ウクライナ戦況

平穏でなくなったザポリージャ戦線、ロシア軍が東から西に押し込む状況

2025年春まで大きな動きがなかったザポリージャ州でも頻繁にロシア軍の前進が確認され、特にフリアイポレ方面ではロシア軍の前進が止まらず「東から西に押し込まれている状況」で、ウクライナ軍参謀本部も第17軍団と第20軍団の司令官を解任した。

参考:Хроника специальной военной операции за 16-17 сентября 2025 года
参考:У Генштабі підтвердили, що Сирський звільнив двох командувачів корпусів Сил оборони Важливо

ドニプロペトロウシク州やザポリージャ州の領土損失を理由に第17軍団のシレンコ司令官と第20軍団のキトゥギン司令官を解任

ザポリージャ州の前線ラインは2025年春まで大きな動きはなかったものの、7月に入るとロシア軍がヤンチェクラク川沿いの防衛ラインを突破してカミアンスケを占領し、この方向の戦闘は既にステプノヒルスクやプリモルスキーに移っており、視覚的にもウクライナ軍がステプノヒルスクのアパート地区郊外=でロシア軍兵士を攻撃する様子、ウクライナ軍がステプノヒルスク集落内の住宅地区=でロシア軍兵士を攻撃する様子、ウクライナ軍がプリモルスキー郊外のダーチャ=でロシア軍兵士を攻撃する様子が登場。

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ウクライナ軍はドニエプル川沿いのロシア軍を食い止めていると説明しているものの、参謀本部は「効果的な指導力の欠如によって領土と人員の損失が生じたためザポリージャに駐屯する第17軍団のシレンコ司令官を解任した」と発表しているため、少なくともドニエプル川沿いの状況は想定よりも思わしくないのだろう。

さらに深刻なのはザポリージャ州東部のフリアイポレ方面で、こちらも7月上旬にロシア軍が防衛ラインを突破してマリニフカをほぼ制圧し、9月までにロシア軍がドネツク州を越えてドニプロペトロウシク州南東やザポリージャ州北東部に前進してきたため、ザポリージャ州東部の防衛拠点=フリアイポレの東側面が脅かされつつある。

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DEEP STATEは18日までに「ロシア軍がオブラトネを占領した」「ロシア軍がノヴォイヴァノフカ集落内に侵入した」と、RYBARは「ロシア軍がオブラトネ西郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍がノヴォイヴァノフカ郊外まで支配地域を広げた」「ロシア軍がノヴォミコライウカ方向に支配地域を広げた」「ロシア軍がオルヒフスケからポルタフカ方向に前進している」「ロシア軍がマリニフカ~ポルタフカ~ヴィシュネヴェで囲まれた三角地帯に前進している」と報告。

ロシア軍の意図が何処にあるのは不明だが、RYBARは「ロシア軍はフリアイポレの南に構築された防衛ラインを迂回しようとしている」「ウスペニフカ方向に突破できればP-85経由の移動を妨害できる」と予想しており、ザポリージャ州の前線は守りが固い南から押し上げられているのではなく東から西に押し込まれている状況で、ドニプロペトロウシク州南東やザポリージャ州北東部を西に突き進むロシア軍の動きは全戦場の中で最もテンポが早い。

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因みに参謀本部は「効果的な指導力の欠如によって領土と人員の損失が生じたため第20軍団のキトゥギン司令官(ドネツク州とドニプロペトロウシク州の州境防衛を担当)を解任した」と発表しているため、こちらの状況も想定より思わしくない可能性が高く、DEEP STATEは第17軍団のシレンコ司令官と第20軍団のキトゥギン司令官の解任について「そんなことがあり得るのか?」と述べ「領土損失の原因は別のところにある」と言いたげな様子だ。

追記:RYBARはハルキウ州ボルチャンスク方面について17日「ロシア軍がボルチャンスク市内の駅や工場を占領した」「ロシア軍がボルチャンスク郊外の森林地帯で前進した」と報告した。

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追記:ウクライナ軍がポクロウシク市内のピウデニー 地区でロシア軍を攻撃する様子、ロシア軍兵士がドゥルニャク地区でウクライナ軍兵士を待ち伏せ攻撃する様子が登場

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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

  • コメント (8)

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    • 2025年 9月 18日

    サポリージャ州は正直影が薄くて喪失がニュースになり辛いので、この方面の優先度は低くなってるんじゃないでしょうか?
    ここから兵力を引く抜いてニュースバリューがあるポクロウシクやスーミィ方面に増援を送ってると思います。

