ロシア国防省は27日「クルスク州二コルスキー解放」を発表、RYBARも「ロシア軍がノヴァヤ・ソロチナの掃討を完了しレベデフカも制圧した」と、DEEP STATEも「ロシア軍が国境を越えてスームィ州ノヴェンケ方向に侵入した」と報告し、クルスク方面は非常に不味い状況となっている。
参考:DEEP STATE
参考:Курское направление: освобождение Никольского и Новой Сорочины, бои в Лебедевке обстановка по состоянию 20:00 27 февраля 2025 года
DEEP STATEとRYBARの評価が一致、ロシア軍がスヴェルドリコヴォからユナキフカ方向の距離を詰めているのは事実
ロシア人ミルブロガーが報告するクルスク方面の動きは非常に激しく、RYBARは25日「ロシア軍の第34独立自動車化狙撃旅団がポグレブキを奪還した」「ロシア軍がオルロフカも奪還した」「ロシア軍がノヴァヤ・ソロチナを攻撃し始めたという情報もあるが裏付けがない」「レベデフカ方向とジュラフカ方向で戦闘が続いている」「ロシア軍がノヴェンケ方向の森林地帯で支配地域を徐々に拡大している」「この方向の作戦目的はユナキフカ~スジャ間の道路遮断だ」と報告。
ロシア国防省も26日「ポグレブキとオルロフカを解放した」と、DEEP STATEも「ポグレブキ、マルエフカ、オルロフカでウクライナ軍が支配的でなくなった=支配地域が後退して3拠点がグレーゾーンに移行」と報告。
RYBARは「ロシア軍がウクライナ軍をクルスクから追い出す取り組みを強化している」「全ての方向でウクライナ軍は後退している」「ロシア軍がノヴァヤ・ソロチナ~スタラヤ・ソロチナ周辺で支配地域を広げた」「ロシア軍が38K-024の東側で支配地域を広げた」「ロシア軍がマラヤ・ロクニャ川沿いまで前進した」「ロシア軍がレベデフカ集落の南郊外で支配地域を広げた」「ロシア軍が38K-004沿いで支配地域を広げた」「ロシア軍がチェルカスカヤ・コノペリカを奪還した」「ロシア軍がチェルカスカヤ・コノペリカ西郊外の森林地帯で支配地域を広げた」と報告していたが、ロシア軍は27日もクルスク方面で成功を収めたらしい。
ロシア国防省は27日「二コルスキー解放」を発表、RYBARも「ノヴァヤ・ソロチナ集落の掃討完了を現地のロシア軍関係者が確認した」「ロシア軍がニコルスキーを占領した」「ロシア軍空挺部隊がレベデフカ集落を制圧した」と報告し、レベデフカについては「ウクライナ軍の反撃が続いているためレベデフカの確実な支配を宣言するのは時期尚早」「レベデフカ喪失はウクライナ軍が38K-024を守る最後の重要拠点を失ったことを意味する」「この補給線に近づけば近づくほど敵の反撃は強まるだろう」と指摘している。
RYBARの報告が事実なら停戦交渉までクルスク占領地を維持したいウクライナにとって厳しい局面だが、何度も指摘してきたようにポグレブキ、マルエフカ、オルロフカを除くRYBARの報告は「ウクライナ側情報源」や「視覚的証拠」によって裏付けられておらず、停戦に向けた動きが加速していることを加味すれば「情報戦の可能性(これ自体が悪いという意味ではなく戦争に情報戦はつきもの)」も否定できないため、やはりロシア視点と異なる情報源の評価が出てくるまで断定的に語るのは危険だ。
果たしてロシア軍はどこまで前進しているのか、ウクライナ軍はクルスク占領地の運命を左右するユナキフカ~スジャ間の道路=H-07~38K-024を守りきれるのか、そもそもクルスク占領地を交渉材料になり得るのか、仮に交渉材料として機能した場合「どのウクライナ占領地と交換するのか」など興味深い点は多いが、個人的には「クルスク占領地をウクライナ占領地と交換するならハルキウ州北東部=リプシ方向やボルチャンスク方向の占領地になるのではないか」と思っている。
さらにロシアは「前線位置に基づく停戦ライン」ではなく「行政境界線で定義されたヘルソン州、ザポリージャ州、ドネツク州、ルハンシク州の割譲」を要求しているため、現時点で要求に含まれていないハルキウ州クピャンスク方面での占領地拡大、ポクロウシク方面、クラホヴェ方面、ヴェリカノボシルカ方面でドニプロペトロウシク州に向かう動きを強化している可能性があり、最終的には「4州割譲」と「割譲に含まれないロシア軍軍占領地域の継続な保持(この部分に主権を要求するのかどうかは不明)」を要求してくるかもしれない。
追記:記事を書き上げる寸前にDEEP STATEの評価が到着、この中で「グレーゾーンがスヴェルドリコヴォ方向から国境を越えてノヴェンケ方向の森林地帯に伸びた」と報告し、グレーゾーンの範囲はRYBARのものとほぼ同じで、DEEP STATEとRYBARの評価が一致したため「ロシア軍がスヴェルドリコヴォから国境を越えて南下し、ユナキフカとの距離を詰めてH-07~38K-024に対する無人機監視とFPVドローンの攻撃効果を強化する狙い」「年内の停戦を想定してクルスク方面の作戦優先度が繰り上がっている」という見方は信憑性が増してきた。
もしレベデフカの支配まで失っていれば「H-07~38K-024」の側面を守るのは野外陣地しかなく、ウクライナ軍にとって相当不味い状況だ。
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※アイキャッチ画像の出典:93-тя ОМБр Холодний Яр
ウクライナ軍にとって相当不味い状況が、既に「ハバネロより辛い種類の辛子ができました」なみの麻痺感。
ゲラシモフ「ジョルキア作戦の破壊力とくと味わうがいい」
クルスク方面から戦力引き抜いた分だけ、ポクロフスクやトレツク方面で抵抗できてる感じ?
