DEEP STATEとRYBARは「ロシア軍が東部戦線の複数方向で前進した」と報告し、特にリマン方面はポクロウシク方面よりも状況悪化のテンポが早く、ロシア軍はフリアイポレ方面でもウスペニフカ~ポルタフカの東側面、フリアイポレやウスペニフカの背後に回り込む動きを見せている。
参考:Мапу оновлено
参考:Логистика для Донбасса. Почему РФ нацелилась на Купянск и удается ли ВСУ держать город
参考:Хроника специальной военной операции за 19 сентября 2025 года
パイプライン作戦のみでクピャンスクが短期間で陥落するとは考え難いものの、他の動きが出てくると非常に怪しくなる
DEEP STATEはハルキウ州クピャンスク方面について「ロシア軍がクピャンスク市内とオスキル川西岸地域で支配地域を広げた」「市内のグレーゾーンが市議会付近まで伸びた」「ロシア軍が東岸地域でもペトロパブリフカ方向に前進した」と報告していたが、19日「ロシア軍がキンドラシフカ東郊外で支配地域を広げた」と報告し、RBC-Ukraineはクピャンスク方面の状況について以下のように報じている。
“ロシア軍は2024年にライマン・パーシイ付近からオスキル川西岸への渡河に成功した。西岸に上陸したロシア軍兵士はロープを木々に結びつけて川の中に沈め、2人から4人の少人数部隊はいかだ、ボート、タイヤで作った浮き輪で西岸に渡ってノヴォムリンスクを占領した。この時はウクライナ軍の反撃で直ぐにオスキル川へ叩き落されたが、ロシア軍はこの戦術的有効性を認識し、西岸地域への渡河作戦続行と戦術の改良が繰り返された。ウクライナ軍はオスキル川の渡河を試みるロシア軍兵士を積極的に排除したため、西岸に辿り着ける確率はせいぜい1/3の程度だった”
“それでも生き残ったロシア軍兵士は西岸の集落にたどり着いて家屋や地下に隠れ、ロシア軍はホルビフカに到達したことでオスキル川を横断するパイプラインの1つを手に入れた。このタイミングでオスキル川を渡河するロシア軍兵士は減少したものの西岸の戦闘は激しさが増すばかりで、ウクライナ軍はパイプライン経由でロシア軍が西岸に兵士を送り込んでいることに気がついた。ウクライナ軍はオスキル川沿いのパイプラインを攻撃し4本中3本が損傷、残りの1本(ラドキフカ付近に出口があるパイプライン)も爆破することに最近成功したため、ロシア軍は再びオスキル川の渡河を再開した”
DEEP STATEはライマン・パーシイの対岸付近からラドキフカまでのクピャンスク西市内に繋がるロシア軍支配範囲について「特に変化はない=大きくなっていない」と報告してきたが、13日頃から「ロシア軍がキンドラシフカ集落内方向に前進した」「ロシア軍がオスキル川西岸沿いを占領した」「ロシア軍がホルビフカを占領した」「ロシア軍がキンドラシフカ西郊外の森林地帯を占領した」と立て続けに報告しており、ロシア軍はパイプラインによるオスキル川西岸への移動が出来なくなったため、ライマン・パーシイの対岸付近からラドキフカまでの支配地域を広げているのかもしれない。
追記:ウクライナ軍第10軍団も19日「ロシア軍はパイプラインが損傷して浸水したためオスキル川を船で渡ろうとしている」「この試みは大砲、迫撃砲、FPVドローンによってほぼ阻止されている」「ロシア軍はクピャンスクを占領するためラドキフカとホルビフカ近くに戦力を集結させようとしている」と報告、この傾向が事実ならオスキル川西岸におけるロシア軍の作戦コストは高騰することになる。
考えられる今後の展開は「ロシア軍が特有の強み=損害を気にせず現行の戦術で西岸作戦を続行するか」「西岸へのアクセスを見直すためクピャンスク~ドヴォリチナを結ぶP-79沿いで新たな攻勢を試みるか」「クピャンスク攻略に新たな攻勢軸=東岸側からのアプローチを加えるか」で、移動や補給ルートに制限があるライマン・パーシイ経由のアプローチのみでクピャンスクを西側から包囲・占領するのはどう見ても難しく、恐らく別の動きが出てくるだろう。
逆を言えば1本のパイプライン輸送に依存した作戦計画など常識的ではなく、アプローチの奇抜さから「勝利を決定づけた」ともてはやされたとしても、アウディーイウカやスジャで勝利を決定づけたのは通常のアプローチであり「パイプラインの活用」は作戦全体を構成する一端でしかない。
ポクロウシク方面よりもダイナミックな動きを見せるリマン方面、とにかく状況が刻々と悪化している
DEEP STATEはドネツク州リマン方面について19日「ロシア軍がセレドニェ集落内に侵入した」「ロシア軍がシャンドリホラブ南郊外に陣取った」「ロシア軍がノヴォセリフカ集落内にも侵入した」「ロシア軍が樹林帯に沿ってデリーラブ方向に前進した」「ロシア軍がゼレナ・ドリナ周辺で支配地域を広げた」と、RYBARも19日までに「ロシア軍がトルスケを完全に占領した」「ロシア軍がセレブリャンスキー自然保護公園内で支配地域を広げた」「ロシア軍がセレブリャンカ集落内の支配地域を広げた」と報告。