    ただいくら影が薄いと言ってもロシアの進撃が止まらないのは問題なので、現地司令官のミスってことでスケープゴートにしたって話な気がします。

    23
    • たむごん
    • 2025年 9月 18日

    現場の司令官だけでは、兵士・武器・資材が足りずに対処できないものもあると思うんですよね…
    両軍ともにですが、独ソ戦で司令官解任が愚行と言われてきたものの、(汚職は論外ですが)現代もそれほど変わらない面もあるのかなと。

    ザポリージャ州東部のフリアイポレ方面、防衛線の想定は南であり南西~南東方向くらいまででしょうから、側面から迂回していく動きがどういった影響を与えるのか気になりますね。

    空爆・FPVドローン・砲撃という面だけ見ても、南側から攻撃が届かなかった場所も、東側からより奥地を狙われるリスクがでてくるからです。

    14
    • ろみ
    • 2025年 9月 18日

    ウクライナ軍の反撃実施に使える機動兵力の大半がポクロウシク北東部に投じられている以上、他戦線は現有戦力だけで2024年のようなジリ貧の防衛戦闘を強いられているのが現状に見えます。
    ポクロウシク北東部のロシア軍が突出部を維持する為に守勢に立たされその戦況も芳しく無い状況に陥っている以上、その判断に間違いは無いのですが結果的に他戦線にしわ寄せが来るのが避けられないのが厳しいですね。
    ただ2024年との違いとしてジリ貧の原因を作っているのがクルスク侵攻の様な曖昧な目的の侵攻作戦ではなく最優先で対応しないといけない戦域で反撃作戦が実施されているからというのが去年よりも遥かにマシと言えます。

    9
    • nk
    • 2025年 9月 18日

    ポクロウシク市内も南側はロシア軍が各所に浸透していて既に市街戦している感じなんでしょうね、ポクロウシク北側ではウクライナ軍が各戦線より引き抜いた部隊でそれなりに反撃に成功してますけどもウクライナ側がジリ貧な事には変わり無く遅かれ早かれポクロウシクは陥落になると思いますが、この稼いだ時間で何を準備出来るかですが正直劇的にロシア軍を粉砕出来ることはもう無さそうですから、どこでしっかり停めれるかに重点置いてもう相当後方で準備行う以外になさそうでしょうか。

    34
      • 匿名
      • 2025年 9月 19日

      ポクロフスク北の突出部もロシア軍の撃滅・押し戻しまでには足りてないし、ロシア側もむしろ他戦線からウクライナ側戦力を誘引する『餌』に利用しているフシがある。

      3
    •  
    • 2025年 9月 18日

    クピャンスクにしろ、リマンにしろ、ポクロフスクにしろ、ザポリージャにしろ、前線位置の在り処がここ最近で急速に非線形化しつつあるのが興味深い
    この変化はロシア軍にドクトリンレベルで大きな改変が行われたようにも見えるし、もしかしたらただウクライナ軍側の偵察能力の低下によって戦場に再び霧が立ち込め始めただけなのかもしれない
    いずれにせよロシア軍はウクライナ軍の支配領域内に広大なグレーゾーンを作り出すことに成功しており、これがウクライナ軍に戦力の投射方向の選択を苦慮させているようには見えるものの、ロシア軍が支払ったコストに見合った戦果をもたらしているのかはよくわからない
    少なくとも最も成功しているグリャイポーレ戦線も戦力集中の制限による突進力の欠如という本戦争の大問題は依然として残っており、これほどまでにウクライナ軍を押し込み続けても連続的な陣地攻略戦という構図は覆せていないのが難しいところだ

    4
    • paxai
    • 2025年 9月 19日

    そういやゲラシモフの定年が5年延長され75歳までやるようで。作戦は下手でも政治力があるのが厄介だなあ。(企業にも時々そういう人いるよねえ。)ウクライナみたいにぽんぽん解任したいわ。まあウクライナもシルスキーの評価は高くないけど。

    2
    • アンゴラ
    • 2025年 10月 30日

    ポクロウシクが落ちたら、次はコンスタンティヌフカ+チャシウ・ヤールで、ドネツィク州は制圧完了ですかね
    ロシア軍の最終目標はドニプロ市だと思っているので、ドネツィク州が落ちたら次はザポリージャ方面の攻撃が激化しそう

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