出来れば速い終戦を期待して、戦況などを来年も拝謁させてもらいますので
宜しくお願い致します。皆様が来年もご献体で良いお年を迎えますように。
クルスクも動いてるようでスジャに攻勢を仕掛けてるみたいですね
>出来れば速い終戦を期待して
多分来年の年末も同じ事言ってると思う
とにかくもういろいろな意味で非常に大変な、劇的な変化のあった一年でしたね。
またいろいろウクライナ特集をしている軍事雑誌が新しく出ていましたが、何の反省も、真剣な考察もないような形式的な、内容の乏しい記事ばかりでした。
真剣にウクライナ、あるいは日本のことを考える人であればあるほど、不利な情報から意図的に目を反らすとか、現実から目を背けるというような態度はとらないものだと思います。ここの管理人様の記事、文章には事実を直視しようという真剣な態度が感じられました。
戦場に年末も休みも無いだろうが12月31日の今日はロシアで大切なイベントの新年祭で大統領演説もある。1月7日のクリスマスもあるが記念日にことごとく奇襲を受けるイスラエルみたいな愚は犯さないだろうし記念日を祝えないような状態だと兵士の士気って下がりそうなモンだが一時休戦の話ぐらい出ない物かな。
ロシア軍のドネツク南部進軍に比べればオスキル川東岸の南北分断と南下が
地味だがウクライナ側のドネツク州都スラビャンスクを堕とすには北のリマン
を先に押さえるのが必要だと管理人氏の地図からよく分る
リマンからスリャビャンスクを攻略するのは地形的にはなかなか難しいです
北のイジュームからが一番迫りやすくはありますかね