視覚的にもロシア軍兵士がセレブリャンスキー自然保護公園内のドネツ川沿い=ⒶⒷで国旗を掲げる様子が登場、DEEP STATEとRYBARが報告する前線ラインの位置は異なるものの「戦場の推移に関する方向性」はほぼ一致しており、ニトリウス川についてはDEEP STATEがRYBARの評価に追いつき、セレブリャンスキー自然保護公園についてはRYBARがDEEP STATEの評価に追いついた格好だ。
ロシア軍がノヴォセリフカやドロビシェフを制圧して広大な森林地帯に侵入するとリマンの状況が怪しくなるが、個人的には「一進一退だったレブリャンスキー自然保護公園内での戦闘がここまで急速に進展している理由」について関心があり、この理由が今後明かされることに期待している。
フリアイポレ方面の状況は短期的には軽視できても、放置すれば2025年末から2026年に深刻な問題を引き起こす可能性がある
ザポリージャ州の前線ラインは2025年春まで大きな動きはなかったものの、7月に入るとロシア軍がヤンチェクラク川沿いの防衛ラインを突破してカミアンスケを占領、さらにザポリージャ州北東部のフリアイポレ方面でも7月上旬にロシア軍がマリニフカをほぼ制圧し、9月までにロシア軍がドネツク州を越えてドニプロペトロウシク州南東やザポリージャ州北東部に前進してきたため、ザポリージャ州東部の防衛拠点=フリアイポレの東側面が脅かされつつある。
DEEP STATEは動き出したフリアイポレ方面について19日「ロシア軍がノヴォイヴァノフカ南郊外で支配地域を広げた」と、RYBARは「ロシア軍がノヴォイヴァノフカ北郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がノヴォイヴァノフカを占領した」「ロシア軍がポルタフカ南郊外で支配地域を広げた」と報告し、ロシア軍はウスペニフカ~ポルタフカの東側面、フリアイポレやウスペニフカの背後に回り込むO-041404沿いで前進している。
ザポリージャ州北東部は小さな集落と広大な農地で構成されているためフリアイポレ方面の注目度はまだまだ低いものの、ポクロフスケから伸びるP-85の移動に支障を来し始めるとフリアイポレ方面の補給が怪しくなり、これまでロシア軍の前線を許してこなかった南の前線が不安定になりザポリージャ州の状況が一変するかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:93-тя ОМБр Холодний Яр

























スムイは膠着気味、ヴォルチャンシクはロシア軍攻勢、クピャンスクは市街戦突入で川向こうの部隊が包囲の危機、リマン方面ロシア軍止まらず、シベルスク方面ロシア軍前進、コンスタンチノフカ方面郊外で激戦、ポクロウシク方面市街戦突入で北側兵站線巡る激戦、ドニプロ方面ロシア軍止まらず、フリアイポレ方面ロシア軍攻勢、オレホボ方面膠着、カミアンスケ方面ロシア軍前進、膠着させることも難しくなって来ている様に見えるのでウクライナ側非常に厳しいですね、やはり意味不明なクルスク攻勢で大きく戦力失ったのは致命的だった様に思えますね。
クルスク攻勢は、本当に意味不明でした。
(外交マターになっていたため)兵士・武器・資材など、あらゆるリソースが優先的に割かれたわけで、戦争が長期化すればするほどボディーブローのように効いてくるかもしれませんね。
国内士気の確保、ロシア軍を誘因する目的、ロシアの核のレッドラインが高いことを西側へ理解させる、まだまだやれると支援元へのアピール等色々考えられますが最初のピンポンダッシュで兵員装備に大きな損耗無くロシア基地爆破しロシア兵を捕虜としてすぐに帰還出来ていれば個人的には成功した意義のある作戦になったとは思いますが、精鋭送り込んでまでスジャで粘ったのは完全に悪手でロシアが後方で塹壕堀り始めた辺りで即帰還が本来は良かったのではと思います。
自分も仰る通りと思います。
クルスク攻勢、戦争をより長引かせることになる作戦なわけですから、敵地で消耗戦やったのは矛盾してたなと…
西側メディアとSNS総動員して、とにかくウクライナ側が勝っている『雰囲気』出すことに全振りしている政権だから。
『ぜんぜん分からない、俺たちは雰囲気で株をやっている』この有名なネタを思い出しました。
雰囲気、これも仰るように真理なのでしょうね…
ウクライナ軍が◯◯で反撃出来でも✕✕でロシア軍が攻勢するという展開が何度もあるからウクライナ軍が反撃は一切せずにガチガチに守りを固める方が良くないか?と思ったりする
クルスクやクリンキーで消耗してなかったらそれが大正解だったんだけどね…本当になんであんな事したんだろ?