トレツクやポクロウシクの方でウクライナが反撃しているとの情報もあるのでやはりクルスクから兵を抜いたのですかね?
ロシア側が兵力を増やしたのもあるのでしょうが前線の推移がかなり激しい気もします。
「やってる手段は意味不明だが、やりたいことは一目瞭然。」
「やってる手段は一目瞭然だが、やりたいことは意味不明。」
やはり同じ土俵で戦うのは無理がありそうですね
GDP比較が目を曇らせがちですが、ロシアは思っていた以上に巨大でしたね。
よく韓国と同じGDPとか言われてたが、米経済圏の末端と独自経済圏の中心では同じ数値でも意味が全く違うと10年前から言い続けてたのに…
産業別GDPに分解すると明確にロシアが上だったり最先端機器を作れないと言っても2000年初頭の製品は普通に作れたりで相手がファミコンすら作れないと馬鹿にしていたらPS3出してきた程度には彼我の差がないことがばれてきましたからね。しかも軍事産業ほど枯れた技術が横行する分野でのそれは実質技術差など零ということに気づくのが遅すぎた。
所詮は使い捨ての消耗品なんだから、多少旧式でも使い古した技術の方が信頼性高くて安上がりだし数揃えられる方が理想なのは兵器あるある。
kyivindependentによると、クルスクの補給状況がここ2週間くらいで急激に悪化したとのことです
スヴェルドリコヴォ周辺の制圧が始まった時期と合致するので、H-07~38K-004のラインの妨害の効果がでているのかと
また、スームィ奥地までの偵察やイスカンデルが使用された映像が今月に入って相当数でています
FABも多様されており、それに対応してウクライナ側がS-300を前線近くまでだしており、その撃破画像も連日みられます
停戦を見据えて本気でクルスク奪還に動き出したのかもしれません
北朝鮮軍向けの接待作戦がようやくおわり、いよいよ本番に取り掛かる。
しかし、常にロシア軍は攻め口をバカに広く数多くとるよね。戦争は数ということか。
戦力の集中による迅速な突破を図るよりも広正面攻撃の方が敵の対応力の分散を強いて結果的に成功に繋がるというのはWW2の頃には既に赤軍の攻撃理論の中心になっていた概念です
さらにそこから非接触会戦の理論が発展しドローンによる戦場認識力をもたらされた現代の戦場においては、戦力の集中はウクライナの南部攻勢におけるロボティネ正面のようにあらゆる方向の縦深のいたるところから火力を集中され、容易に撃破され攻撃の成功は望めません
別に絶対数で圧倒しているから攻め口を広く取っているというわけではありません
この素晴らしい模範的コメントについて詳しく知りたい場合は次の論稿がオススメです
「ウクライナにおけるロシアの戦争のやり方:90年に渡る軍事的アプローチ オランダ戦史研究所 ランディ・ヌーマン 2023/6/15」
数で圧倒するのはこれに限らず戦争の基本中の基本の一つですし。3年前にウクライナ側が優勢だったのも単純にウクライナ軍60万人VSロシア軍20万人でウクライナ側のが投入兵力の頭数が多かったのが一番大きい。
プーチンが前に「クルスクは既に包囲されている」って言ったのはこういう事だったと思うんですよ。
つまり、38K-024などの連絡線を何時でも叩ききれる準備は既に整った、っていう。
これなら見かけ上は包囲されてる事になってないかもしれませんが、実際はどこにも逃走路がないので完全に包囲されてるのと同じです。
相変わらずまともに受け取らないウクライナと西側諸国の殆どの指導者達ってのは面白いです。
全部がうまく行かないのは当たり前でしょうね。
希望的観測でばかり動いてる人ばかりですから。
そういう意味ではトランプがあれこれ放言しつつ、とにかく停戦って言っているのはやっぱり彼の方が現実や実相に近い所でものを見ていると感じる所です。
停戦ラインがズルズル下がるのはもう避けられないと思いますね。
それとこれとは話違いますが、英国やフランスの平和維持部隊とかロシアが認める訳じゃないじゃないですか。そういう名目で彼等が何をやり出すか知れたものではありません。
そしてつまり、あれらを出したいって言っている事自体が、物事を混乱させ、つまり交渉が長引き、ウクライナは退くしか無いって事です。
交戦していないだけでウクライナの兵器工場として機能していた連中が中立を装って支援平和維持軍を名乗ろうなどとどういう神経をしているんでしょうね
厚顔無恥なのでそんなことが言えるんです。いまだに不思議なのは、ヨーロッパは自分たちが支援するウクライナが負けたという事実(全領土奪還は不可能)をどう受け止めてるんだろう?ということです。
負けを認められないので、進歩がない。という結論がシンプルですが、、、、
イギリスとフランスは、エジプトが国有化したスエズ運河を実効支配して取り戻す為に「戦力引き離し軍」として進駐する名目を得ようと、イスラエルに大量の兵器を与えて1956年にエジプトとの間に第二次中東戦争を起こさせましたが、
今のウクライナに両国が軍隊を出張らせて、いったい何を得たいんですかねぇ?
いつまでもロシアに戦争させる為?
両国とも政治経済的にガタついている状態の上に、耐久力ではロシアには到底勝てずに派兵した負担に先に耐えられなくなって脱落するのは目に見えているのに。
先史に残る失敗として、クルスク侵攻は記録される際どい情勢ですね。
クルスク突出部の最北端は、撤収を始めないのでしょうか?
最北端は、それとも粘って遅滞できるのでしょうか?
川を盾に亀のように篭もるしかない、補給は脅かされて先はない
引けばスジャも危うくなる、増援は(おそらく)ない……
もうヴェリカノボルシカの再来にしか見えないんですよね
そのヴェリカノボルシカもn回目なんですが
独ソ戦・ウクライナ戦線の戦訓は、突出部は攻撃して幅を増やす・後退して戦線整理する、この二択なのですがこれまでどちらも中途半端にやっている気がします。
仰るような状況を見ると、死守命令以外に、何かなければ苦しいものを感じますね…
マラヤ=スジャ間には道路2本と線路1本。
本当にニコルスキーを奪われたのならそのうち2本が使えない。
マラヤ方面のウ軍は、しんがりしながら北から全力でニコルスキー奪還に向かうはずですね。
どれくらいの車両や兵が残ってるのか知りませんが、線路に側道は無いようなので、歩兵は両側の森林を徒歩で向かうしかないですね。
数キロくらいなので、マラヤ方面の全軍でやれば奪還可能じゃないですか。
スジャ方面からはレべデフカの奪還に向かうはずです。
でなければロクニャにいるも部隊は半包囲に陥る。
レオニドボ・アレクサンドリア、そしてスヴェルドリコにハイマースでも何でも打ち込み続けないと次々と増援部隊が来る。
クルスク~スジャ方面、天王山の1つになりそうですね。
火力発揚も可能な限り行うのも仰る通りでしょうから、火砲・弾薬の在庫・予備部隊や余力がどの程度あるのか、1つのメルクマールとして興味深く感じています。
うーん昨今のポクロフスクよりクルスクを優先している動きを見ると年内停戦を見据えているという話も正しいのかもしれませんね
個人的にはロシア軍が限界に近づきつつあるウクライナ軍を粉砕するところが見たかったのですが
しかし結局北朝鮮兵なんているんですかね?
ウクライナ側が出してくる証拠はどれも怪しいものばかりですが
真偽は不明ですが、38K-024とされる道路上に多数の車輌の残骸が確認できる動画や、有線ドローンで道路上の車輌を攻撃している動画が出回っているので、もう38K-024は事実上の遮断状態なのかもしれません
これが事実であるなら、クルスク占領地全体で補給がほぼ遮断されている事になるので向こう一ヶ月ぐらいで継戦能力が無くなる可能性が高いですね
どうすんのこれ
マラヤ・ロクニャ川を盾にするしかなくなってしまった北西側での戦線の動きから察するに
スジャ〜マラヤ・ロクニャ間の38K-024における映像ではないでしょうか?
もちろんユナキフカ〜スジャを結ぶH-07・38K-024も早晩そうなる可能性が高いですが……
むしろ今までやってなかったのが疑問だったくらい
補給路の問題なのかな?ロシアからしても僻地であるし
なるほど管理人さんの推測で現在のロシアの動きを説明できますね
さて、将棋では歩を進めると次はその歩が取られるわけですが
ロシアによる「絶対クルスク取り戻す攻勢作戦発動」の一手を指しました
その次のウクライナの一手やいかになるでしょうか
トランプとの交渉に忙殺され、時間切れで手番消滅、ロシアの手番へ移行に一票。