そりゃ結果論と言うか、事後孔明でしょ
反転攻勢を一切せず、ガチガチに守りを固めていたとしても、その時はその時でロシア軍は別の戦略を取っていた筈
将棋だって攻め手の飛車角が無い状態でいくら完璧に穴熊囲いしてても絶対に勝てないし、そんなことしてたらウクライナ軍の士気が保たないでしょ
正面切った戦いで勝てないって割り切れるんだったら、そもそも軍事侵攻を受けた直後に武装解除してキーウを無傷で明け渡すべきだった、というレベルの話になる
それを言うなら、ロシアが攻め込む前年の秋からトルコ製のドローンで東部地域を攻撃したり、ばかすか砲弾を撃ち込まなかったら良かったんじゃね?
てっきり、ウクライナは戦争したいんだと思って、当時の日経新聞の記事とか見てたけどさ。
東部弾圧の激化でロシアが国境線に派兵した時点で、ちょっかい掛けるの止めとけば良かったんよ。
10万人も国境に貼り付けるだけで膨大な金掛かるし、ちょっとしたロシアへの嫌がらせにもなる。
にもかかわらず、東部地域に降らせる鉄量を増やしたから、ロシアも国境を超えざるを得なくなった。
大事なことなので二度言う、客観的に見ていたら、『ウクライナは戦いたかった』としか思えん。
要塞化して立てこもっても、補給路遮断から始めて周囲を徐々に包囲されて結局落とされている例(マリウポリ、バフムト、アウディーイウカ、ウグレダル、クラホヴェなど)が既にいくつも。
攻勢受けた部分のカバーに捻出されて走りまわる部隊が損耗率高すぎて3,4回消滅に値するとか言われるのを見ると本当に腰を落ち着けて守るべきでしょうしそのための2線3線の防衛を構築する必要もあるでしょうね。
バッファー作らないでいるせいで死守して殲滅or撤退して戦線崩壊という2択になっているのがただただ拙い。
ウクライナ新政府がドンバス侵攻で始まった戦争なのに、ロシア参戦したからって守り続けるのは無理じゃない?
そもそも2022年2月のロシアによる侵攻で守り固めてたが1ヶ月でキエフ包囲される→拒否してた停戦交渉しロシアの要求受け入れるから、その為には停戦し住民投票必要だとロシア軍撤退お願いする事になってるし防戦も大して効果無いのでは?(防衛の方がミサイルコスト高くなるし)
セレブリャンスキー自然保護公園ですが、砲爆撃により枯れ木だらけになった映像・ドローンで偵察している映像を見ました。
ロシア軍の戦術変化が影響したのか、ウクライナの兵力不足なのか、突破の理由が気になりますね。
クピャンスク方面クピャンスク市東部の陣地を維持できるのか、クピャンスク市西部の補給が脅かされている中で気になっています。
クピャンスク市東部のウクライナ前線歩兵、敵陣に突出しながら長期間存分に奮闘してきたわけですから、厳しそうならば早めに引いて英気を養ってほしいなと思っています。
リマン方面の森林については、夜間の寒波で冷やしたテントを使って熱探知を避けつつ移動、のような小技への言及は幾つか見た記憶がありますが、大きな要因となりそうなものについてはさっぱりです。
寝がえりだとおもうがな
死亡率が7割の作戦を継続して続けているってのはどうも信じられないんですよね
クリンキーよりも損耗率が激しいのに前進できるのも信じられない
むしろこんな作戦が本当に実行できるならウクライナに勝ち目はないだろうと思ってしまいます
ウクライナでは強制徴兵と脱出禁止して兵数確保してるのに去年時点で50代まで徴兵し前線へ。
今年は徴兵年齢拡大し60歳以上の採用も承認するほど兵数が不足してるから戦闘継続不可能秒読みか?